JPS6057948B2 - 抵抗溶接用点溶接機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、とくに小形部品の精密溶接のための抵抗溶接
用の点溶接機構に関する。

この点溶接機構は、機構支持体と、この機構支持体に接
して案内される送り台と、溶接電極を保持しかつばね力
下にある電極台とから構成され、その電極台は送り台内
において転動案内される。精密溶接では工作物上に立て
られる溶接電極を精確に定められた押圧力で工作物に向
けて導くことができることが重要である。

とくに工作物に対して電極を押しつける場合、場合によ
つては溶接箇所で電極尖端のずれを生じさせることのあ
る回転モーメントの発生を避けなければならない。ずれ
もしくは工作物に押しつけるときの電極尖端の僅かなね
じれは、溶接電流パルスの釈放時に有効断面の変化によ
り通電中溶接すべき工作物部分の溶接箇所における加熱
が不均一となるという結果を招く。また、電極尖端のず
れによつて工作物部分相互のずれが生じるおそれもある
。本発明の目的は、上述の従来技術から出発して電極を
工作物に押しつけるときの回転モーメントの発生を避け
るという要求を満たす精密溶接用点溶接機構を提供する
ことにある。

さらに本発明の目的は、構造上の処置により電極を次の
ように電．極台に保持すること、すなわち多数の溶接機
構を使用するときに多数の溶接点がほとんどすきまなく
並んで配置されるように保持することにある。さらに、
溶接機構を空気圧式もしくは液圧式または電気式駆動か
ら手動駆動に簡単に切換えること！ができ、そして電極
に与えられるべき力を速やかに設定でき、また場合によ
つては構成ユニットとして製作の自動化ができるように
しようとするものである。上記の目的は本発明によれば
、次のＡ，ｂ，ｃ・の如くなすことによつて達成される
。

ａ電極台は溶接電極締め具として形成され、ｂ電極に力
を与えるのに役立つばねは電極台内で支持されしかも電
極台の外部から調整可能であり、ｃ電極台および送り台
はボールベアリングレールにて案内される。

電極が電極台内に保持され、したがつて電極台自体が電
極保持体であることにより、工作物に電極を立てたとき
に電極台上での回転モーメントをほとんど完全に避ける
ことができる。

電極に力を与えるのに役立つばねも、作用力と反作用力
との間の回転モーメントができるだけ小さくなるよう川
こ電極台内におかれている。ばねにより生せしめられる
力ができるだけ摩擦なしに電極および工作物に伝達させ
るようにするために、電極台および送り台はボールベア
リングレールにて案内される。このようにして送り台の
所定の行程と所定の・ばね力において工作物に対する電
極の押圧力を定めることができる。電極に力を与えるの
に役立つばねは、調整ピンによりばね端に抗して作用す
る玉軸受の介在下で圧縮可能であるようにするのが好ま
しい。

かかる“玉軸受を使用することによつてばねのねじれを
避けることができる。外部から接近できる調整ピンには
送り台に固定された目盛保持体と共働する指示ヘッドが
固定される。電極台は電極と反対側に開孔を有する。こ
の孔には圧縮ばねが挿入される。したがつて圧縮ばねは
簡単に交換できるし、もしくは別のばね特性を有するば
ねと交換できる。これに応じて送り台における目盛保持
体も交換可能である。簡単な手段にて手動て機構をある
押圧力範囲から別の押圧力範囲に変更することができる
。溶接電極の軸方向の外側稜は電極を保持する電極台の
締め具の外部に置かれる。この外側稜は行程面に平行に
置かれた機構の外部輪部面内において案内される。それ
によつて、２つの同じではあるが互いに鏡像的に配置構
成された溶接機構を使用する場合に溶接点がほとんど接
触するように電極が互いにすぐ隣り合わせで工作物へ向
けて案内されることが保証される。送り台の上部端面に
は板または接目板によつて覆われた環状の凹部が設けら
れる。この凹部にはとくに棒リンクが支持される。上記
板はこの凹部に空気圧、液圧または手動で動作する操作
機構に付属した棒が挿入できるように取り外せるように
なつている。以下、図面を参照しながら本発明を更に詳
細に説明する。第１図は保護カバーをはずした状態の点
溶接機構を正面図で示し、第２図は同じ点溶接機構の■
−■断面図である。

機構支持体１において送り台２がスライダとして上下方
向に運動可能に支持されている。

この送り台２内において電極台４が同様に上下方向に転
動案内される。電極台４は溶接電極６を保持するための
締め具５を持つている。この実施例では操作機構７がピ
ストンシリンダからなり、このピストン棒８はリンク９
を介して送り台２の凹部１０において支持されている。
蓋板１１はここでは図示されていないねじ止めにより送
り台２に取り付けられ、凹部１０を覆つている。送り台
２の別の凹部１２内には蓋板１１を通してねじボルト１
３が案内され、このねじボルトのねじ山１４にはピスト
ン棒８もしくは送り台２の行程量を調整するナット１５
が支持されている。機構支持体１の蓋板１７内に設けら
れたストッパピン１６は電極台４のための上限ストッパ
として役立つ。送り台２と結合している押圧部材２″は
ねじの形になつている調整ピン１８を保持している。こ
の調整ピン１８の端部１９には圧縮ばね２１に対抗する
スラスト玉軸受２０が固定されている。圧縮ばね２１は
電極台の収容孔２２内に装着されていて、ここで皿２３
に抗して支持されている。工作物２４へ向けての電極６
の移動は送り台２により行われる。この送り台２の前進
移動時に圧縮ばね２１が働く。調整ピン１８は測定マー
ク２５を備えたヘッド２６を保持しており、このヘッド
が送り台２と結合している測定目盛２７と共同して働く
。所望の押圧力は調整ピン１８により調整することがで
きる。送り台２内には無接触動作するスイッチ２８があ
り、このスイッチのセンサ２９は電極台４と結合してい
る凸部３０がセンサ２９と対面したとき働く。

このとき信号線３１を介して溶接電流を釈放するスイッ
チングパルスが生じる。信号線は差込み接続部を介して
機構支持体１の蓋板１７を通して案内されている。とく
に第１図から明らかなように、電極台４（電極６を締め
付け固定し、非常に短い行程しか移動しない部品）が送
り台２（とくに調整可能な長い行程を移動する構造部品
）の中に、および送り台２が機構支持体３（組立ユニッ
ト１）の中にそれぞれボールベアリングレール３５，３
３によつて支持されている。

このボールベアリングレールは一般に市販されている。
かかるボールベアリングレールにおいて知られているよ
うに、ボールは断面三角形のみぞ３４の中を走行する。
所定の行程量において、それぞれボール保持器３２″な
いし３３″の進み行程は周知のようにその行程量の半分
に相当している。その間にボール保持器はその質量慣性
モーメントによつて僅かな距離だけ追走できる。ボール
保持器３２″，３３″はボール間を機械的に等間隔に隔
てているが、その運動経過においてユニット（ボール＋
保持器）として追走できる。ボール保持器がその都度出
発位置に戻されるようにするために（これはさもなけれ
ばボールが何度もの追走後にガイドみぞおよびボール保
持器から脱落するので必要である）、電極台４のボール
ベアリングレール３５はストッパ板３６を備えられてい
る。ストッパ板３６は復帰行程時にストッパピン１６に
よつて案内されてボール保持器を戻す。対応したストッ
パ板３７は送り台２のところにある。このストッパ板３
７もボールが脱落できないようにする。ストッパ板３７
はまた作用行程中において常に必要である送り台運動の
継続を妨げる。溶接電極６は、その外側稜３８が機構の
行程面３９内で移動し、しかもこの稜が機構の外側の輪
部線となるように電極台４の締め具５内に保持されてい
る。

第３図は第１図および第２図に従がつて構成さ”れかつ
鏡像的に互いに向かい合わせに配置された２つの点溶接
機構を示す。

この実施例では、両機構はそれぞれ保護カバー４０，４
『により覆われている。図示のように両溶接機構４１，
４「は溶接電極６，６″の縦線３８，３『がほとんど一
接触するくらいに接近して置くことができる。これによ
つて、２つの溶接点をそれらの溶接のかたまり部分が接
触するかまたは重なり合うこともできるように近接して
置くことができる。溶接機構を手動運転に切り換えたい
場合には、ノカバー板１７がはずされ、そして蓋板１１
がはずされる。

ここで、棒８の代りに同じような形をしてはいるが手動
駆動装置に連結されている操作棒が凹部１０に挿入され
、その上に蓋板およびカバー板が置かれる。機構支持体
１は、機構をその支持体に固定するための貫通孔４３を
設けられている平らな取り付け面４２を有する。

溶接電極への電流供給は、第１図による固定金具４５の
ところで機構支持体に固定されかつそこからループ線に
より電極台４の締め付けねじのところに案内されている
ゆるめられたケーブルにより行なわれる。送り台および
電極台の材料としては硬度の高い軽金属、例えばアルミ
ニウムが使用される。接触子部材、とくに電極台全体は
電気化学的手段により金めつきを施される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す正面図、第２図は第１
図の■一■断面図、第３図は本発明の他の実施例を示す
上面図である。 １・・・・・・機構支持体、２・・・・・・送り台、４
・・・・・・電極台、５・・・・・・締め具、６・・・
・・・電極、３２，３３・・ボールベアリングレール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 送り台２を持つた機構支持体１、ボールベアリング
   で案内された電極台４および送り台２と電極台４との間
   において電極に力を発生する作用をする可調整ばね２１
   から成る抵抗溶接用点溶接機構において、送り台２がス
   ライダとして形成され、この送り台２が機構支持体１に
   ボールベアリングレール３３によつてねじれなしに案内
   され、電極台４をボールベアリングレール３５で案内し
   て支持し、電極６が電極台４に締め具５によつて軸方向
   におよび半径方向片側に交換できるように締め付けられ
   、電極に力を与えるために用いるばね２１が電極台４に
   支持されていることを特徴とする抵抗溶接用点溶接機構
   。 ２ 電極に力を与えるのに役立つばねは調整ピンにより
   ばね端に抗して作用する玉軸受を介して圧縮可能である
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の機構。 ３ 溶接電極の軸方向の外側稜が電極を保持する電極台
   の締め具の外部に置かれていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の機構。 ４ 近接溶接箇所を２つの点溶接機構により溶接するた
   めに、一方の点溶接機構が他方の点溶接機構に対して、
   とくに電極台および電極締め具について鏡像的に配置さ
   れることを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし第３
   項のいずれかに記載の機構。 ５ 電極台は電極側と反対に向けて開いた孔を有し、こ
   の孔にばねが納められていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の機構。 ６ 指示ヘッド付の調整ピンを有している点溶接機構に
   おいて、指示ヘッド２６が送り台２に固定され交換可能
   な目盛保持体と共働することを特徴とする特許請求の範
   囲第１項ないし第５項のいずれかに記載の機構。 ７ 操作棒８が送り台２にある蓋板１１で閉鎖された凹
   所に配置され、この蓋板１１を外して交換できることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の機構。 ８ 送り台内に無接触で動作する溶接電流パルス釈放用
   スイッチ２８が設けられ、このスイッチが電極台に設け
   られたスイッチング用凸部３０と、それがそばを通過す
   る際に釈放するように共働することを特徴とする特許請
   求の範囲第１項ないし第７項のいずれかに記載の機構。 ９ 送り台２の行程を制限するねじボルト１４を設け、
   このねじボルト上でストッパナット１５が案内されるよ
   うにしたことを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし
   第８項のいずれかに記載の機構。１０ 電極台４のボー
   ルベアリングレール３５に、ストッパピン１６またはス
   トッパ板３７により復帰行程中だけボール保持器３４を
   出発位置に導き作動中はボール保持器３４を自由にして
   いるストッパ板３６をそれぞれ設けたことを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の機構。