JPS606570Y2 - 内燃機関における潤滑ポンプ駆動系統の給油装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関における潤滑ポンプ駆動系統の給油装
置に関し、該系統における中間歯車軸受部の異常摩耗、
焼付等を防止するものである。

ところで、内燃機関においてクランク軸により潤滑ポン
プを駆動する場合、ポンプをフレームに取り付けたブラ
ケットに固着すると共に、該ブラケットに軸承された中
間歯車を介して駆動する構成が通例であり、その場合に
該中間歯車の軸受部に対する給油はブラケットに形成さ
れたポンプ吐出通路から一部の吐出油を分岐させて供給
するようになされている。

然るにこの吐出油はフィルターを通過していないから多
量の夾雑物を含んでおり、そのため中間歯車の軸受部に
おいては軸受ブツシュの損傷、異常摩耗或は焼付等のト
ラブルを生じるのである。

本考案はこのような実情に鑑みてなされたもので、ブラ
ケットに固着された潤滑ポンプを同じくブラケットに軸
承された中間歯車を介してクランク軸により駆動する潤
滑ポンプの駆動系統において、ブラケットの後方に位置
するクランク軸主軸受キャップに該主軸受に供給される
潤滑油の一部をブラケット側に噴出させる噴油孔を設け
ると共に、該ブラケット側においては上記噴油孔に対向
して開口する導入口を有し且つ中間歯車の軸受部に通ず
る油路を形成し、これによりクランク軸主軸受に供給さ
れる潤滑油、即ちフィルターを通過した夾雑物の少い潤
滑油の一部を中間歯車の軸受部に供給するようにして、
核部における軸受ブツシュの損傷、異常摩耗、焼付等を
防止するようにしたものである。

以下これを図に示す実施例により説明すると、１はクラ
ンク軸、２は該軸の端部における主軸受で、該軸受の上
半分はフレーム３に形成され且つ下半分は該フレームに
固着された主軸受キャップ４により形成されていると共
に、フレームには該主軸受に対する給油路５が形成され
ている。

６はフレーム３に取り付けられたポンプブラケット、７
は該ブラケットに固着された潤滑ポンプで、該ポンプは
上記クランク軸１により該軸上の駆動歯車８、ブラケッ
トの前面に軸承された中間歯車９及び該ポンプの回転軸
に固着された被動歯車１０を介して駆動せしめられる。

１１は上記中間歯車９の軸で、ブラケット６に対してピ
ン１２により位置決めされていると共にボルト１３によ
り固着されており、また１４は該軸と中間歯車の軸受部
に装着されたブツシュ、１５は該歯車の脱落を防止する
押え板であり、更に１６は潤滑ポンプの吸入管、１７は
歯車カバー、１８はオイルパンである。

然して上記ブラケット６の後方に位置するクランク軸主
軸受キャップ４には該主軸受に形成された円周ｉ２ａを
介して給油路５に連通し且つ前方のブラケット６側に開
口する噴油孔１９が形成されており、またブラケット側
においては上記中間歯車軸１１の位置決め用ピン１２が
中空状とされ、該中空部１２ａのブラケット後面におけ
る開口部が上記噴油孔１９に対向する噴出油の導入口２
０ａとされていると共に、該中空部及び中間歯車軸１１
に形成された通孔１１ａ１凹部１１ｂ１通孔１１ｃによ
り、上記導入口から中間歯車９の軸受部におけるブツシ
ュ１４の内面に至る油路２０が形成されている。

ここで、該油路の導入口は噴油孔との位置関係により直
接ブラケットに形成してもよい。

上記の構成によれば、クランク軸１により歯車８．９．
１０を介して駆動される潤滑ポンプ７の吐出油は、図示
しないフィルターを経て潤滑系統により機関各部に供給
され、その一部がフレーム３に形成された給油路５によ
り主軸受２に供給されるのであるが、該主軸受に供給さ
れた潤滑油の一部は更に主軸受キャップ４における噴油
孔１９に流入して前方のポンプブラケット６側に噴出せ
しめられるのである。

然して該ブラケット及び該ブラケットに固着された中間
歯車軸１１には上記噴油孔１９に対向して開口する導入
口２０ａを有し且つ中間歯車９の軸受部に通ずる油路２
０が形成されているから、噴油孔から噴出された潤滑油
は該油路により中間歯車の軸受部に供給されることにな
り、その場合にこの潤滑油は潤滑系統においてフィルタ
ーを通過しているからゴミ等の夾雑物が少な（、これに
より該軸受部はブツシュ１４の損傷、異常摩耗、焼付等
を生じることなく、良好に潤滑されることになるのであ
る。

以上のように本考案は、ブラケットに固着された潤滑ポ
ンプをクランク軸により同じくブラケットに軸承された
中間歯車を介して駆動する潤滑ポンプの駆動系統におい
て、上記ブラケットの後方に位置するクランク軸主軸受
キャップに該主軸受に供給される潤滑油の一部をブラケ
ット側に噴出する噴油孔を形成すると共に、該ブラケッ
ト側においては上記噴油孔に対向して開口する導入口を
有し且つ中間歯車の軸受部に至る油路を形成する構成と
したことにより、クランク軸主軸受に供給されるフィル
ターを通過した潤滑油により中間歯車の軸受部が潤滑さ
れることになり、これにより従来におけるフィルターを
通過する前の夾雑物の多いポンプ吐出油で潤滑していた
場合における該軸受部の損傷、異常摩耗或は焼付等が防
止され、該中間歯車軸受部が良好に潤滑されるようにな
る効果を奏するのである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案給油装置の実施例を示す要部縦断側面図であ
る。 １はクランク軸、２は主軸受、４は主軸受キャップ、５
は給油路、６はブラケット、７は潤滑ポンプ、９は中間
歯車、１１は中間歯車軸、１９は噴油孔、２０は油路、
２０ａは導入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブラケットに固着された潤滑ポンプを同じくブラケット
   に軸承された中間歯車を介してクランク軸により駆動す
   る構成において、ブラケットの後方に位置するクランク
   軸主軸受キャップに該主軸受に供給される潤滑油の一部
   をブラケット側に噴出する噴油孔を設けると共に、該ブ
   ラケット側においては上記噴油孔に対向して開口する導
   入口を有し且つ中間歯車の軸受部に通ずる油路を形成し
   たことを特徴とする内燃機関における潤滑ポンプ駆動系
   統の給油装置。