JPS6058077B2 - オ−トバイのフロントフオ−ク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、オートバイに制動をかけると慣性で搭乗者の
体重がハンドルに加えられ、これが沈み込むのを防止す
るフロントフォークに関するものである。

オートバイの走行中に制動をかけると慣性で搭乗者の体
重がハンドルに加えられ、これが沈み込むために操縦の
安定性が損われる。

本発明は、このようなハンドルの沈み込みを防止し、か
つその状態で路面から衝撃を受けたときは緩衝作用を維
持し得ると共に応答性が良好で、しかも制御機構の油と
緩衝機構の油とを確実に分離し得るプロットフォークを
提供するものである。

以下本発明の一実施例を図面により詳細に説明する。図
は本発明フロントフォークの一実施例を示す要部の縦断
面図で、上端をオートバイのハンドルに取付けたフォー
クパイプ１の下部をボトムケース２の内側に摺動自在に
嵌合し、かつボトムケース２の底面に植設したシートパ
イプ３の上端を前記フォークパイプ１の内側に摺動自在
に嵌合してシートパイプ３上の上端とフォークパイプ１
の上部との間に車体懸架ばね４を張架してある。

この”ボトムケース２内には油を充填してあり、下端の
取付孔５を前輪の軸を結着するもので、上端にはオイル
シール６を設けてある。また、フォークパイプ１の下端
には逆止弁７を設け、シートパイプ３の上部にオリフィ
ス８を形成すると共にｏリン・グ９を嵌合したオイルロ
ックピース１０をパイプ３の下端に嵌合して該パイプ３
の下部並びにオイルロックピース１０に油孔１１、１２
を形成し、かつ該ピース１０の上端に皿ばね１３て押さ
れた環状の逆止弁１４を設けてある。更にＯリング１５
，１６を介してボトムケース２の側部に取外し可能に取
付けたアタッチメント１７に、前記シートバイブ３の内
外の油室を連絡する油路１８を形成して、その上部をボ
トムケース２に穿孔した油孔１９を介してシートバイブ
３の外側に連結し、下部を同じくボトムケース２に穿孔
した油孔２０と前記油孔１１，１２を介して該バイブ３
の内側に連結してある。このボトムケース２に穿孔した
油孔１９，２０には、それぞれ重なり合わない流路を備
えた第１の板部材２１と第２の板部材２１″とから成る
開閉弁を埋設し、第１の板部材２１をボトムケース２の
油孔内に設けたばね２１ｂにより第２の板部材２「側へ
付勢せしめると共に、第２の板部材２「の流路を貫通し
、前記ボトムケース２の外周面より突出する脚部２１ａ
を突設して成るものである。そしてアタッチメント１７
の取付け時には、第１の板部材２１の脚部２１ａを前記
ばね２１ｂに抗してアタッチメント１７の対向する取付
面で押圧して第２の板部材２１″との流路を連通し、ま
たアタッチメント１７の取外し時には、第１の板部材２
１がばね２１ｂにより押圧されて第２の板部材２「の流
路を閉じるようになるものである。一方、油路１８に中
心に流路を備えた弁座２２を摺動自在に嵌合し、該弁座
２２はＯリング２３を有する底蓋２４との間に張架され
たばね２５により上向きに付勢してある。

また、下端に弁２６を有し上記弁座２２との間に張架さ
れた比較的弱いばね２８によつて上向きに付勢されたピ
ストン．２７が摺動自在に嵌合され、また上記ピストン
２７に油路１８の油か漏洩することを防止するための０
リング２９を嵌合してある。更に、ピストン２７の上端
は油室３０と連結し、この油室３０はオートバイの油圧
制動機構に連結された油送管．（図示せず）と連結する
。また図示しないが油室３０には空気抜き用の栓を有す
る。なお３１はドレーン孔である。上述のフロントフォ
ークにおいて、常時は油圧制動機構に連結された図示し
ない油導管における・制動用の油圧が低いためにピスト
ン２７がばね２８に押されて弁座２２から離隔し、油路
１８が開放している。

従つて路面から受ける衝撃でフォークバイブ１が下方へ
移動すると逆止弁７が上昇し、該バイブの下部の油が弁
７の上面に形成した半径方向の凹溝を通つて、その上部
へ移動すると共に前記油路１８を通つてシートバイブ３
の内部へ流入し、更に該バイブを通つてその上部へ流出
する。このため比較的小さい減衰力によつてフロントフ
ォークは容易に圧縮される。次に、そのフォークがばね
４の力で伸長し始めると逆止弁７が図のように閉じるか
らフォークバイブ１の下部とシートバイブ３の上部との
間の油ノがオリフィス８から該シートバイブの内部へ噴
出して大きな減衰力が発生し、かつ弁１４が上昇するか
ら油孔１１を通つてフォークバイブ１の下部へ油が補給
される。

また図の状態で走行中に制動をかけると、その制動機構
の油圧が上昇し、該油・圧が油導管を介して油室３０に
伝達される。従つて、その油圧によつてピストン２７が
図の下方へ移動し、ばね２８が圧縮されてピストン２７
の弁２６が弁座２２に圧接するから、油路１８が閉じら
れる。このため搭乗者の慣性によつてハンドル“に加わ
る荷重でフォークバイブ１が下方へ移動すると、該バイ
ブの下部の油が逆止弁７の上面の溝を通つてその上部へ
移動すると共に油の中へ侵入したフォークバイブの体積
に相当する油はオリフィス８からシートバイブ３の内部
へ噴出する。即ち極めて大きな減衰力が発生するからフ
ロントフォークの圧縮が阻止されてハンドルの沈み込み
が防止され、安定な操縦性を維持することができる。か
つこの状態で路面から衝撃を受けると、フォークバイブ
に更に荷重が加わつて、その下部の油圧が著しく上昇す
るために、弁座２２がばね２５の弾力に抗して下降し、
弁２６と該弁座との間に間隙ができる。即ち、油路１８
が開放するから、シートバイブ３の外側の油がこの油路
１８及び油孔２０，１２，１１を通つてその内側へ移動
し、フォークバイブ１が比較的容易に圧縮されて、前記
衝撃を吸収する。また上昇行程では弁１４が開いてフォ
ークバイブ１の下部へ油が容易に補給されるから路面の
凹凸による衝撃に対しては有効に緩衝作用が得られる。
以上実施例について説明したように、本発明のフロント
フォークは制動をかけた場合におけるハンドルの沈み込
みを防止して、しかもその状態で路面から受ける衝撃に
対しては有効に緩衝作用を維持する。

かつ制動機構の油圧を利用してハンドルの沈み込みを防
止するから、応答性が高く確実に動作する。またフロン
トフォークの油と制動機構の油とは完全に分離され、そ
の上フロントフォークとアタッチメントは取外しが自由
で、かつそれぞれの作動油が洩れ出ることもなく、従つ
て保守・整備などの作業性が優れている等の効果がある
。

【図面の簡単な説明】

図は本発明フロントフォークの一実施例を示す縦断面図
てある。 １・・・・・フォークバイブ、２・・・・・・ボトムケ
ース、３・・・・・ウートパイプ、４・・・・・・車体
懸架ばね、７・・・・・・逆止弁、８・・・・・オリフ
ィス、１０・・・・・・オイルロックピース、１１，１
２・・・・・油孔、１４・・・・・弁、１７・・・・ア
タッチメント、１８・・・・油路、１９，２０・・・・
・油孔、２１・・・・・開閉板、２１ａ・・・・・・足
、２２・・・・・・弁座、２４・・・・・・底蓋、２６
・・・・・・弁、２７・・・ゼストン、３０・・・・・
・油室。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ フォークパイプをボトムケースに摺動自在に嵌合し
   、該ボトムケースの底面に植設したシートパイプの上端
   を上記フォークパイプの内側に嵌合し、ボトムケースの
   側部にアタッチメントを取外し可能に取付けると共に、
   前記シートパイプの内外の油室を連絡する油路を前記ボ
   トムケースの一対の油孔とアタッチメント内の油路とに
   より形成し、制動時に油室間を連絡する油路を弁機構に
   介して閉塞するようにしたオートバイのフロントフォー
   クにおいて、前記ボトムケースの各油孔に、それぞれ重
   なり合わない流路を備えた第１の板部材と第２の板部材
   とを埋設し、第１の板部材をボトムケースの各油孔内に
   設けたばねにより第２の板部材側へ付勢せしめると共に
   、第２の板部材の流路を貫通して前記ボトムケースの外
   周面より突出する脚部を突設し、前記、アタッチメント
   の取付け時にのみ、第１の板部材の脚部を前記ばねに抗
   してアタッチメントの対向する取付面により押圧して第
   １の板部材と第２の板部材との流路を連通し、アタッチ
   メントの取外し時に、第１の板部材が前記ばねにより押
   圧されて第２の板部材の流路を閉じるように構成したこ
   とを特徴とするオートバイのフロントフォーク。