JPS6050528B2 - バ−リング成形装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はプレス成形等により形成された、自動車用差動
装置のケーシングの如き慴伏のワークにバーリング成形
を施すことにより一対の軸孔を加工するようにした、バ
ーリング成形装置に関するものである。

一般に、慴伏のワークの対向壁に一対の軸孔を同一軸線
上にバーリング成形によつて加工する場合、従来では、
一回の成形工程で唯一個の孔だけバーリング成形する成
形装置を使用していたので、一方の軸孔をバーリング成
形後他方の軸孔をバーリング成形する前に予め、インデ
ックス装置等によりワークを成形装置のポンチに対し１
８００反転させる必要があり、そのためそのワークの反
転時にワークに芯ずれを生じ易く、成形加工された一対
の軸孔の軸心がずれて精確な一対の軸孔の成形加工が難
しく、また成形途中で上記の如くワークを反転させるた
めにインデックス装置その他のワーク反転手段が必要で
装置の全体構造が複雑フとなる上、工程数が多くなつて
作業能率が悪い欠点がある。

本発明は上記に鑑み提案されたもので、ワークを反転さ
せることなく簡単な工程によつて一対の軸孔を精確にバ
ーリング成形により加工できるよ５うにした、構成簡単
なバーリング成形装置を提供することを目的とするもの
である。

そして前記目的を達成するために本発明は、下金型に、
帽状のワークを被覆嵌合し得るワーク芯金を設け、この
ワーク芯金の両側に、前記下金型上を、前記ワーク芯金
に対して進退移動して前記ワークをクランプするととも
に位置決めを行う一対のワーククランプを配設し、これ
らワーククランプはその前面にクランプ面を形成すると
ともにダイリングを設け、またその背面に第１カム面を
形成し、さらに前記下金型上には前記一対のワーククラ
ンプの進退方向と同方向に往復移動し得るスライドブロ
ックを設け、このスライドブロックよソー体に突設した
ポンチ支持部を前記ワーク芯金の中空部内に挿入し、こ
のポンチ支持部の、前記ダイリングに対向する両側面に
、対をなすポンチをそれぞれ突設し、さらに前記スライ
ドブロックの両側面にそれぞれ第２、第３カム面を形成
し、一方前記下金型に対して昇降し得る上金型には、そ
の下降により前記第１、第２および第３カム面に順次に
衝合して前記一対のワーククランプを前進移動させた後
、前記スライドブロックを往復移動させる第１、第２及
び第３カムを吊設したことを特徴としている。

以下、図面により本発明の一実施例について説明すると
、帽状のワークＷにパーリング加工を施すための成形型
は、ベースＢ上に固着される下金型１と、この下金型１
上に、従来公知の昇降手段により昇降される上金型２と
より構成されている。

第２，４図に明瞭に示すように、前記下金型１の両側に
おいて、ベースＢ上には対をなすサポートプレート３，
３が間隔を存し相対向して立設さ．れており、各サポー
トプレート３の内面には、後述する第１、第２および第
３カムＣｌ，Ｃ２およびＣ３の案内面４が成形される。

また一対のサポートプレート３，３には共通水平軸線上
において貫通孔５，５が突設され、これらの貫通孔５，
５に一はそれぞれ支持軸６，６が貫通支持され、これら
の支持軸６，６の相対向する内端には、対をなすワーク
クランプ７１，７。が固着されている。下金型１上にお
いて、前記一対のワーククランプ７１，７２の両側には
、クランプスライドベーｑス８，８が固着されており、
これらのクランプスライドベース８，８の相対向する内
面には第３図に示すように案内溝９，９が形成され、こ
れらの案内溝９，９に前記ワーククランプ７１，７２の
案内片１０，１０が係合されており、一対のワーククラ
ンプ７１，７。は前記案内溝９，９に沿つて進退移動す
ることができる。サポートプレート３，３の外側におい
て支持軸６，６にはそれぞれ弾性戻し部材１１，１１が
設けられ、これらの弾性戻し部材１１，１１は支持軸６
，６を外方に移動するように、すなわち対をなすワーク
クランプ７１，７。

を互いに離隔するように附勢する。前記一対のワークク
ランプ７フ，，７２の相対向する前面にはクランプ面１
２が形成され、またその後面には後述する第１カムＣ１
が衝合する第１カム面１４が形成される。ワーククラン
プ７１，７。には前記貫通孔５，５と平行に案内孔１５
，１５が穿設され、これらの案・内孔１５，１５には、
それぞれ先端にガイドピン１７を設けたガイド部材１６
が摺動自在に嵌装され、各ガイド部材１６はそれらの背
部に設けられる圧縮ばね１８の弾発力によつて、各ガイ
ドピン１７がワーククランプ７１，７２のクランプ面１
２より外方に突設するように附勢される。ワーククラン
プ７１，７。のクランプ面１２，１２には前記ガイドピ
ン１７を取囲むように凹所１９が形成され、この凹所１
９にダイリング１３１，１３２が嵌着固定される。前記
一対の、ワーククランプ７１，７２およびスライドベー
ス８，８によつて囲まれる空間内には、縦断面逆Ｕ字状
のワーク芯金２０が両側面開口部をワーククランプ７１
，７２を対向させて配設され、このワーク芯金２０は前
記一対のクランプスライドベース８，８間に挟持固定さ
れていて、そこに帽状のワークｗが被覆嵌着される。

下金型１上にはスライドブロック２１が、前記一対のワ
ーククランプ７１，７２の進退方向と同方向に往復動可
能に支持されており、このスライドブロック２１はネッ
ク状中央部２「を有し、この中央部２「は第２図に示す
ように下金型１の凹所２３に収容されていて、そこには
角柱状のポンチ支持部２２が一体に突設され、このポン
チ支持部２２の、前記ワーククランプ７１，７２のクラ
ンプ面１２，１２に対向する両面には一対のポンチ２４
１，２４２が対称的に突設されており、これらのポンチ
２４１，２４２の先端には、前記ガイドピン１７，１７
の嵌入し得るガイド孔２５，２５が形成されている。第
２図に示すように前記スライドブロック２１のネック状
中央部２１″の移動方向両側面には、それぞれゴム等に
より形成される弾性戻し部材２６，２６が固着され、こ
れらの部材２６，２６は下金型１の前記凹所２３の側壁
面２７，２７に相対向していて前記一スライドブロック
２１が移動すると、その移動側の弾性戻し部材２６が前
記側壁面２７に衝接して圧縮され、スライドブロック２
１を押し戻すように作用する。第４図に明瞭に示すよう
にスライドブロック２１の両端部一側面には、後述する
第２カムＣ２，Ｃ２と衝接し得る第２カム面２８が形成
され、またその他側面には、後述する第３カムＣ３と衝
接し得る第３カム面２９が形成されている。また第４図
に示すようにスライドブロック２１の両端部には下面開
放の凹所３０が形成されており、この凹所３０内には、
下金型１に固着したストッパ３１が臨んでおり、このス
トッパ３１の両側面にはゴム等よりなる弾性戻し部材３
２，３２が固着され、これらの部材３２，３２の端面は
前記凹所３０の側壁面３３，３３に対面していて、スラ
イドブロック２１が移動すると、その移動側の弾性戻し
部材３２が側壁面３３に接触して圧縮されスライドブロ
ック２１を押し戻すように作用する。前記ワーク芯金２
０の真上には、そのワーク芯金２０に被覆嵌合される帽
状ワークＷを上方より押え込むためのワーク押え３４が
配設されており、このワーク押え３４の支持杆３５は、
前記上金型２を貫通してその上方に延長され、従来公知
の作動装置に接続されている。

前記下金型１に対して昇降可能な上金型２には第１、第
２および第３カムＣｌ，Ｃ，；Ｃ２，Ｃ２およびＣ３，
Ｃ３が吊設されている。

前記第１カムＣｌ，Ｃｌは、前記一対のワーククランプ
７１７．の背面側に位置するように、ワーク芯金２０の
中心を通る垂直面に対して対称的に配置されており、上
金型２が下降すると、ワーククランプ７１，７２背面の
第１カム面１４，１４と衝合してそれらワーククランプ
７１，７２を前進させ、また第４図に明瞭に示すように
前記第２カムＣ２，Ｃ２は前記スライドブロック２１の
両端部一側に位置し、一方第３カムＣ３，Ｃ３はスライ
ドブロック２１の両端部の他側に位置している。そして
第３カムＣ３，Ｃ３は第２カムＣ２，Ｃ２よりも上位に
ある。上金型２が下降すると、第３力！．Ｃ３，Ｃ３に
先立つて第２カムＣ２，Ｃ２が、スライドブロック２１
の第２カム面２８，２８に当り、スライドブロック２１
を一方（第２，４図において右方）に移動させ、さらに
上金型２の下降がすすむと、今度は第３カムＣ３，Ｃ３
がスライドブロック２１の第３カム面２９，２９に当り
、スライドブロック２１を他方（第２、第４図において
左方）に移動させ、結局上金型２の一下降ストロークに
よつてスライドブロック２１を中央位置より左右に移動
させることができる。第５および第６図には本発明のパ
ーリング成形装置によつて成形加工されるワークＷ１す
なわち自動車の差動装置の、帽状をなすケーシングの加
工前および加工後の状態が縦断して示されており、該ワ
ークｗはこのパーリング成形加工前に第５図に示すよう
に予めその対向壁の同一軸線上にガイド孔３６，３６が
穿設され、またこのガイド孔３６，３６を中心にして第
６図に示すように軸孔３７，３７がパーリング成形加工
される。

次に第１〜４図に示すパーリング成形装置によつて帽状
ワークＷを第５図より第６図の状態に成形加工する工程
について説明すると、１先す上金型２を上昇させ、ワー
ク芯金２０に第５図に示す加工前のワークＷを被覆嵌合
し、ワーク押え３４を下降してそのワークＷを押える。

２次に上金型２を下降すると、第１カムＣｌ，Ｃｌが一
対のワーククランプ７１，７２背面のノ 第１カム面１
４，１４に衝合してそれらワーククランプ７１，７２を
弾性戻し部材１１，１１の弾発力に抗して同時に前進さ
せ前記ワークＷを両側からクランプすると同時にガイド
ピン１７，１７を、ワークｗのガイド孔３６，３６に嵌
入してワークＷの位置決め行う。

３次に上金型２の下降継続により第２カムＣ２，Ｃ２が
スライドブロック２１の一側に形成した第２カム面２８
，２８に衝合してスライドブロック２１を第２，４図に
おいて鎖線に示す中央位置より実線位置で示す右方に移
動させる。

これにより第２図に示すようにスライドブロック２１と
一体のポンチ支持部２２も右側に移動し、右側のポンチ
２４２がワーククランプ７２に固着のダイリング１３２
と協働してワークＷの右側壁のガイド孔３６を中心にパ
ーリング成形加工が施される。４さらに引続いて上金型
２が下降すると、今度は第３カムＣ３，Ｃ３が、スライ
ドブロック２１の他側に形成した第３カム面２９に衝合
するとともに前記第２カムＣ２，Ｃ２は第２カム面２８
から離れるに至り、スライドブロック２１は左側の弾性
戻し部材２６を圧縮して右側より左側に移動して、左側
のポンチ２４１とダイリング１３１とが協働してワーク
Ｗの左側壁のガイド孔３６の中心にパーリング成形加工
が施される。５以上１〜４の工程によりワークＷのパー
リング成形加工が完了した後、上金型２を上昇させると
、第３、第２カムＣ３，Ｃ３；Ｃ２，Ｃ２が順次にスラ
イドブ咄ンク２１の第３、第２カム面２９，２９；２８
，２８から離れ、このスライドブ畦ンク２１は圧縮側の
弾性戻し部材２６，３２の弾発力て略中央位置に戻り、
さらに上金型２が上昇すれば、一対の第１カムＣｌ，Ｃ
ｌがワーククランプ７１，７。

の第１カム面１４，１゛４から離れ、それらワーククラ
ンプ７１，７。は弾性戻し部材１１，１１の弾発力でワ
ークＷから離れるように後退する。最後にワーク押え３
４を上昇させてパーリング成形加工を完了し−たワーク
Ｗを取出す。以上のように本発明によれば、下金型１に
、帽状のワークＷを被覆嵌合し得るワーク芯金２０を設
け、このワーク芯金２０の両側に、前記下金型１上を、
前記ワーク芯金２０に対して進退移動し．て前記ワーク
Ｗをクランプするとともに位置決めを行う一対のワーク
クランプ７１，７２を配設し、これらワーククランプ７
１，７。

はその前面にクランプ面１２を形成するとともにダイリ
ング１３１１３２を設け、またその背面に第１カムこ面
１４を形成し、さらに前記下金型１上には前記一対のワ
ーククランプ７１，７２の進退方向と同方向に往復移動
し得るスライドブロック２１を設け、このスライドブロ
ック２１よソー体に突設したポンチ支持部２２を前記ワ
ーク芯金２０の中空ク部内に挿入し、このポンチ支持部
２２の、前記ダイリング１３１，１３２に対向する両側
面に、対をなすポンチ２４１，２４。をそれぞれ突設し
、さらに前記スライドブロック２１の両側面にそれぞれ
第２、第３カム面２８，２９を形成し、一方前記下金型
１に対して昇降し得る上金型２には、その下降により前
記第１、第２および第３カム面１４，２８，２９に順次
に衝合して前記一対のワーククランプ７１，７２を前進
移動させた後、前記スライドブロック２１を往復移動さ
せる第１、第２及び第３カムＣｌ，Ｃ２，Ｃ３を吊設し
たので、ｌ上金型２を下金型１に対し単に下降させるだ
けで、その下降に連動してワークＷのクランプおよび位
置決め、並びに一対の軸孔３７，３７のパーリング成形
加工を順次に自動的に行ラことができる。特に一対の軸
孔３７，３７のパーリング成形・加工は、ワーク芯金２
０に被覆嵌合したワークＷを一対のワーククランプ７１
，７。によりクランプした状態で、一対のポンチ２４，
２４と一体のスライドブロック２１をワーク芯金２０内
で往復動させることによつて行われ、その成形途中でワ
ークＷを特別に反転操作する必要がないことから、イン
デックス装置その他のワーク反転手段を省略できて装置
の構造が簡素化されるとともに、装置の工程数が減少し
て作業能率を向上今せることができ、その上、ワークを
反転させた場合のようにワークＷの芯ずれが生じて一対
の軸孔３７，３７が所定の同一軸線上からずれるような
ことはなく、一対の軸孔のパーリング成形加工を常に精
確に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の横断平面図、第２図は第１図■−
■線断面図、第３図は第２図■−■線断面図、第４図は
第３図■−■線断面図、第５図はパーリング成形加工前
のワークの縦断面図、第６図はパーリング加工後のワー
クの縦断面図である。 Ｃｌ，Ｃ２，Ｃ３・・・・・・第１、第２、第３カム、
Ｗ・・・・・ワーク、１・・・・・下金型、２・・・・
・上金型、７１，７２・・・・ワーククランプ、１２・
・・・・・クランプ面、１３１，１３２・・・・ダイリ
ング、１４，２８，２９・・・・・・第１、第２、第３
カム面、２０・・・・・・ワーク芯金、２１・・・・・
・スライドブロック、２２・・・・・・ポンチ支持部、
２４１，２４２・・・・ポンチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 下金型１に、帽状のワークＷを被覆嵌合し得るワー
   ク芯金２０を設け、このワーク芯金２０の両側に、前記
   下金型１上を、前記ワーク芯金２０に対して進退移動し
   て前記ワークＷをクランプするとともに位置決めを行う
   一対のワーククランプ７＿１，７＿２を配設し、これら
   ワーククランプ７＿１，７＿２はその前面にクランプ面
   １２を形成するとともにダイリング１３＿１，１３＿２
   を設け、またその背面に第１カム面１４を形成し、さら
   に前記下金型１上には前記一対のワーククランプ７＿１
   ，７＿２の進退方向と同方向に往復移動動し得るスライ
   ドブロック２１を設け、このスライドブロック２１より
   一体に突設したポンチ支持部２２を前記ワーク芯金２０
   の中空部内に挿入し、このポンチ支持部２２の、前記ダ
   イリング１３＿１，１３＿２に対向する両側面に、対を
   なすポンチ２４＿１，２４＿２をそれぞれ突設し、さら
   に前記スライドブロック２１の両側面にそれぞれ第２、
   第３カム面２８，２９を形成し、一方前記下金型１に対
   して昇降し得る上金型２には、その下降により前記第１
   、第２および第３カム面１４，２８，２９に順次に衝合
   して前記一対のワーククランプ７＿１，７＿２を前進移
   動させた後、前記スライドブロック２１を往復移動させ
   る第１、第２及び第３カムＣ＿１，Ｃ＿２，Ｃ＿３を吊
   設してなる、バーリング成形装置。