JPS6043744B2 - 磁石回転電機の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁石回転電機の製造方法に係り、特に外転形磁
石発電機などに利用され、フライホィール内周に複数個
のマグネットを一枚の鋼板弾性部材にて固定する磁石回
転電機の製造方法に関する。

従来の外転形磁石発電機はマグネットのフライホィール
に固定する際に接着剤を使用するか、あるいはマグネッ
ト内周にリング状の弾性部材を挿入して外方へ押圧し、
マグネットとフライホィールとを固定するかしていた。

前者の場合、接着剤の乾燥までに所定の時間を必要とし
、その間工程途中にて半成品がストックされる。あるい
はまた接着剤の使用量のばらつきにより製品の品質にも
悪影響を与える。後者の場合リング状の弾性部材をマグ
ネット内周部へ挿入するとき多大なりを必要としたり、
また逆にばね力を弱くすると寸法精度が悪い場合などマ
グネットの固着力が極端に落ちるなど品質を安定化させ
ることが困難であるとともに作業性が劣るという欠点が
あつた。本発明の目的は前述した従来技術の欠点をなく
し、マグネット固定の際品質が安定し作業性の向上が図
れる磁石回転電機の製造方法を提供するにある。

本発明はフライホィール等の椀状ケースの内周面へマグ
ネットを固定する際に、リング状鋼板弾性部材の一部を
切断して突き合わせ状態とし、マグネット内周部へこの
鋼板弾性部材を挿入する時は前記突き合わせ部を重ね合
わせ状態にして挿入し、その後治具にてマグネットに当
接していない部分を外周方面へ押圧させながら弾性部材
を押し広げ前記重ね合わせ部を平面突き合わせ状態へと
形成することによりマグネットを容易にフライホＪイー
ルヘ固着しようとするものである。

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

本実施例においてケースとして磁性体を椀状に形成した
フライホィール１が設けられ、このフラｉイホイール１
の内周面には該フライホィール１の内径にほぼ一致した
円弧状のマグネット２が複数個配設されている。

これらマグネット２の内周にはリング状の鋼板弾性部材
３が前記マグネット２をフライホィール１へ押圧するよ
うに装着されている。さらに前記マグネット２の固定を
より完全なものにするためにフライホィール１の内周と
マグネット外周との間を接着剤にて固着している。前記
フライホィール１の中央部にはセンターピース４が配設
されており、このセンターピース４のフランジ部５がリ
ベット６によりフライホィール１に締結されている。こ
のセンターピース４が駆動軸（図示せず）へ連結され、
駆動軸からの回転力により前記フライホィール１が回転
可能となつている。前記弾性部材３は第２図のごとく、
円周上の一ケ所が切断されている。

また前記フライホィール１の内周面にはマグネット２の
軸方向寸法をそろえるのに有効な段部分７が設けられて
いる。この様な構成において、その組立順序はフライホ
ィール１の内周面および段部分７とに沿つてマグネット
２が配設される。このマグネット２は円周上に均等に４
ケ配設されている。さらにこのマグネット２を内方から
フライホィール１の内周面へ圧接するように鋼板弾性部
材３が挿着される。この時弾性部材３の円周長さはマグ
ネット２の内周長さよりあらかじめ少し長く製作されて
いるために第５図に示されるごとく弾性部材３の先端部
は重ね合わせ部８を形成する。この重ね合わせ部８はマ
グネット２に当接するように配置され、隣接のマグネッ
ト２との間の空間部９に配置されないようにする。次に
第６図に示されるごとき治具．１０により空間部９に位
置する弾性部材３は外方へ突出されて凸部１３を形成し
重ね合わせ部８は平面突き合わせ部１１にて前記弾性部
材３の端部が突き合わされる。こうして弾性部材３は外
周方向へ大きなりを生じ、マグネット２をフライホイ．
ール１の内周面に押圧しマグネット２を保持することが
できる。前記治具１０は弾性部材３を外方に力Ｐにて押
圧雇１２と、この押圧雇１２を保持するとともに、弾性
部材３の凸部１３を形成する際弾性部材く３が内方向に
変形することを防止するための円環状の雇１４とにより
構成されている。

前述のごとく形成された弾性部材３は強力なばね力によ
りマグネット２を外方のフライホィール１の内周面へ圧
接する。

本実施例によれば、フライホィール１の内周面とマグネ
ット２の外周面との間の接着剤が固着するのを待つこと
なく、容易に次工程に移動することができ、簡単なもの
は弾性部材３のみでもマグネット２は固定されるが、前
述のごとく接着剤やノモールデイング等により更に強固
なマグネットを支持できる。

また弾性部材３は先端部を重ね合わせた状態にてセット
され、後に治具１０にて重ね合わせが平面突合せ状態に
されるので弾性部材３を強力にしても作業性を低下させ
ることなく、強力にマグネット２をフライホィール１へ
圧着することができる。なお、本実施例においては弾性
部材３の突き合わせ部１１が１個所であつたが、これを
２個所以上とすることも可能である。

また押圧雇１２は本実施例では外周方向へ押圧している
が、押圧雇１２の内周部へ当接するテーパー状の治具を
軸方向へ圧入することにより凸部を形成することも可能
である。本発明は前述のごとき構成および製造方法とし
たのでマグネット固定の際の作業性が向上し、安定した
品質の磁石回転電機の製造方法を提供できるという効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る磁石回転電機の要部を示す斜視図
、第２図は第１図の弾性部材を示す斜視図、第３図は第
１図のマグネットを示す斜視図、第４図は第１図のフラ
イホィールを示す斜視図、第５図は第１図の組立途中を
示す平面図、第６図は同じく治具がセットされた状態の
組立途中を示す平面図である。 １・・・・・・ケースとしてのフライホィール、２・・
・マグネット、３・・・・・・弾性部材、８・・・・・
・重ね合わせ部、９・・・・・・空間部、１０・・・・
・・治具、１１・・・・・・平面突き合わせ部、１２・
・・・・・押圧雇、１３・・・・・・凸部、１４・・・
・・・雇。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 椀状ケースの内周面に互いに所定間隔を隔てて複数
   個の円弧状マグネットを配置し、少なくとも１ケ所の突
   き合わせ部を有するリング状鋼板弾性部材を、該突き合
   わせ部を重ね合わせた状態にて前記マグネットの内周に
   挿入し、しかる後弾性部材のマグネットに当接していな
   い部分を治具により外周方向へ均等に押圧せしめ、前記
   弾性部材の突き合わせ部の重ね合わせ状態を平面突き合
   わせ状態にすることによりマグネットを椀状ケースに押
   圧固定する事を特徴とした磁石回転電機の製造方法。