JPS60431Y2 - 建築用パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は雄型連結部側を有するパネルにおいて、その連
結部からの離脱を阻止すると共に容易に、かつ、迅速に
装着しうる建築用パネルに関する。

建築、構築物において、その外壁構造の一つに乾式１法
、例えばサイディングボードが使用される比率が上昇し
ている。

しかしながら、この種サイディングボードの欠点は、実
公昭５１−１１３８号に示すように雌型連結部を釘等で
固着するだけで雄型連結部は単に差込むだけの構造にな
っている。

そのため、強い風圧、外力等が加わると離脱することが
多々あった。

本考案はこのような欠点を除去するため、雄型連結部の
途中にＶ字状窪部を、雌型連結部の途中に上記窪部を２
点で支えるＭ字状凸部を側壁と平行に形成し、建築用パ
ネルの施工が容易にすると共に、連結した際に連結部に
弾力が相互に４ケ所に作用するようにして建築用パネル
の離脱を防止し、かつ、連結部に３つの空隙を形成して
毛細管現象を完全に防止する構造としうる建築用パネル
を提案するものである。

以下に図面を用いて本考案に係る建築用パネルの一実施
例について詳細に説明する。

第１図は上記パネルの斜視図て、１は主体、２は雄型連
結部、３は雌型連結部、５はＶ字状窪部、９はＭ字状凸
部であり、主に金属薄板、合成樹脂板をロール底形、押
し出し加工により第１図に示すような形状に形成したも
のである。

さらに説明すると、主体２は化粧面とその長手方向の両
側縁を内方に直角に折り曲げて形成した側壁とから断面
を開放に形成したものである。

また、前記雄型連結部２は上記側壁の１つの下端を外側
方へ突出した差込縁４と差込縁４の途中に側壁と平行に
設けたＶ字状窪部５とから形成したものである。

さらに、前記雌型連結部３は前記側壁のもう１つの側壁
（他側壁）の下端を内側方に屈曲し、次ぎに外側方へ突
出して断面をコ字状とした差込溝６を形成腰その下縁７
を外側方へ延長して延長部８と、その途中に側壁と平行
に形成したＭ字状凸部９と、延長部８の先端を外方へ屈
曲した舌片１０とから形成したものである。

さらに具体的に説明すると、Ｖ字状窪部５の中心５ａか
ら差込縁４の先端までの長さをＡ、中心５ａから雄型連
結部２の根元（主体１の一側下端）までの長さをＢとし
、また、Ｍ字状凸部９の中心から差込溝６の最奥までの
長さをＣ１延長部先端に形成した舌片の先端まての長さ
をＤとしたときに、Ａ≦Ｃ，Ｂ＝Ｄに設定したものであ
る。

また、Ｖ字状窪部５は差込縁４の表面から中心５ａの裏
面までの寸法をｈｌ、延長部８の表面からＭ字状凸部９
の先端表面までの寸法をｈ２としたときに、ｈｌ〈ｈ２
としたものである。

さらに説明すると、Ａ≦Ｃに設定したのは第２図に示す
ように施工の際の嵌合を容易にし、かつ、嵌合後は矢印
イ方向に力が作用しないようにするためであり、Ｂ＝Ｄ
に設定したのは、矢印口の方向の力が作用したときの受
けと、後記するような断熱材を主体１の面状に充填した
場合に、そのくい込みによる気密機構として機能させ、
また、Ｍ字状凸部９を中心にして隣接パネルの差込縁４
の先端と根元に対し、差込溝６の上縁と延長部８の舌片
１０とが相互に力が上下方向に作用して離脱しないよう
にするためである。

さらに、ｈｌ＜ｈ２としたのは、第３図に抽出拡大して
示すように建築用パネルを連結した際に、毛細管現象を
阻止する空隙１２，１３および１４の３つの空隙を形成
することと、差込縁４に形成したＶ字状窪部５の平坦な
根元部分とＭ字状凸部９の凸部と接触して弾力を相互に
作用させ、かつ、差込溝６、および断熱材（図示せす）
に弾力が相互に作用するようにして連結部の係合力、防
水性を強化するのに役立たせるためである。

次ぎに本考案に係る建築用パネルの装着について簡単に
説明すると、第１図に示すような建築用パネルＸ、を第
２図において２点鎖線で示す胴縁に釘１１を介して延長
部８のＭ字状凸部９と舌片１０間を固設する。

この後に隣接する建築用パネルＸ２の差込縁４を斜めか
ら差込溝６に挿入し、この接触面をガイドとして、時計
回りに回転すると建築用パネルＸ２のＶ字状窪部５と建
築用パネルＸ１のＭ字状凸部９が嵌合する。

その後に建築用パネルＸ２の雌型連結部３を釘を介して
胴縁に何着する作業を順次くり返せば、建築物の壁が形
成される。

なお、この場合、建築用パネルは第２図から明らかなよ
うに連結部における力の作用、反作用、弾性のバランス
によって安定に、かつ、確実に支持される。

以上、説明したのは本考案に係る建築用パネルの一実施
例にすぎず、第４図に示すように差込縁４の先端に舌片
５ｂを形成することもできる。

さらに第５図に示すように断面凹状部に断熱材１３を充
填した建築用パネルとすることもできる。

この場合は断熱性が向上する他に、剛性も強化される。

上記断熱材としては硬質ポリウレタンフォーム、ポリイ
ソシアヌレートフオーム、エポキシフオーム、フェノー
ルフオーム等の合成樹脂発泡体を中心に一体的に用いる
。

上述したように本考案に係る建築用パネルによれば、雄
型連結部差込縁の途中にＶ字状窪部を形成し、また雌型
連結部の延長部にＭ字状凸部を形成したため、建築用パ
ネルを連結した際にＶ字状窪部とＭ字状凸部の左右側、
および上下間に３つの空隙が形成され、毛細管現象を完
全に防止できる特徴がある。

さらに、連結に際しては、Ｍ字状凸部がＶ字状窪部のガ
イドとして機能するため施工が容易となる特徴がある。

また、差込縁と雌型連結部の接触部には差込縁、および
Ｖ字状窪部、Ｍ字状凸部の弾力が相互に作用する寸法、
形状としたため、建築用パネルが離脱することなく、し
かも確実に係合できる特徴がある。

その他、釘の打設位置をＭ字状凸部と舌片間としたため
、雨水の漏洩が全くなく、釘が錆び難くなる利点がある
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る建築用パネルの一実施例を示す斜
視図、第２図はその連結部の連結状態、および装着状態
を示す説明図、第３図は本考案に係る建築用パネルの要
部であるＶ字状窪部とＭ字状凸部の連結部分を抽出、拡
大して示す説明図、第４図、および第５図はその他の実
施例を示す説明図である。 １・・・・・・・・・主体、４・・・・・・・・・差込
縁、５・・・・・・・・・■字状窪部、６・・・・・・
・・・差込溝、９・・・・・・・・・Ｍ字状凸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長尺状の化粧面と該化粧面の長手方向の２側縁を内方に
   直角に折り曲げた側壁とから断面を目状に形成した主体
   と、上記側壁の１つの下端を外側方へ突出して差込縁を
   形成した雄型連結部と、他側壁下端を内側方に屈曲し、
   次ぎに外側方へ突出して断面をコ字状に形成した差込溝
   と該差込溝の下縁を外側方へ延ばして延長部を形成した
   雌型連結部とからなる建築用パネルにおいて、前記差込
   縁の途中に前記側壁と平行に一条のＶ字状窪部を形成し
   、該Ｖ字状窪部を嵌合するＭ字状凸部を前記延長部途中
   に前記他側壁と平行に形成すると共に、延長部先端を上
   方へ屈曲して舌片を設け、また、差込縁表面からＶ字状
   窪部の底面裏面まての寸法をｈｌ、延長部表面からＭ字
   状凸部の先端表面まての寸法をｈ２、Ｖ字状窪部の中心
   から差込縁の先端まての長さをＡ、上記中心から雄型連
   結部側の側壁まての長さをＢ、 Ｍ字状凸部の中心から
   差込溝の最奥、および舌片先端までの長さをＣ，Ｄとし
   たそきにＡくＣ１Ｂ＝ＤＸｈ２〉ｈｌに設定して連結部
   に３つの空隙を形成すると共に、弾力を相互に作用させ
   る形状としたことを特徴とするサイディングホード。