JP2581935B2 - セラミック焼結体 - Google Patents
セラミック焼結体Info
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- JP2581935B2 JP2581935B2 JP62268950A JP26895087A JP2581935B2 JP 2581935 B2 JP2581935 B2 JP 2581935B2 JP 62268950 A JP62268950 A JP 62268950A JP 26895087 A JP26895087 A JP 26895087A JP 2581935 B2 JP2581935 B2 JP 2581935B2
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- sintered body
- zro
- ceramic sintered
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- chipping resistance
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は例えば薄膜磁気ヘッド用基板などに用いられ
るアルミナ−炭化チタン系のセラミック焼結体に関する
ものである。
るアルミナ−炭化チタン系のセラミック焼結体に関する
ものである。
近時、フェライトやセンダストを使用したヘッドに代
って薄膜磁気ヘッドが高密度記録用ヘッドとして注目さ
れており、この薄膜磁気ヘッド用の基板には、 (1)・・・耐摩耗性に優れている (2)・・・表面平滑性に優れている (3)・・・耐チッピング性に優れている (4)・・・機械加工性に優れている などの特性が要求されており、このような要求に対して
アルミナ(Al2O3)−炭化チタン(TiC)系のセラミック
焼結体が注目されている。
って薄膜磁気ヘッドが高密度記録用ヘッドとして注目さ
れており、この薄膜磁気ヘッド用の基板には、 (1)・・・耐摩耗性に優れている (2)・・・表面平滑性に優れている (3)・・・耐チッピング性に優れている (4)・・・機械加工性に優れている などの特性が要求されており、このような要求に対して
アルミナ(Al2O3)−炭化チタン(TiC)系のセラミック
焼結体が注目されている。
このセラミック焼結体を用いた場合には上記(1)の
耐摩耗性は容易に得られ易いが、その他の(2)(3)
(4)などの所要特性については得られ難い。そのため
にMgO,NiO,Cr2O3,Y2O3などの焼結助剤を添加し、そし
て、ホットプレス法、ホットプレス法とHIP法、雰囲気
焼成とHIP法の組合せにより焼結体密度を理論密度にま
で大きくし、その結果、上記(2)の表面平滑性を向上
させることができたが、その反面、(3)の耐チッピン
グ性や(4)の機械加工性については未だ満足し得るよ
うな所要特性が得られていない。
耐摩耗性は容易に得られ易いが、その他の(2)(3)
(4)などの所要特性については得られ難い。そのため
にMgO,NiO,Cr2O3,Y2O3などの焼結助剤を添加し、そし
て、ホットプレス法、ホットプレス法とHIP法、雰囲気
焼成とHIP法の組合せにより焼結体密度を理論密度にま
で大きくし、その結果、上記(2)の表面平滑性を向上
させることができたが、その反面、(3)の耐チッピン
グ性や(4)の機械加工性については未だ満足し得るよ
うな所要特性が得られていない。
即ち、薄膜磁気ヘッド用基板を製作する場合には3イ
ンチφ×厚み4mmの円板状Al2O3−TiC系セラミック焼結
体をスライシングし、数百個の基板材を切り出している
が、その切り出しに当たってチッピングが発生し易くな
り、更に切削抵抗が大きくなり、その結果、製造歩留り
が低下するという問題があった。
ンチφ×厚み4mmの円板状Al2O3−TiC系セラミック焼結
体をスライシングし、数百個の基板材を切り出している
が、その切り出しに当たってチッピングが発生し易くな
り、更に切削抵抗が大きくなり、その結果、製造歩留り
が低下するという問題があった。
従って本発明は上記事情に鑑みて完成されたものであ
り、その目的は機械加工性及び耐チッピング性に優れた
Al2O3−TiC系のセラミック焼結体を提供することにあ
る。
り、その目的は機械加工性及び耐チッピング性に優れた
Al2O3−TiC系のセラミック焼結体を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は薄膜磁気ヘッド用基板材料に適し
ており、その基板の製造歩留りを高めることができたAl
2O3−TiC系のセラミック焼結体を提供することにある。
ており、その基板の製造歩留りを高めることができたAl
2O3−TiC系のセラミック焼結体を提供することにある。
本発明によれば、60乃至80重量%のAl2O3と40乃至20
重量%のTiCを主要構成部と成し、100重量部の該主要構
成部に対して1乃至10重量部の酸化ジルコニウム(Zr
O2)を含むセラミック焼結体であって、前記ZrO2の少な
くとも一部が正方晶結晶であり、更に前記焼結体密度が
理論密度に対して97.0以上且つ99.2%未満であることを
特徴とするセラミック焼結体が提供される。
重量%のTiCを主要構成部と成し、100重量部の該主要構
成部に対して1乃至10重量部の酸化ジルコニウム(Zr
O2)を含むセラミック焼結体であって、前記ZrO2の少な
くとも一部が正方晶結晶であり、更に前記焼結体密度が
理論密度に対して97.0以上且つ99.2%未満であることを
特徴とするセラミック焼結体が提供される。
本発明のセラミック焼結体は、上述した通り、Al2O3
−TiC系のセラミック焼結体に少なくとも一部が正方晶
結晶であるZrO2を所要の範囲内で配合し且つ焼結体の理
論密度比を所要の範囲内に設定し、このような両者の限
定を組合せることによって耐チッピング性及び機械加工
性が改善されることが特徴である。
−TiC系のセラミック焼結体に少なくとも一部が正方晶
結晶であるZrO2を所要の範囲内で配合し且つ焼結体の理
論密度比を所要の範囲内に設定し、このような両者の限
定を組合せることによって耐チッピング性及び機械加工
性が改善されることが特徴である。
Al2O3−TiC主要構成部は良好な焼結状態が得られた場
合には耐摩耗性、精密加工性並びに強度などの点で優れ
た所要特性が得られ易く、その所要特性を満足し得るよ
うにAl2O3−TiCの配合比率を決める必要がある。
合には耐摩耗性、精密加工性並びに強度などの点で優れ
た所要特性が得られ易く、その所要特性を満足し得るよ
うにAl2O3−TiCの配合比率を決める必要がある。
その配合比率はAl2O3が60乃至80重量%、好適には65
乃至75重量%の範囲内に、一方のTiCは20乃至40重量
%、好適には25乃至35重量%の範囲内になるように設定
すればよい。
乃至75重量%の範囲内に、一方のTiCは20乃至40重量
%、好適には25乃至35重量%の範囲内になるように設定
すればよい。
Al2O3が60重量%未満又はTiCが40重量%を超えた場合
には耐チッピング性が著しく低下し、そして、TiCが20
重量%未満又はAl2O3が80重量%を越えた場合には機械
加工性が著しく低下する。
には耐チッピング性が著しく低下し、そして、TiCが20
重量%未満又はAl2O3が80重量%を越えた場合には機械
加工性が著しく低下する。
また、焼結体中のAl2O3粒子やTiC粒子はいずれも長手
方向の平均寸法として5μm以下、好適には2μm以下
の範囲内に設定するのが望ましく、これによって均質な
粒度となって強度が向上する。
方向の平均寸法として5μm以下、好適には2μm以下
の範囲内に設定するのが望ましく、これによって均質な
粒度となって強度が向上する。
また前記ZrO2はAl2O3−TiC主要構成部100重量部に対
して1乃至10重量部、好適には3乃至6重量部の範囲内
で配合するとよく、この配合量が1重量部未満の場合に
は耐チッピング性の向上が期待できず、10重量を越えた
場合には靭性が低下する。
して1乃至10重量部、好適には3乃至6重量部の範囲内
で配合するとよく、この配合量が1重量部未満の場合に
は耐チッピング性の向上が期待できず、10重量を越えた
場合には靭性が低下する。
このZrO2粒子は焼結体内部で少なくとも一部が正方晶
結晶で存在することが必須不可欠であり、これによって
耐チッピング性が向上するが、この結晶以外に立方晶結
晶や単斜晶結晶が存在してもよい。
結晶で存在することが必須不可欠であり、これによって
耐チッピング性が向上するが、この結晶以外に立方晶結
晶や単斜晶結晶が存在してもよい。
上記正方晶結晶のZrO2は全ZrO2中50モル%以上、好適
には70モル%以上含まれているのがよく、これによって
耐チッピング性が最も向上する。
には70モル%以上含まれているのがよく、これによって
耐チッピング性が最も向上する。
このように正方晶結晶から成るZrO2粒子を焼結体内部
に存在せしめるためには、原料調合時に安定化剤が含有
されたZrO2原料、或いは安定化剤が含有されていなくて
も正方晶結晶として存在するZrO2原料をAl2O3−TiC主要
原料に添加する。
に存在せしめるためには、原料調合時に安定化剤が含有
されたZrO2原料、或いは安定化剤が含有されていなくて
も正方晶結晶として存在するZrO2原料をAl2O3−TiC主要
原料に添加する。
安定化剤含有のZrO2原料を用いる場合、その原料の段
階で単斜晶結晶、正方晶結晶又は立方晶結晶のいずれの
結晶相であっても本発明のセラミック焼結体が得られ
る。一般に焼成に伴って安定化剤の一部がZrO2粒子より
出てしまい、これにより、ZrO2粒子の結晶相が変化する
場合がある。例えば主として立方晶結晶から成るZrO2原
料を用いた場合にはZrO2粒子内部の安定化剤が減少し、
正方晶結晶へ変化する。
階で単斜晶結晶、正方晶結晶又は立方晶結晶のいずれの
結晶相であっても本発明のセラミック焼結体が得られ
る。一般に焼成に伴って安定化剤の一部がZrO2粒子より
出てしまい、これにより、ZrO2粒子の結晶相が変化する
場合がある。例えば主として立方晶結晶から成るZrO2原
料を用いた場合にはZrO2粒子内部の安定化剤が減少し、
正方晶結晶へ変化する。
このような安定化剤にはMgO,Y2O3,CaOなどがあり、こ
れらが単独で又は組合せて用いられる。
れらが単独で又は組合せて用いられる。
またZrO2原料をAl2O3−TiC主要原料へ配合するに当た
っては十分に均一混合し、そして、焼成に伴ってZrO2粒
子を焼結体内部に均一分散させるとよく、これにより、
一層強靭化される。
っては十分に均一混合し、そして、焼成に伴ってZrO2粒
子を焼結体内部に均一分散させるとよく、これにより、
一層強靭化される。
焼結体中のZrO2粒子は平均粒径で1.5μm以下、望ま
しくは1.0μm以下になるようにできるだけ小さくする
のがよく、これにより、強靭化し、また耐チッピング性
が一層向上する。
しくは1.0μm以下になるようにできるだけ小さくする
のがよく、これにより、強靭化し、また耐チッピング性
が一層向上する。
そして、本発明者等は上述したような配合組成並びに
配合比率でもって焼成するに際して、その焼結体の密度
を理論密度に対して97.0%以上且つ99.2%未満、好適に
は98.0乃至99.0%の範囲内に設定した場合、耐チッピン
グ性が向上し、しかも、優れた機械加工性が得られるこ
とを見い出した。
配合比率でもって焼成するに際して、その焼結体の密度
を理論密度に対して97.0%以上且つ99.2%未満、好適に
は98.0乃至99.0%の範囲内に設定した場合、耐チッピン
グ性が向上し、しかも、優れた機械加工性が得られるこ
とを見い出した。
本発明者等の知見によれば、ホットプレス法やHIP法
などの加圧焼結によりAl2O3−TiC系セラミック焼結体を
製作した場合、その理論密度比は99.2%以上となり、こ
のような高密度焼結体になると表面平滑性が顕著に向上
するが、これに対して本発明によれば、上記加圧焼結法
における通常の焼成条件よりも焼成温度や圧力を若干小
さくし、これによって所望通りの密度を得る。
などの加圧焼結によりAl2O3−TiC系セラミック焼結体を
製作した場合、その理論密度比は99.2%以上となり、こ
のような高密度焼結体になると表面平滑性が顕著に向上
するが、これに対して本発明によれば、上記加圧焼結法
における通常の焼成条件よりも焼成温度や圧力を若干小
さくし、これによって所望通りの密度を得る。
尚、本発明のセラミック焼結体はAl2O3,TiC及びZrO2
を必須成分として含有するが上記成分以外の成分の含有
を排除するものではない。例えば、上記成分の混合粉砕
時にボール等の粉砕媒体を使用するときには、この粉砕
媒体を構成する成分が混合粉砕中に必然的に含有される
ようになる。例えばSi,Co,W,Fe,Nb,Mn,Ni,Hf等の酸化
物、炭化物、窒化物などがあり、これはセラミックス全
体当たり5重量%まで混入されることが許容される。
を必須成分として含有するが上記成分以外の成分の含有
を排除するものではない。例えば、上記成分の混合粉砕
時にボール等の粉砕媒体を使用するときには、この粉砕
媒体を構成する成分が混合粉砕中に必然的に含有される
ようになる。例えばSi,Co,W,Fe,Nb,Mn,Ni,Hf等の酸化
物、炭化物、窒化物などがあり、これはセラミックス全
体当たり5重量%まで混入されることが許容される。
かくして、本発明のセラミック焼結体については、正
方晶結晶から成るZrO2粒子を配合させて耐チッピング性
を高め、そして、理論密度比を所定の範囲内に設定して
耐チッピング性を更に一層高めると共に機械加工性も高
めることができた。
方晶結晶から成るZrO2粒子を配合させて耐チッピング性
を高め、そして、理論密度比を所定の範囲内に設定して
耐チッピング性を更に一層高めると共に機械加工性も高
めることができた。
次に本発明の実施例を述べる。
(例1) Al2O3(純度99.9%)とTiC(純度99.5%)から成る原
料にZrO2原料(MgOが10モル%固溶しており、主として
立方体結晶である)を種々の配合比率で加え、そして、
湿式にて粉砕混合し、次いで、所要な形状に成形し、こ
の成形体を1600乃至1700℃の温度で且つ200乃至300Kg/c
m2の圧力で1時間ホットプレスし、これにより、試料N
o.1乃至No.5の5種類の円板状セラミック焼結体(76mm
φ、厚み5mm)を得た。尚、いずれの試料も焼成条件を
調整して理論密度比98.9%に設定した。
料にZrO2原料(MgOが10モル%固溶しており、主として
立方体結晶である)を種々の配合比率で加え、そして、
湿式にて粉砕混合し、次いで、所要な形状に成形し、こ
の成形体を1600乃至1700℃の温度で且つ200乃至300Kg/c
m2の圧力で1時間ホットプレスし、これにより、試料N
o.1乃至No.5の5種類の円板状セラミック焼結体(76mm
φ、厚み5mm)を得た。尚、いずれの試料も焼成条件を
調整して理論密度比98.9%に設定した。
このようにして製作した各々の試料の耐チッピング
性、機械加工性及び靭性並びにZrO2粒子の結晶状態を測
定したところ、第1表に示す通りの結果が得られた。
性、機械加工性及び靭性並びにZrO2粒子の結晶状態を測
定したところ、第1表に示す通りの結果が得られた。
耐チッピング性は上記各試料を21×4×3mmの矩形状
に切削し、その表面が鏡面状態になるまでラッピング
し、然る後、ダイヤモンドホイル(レジン#325 110mm
φ×厚み1mm)を回転数5500rpm、送り40mm/minに設定
し、これを用いて上記矩形体を切断し、その切断面より
チッピングの評価を得た。添付の図面はその切断面であ
り、1は試料、2はその切断面、3はダイヤモンドホイ
ルが通過した界面であり、切削面2と界面3の間がチッ
ピングにより除去された部分である。本テストにおいて
は切断面2のなかで500μm間隔の任意の点A、Bを設
定し、そのA−B間で最大のチッピング巾を評価基準と
しており、その最大チッピング巾が大きくなると耐チッ
ピング性が劣化するとした。
に切削し、その表面が鏡面状態になるまでラッピング
し、然る後、ダイヤモンドホイル(レジン#325 110mm
φ×厚み1mm)を回転数5500rpm、送り40mm/minに設定
し、これを用いて上記矩形体を切断し、その切断面より
チッピングの評価を得た。添付の図面はその切断面であ
り、1は試料、2はその切断面、3はダイヤモンドホイ
ルが通過した界面であり、切削面2と界面3の間がチッ
ピングにより除去された部分である。本テストにおいて
は切断面2のなかで500μm間隔の任意の点A、Bを設
定し、そのA−B間で最大のチッピング巾を評価基準と
しており、その最大チッピング巾が大きくなると耐チッ
ピング性が劣化するとした。
このような評価基準として◎印、○印、△印及び×印
の4段階に区分し、◎印は上記最大チッピング巾が30μ
m未満、○印は30μm以上且つ45μm未満、△印は45μ
m以上且つ60μm未満、×印は60μm以上の場合であ
る。
の4段階に区分し、◎印は上記最大チッピング巾が30μ
m未満、○印は30μm以上且つ45μm未満、△印は45μ
m以上且つ60μm未満、×印は60μm以上の場合であ
る。
機械加工性は前記円板状セラミック焼結体を76mmφ、
厚み4mmの円形状に研摩し、次いで、ダイヤモンドホイ
ル(レンジ#325、110mmφ×厚み1mm)を回転数5500rp
m、送り100mm/minに設定し、これを用いて上記円板を切
断した。その切断に際してダイヤモンドホイールの主軸
に接続された回転駆動用モータの負荷電流を測定し、定
常切断時の平均電流値を求めた。この平均電流値が大き
くなると切断抵抗が大きくなり、これに伴って機械加工
性が低下することを示しており、その評価基準は◎印、
○印、△印及び×印の4段階に区分し、順次機械加工性
が低下することを表わす。
厚み4mmの円形状に研摩し、次いで、ダイヤモンドホイ
ル(レンジ#325、110mmφ×厚み1mm)を回転数5500rp
m、送り100mm/minに設定し、これを用いて上記円板を切
断した。その切断に際してダイヤモンドホイールの主軸
に接続された回転駆動用モータの負荷電流を測定し、定
常切断時の平均電流値を求めた。この平均電流値が大き
くなると切断抵抗が大きくなり、これに伴って機械加工
性が低下することを示しており、その評価基準は◎印、
○印、△印及び×印の4段階に区分し、順次機械加工性
が低下することを表わす。
靭性K1cはビッカース硬度計を用いて圧痕法に基づい
て求めた。
て求めた。
ZrO2粒子の結晶状態はX線回折装置を用いて主な結晶
相並びに立方晶結晶と正方晶結晶を合計した量のZrO2全
体当たりの比率を求めた。
相並びに立方晶結晶と正方晶結晶を合計した量のZrO2全
体当たりの比率を求めた。
第1表より明らかな通り、本発明の試料No.2乃至No.4
は耐チッピング性、機械加工性及び靭性に優れている。
は耐チッピング性、機械加工性及び靭性に優れている。
然るに試料No.1についてはZrO2配合量が少ないために
耐チッピング性及び機械加工性に劣り、試料No.5につい
てはZrO2配合量が多くなって靭性に劣っていることが判
る。
耐チッピング性及び機械加工性に劣り、試料No.5につい
てはZrO2配合量が多くなって靭性に劣っていることが判
る。
(例2) 本例においては(例1)の試料No.3を製作するに当た
って、ホットプレス条件(焼成温度、圧力など)を変化
させ、これにより、密度の異なる各種試料を得た。そし
て、これらの試料の耐チッピング性、機械加工性、表面
平滑性並びにZrO2粒子の結晶相を測定したところ、第2
表に示す通りの結果が得られた。
って、ホットプレス条件(焼成温度、圧力など)を変化
させ、これにより、密度の異なる各種試料を得た。そし
て、これらの試料の耐チッピング性、機械加工性、表面
平滑性並びにZrO2粒子の結晶相を測定したところ、第2
表に示す通りの結果が得られた。
この表中、表面平滑性以外の特性はいずれも(例1)
に示した方法により測定しており、そして、表面平滑性
については前記円板状セラミック焼結体の表面を#450
ダイヤモンド砥石を用いて機械加工し、次いで、その表
面を115g/cm2の圧力を加えながらラッピングした。この
ラッピングは順次A工程とB工程から成り、各工程のラ
ッピング条件は下記の通りである。
に示した方法により測定しており、そして、表面平滑性
については前記円板状セラミック焼結体の表面を#450
ダイヤモンド砥石を用いて機械加工し、次いで、その表
面を115g/cm2の圧力を加えながらラッピングした。この
ラッピングは順次A工程とB工程から成り、各工程のラ
ッピング条件は下記の通りである。
A工程 ラップ盤・・・鋳鉄 研磨材・・・・ダイヤモンド砥石(4〜8μm)+水 回転スピード・30rpm 研磨時間・・・60分 B工程 ラップ盤・・・錫 研磨材・・・・ダイヤモンド砥石(0〜3μm)+水 回転スピード・30rpm 研磨時間・・・75分 このように鏡面加工し、その鏡面を金属顕微鏡(400
倍)を用いて観察し、その目視によって表面平滑性を評
価した。その評価は◎印、○印及び×印に3区分し、◎
印は主に1μmφ以下の径の粒脱落又はボイドが見られ
た場合であり、○印は主に1乃至2μmの径の粒脱落又
はボンドが見られた場合であり、×印は主に2μmφ以
上の径の粒脱落又はボイドが見られた場合である。
倍)を用いて観察し、その目視によって表面平滑性を評
価した。その評価は◎印、○印及び×印に3区分し、◎
印は主に1μmφ以下の径の粒脱落又はボイドが見られ
た場合であり、○印は主に1乃至2μmの径の粒脱落又
はボンドが見られた場合であり、×印は主に2μmφ以
上の径の粒脱落又はボイドが見られた場合である。
第2表より明らかな通り、本発明の試料No.8乃至No.1
1は耐チッピング性、機械加工性及び表面平滑性のいず
れの特性にも優れていることが判る。そして、これらの
試料はいずれも4.0MN/m3/2以上の靭性が得られることを
確認した。
1は耐チッピング性、機械加工性及び表面平滑性のいず
れの特性にも優れていることが判る。そして、これらの
試料はいずれも4.0MN/m3/2以上の靭性が得られることを
確認した。
然るに試料No.6,7は理論密度比が小さくなって耐チッ
ピング性と表面平滑性が劣化しており、試料No.12は理
論密度比が大きくなって耐チッピング性と機械加工性が
劣化していることが判る。
ピング性と表面平滑性が劣化しており、試料No.12は理
論密度比が大きくなって耐チッピング性と機械加工性が
劣化していることが判る。
また本実施例においては安定化剤としてMgOが添加さ
れたZrO2粒子を配合しているが、その他の安定化剤、例
えばY2O3,CaOなどが添加されたZrO2粒子を配合しても本
発明と同様な効果が得られることを確認した。
れたZrO2粒子を配合しているが、その他の安定化剤、例
えばY2O3,CaOなどが添加されたZrO2粒子を配合しても本
発明と同様な効果が得られることを確認した。
以上の通り、本発明のセラミック焼結体によれば、耐
チッピング性及び機械加工性に優れており、そのため、
このセラミック焼結体をスライシングして精密加工した
場合、その製造歩留りを著しく高めることができる。
チッピング性及び機械加工性に優れており、そのため、
このセラミック焼結体をスライシングして精密加工した
場合、その製造歩留りを著しく高めることができる。
また、本発明のセラミック焼結体は精密加工性、耐摩
耗性、強度並びにスライシング性に優れており、これに
より、薄膜磁気ヘッド用基板、磁気ディスク用基板、精
密加工用治具の構成材として賞用できる。
耗性、強度並びにスライシング性に優れており、これに
より、薄膜磁気ヘッド用基板、磁気ディスク用基板、精
密加工用治具の構成材として賞用できる。
図面は耐チッピング性を測定するための試料切断の模式
図である。 1……試料、2……試料の切断面 3……ダイヤモンドホイルの通過界面
図である。 1……試料、2……試料の切断面 3……ダイヤモンドホイルの通過界面
Claims (1)
- 【請求項1】60乃至80重量%のアルミナと40乃至20重量
%の炭化チタンを主要構成部と成し、100重量部の該主
要構成部に対して1乃至10重量部の酸化ジルコニウムを
含むセラミック焼結体であって、前記酸化ジルコニウム
の少なくとも一部が正方晶結晶であり、更に前記焼結体
密度が理論密度に対して97.0%以上且つ99.2%未満であ
ることを特徴とするセラミック焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62268950A JP2581935B2 (ja) | 1987-10-23 | 1987-10-23 | セラミック焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62268950A JP2581935B2 (ja) | 1987-10-23 | 1987-10-23 | セラミック焼結体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01111771A JPH01111771A (ja) | 1989-04-28 |
JP2581935B2 true JP2581935B2 (ja) | 1997-02-19 |
Family
ID=17465545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62268950A Expired - Lifetime JP2581935B2 (ja) | 1987-10-23 | 1987-10-23 | セラミック焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2581935B2 (ja) |
-
1987
- 1987-10-23 JP JP62268950A patent/JP2581935B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH01111771A (ja) | 1989-04-28 |
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