JPS6044404B2 - 表面に微多孔を有する繊維およびその製造法 - Google Patents

表面に微多孔を有する繊維およびその製造法

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JPS6044404B2
JPS6044404B2 JP16972282A JP16972282A JPS6044404B2 JP S6044404 B2 JPS6044404 B2 JP S6044404B2 JP 16972282 A JP16972282 A JP 16972282A JP 16972282 A JP16972282 A JP 16972282A JP S6044404 B2 JPS6044404 B2 JP S6044404B2
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temperature
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fibers
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誠一 林
孝典 穴沢
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ポリ(p−フェニレンスルフィド)を主成分
とする微多孔繊維と、その製造法に関するものであり、
その目的は、耐熱性と耐薬品性にすぐれた、表面に微多
孔を有する繊維と、それを溶融紡糸、熱処理、延伸等の
組み合せで能率よく生産する方法とを提供することにあ
る。
ポリ(p−フェニレンスルフィド)(以下、特に断わら
ない限り、PPSと略称する)は、特に耐熱性、耐薬品
性、力学的特性のすぐれた所謂、エンジニアリング・プ
ラスチックス(エンプラ)として、最近多くの用途に使
用され始め、注目されているポリマー素材である。
この理由は、特公昭45−33明、特公昭45−197
13、特公昭46−4398、特公昭48−1607&
特開昭50−83500、特開昭50一846μs、特
開昭51−144495の各公報明細書に開示されてい
るように、高分子量のPPSの生産が工業的に可能にな
り、エンプラとしての用途に供給できるようになつたか
らである。PPSは特に、耐熱性、耐薬品性、力学的特
性がすぐれているので、エンプラとしての用途は広く、
例えば射出成形品・(特開昭54−47752)、焼結
成形体(USP3、954、932)、電池隔膜用の繊
維(BPI、435、42O、特開昭55−47388
)、ガスケット類・パッキング類(USP4、075、
1品、USP4、172、182)、2軸延伸フィルム
(特開昭54−142275)、電絶材(特開昭55−
35459)、フレキシブルプリント配線用ベースフィ
ルム(特開昭55−36945)、磁気用ベースフィル
ム(特開昭55−38613)または光導電性フィルム
(特開昭55−90953)等として開示されているが
、今後も益々PPSの特性は多方面に利用されてゆくも
のと予想される。しかし、翻つて、従来から提案されて
きた用途と使用形態を概観するに、PPSの表面を有効
に生かすような提案はなされていないのである。
PPSは耐熱性、耐薬品性以外に、更に、分子主鎖中に
硫黄があり、この硫黄原子は不対電子を有しており、化
学的に利用すれば、高機能性素材になりうるのである。
例えば、J.F.RObOltらの報文〔J.C.S.
Chem.COmm.,347〜8頁1980年〕や特
開昭56−93206号公報明細書に開示されているよ
うに、電子供与体又は電子受容体をPPSにドーピング
することにより、電気伝導性を飛躍的に向上せしめたり
、酵素をPPSに固定化して、バイオリアクターに使用
したり、重金属・貴金属を錯体的に結合させて金属回収
に使用する等の高機能用途に活用できる。これらの高機
能用途にPPSを使用する場合の特徴は、PPSの表面
を活用していることである。
従つて、PPSの単位質量当り、表面積が多いほど、ま
た、表面が活性的であることが最も望ましい。その様な
目的を満すPPSの成形物形態とは、繊維であり、且つ
繊維の表面にミクロな微多孔が極めて多数、外表面全体
にわたつて存在することである。これまでにも、PPS
を繊維の形態で使用する提−案は、特開昭49−546
17、特開昭55−47388、BPl,435,42
蒔の明細書に開示されている。
しかし、これらに供されるPPSはその分子量が低いの
で、力学的強力が劣ること、また繊維の表面は円滑で凹
凸の変化がない形態である。この様.な繊維の表面形態
では、PPSの表面を活用するには到底不十分である。
本発明者らは、PPS繊維の表面に0.003〜1.5
μmの大きさの微細な孔を形成することにより、円滑表
面に比してその表面の面積を飛躍的に増加さ,せること
を検討した。
先に例示した特開昭49−54617、特開昭55−4
7羽&BPl,43S42Oのような、単に、PPSを
繊維化する方法では、繊維の表面に微多孔を形成するこ
とはできない。通常の繊維の形成法とは逆の発想が必要
であつた。即ち、PPSは結晶性高分子であり、且つ熱
可塑性を有するので、溶融紡糸をして未延伸繊維を形成
し、該繊維を、通常とは逆に、熱処理して微結晶を発生
させ、次いで微結晶を変形させるための、通常の延伸と
は顕著に異なる結晶延伸を、1〜2段階で円滑に行なつ
て微多孔を生成させ、最後に微多孔構造を熱固定すると
いう方法であり、通常の繊維形成法とは全く別のユニー
クな方法である。ここlで、PPSは約29(代)近傍
の高い融点をもち、結晶化温度範囲は120〜27(代
)と高温であり、且つ、結晶化により生成する微結晶の
ラメラ構造は繊維軸に対し、ほぼ一軸的に配向した構造
をとらせる必要があるので、本発明の繊維形成法はかな
り難しい技術と言わざるを得ず、溶融紡糸から、最後の
熱固定までの各工程の条件をうまく組み合わせないと、
微多孔は形成されない。かくして、本発明者らは鋭意検
討の結果、本発明に到達した。
即ち、本発明は、まず第1に7鍾”量%以上がポリ(p
−フェニレンスルフィド)からなる繊維において、該繊
維の少なくとも外表面に、平均孔径が0.003〜1.
5μmである微多孔が、外表面1c1t当り、1Cf3
〜1012個の密度で外表面全体にわたつて存在するこ
とを特徴とする、表面に微多孔を有する繊維であり、第
2としてのその製造法は、7呼量%以上がポリ(p−フ
ェニレンスルフィド)からなる原料ポリマーを、ドラフ
ト率2?止で溶融紡糸して未延伸繊維を成形し、該繊維
を延伸倍率DRl=1.0〜3.3.温度T1=15〜
(Tg十25)℃(Tgはポリマーのガラス転移温度、
℃)にて延伸し、次いで緊張度DR2=0.5〜1.5
、温度T2=(Tg+20)〜(Tg+180)℃にて
熱処理した後、該繊維を延伸倍率DR3=1.05〜2
.7、温度T3=10〜(Tg+10)℃にて延伸し、
引続いて延伸倍率DR4=1.0〜2.5.温度T4=
(Tg+10)〜(Tg+180)℃にて延伸し、最後
に、緊張度DR5=0.7〜1.次温度T5=(Tg+
90)〜(Tg+180)℃にて熱固定することにより
、該繊維の少くとも外表面に多数の微多孔を形成させる
ことを特徴とする、表面に微多孔を有する繊維の製造法
である。本発明のポリ(p−フェニレンスルフィド)と
は、ポリマーの主構成単位としてp−フェニレンスルフ
ィドを90モル%以上含有したポリマーをいう。
他に10モル%未満を含有できる構成単位としては、例
えば、メタフェニレンスルフィド、3官能フェニルスル
フィドー(●入 ジフェニルエーテルスルフィド、ジ
フェニルケトンスルフイド、ジフェニルスルホンスルフ
ィド、ビフェニルスルフィド、置換フェニルスルフィド
ー(●】:(R:アルキル、フェニル、アルコキシ、ニ
トロ、ハロゲン基のいづれか)等を例示できる。
また、本発明の微多孔形成の原理は、溶融紡出繊維を結
晶化させ、結晶化物を強制的に結晶延伸して微多孔を形
成するものであるから、意図的にPPSに他のポリマー
をブレンドした原料からなる繊維を結晶化させて、微細
構造的に、PPSの微結晶領域と、他のポリマーの領域
から成る相構造を形成させ、この構造物を結晶延伸する
と、目的とする微多孔が形成される場合がある。
PPSにブレンドできる他のポリマーの量は30%未満
である。
他のポリマーが30%以上を占めると、微多孔の形成、
耐熱性、耐薬品性、力学的特性等のいづれかに欠点が生
じてPPSの特質が消えてくる。ブレンドできる他のポ
リマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ナイロンー6、ナイロンー6e
Kポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリフェニ
レンオキシド、ポリー4−メチルペンテンー1、ポリプ
ロピレン、ポリテトラフロロエチレンポリエーテルケト
ン等の結晶性ポリマーや、ポリサルホン、ポリエーテル
サルホン等の非晶性ポリマーを例示できる。また、酸化
防止剤、帯電防止剤、抗菌剤、滑剤、表面活性剤等の添
加剤を必要に応.じて適量含有することができる。上述
に規定したPPSを主成分とするポリマーを溶融紡糸す
る際の紡糸口金は、従来から知られている円形断面の丸
ノズルでよい。
溶融紡糸する際のドラフト率Dfは25以上でなければ
ならない。ここでドラフト率とは、口金におけるポリマ
ーの吐出速度V。と、紡出繊維の引取速度V1の関係式
D,=V1/VOである。Df〈25では、後工程での
微多孔構造の発現が困難である。即ち、結晶化のための
熱処理を経た繊維は脆く、伸度がないので、結晶延伸が
困難になる。D,は2臘上、好ましくは5川尖トである
。紡糸温度(Tダイ部のポリマー温度)は300℃近傍
の比較的低温が望ましく、PPSlOO%の原料の場合
には285〜31Cf′Cである。
その理由は、本発明では後述する後工程において、熱処
理によつて配向結晶化を促すことによつてラメラを発達
させようとしていることから自ずノと明らかな様に、溶
融紡糸で成形する未延伸繊維の非晶配向も少しでも高い
方が望ましいからである。
従つて紡糸温度は前の如き可及的低温紡糸が望ましい。
上記の如く、本発明の製造方法は低温紡糸気味に紡糸す
るのであるが、口金からの吐出時のポリマーの溶融粘度
は500〜10,000ポイズ、好ましくは3,000
〜5,000ポイズである。かかる溶融粘度と、曳糸性
を与えるために、ポリマーは一定以”上の分子量を有し
なければならない。PPSlOO%の原料の場合は、α
−クロロナフタレン溶液中、205℃で測定した固有粘
度が0.25〜0.80、好ましくは0.30〜0.5
0を有する程度に高分子量である。PPSにブレンドす
る他のポリマーの固有粘度は、0.30以上を有する。
紡出した繊維の外径は、5μm〜500μmが望ましい
。外径は、用途目的によつて、設定できる。但し、外径
が5μm未満の繊維や、500μmを越える繊維からの
微多孔の生成は、実際上むづかしい。上述の如く成形し
た未延伸繊維は、次に、延伸倍率DRl=1.0〜3.
3s温度T1=15〜(Tg+25)℃にて延伸する。
この工程は、次工程の熱処理により、ラメラを十分に発
達させる配向結晶化に必要な、未延伸繊維の分子鎖の配
向を向上するにある。先の溶融紡糸において、ドラフト
率を次第に上昇していくと、あるドラフト率Dfrna
xで断糸が生ずる。高ドラフト紡糸、即ち、0.75D
fmaxくDfく0.97Dfmaxの場合には、この
段階の延伸工程(非晶延伸)を省略してもよい(DRl
=1.0は省略を意味する)。しかし、25く■く0.
75Dfmaxの場合には、延伸倍率1.0<DRlく
3.3s温度T1=15〜(Tg+25)℃にて延伸す
ることが必要である。ここで、延伸倍率とは、延伸前の
原長に対する延伸後の長さの倍率をいう。DRl〉3.
3の場合には、非晶延伸による分子鎖の配向度が必要以
上に上昇してしまい、微多孔の生成は困難になる。延伸
温度は15くT1く(Tg+25)℃、好ましくは(T
g−25)くT1く(Tg+10)℃である。T1く1
5℃の場合は、未延伸繊維が白化してポイドが激しく発
生し、次工程での熱処理によるラメラの発達が阻害され
る。他方、T1〉(Tg+25)℃の場合は、流動延伸
気味になり、目的とする非晶分子鎖の配向度が上昇しな
い。延伸の実施態様は、一対の回転ロール間で、供給ロ
ールを熱ロールにして、ドライブロールの周速を供給ロ
ールの周速よりも速くすることにより行ないうる。供給
ロールの周速は50Tr1,/分以上、通常は150m
/分前後の高速にできるので、本発明の微多孔繊維の生
産性は極めて高いのが特長である。次に、配向下結晶化
によりラメラ結晶を発達させるために、緊張度DR2=
0.5〜1.5、温度T2=(Tg+20)〜(Tg+
180)℃にて熱処理する。
ここで緊張度とは、熱処理前の原長に対する、熱処理中
の熱処理装置に把持される長さの倍率である。従つて、
DR2=0.9とは10%の収縮を施すことであり、D
R2=1.1とは10%の伸長を施すことである。緊張
度は、好ましくは0.9<.DR2く1.1である。D
R2〈0.5の場合は、発達したラメラの配向がランダ
ムになつたり、球晶が発生するので、次工程での結晶延
伸で微多孔の形成が不可能になる。また、DR2〉1.
5の場合は、ラメラが発達しにくくなる。熱処理温度T
2は、最終的には、(Tg+110)くT2く(Tg+
160)℃にすることが望ましい。
熱処理の方法としては、初めに(Tg+20)℃近傍の
温度に導入して、次第に温度を上昇させて、最終的に(
Tg+110)〜(Tg+160)℃にて処理しても、
あるいは、(Tg+20)〜(Tg+180)℃の範囲
内で一定温度で処理しても、又は(Tg+20)〜(T
g+180)℃の範囲内で、数段階に分けて、次第に昇
温してもよい。Lく(Tg+20)℃の場合は、実質的
にラメラの発達はない。他方、T2〉(Tg+180)
℃の場合は、ラメラがランダムになることと、結晶化速
度が遅くなるという欠点が生ずる。熱処理時間は2〜6
紛。
好ましくは5〜3紛である。熱処理の実施態様としては
、一対のロール間で、供給ロールと引取ロールの周速を
調整することにより、緊張度を設定し、一対のロール間
に、熱風枦、遠赤外線淵等の熱浴の中に挿入して処理す
ることが好ましい。上記熱処理により比較的配向したラ
メラ結晶を発達させた繊維は、次に、延伸倍尋DR3=
1.05〜2.7、温度T3=10〜(Tg+10)℃
にて、冷延伸気味に延伸する。
この延伸は結晶延伸であり、この工程により微多孔が少
なくとも繊維の外表面に生成を始める。先の熱処理条件
と、本工程の延伸条件の組み合わせにより、微多孔の孔
サイズはほぼ決定される。延伸倍率とは延伸前の原長に
対する、延伸後・長さ・倍率をいう。ラメラ結晶を変形
させる結晶延伸が本発明の思想であるので、冷延伸気味
の延伸のために、延伸温度は、15くT3く(Tg−3
0)℃が好ましい。これは、通常の繊維やフィルムの延
伸とは異なつた特徴的なことである。DR3=1.05
〜1.5の場合は、生成する微多孔の平均孔径が0.0
03〜0.06μ几になり、DR3=1.5〜2.0で
は0.06〜0.6μmになり、DR3=2.0〜2.
7では0.6〜1.5μmの平均孔径になる。勿論、微
妙な孔径の設計と調整には、全工程の条件の微妙な調整
が必要であることは当然である。DR3〈1.05の場
合は、実質的に微多孔を形成することはできな−い。D
R3〉2.7の場合は、繊維のマクロなボイドによる構
造の破壊が生じて微多孔の形成ができない。T3〈10
℃の場合は、結晶延伸が困難になり、他力T3〉(Tg
+10)℃の場合は微多孔の形成がむづかしい。l 続
いて、上記の延伸により微多孔の形成された繊維を延伸
倍率DR4=1.0〜2.5.温度T4=(Tg十10
)〜(Tg+180)℃にて熱延伸気味に延伸する。
前記の延伸(DR3)で形成された微多孔の平均孔径が
小さい場合、即ち、0.003〜0.06μmの・とき
は、続く本工程での延伸を省略(即ちDR4=1.0)
しても、微多孔の形成に、ほとんど支障はないが、孔径
が0.06μmを越えると、本工程の熱延伸を施すこと
により、微多孔の形成を、より円滑に行なうことができ
る。但し、本工程の延伸)は、余り大きな倍率ではなく
て、DR4=1.0〜2.\好ましくは1.1くDR4
く1.5である。DR4〉2.5になると、先の延伸(
DR3)でせつかく形成した微多孔が変形して消失して
しまう。好ましい延伸温度は(Tg+20)くT4く(
Tg+80)℃である。T4〈(Tg+10)℃の場合
は、微多孔の円滑な形成に効果がほとんどなく、他方、
T4〉(Tg+180)℃の場合は、微多孔が変形して
消失する。かくして、形成した微多孔を、最後に、緊張
度DR5=0.7〜1.3温度Ts=(Tg+90)〜
(Tg+180)℃にて熱固定のための熱処理を施す。
緊張度とは、先の工程での熱処理と同様に、熱処理前の
原長に対する、熱処理中の熱処理装置の把持の長さの倍
率である。好ましくは、緊張度0.9くDR5く1.1
、温度(Tg+130)くTsく(Tg+170)℃、
時間は5秒〜5分である。本工程の熱固定処理を施さな
いと、形成された微多孔構造が経時的に変化して、孔径
が次第に小さくなり、孔形状が変化することと、耐熱寸
法安定性が悪いという問題が生ずる。熱固定を施さない
場合、例えば、17(代)の空気浴に3紛間放置したと
きの、熱収縮率が30〜40%であるのに対し、熱固定
処理により、熱収縮率は5%以下に大巾に低下し、且つ
孔形状及び孔径は、ほとんどもとの状態を保持する。こ
の熱固定処理により、耐熱寸法安定性にすぐれ、且つ、
本来のPPSの特長である耐熱性と相まつて、熱的にす
ぐれた微多孔繊維を提供できる。以上の方法により製造
した繊維について、その外表面を走査型電子顕微鏡(S
EM)、又は外表面から製作したレプリカを透過型電子
顕微鏡(TEM)で観察すると、外表面全体にわたつて
ほぼ均質に、多数の微細孔が生成しており、繊維表面は
円滑でなく凹凸した形状になつていることが観察される
これらの微細孔を定量的に観察する.ために、SEM写
真又はTEM写真からl(1)個の孔の寸法を測定して
、統計的に平均し、平均孔径を求めると、本発明の方法
によれば、成形条件により平均孔径は、0.003〜1
.5μmの範囲にあることが観察される。繊維をミクロ
トーム等で切断し.て、切断面をSEMで観察すると、
成形条件と繊維の太さによつては、微多孔は繊維の外表
面に生成しているばかりではなく、繊維の中心にまで至
り、微多孔が互に連通していることがある。この様な連
通孔の生成は、特に、結晶延伸倍率の大き−い場合、即
ち、ほぼDR3〉1.5で温度10くT3く(Tg−5
0)℃で延伸し、繊維径が100μm以下の場合に生じ
易い。本発明の繊維の断面は、円形、三角形、L型、T
型いづれでもよいが、円形の場合の直径は5〜500μ
mである。
繊維の外表面のSEM写真から、微多孔10噸が占める
面積から、微多孔の粗密の密度を測定するどJ繊維外表
面1ci当りに含包される微多孔の数は1σ〜1012
個である。
平均孔径がほぼ0.03μmまでは低温度ガス吸着法(
BET法)で、平均孔径がほぼ0.03PWL,以上の
場合は水銀圧入法により、微多孔繊維の表面積を測定す
ると、30〜110771′/・yの比表面積を有する
。微多孔の存在しない円滑な普通の繊維の表面が0.1
〜0.5イ/gであることに比較すると、本発明の微多
孔繊維の表面積は1σ〜103倍に飛躍的に増加してい
る。また本発明の微多孔繊維は、微多孔が少なくとも外
表面に存在するために、非多孔のPPS繊維の密度がほ
ぼ1.335〜1.360y/Cll(2C1C)であ
るのに対し、その見掛密度が0.25〜1.259/C
llとかなり低い。
この場合の見掛密度は、微多孔繊維の一定量を採取して
重量を秤量し、2(代)の大気圧下で試料を水銀に浸漬
して試料の体積を測定することにより求められる。見掛
密度と真密度から空孔率(=100×見掛密度/真密度
)を求めると15〜80%である。本発明の微多孔繊維
は、特に耐熱性、耐薬品性にすぐれている。
空気中、例えば、200℃に6ケ月放置した後の引張強
度保持率は50%以上であり、抜群の耐熱性を示す。ま
た、ほとんど全ての有機薬品、アンモニア水、苛性ソー
ダ水溶液等のアルカリ水溶液、塩酸、50%濃度以下の
硫酸、30%濃度以下の硝酸、フッ酸等の無機薬品には
、室温では全く侵されない。本発明で使用するポリマー
は、PPSを主成分とするものであるが、PPSは主鎖
中の硫黄に不対電子をもつている。
これを利用して化学的に修飾したり、錯体的に利用する
ことができる。例えば、酵素を微多孔繊維に固定化して
酵素固定膜として、バイオリアクターに使用するような
、高機能化繊維にすることができる。また、AsF5、
SbF′5、12、鴇SO4、SO3等の電子受容体や
、LilKlナトリウムナフタレン、N(C4H9)●
ClO4等の電子供与体を、本発明の微多孔繊維にドー
プすると、微多孔構造による表面積の飛躍的向上による
効果と、ベンゼン環と硫黄が主鎖に存在することから、
電気伝導度が10−8n1h0/Cm(25℃)以上に
も向上することを利用して、貴金属・重金属の回収、電
池隔膜また、電気抵抗や起電力の変化を利用する用途:
例えば、湿度センサー、ガスセンサー等に利用できる。
また、衣類として、汗を繊維外表面から吸着して、汗を
蒸発させるので、短繊維に切断して織つた織物でも、あ
るいは長繊維を編んだニットでも吸汗衣料や医療用の包
帯としても利用できる。
特に、耐熱性がすぐれているので、消防服や、熱作業現
場での作業服に適する。また、微多孔繊維であるので断
熱性があり、且つ耐熱性がよいので、断熱材として利用
できる。更に、微多孔繊維であるのでオイルの吸着保持
力が大きく、海上、水上でのオイル流出事故の際のオイ
ルフエンスとして利用できる。本発明の微多孔繊維は、
長繊維又は短繊維の綿状、フェルト状、不織布、織物、
編物の形態でろ過分離材として使用できる。特に、耐熱
性、耐薬品性にすぐれているので、自動車・家電などの
電着塗装、化成品、バルブ、染料排水からの有価物の回
収と水の再利用、メッキ、酸洗、表面処理排水からの金
属、無機塩の回収と水の再利用等の工場排水処理、また
医薬・発酵工業における蛋白質・酵素・糖分などの精製
、電子工業における超純水の製造におけるプレフィルタ
ー、食品工業における清澄ろ過等の製造プロセス合理化
、また、塗料・塗装・染料工場での溶剤回収や、食品・
石油化学・化成品工業での有機溶剤処理等に特性を発揮
できる。以上に詳述した如く、本発明の微多孔繊維は特
に、耐熱性と耐薬品性がすぐれ、且つ、硫黄原子に不対
電子を有する、という特長に加え、溶融紡糸・熱処理・
延伸という生産性の高い製造法によるので価格も安価に
なるので、従来の用途分野に加え、更にこれまでになか
つた新規な用途分野を拓くものである。
勿論、本発明の微多孔繊維の用途は、上記の例示に制約
されるものではない。実施例1〜16及び比較例1〜1
6高化式フローテスターを使用し、口金1Tn!11.
φ×10wnL温度305℃、せん断速度20(ト)E
c−1にて測定した、溶融粘度が4500ポイズ、差動
熱量計(DSC)で測定(試料量15m9、昇温速度1
0℃/分)したガラス転移温度Tgが89.7℃のポリ
(p−フェニレンスルフィド)、PPSの粉末を原料と
した。
このPPSを60℃、1hr1続いて150℃、311
rsで熱風乾燥後、スクリュー直径30T!rl!Lφ
の溶融押出紡糸機を用いて、円形口金(0.3顛,φ、
フィラメント数24)を通し、吐出量を種々変えて、口
金温度31(代)に固定して、引取速度を変えることに
よりドラフト蹄Dfを種々変えて未延伸繊維を紡出した
。ここで、ドラフト率Dfは紡出繊維の紡糸引取速度V
m(C1!/分)とポリマーの吐出線速度V。(Cm/
分)との比Df=Vm/VOである。吐出線速度V。は
次の量を測定して求めた。■。
4Q/πDO2fplここで Q:ポリマー吐出量
(g/分) DO:口金孔の直径(Cm) f:フイラメント数 p:溶融ポリマー密度(f/c!l)得られた紡出
繊維を一組のロール間で延伸倍率DRlど供給ロール温
度(T1℃)を種々変えて延伸した。
DRlは延伸前の原長に対する延伸後の長さの倍率をい
う(延伸1)。次に、一組のロール間に電熱ヒーター浴
(温度T2℃)を置き、ロール間で緊張度DR2を、ヒ
ーター浴で温度T2を種々変えて熱処理した。緊張度D
R2は熱処理前の原長に対するロールによる熱処理操作
後の長さの倍率をいう。次に、一組のロール間で延伸倍
率DR3と、供給ロール温度(T3℃)を種々変えて延
伸した(延伸■)。引続いて一組のロール間て延伸倍率
DR4と、供給ロール温度(T4℃)を種々変えて延伸
した(延伸■)。但し、200℃を越える温度で加熱し
たいときは一組のロール間に電熱ヒーター浴を置いてヒ
ーター浴の温度をT4℃に設定して延伸した。引続き最
後に、一組のロール間に電熱ヒーター浴(温度T5℃)
を置き、ロール間で緊張度DR5を、ヒーター浴で温度
T5を種々変えて熱固定した。得られた微多孔繊維は、
その断面の光学顕微鏡写真から繊維直径を求めた(測定
数20点の平均)。
微多孔の平均孔径は先に詳述したように、走査型電子顕
微鏡写真から100個の孔径を測定し、平均した。但し
、平均孔径が0.01μm以下の場合は、透過型電子顕
微鏡写真(カーボンレプリカ法)から求めた。微多孔の
密度は、走査型電子顕微鏡写真から、10帽の孔が占め
る外表面の面積を測定し、外表面1c1i当りの微多孔
の個数て表わした。
成形条件と、微多孔繊維の直径、平均孔径及び微多孔密
度を表−1に示す。比較例1はドラフト率が低くすぎて
引取不能であつた。実施例1,2の如く、比較的ドラフ
ト率が低い場合は、非晶配向させるために延伸(1)が
必要であるが、実施例3〜16,比較例3〜16のよう
にドラフト率が比較的高い場合は、延伸(1)を省略(
DRl=1.0)できる。比較例2はドラフト率が高く
断糸が生じた場合である。比較例3の如く、熱処理時の
弛緩が大き過ぎると、熱処理中に球晶が発生し、次の延
伸(■)が不可能になる。熱処理時の温度が余りに低い
場合は、後の条件を如何に操作しても微多孔が生成され
ないが(比較例4)、T2温度は微多孔径と微多孔密度
を大きく変える(実施例6〜8)。余り熱処理温度T2
が高いと、繊維が脆くなり次の延伸(■)が不可能にな
る(比較例5)。熱処理時の緊張度が大き過ぎると後の
条件を如何に操作しても微多孔が生成しない(比較例6
)。低温延伸(■)を省略して、高温延伸(■)のみ行
なつても微多孔は生成しない(比較例7)。延伸(■)
の延伸倍蹄0R3は微多孔の孔径と微多孔密度に大きく
影響する(実施例9〜12)。しかしDR3が余りに大
きいと断糸が生じて延伸不可能となる(比較例8)。延
伸(■)の温度T3が余りに低いか、高いときは延伸不
可能になつたり、微多孔が生成しない(比較例9,10
)。実施例14の如く、高温延伸(■)を省略(DR4
=1.0)しても微多孔繊維が得られるが、延伸(■)
を入れることは(DR,〉1.0)大きな孔をあけると
きは不可欠である。しかし、延伸(■)の延伸倍冷0R
4を大きく入れることはできない(比較例11)。延伸
(■)の温度T,を余り高くすると微多孔が生成しない
(比較例12)。熱固定の際、弛緩が大き過ぎたり(比
較例13)、逆に緊張が大き過ぎると(比較例14)、
微多孔が生成しない。熱固定温度T5が低く過ぎると熱
寸法安定性が悪い(比較例15)。逆にT5が高過ぎる
と微多孔が生成しない。実施例1〜16は、いづれも本
発明の方法により成形した微多孔繊維である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 70重量%以上がポリ(p−フェニレンスルフィド
    )からなる繊維において、該繊維の少なくとも外表面に
    、平均孔径が0.003〜1.5μmである微多孔が、
    外表面1cm^2当り、10^6〜10^1^2個の密
    度で外表面全体にわたつて存在することを特徴とする、
    表面に微多孔を有する繊維。 2 70重量%以上がポリ(p−フェニレンスルフィド
    )からなる原料ポリマーを、ドラフト率25以上で溶融
    紡糸して未延伸繊維を成形し、該繊維を延伸倍率DR_
    1=1.0〜3.3、温度T_1=15〜(Tg+25
    )℃(Tgはポリマーのガラス転移温度、℃)にて延伸
    し、次いで緊張度DR_2=0.5〜1.5、温度T_
    2=(Tg+20)〜(Tg+180)℃にて熱処理し
    た後、該繊維を延伸倍率DR_3=1.05〜2.7、
    温度T_3=10〜(Tg+10)℃にて延伸し、引続
    いて延伸倍率DR_4=1.0〜2.5、温度T_4=
    (Tg+10)〜(Tg+180)℃にて延伸し、最後
    に、緊張度DR_5=0.7〜1.3、温度T_5=(
    Tg+90)〜(Tg+180)℃にて熱固定すること
    により、該繊維の少くとも外表面に多数の微多孔を形成
    させることを特徴とする、表面に微多孔を有する繊維の
    製造法。
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