JP2581935B2 - セラミック焼結体 - Google Patents

セラミック焼結体

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JP2581935B2 JP62268950A JP26895087A JP2581935B2 JP 2581935 B2 JP2581935 B2 JP 2581935B2 JP 62268950 A JP62268950 A JP 62268950A JP 26895087 A JP26895087 A JP 26895087A JP 2581935 B2 JP2581935 B2 JP 2581935B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は例えば薄膜磁気ヘッド用基板などに用いられ
るアルミナ−炭化チタン系のセラミック焼結体に関する
ものである。
〔従来技術及びその問題点〕
近時、フェライトやセンダストを使用したヘッドに代
って薄膜磁気ヘッドが高密度記録用ヘッドとして注目さ
れており、この薄膜磁気ヘッド用の基板には、 (1)・・・耐摩耗性に優れている (2)・・・表面平滑性に優れている (3)・・・耐チッピング性に優れている (4)・・・機械加工性に優れている などの特性が要求されており、このような要求に対して
アルミナ(Al2O3)−炭化チタン(TiC)系のセラミック
焼結体が注目されている。
このセラミック焼結体を用いた場合には上記(1)の
耐摩耗性は容易に得られ易いが、その他の(2)(3)
(4)などの所要特性については得られ難い。そのため
にMgO,NiO,Cr2O3,Y2O3などの焼結助剤を添加し、そし
て、ホットプレス法、ホットプレス法とHIP法、雰囲気
焼成とHIP法の組合せにより焼結体密度を理論密度にま
で大きくし、その結果、上記(2)の表面平滑性を向上
させることができたが、その反面、(3)の耐チッピン
グ性や(4)の機械加工性については未だ満足し得るよ
うな所要特性が得られていない。
即ち、薄膜磁気ヘッド用基板を製作する場合には3イ
ンチφ×厚み4mmの円板状Al2O3−TiC系セラミック焼結
体をスライシングし、数百個の基板材を切り出している
が、その切り出しに当たってチッピングが発生し易くな
り、更に切削抵抗が大きくなり、その結果、製造歩留り
が低下するという問題があった。
〔発明の目的〕
従って本発明は上記事情に鑑みて完成されたものであ
り、その目的は機械加工性及び耐チッピング性に優れた
Al2O3−TiC系のセラミック焼結体を提供することにあ
る。
本発明の他の目的は薄膜磁気ヘッド用基板材料に適し
ており、その基板の製造歩留りを高めることができたAl
2O3−TiC系のセラミック焼結体を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、60乃至80重量%のAl2O3と40乃至20
重量%のTiCを主要構成部と成し、100重量部の該主要構
成部に対して1乃至10重量部の酸化ジルコニウム(Zr
O2)を含むセラミック焼結体であって、前記ZrO2の少な
くとも一部が正方晶結晶であり、更に前記焼結体密度が
理論密度に対して97.0以上且つ99.2%未満であることを
特徴とするセラミック焼結体が提供される。
本発明のセラミック焼結体は、上述した通り、Al2O3
−TiC系のセラミック焼結体に少なくとも一部が正方晶
結晶であるZrO2を所要の範囲内で配合し且つ焼結体の理
論密度比を所要の範囲内に設定し、このような両者の限
定を組合せることによって耐チッピング性及び機械加工
性が改善されることが特徴である。
Al2O3−TiC主要構成部は良好な焼結状態が得られた場
合には耐摩耗性、精密加工性並びに強度などの点で優れ
た所要特性が得られ易く、その所要特性を満足し得るよ
うにAl2O3−TiCの配合比率を決める必要がある。
その配合比率はAl2O3が60乃至80重量%、好適には65
乃至75重量%の範囲内に、一方のTiCは20乃至40重量
%、好適には25乃至35重量%の範囲内になるように設定
すればよい。
Al2O3が60重量%未満又はTiCが40重量%を超えた場合
には耐チッピング性が著しく低下し、そして、TiCが20
重量%未満又はAl2O3が80重量%を越えた場合には機械
加工性が著しく低下する。
また、焼結体中のAl2O3粒子やTiC粒子はいずれも長手
方向の平均寸法として5μm以下、好適には2μm以下
の範囲内に設定するのが望ましく、これによって均質な
粒度となって強度が向上する。
また前記ZrO2はAl2O3−TiC主要構成部100重量部に対
して1乃至10重量部、好適には3乃至6重量部の範囲内
で配合するとよく、この配合量が1重量部未満の場合に
は耐チッピング性の向上が期待できず、10重量を越えた
場合には靭性が低下する。
このZrO2粒子は焼結体内部で少なくとも一部が正方晶
結晶で存在することが必須不可欠であり、これによって
耐チッピング性が向上するが、この結晶以外に立方晶結
晶や単斜晶結晶が存在してもよい。
上記正方晶結晶のZrO2は全ZrO2中50モル%以上、好適
には70モル%以上含まれているのがよく、これによって
耐チッピング性が最も向上する。
このように正方晶結晶から成るZrO2粒子を焼結体内部
に存在せしめるためには、原料調合時に安定化剤が含有
されたZrO2原料、或いは安定化剤が含有されていなくて
も正方晶結晶として存在するZrO2原料をAl2O3−TiC主要
原料に添加する。
安定化剤含有のZrO2原料を用いる場合、その原料の段
階で単斜晶結晶、正方晶結晶又は立方晶結晶のいずれの
結晶相であっても本発明のセラミック焼結体が得られ
る。一般に焼成に伴って安定化剤の一部がZrO2粒子より
出てしまい、これにより、ZrO2粒子の結晶相が変化する
場合がある。例えば主として立方晶結晶から成るZrO2
料を用いた場合にはZrO2粒子内部の安定化剤が減少し、
正方晶結晶へ変化する。
このような安定化剤にはMgO,Y2O3,CaOなどがあり、こ
れらが単独で又は組合せて用いられる。
またZrO2原料をAl2O3−TiC主要原料へ配合するに当た
っては十分に均一混合し、そして、焼成に伴ってZrO2
子を焼結体内部に均一分散させるとよく、これにより、
一層強靭化される。
焼結体中のZrO2粒子は平均粒径で1.5μm以下、望ま
しくは1.0μm以下になるようにできるだけ小さくする
のがよく、これにより、強靭化し、また耐チッピング性
が一層向上する。
そして、本発明者等は上述したような配合組成並びに
配合比率でもって焼成するに際して、その焼結体の密度
を理論密度に対して97.0%以上且つ99.2%未満、好適に
は98.0乃至99.0%の範囲内に設定した場合、耐チッピン
グ性が向上し、しかも、優れた機械加工性が得られるこ
とを見い出した。
本発明者等の知見によれば、ホットプレス法やHIP法
などの加圧焼結によりAl2O3−TiC系セラミック焼結体を
製作した場合、その理論密度比は99.2%以上となり、こ
のような高密度焼結体になると表面平滑性が顕著に向上
するが、これに対して本発明によれば、上記加圧焼結法
における通常の焼成条件よりも焼成温度や圧力を若干小
さくし、これによって所望通りの密度を得る。
尚、本発明のセラミック焼結体はAl2O3,TiC及びZrO2
を必須成分として含有するが上記成分以外の成分の含有
を排除するものではない。例えば、上記成分の混合粉砕
時にボール等の粉砕媒体を使用するときには、この粉砕
媒体を構成する成分が混合粉砕中に必然的に含有される
ようになる。例えばSi,Co,W,Fe,Nb,Mn,Ni,Hf等の酸化
物、炭化物、窒化物などがあり、これはセラミックス全
体当たり5重量%まで混入されることが許容される。
かくして、本発明のセラミック焼結体については、正
方晶結晶から成るZrO2粒子を配合させて耐チッピング性
を高め、そして、理論密度比を所定の範囲内に設定して
耐チッピング性を更に一層高めると共に機械加工性も高
めることができた。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を述べる。
(例1) Al2O3(純度99.9%)とTiC(純度99.5%)から成る原
料にZrO2原料(MgOが10モル%固溶しており、主として
立方体結晶である)を種々の配合比率で加え、そして、
湿式にて粉砕混合し、次いで、所要な形状に成形し、こ
の成形体を1600乃至1700℃の温度で且つ200乃至300Kg/c
m2の圧力で1時間ホットプレスし、これにより、試料N
o.1乃至No.5の5種類の円板状セラミック焼結体(76mm
φ、厚み5mm)を得た。尚、いずれの試料も焼成条件を
調整して理論密度比98.9%に設定した。
このようにして製作した各々の試料の耐チッピング
性、機械加工性及び靭性並びにZrO2粒子の結晶状態を測
定したところ、第1表に示す通りの結果が得られた。
耐チッピング性は上記各試料を21×4×3mmの矩形状
に切削し、その表面が鏡面状態になるまでラッピング
し、然る後、ダイヤモンドホイル(レジン#325 110mm
φ×厚み1mm)を回転数5500rpm、送り40mm/minに設定
し、これを用いて上記矩形体を切断し、その切断面より
チッピングの評価を得た。添付の図面はその切断面であ
り、1は試料、2はその切断面、3はダイヤモンドホイ
ルが通過した界面であり、切削面2と界面3の間がチッ
ピングにより除去された部分である。本テストにおいて
は切断面2のなかで500μm間隔の任意の点A、Bを設
定し、そのA−B間で最大のチッピング巾を評価基準と
しており、その最大チッピング巾が大きくなると耐チッ
ピング性が劣化するとした。
このような評価基準として◎印、○印、△印及び×印
の4段階に区分し、◎印は上記最大チッピング巾が30μ
m未満、○印は30μm以上且つ45μm未満、△印は45μ
m以上且つ60μm未満、×印は60μm以上の場合であ
る。
機械加工性は前記円板状セラミック焼結体を76mmφ、
厚み4mmの円形状に研摩し、次いで、ダイヤモンドホイ
ル(レンジ#325、110mmφ×厚み1mm)を回転数5500rp
m、送り100mm/minに設定し、これを用いて上記円板を切
断した。その切断に際してダイヤモンドホイールの主軸
に接続された回転駆動用モータの負荷電流を測定し、定
常切断時の平均電流値を求めた。この平均電流値が大き
くなると切断抵抗が大きくなり、これに伴って機械加工
性が低下することを示しており、その評価基準は◎印、
○印、△印及び×印の4段階に区分し、順次機械加工性
が低下することを表わす。
靭性K1cはビッカース硬度計を用いて圧痕法に基づい
て求めた。
ZrO2粒子の結晶状態はX線回折装置を用いて主な結晶
相並びに立方晶結晶と正方晶結晶を合計した量のZrO2
体当たりの比率を求めた。
第1表より明らかな通り、本発明の試料No.2乃至No.4
は耐チッピング性、機械加工性及び靭性に優れている。
然るに試料No.1についてはZrO2配合量が少ないために
耐チッピング性及び機械加工性に劣り、試料No.5につい
てはZrO2配合量が多くなって靭性に劣っていることが判
る。
(例2) 本例においては(例1)の試料No.3を製作するに当た
って、ホットプレス条件(焼成温度、圧力など)を変化
させ、これにより、密度の異なる各種試料を得た。そし
て、これらの試料の耐チッピング性、機械加工性、表面
平滑性並びにZrO2粒子の結晶相を測定したところ、第2
表に示す通りの結果が得られた。
この表中、表面平滑性以外の特性はいずれも(例1)
に示した方法により測定しており、そして、表面平滑性
については前記円板状セラミック焼結体の表面を#450
ダイヤモンド砥石を用いて機械加工し、次いで、その表
面を115g/cm2の圧力を加えながらラッピングした。この
ラッピングは順次A工程とB工程から成り、各工程のラ
ッピング条件は下記の通りである。
A工程 ラップ盤・・・鋳鉄 研磨材・・・・ダイヤモンド砥石(4〜8μm)+水 回転スピード・30rpm 研磨時間・・・60分 B工程 ラップ盤・・・錫 研磨材・・・・ダイヤモンド砥石(0〜3μm)+水 回転スピード・30rpm 研磨時間・・・75分 このように鏡面加工し、その鏡面を金属顕微鏡(400
倍)を用いて観察し、その目視によって表面平滑性を評
価した。その評価は◎印、○印及び×印に3区分し、◎
印は主に1μmφ以下の径の粒脱落又はボイドが見られ
た場合であり、○印は主に1乃至2μmの径の粒脱落又
はボンドが見られた場合であり、×印は主に2μmφ以
上の径の粒脱落又はボイドが見られた場合である。
第2表より明らかな通り、本発明の試料No.8乃至No.1
1は耐チッピング性、機械加工性及び表面平滑性のいず
れの特性にも優れていることが判る。そして、これらの
試料はいずれも4.0MN/m3/2以上の靭性が得られることを
確認した。
然るに試料No.6,7は理論密度比が小さくなって耐チッ
ピング性と表面平滑性が劣化しており、試料No.12は理
論密度比が大きくなって耐チッピング性と機械加工性が
劣化していることが判る。
また本実施例においては安定化剤としてMgOが添加さ
れたZrO2粒子を配合しているが、その他の安定化剤、例
えばY2O3,CaOなどが添加されたZrO2粒子を配合しても本
発明と同様な効果が得られることを確認した。
〔発明の効果〕
以上の通り、本発明のセラミック焼結体によれば、耐
チッピング性及び機械加工性に優れており、そのため、
このセラミック焼結体をスライシングして精密加工した
場合、その製造歩留りを著しく高めることができる。
また、本発明のセラミック焼結体は精密加工性、耐摩
耗性、強度並びにスライシング性に優れており、これに
より、薄膜磁気ヘッド用基板、磁気ディスク用基板、精
密加工用治具の構成材として賞用できる。
【図面の簡単な説明】
図面は耐チッピング性を測定するための試料切断の模式
図である。 1……試料、2……試料の切断面 3……ダイヤモンドホイルの通過界面

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】60乃至80重量%のアルミナと40乃至20重量
    %の炭化チタンを主要構成部と成し、100重量部の該主
    要構成部に対して1乃至10重量部の酸化ジルコニウムを
    含むセラミック焼結体であって、前記酸化ジルコニウム
    の少なくとも一部が正方晶結晶であり、更に前記焼結体
    密度が理論密度に対して97.0%以上且つ99.2%未満であ
    ることを特徴とするセラミック焼結体。
JP62268950A 1987-10-23 1987-10-23 セラミック焼結体 Expired - Lifetime JP2581935B2 (ja)

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