JPS6042275A - セラミック製ブレ−ドおよびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はセラミック製ブレードおよびその製造方法に関
する。更に詳細には非磁性で靭性に富みかつ、耐摩耗性
に優れるセラミック製薄刃およびその製造方法に関する
ものである。

従来、カミソリ、カッター等の薄刃（以下ブレードと称
する。）は鋼もしくはステンレス鋼で製作されていた。

しかしながら鋼の場合、水分、酸、塩類の存゛在により
錆を生じ長期間にわたって切れ味を維持できない。他方
、ステンレス鋼の場合には刃先硬度が不足するため切れ
味の低下が著しく、特に鋭い切れ味が要求される薄刃に
おいては上記の傾向は顕著にあられれ、連続しては使用
し雌い。

それゆえ連続して使用されるような用途向けにはやむな
く高価なタングステンカーバイド系のプレー１′が用い
られることが多い。また金属性ブレードの場合には、そ
の多くが磁性を有するため、近年需要が増大している磁
気記録体のフィルムの切断等に用いる場合には記録され
ている磁気情報を乱すこととなり使用し難いとの欠点を
も有する。

一方近年、鋏、ナイフ等の刃物類をセラミックで製作す
ることが提案され、例えばアルミナを刃先に用いた鋏、
部分安定化ジルコニアを用いた包丁等が一部商品化され
ている。ところがアルミナの場合、鋏のように刃の剪断
作用により切断する用途には使用できるが鋭利な刃先を
必要とする包丁、ブレード等には靭性が乏しく、刃先が
欠けるため使用できない。

加えて、包丁等は鋭利な刃先を必要とはするものの、そ
の刀先端のｙソさは１０μｍ以上であり、現在の製造技
術でも容易に製作することができる。

しかしカミソリ、カッター等のブレードはその刃先端の
厚さは５μｍ以下であることを必要とされ、セラミック
焼結体自身の有するマクロポア−等もあり、刃先加工は
非常に困難で未だセラミック製ブレ〜トは実用化されて
いない。

かかる事情下に鑑み本発明者らは靭性に冨み、耐摩耗性
に優れかつ、刃先加工の容易なセラミック製ブレードを
得るべく鋭意検討した結果、特定物性を有する部分安定
化ジルコニア焼結体は上記の要件を満足するセラミック
製ブレードとなし得ることを見い出し、本発明を完成す
るに至っ・た。

すなわち本発明は、最大結晶粒子径が３μｍ以下で結晶
相の５０モル％以上が正方晶をもって構成されるイツト
リア又はセリアを固溶したジルコニア系焼結体よりなる
セラミック製ブレードおよびその製造方法を提供するに
ある。

以下、本発明を更に詳細に説明する。

本発明のセラミック製ブレードはイツトリア又はセリア
を固溶した所謂部分安定化ジルコニア焼結体よりなり、
該焼結体は最大結晶粒子径が３μｍ以下で結晶相の５０
モル％以上が正方晶により構成されていることが必須と
なる。

本発明においてジルコニア焼結体を構成する個々の結晶
粒子径が３μｍを越える場合には、プレートの刃先を５
μｍ以下に加工することができず、切れ味に優れたブレ
ードが得られない。又焼結体を構成する結晶相中正方晶
が５０モル％未満の場合には、焼結体の殿械的強度、靭
性が著しく低下し、刃先加工時ブレードそのものの破壊
或いは刃先のチッピングを生し好ましくない。

このような物性を有する部分安定化ジルコニア焼結体よ
りなるブレードの製造方法としては例えば、平均粒１３
ｉｌ−１μｍ以下、好ましくは０．５μｍ以下のイツト
リア又はセリアの安定化剤が均一に分散したジルコニア
粉末を用い、ドクターブレー「法で焼結後の成形体の厚
さが５００μｍ以下程度になる如く成形し、次いで必要
に応じ乾燥後、１３００〜１６００°Ｃの温度で焼結せ
しめた後、刃先加工を施す方法が挙げられる。

本発明においてジルコニアに対する安定化剤の添加量は
イツトリアの場合２．５〜５モル％、セリアの場合８〜
１５モル％の範囲で適用される。

原料ジルコニア粉末は安定化剤が均一に固溶しかつ、粒
径が１μｍ以下であることが焼結性、強度の点から必要
であり、共沈法、加水分解等の方法により製造された原
料が望ましい。原料ジルコニア粉末としては所要量の安
定化剤を添加配合して予め部分安定化処理をして得た部
分安定化ジルコニアを使用する場合にはその後の成形、
焼結時の安定性が高く、より好ましい態様となる。この
場合にもその粒径は１μｍ以下であることを要する。

本発明においてブレードの成形法はドクターブレード法
が採用される。この成形方法の選択はブレード刃先の加
工性に大きく影響する。例えば最もよく用いられ、包丁
等の成形に採用されているラバープレス成形法をブレー
ドの成形に用いる場合には粒子間の摩擦によりミクロな
歪が生じることが避けられず、焼結時不均−な収縮によ
り第１図の拡大写真に見られる如く１０〜３０μｍの気
孔が発生ずる。この気孔は部分安定化ジルコニアの特性
である１００ｋｇ／ｃＪを越えるような曲げ強度で示さ
れる機械的特性にはおおきな影響を与えないが刃先端厚
みを５μｍ以下に加工する場合はチッピングが発生し、
鋭利な刃先に加工することができない。

また押出成形法の場合、ブレードのような薄板の連続製
造に適してはいるが、残存エアーや原料物質の不均一な
混合等のため第２図の拡大写真に見られる如く１０〜５
０μｍの気孔が生じることはさげられず、部分安定化ジ
ルコニアの機械的特性にも悪影響を及ぼし好ましくない
。

更に緻密な成形体が得られるスリップキャスティング成
形法もあるが、該方法は分散媒に水を用いるため、水中
の微量の溶存ガスが第３図の拡大写真に見られる如き１
０〜２０μｍの気孔を生じせしめ、刃先加工時のチッピ
ングの原因となるため好ましくない。

これに対してドクターブレード成形法は有機溶媒を用い
かつ成形圧力が非常に低いか、高い場合にも粒子間に歪
を残すことがないため第４図の拡大写真に示される如く
、先の成形法により生じたような気孔を著しく低減化す
ることが可能であり、このため得られるブレードはチッ
ピングが極めて少ない。しかしながらドクターブレード
成形法は多量の有機物を成形助剤として使用するため焼
結過程で有機物の局部的燃焼を防止することは困難であ
り、えられる成形体に微小なりランクが生じる原因とな
る。しかし焼結後の成形体の厚さを５００μｍ以下にな
る如く成形する場合には上述の局部的燃焼を防止するこ
とができ、クランクの発生を著しく低減せしめ得ること
を見い出したのである。

以上詳述した如く本発明は、特定物性を有する部分安定
化ジルコニア焼結体を就中ドクターブレード法を用い焼
結後の成形体の厚さが５００μｍ以下になる如く成形し
、焼結することにより得られた該物性を有する部分安定
化ジルコニア焼結体をセラミック製ブレードと成す場合
には非磁性で靭性に富みかつ、耐摩耗性に優れたブレー
ドとなし得ることを見い出したものであり、その工業的
価値は頗る大なるものである。

以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はかかる実施例により制限されない。

実施例　１ 市販の部分安定化ジルコニア粉末（東洋曹達型、イソｌ
−ＩＪア３モル％、平均結晶粒径０．０５μｍ）１００
重量部にポリビニルブチラール１０重量部、ジブチルフ
タレート７重量部、メチルエチルケトン４４重量部を加
え、プラスチックボールミルで２４時間混合後脱気し、
ドクターブレード法により４００μｍのセラミックシー
トを成形した。この成形体を１５５０℃で２時間焼結し
、４０ＸＩ　５■、厚さ３００．＋１ｍの焼結体を得た
。

この様にして得られた焼結体の物性を測定したところ３
μｍを越える結晶粒子は見られず、また結晶構造は８５
モル％が正方晶であった。

次いでこの焼結体にラッピング研磨により刃付は加工を
おこなったところ３μｍの刃先厚みへの加工が可能であ
った。

実施例　２および比較例１〜６ 第１表に示す条件の他は実施例１と同様の方法で成形、
焼結し、得られた焼結体の物性の測定と刃先加工性能を
調べた。

その結果を第１表に示す。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は原料ジルコニア粉末を各種の成形方法によ
り成形し、得られた成形体を焼結して得た焼結体の拡大
写真であって、第１図はラバープレス成形法、第２図は
押出成形法、第３図１よスリップキャスティング成形法
、第４図はドクターブレード成形法による例示である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）最大結晶粒子径が３μｍ以下で結晶相の５０モル％
   以上が正方晶をもって構成されるイツトリア又はセリア
   を固溶したジルコニア系焼結体よりなるセラミック製ブ
   レード。 ２）所要量のイツトリア又はセリアを均一に分散したジ
   ルコニア粉末をドクターブレード法により成形し、焼結
   して最大結晶粒子径が３μｍ以下で結晶相の５０モル％
   以上が正方晶をもって構成される焼結体を得、次いで刃
   付加工を施すことを特徴とするセラミック製ブレードの
   製造方法。