JPH0120523B2 - - Google Patents

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JPH0120523B2
JPH0120523B2 JP59073654A JP7365484A JPH0120523B2 JP H0120523 B2 JPH0120523 B2 JP H0120523B2 JP 59073654 A JP59073654 A JP 59073654A JP 7365484 A JP7365484 A JP 7365484A JP H0120523 B2 JPH0120523 B2 JP H0120523B2
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magnetic
zirconia
magnetic head
slider
phase
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JP59073654A
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Hirohide Yamada
Yoshiharu Koike
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Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はデータ処理技術、特に磁気デイスク・
フアイルの分野で使用される磁気ヘツドに係り、
特にスライダーに使用される非磁性基板の材料を
適切に選択した磁気ヘツドに関する。 磁気デイスク装置等に用いられる磁気ヘツドと
しては、例えば特公昭57−569号公報に示されて
いるようなフローテイングヘツドがよく使用され
ている。このような構造の磁気ヘツドにおいて
は、非磁性基板あるいは磁性基板からなるスライ
ダーの後端部に高透磁率をもつ磁性材料で作られ
た磁気コアが固定されている。スライダーの下面
側で、磁気コアは磁気変換用ギヤツプを有し、ま
たこの磁気コアには電磁変換用巻線が施されて磁
気トランスデユーサーが構成されている。このよ
うな構成のフローテイング磁気ヘツドは磁気デイ
スクが静止している時は、スプリングの力で軽く
磁気デイスクに接触している。一方、磁気デイス
クが回転している時には、磁気デイスク表面付近
の空気が磁気デイスクの移動にともなつて動かさ
れ、磁気ヘツドのスライダー下面を持ち上げるよ
うにして流れている。 一般に、磁気ヘツドにおける磁気トランスデユ
ーサー部分は、Mn―ZnフエライトやNi―Znフ
エライトのようなソフトフエライトで作られるこ
とが多い。しかし、磁気デイスクの記録密度を上
げようとする場合には、磁気コアの幅および磁気
変換用ギヤツプの長さを小さくすることが要求さ
れる。この場合、磁気コアとしてスパツタリング
などで作られた磁性薄膜(例えば、パーマロイ薄
膜、アモルフアス金属薄膜など)が使用される。
また、一方の磁気コアをソフトフエライトで作
り、他方のコアを磁性薄膜にすることも行われて
いる。薄膜コアにした場合、Al2O3などの絶縁性
材料の薄膜を磁性薄膜とスライダーとに共通に設
けて、電磁変換用巻線と磁性薄膜間、および電磁
変換用巻線相互間の電気絶縁を得ることもある。
また、スライダーが非磁性基板で作られている場
合には、スライダーと磁性薄膜間を絶縁するため
にスライダー面に絶縁性材料の薄膜を付着させ、
その上に磁気トランスデユーサーが形成されるこ
ともある。 このような磁気ヘツドは、磁気デイスクの回転
中は空気の流れによつて浮上しているので磁気デ
イスクと接触することはない。しかし、磁気デイ
スクが回転し始めるとき又は回転を止めるときな
どは、磁気デイスクの回転速度の変化に対応して
表面の空気の流れも変化する。このため、例えば
回転を停止する場合には、空気の流れが遅くなり
磁気ヘツドの浮力が失われた時に、磁気ヘツドが
磁気デイスク面上に落下衝突し、更にその反動で
磁気ヘツドはとび上り、またデイスク面に落ち
る。このような運動を何度か繰り返した後に、磁
気ヘツドは磁気デイスク上を引きずられるように
なり、最後に停止する。したがつて、磁気ヘツド
は、このような起動・停止時の衝撃に耐える必要
があり、その性能をCSS(Contact―Start―
Stop)性としてあらわすことがある。 CSS性能を向上させるには、磁気ヘツドのスラ
イダー部が摺動性に優れていることが極めて重要
である。また、スライダー部の表面が平坦で気孔
が存在しないこと、耐摩耗性の良いことなども必
要である。 更にまた、磁気ヘツドは上に述べたようにCSS
を受け磁気デイスクと接触摺動するが、この時に
摩擦帯電が起ると磁気トランスデユーサの信号巻
線にノイズが発生したり、磁気ヘツドの浮上量が
変わつたりする恐れがある。そこで、摩擦帯電の
できるだけ生じない材料で磁気ヘツドのスライダ
ー部を構成することが望ましい。 フローテイング磁気ヘツドのスライダー部の構
造は、例えば特開昭55−163665号公報に示されて
いるように、極めて複雑な構造をしている。この
ような構造の磁気ヘツドを生産性良く作るには、
機械加工性の良好な材料が必要である。また、加
工時の切削抵抗が少ないこと、切断ブレードなど
への目づまりのないことなども要求される。更
に、加工時には加工された部分の結晶粒の脱落が
起るが、この脱落部分が出来るだけ小さいことが
望ましく、スライダーを構成する材料には結晶粒
が小さいことが望まれる。 特開昭55−163665号公報には、上記要求に応え
るような磁気ヘツドが開示されている。この磁気
ヘツドのスライダーは、Al2O3とTiCの重量比が
60:40〜80:20の範囲にあるAl2O3―TiCセラミ
ツクスから構成されているものである。一般に、
Al2O3―TiCセラミツクスは耐摩耗性に優れてお
り、また、加工性が良好で複雑な形状のものを加
工する場合にもクラツクやチツピングを生じにく
いという利点がある。しかし、Al2O3―TiCセラ
ミツクスをフローテイング磁気ヘツドのスライダ
ーとして用いた場合には、最も重要な性能である
CSS性、特に摺動性が悪くなる傾向がある。この
ため、前記公報に開示された磁気ヘツドにおいて
は、TiCを比較的多量に含有させ電気抵抗を下げ
る工夫している。 一方、本願発明者らは、CSS性、特に摺動特性
を改善した磁気ヘツドを実現するために、ジルコ
ニアセラミツクスからなるスライダーについて実
験検討を進めてきた。よく知られているように、
ジルコニアセラミツクスは、含有する添加物の種
類及びその含有量等によつて出現する結晶相が立
方晶、正方晶、あるいは斜方晶とさまざまに変化
し、その特性も異なるものとなる。 例えば、特開昭58−121179号公報にもジルコニ
アセラミツクスからなるスライダーが開示されて
いる。この公報に開示されたジルコニアセラミツ
クスは、ジルコニアに対して酸化カルシウム、酸
化マグネシウム、酸化アルミニユーム及び希土類
酸化物のうち少なくとも1種を30%以下含有して
いることを特徴とするものである。しかしなが
ら、添加物の量が数%も異なると出現する結晶相
が異なることもあり、上記公知のジルコニアセラ
ミツクスからなるスライダーを用いた磁気ヘツド
は、必ずしも満足できる特性を安定して得ること
が出来ないという問題点を有しているのである。 このため、ジルコニアセラミツクスからなるス
ライダーを開発する場合には、つぎのような解決
すべき課題がある。すなわち、まず、その結晶相
を考慮して摺動特性を見直す必要がある。更に、
ジルコニアセラミツクスからなる基板上に磁性膜
をスパツタリングにより形成して薄膜磁気ヘツド
を製作する場合には、そのプロセス中での加熱冷
却によるジルコニアの相変態を防止しなければな
らない。また、数百ケの磁気ヘツドのパターンを
形成したジルコニア基板から1ケ1ケの磁気ヘツ
ドに切削する工程、及び個々の磁気ヘツドチツプ
を複雑なスライダー形状に加工する工程で、ジル
コニアセラミツクスのカケやチツピング発生を少
なくする必要がある。 従つて、本発明は、摺動特性の優れたスライダ
ーを持つた磁気ヘツドを提供することを主たる目
的とするものである。 更に、本発明は、摩擦帯電が少なく、また機械
加工性も良好な磁気ヘツドを提供することを他の
目的とするものである。 上記目的を達成するために本発明は、強磁性体
からなる磁気コアおよび信号コイルとから構成さ
れた磁気トランスデユーサを非磁性基板に配設し
てなる磁気ヘツドにおいて、上記非磁性基板とし
て、5〜10mol%の安定化剤により安定化された
立方晶ジルコニア相からなるマトリツクス中に周
期率表のa、a、およびa族元素のなかか
ら選ばれた少なくとも1種類の元素の炭化物微粒
子1〜10容量%とアルミナ微粒子1〜10容量%を
分散した摺動性に優れるジルコニアセラミツクス
を用いたことを特徴とするものである。 すなわち、本発明の磁気ヘツドは、非磁性基板
上に強磁性体片及び信号コイルで構成された磁気
トランスデユーサが配置されており、上記非磁性
基板として摺動性および薄膜形成時に相変態が無
く、しかもスライダーへの加工性のよいジルコニ
アセラミツクスを用いたことを特徴としている。 上記磁気トランスデユーサとしては、薄膜磁性
材料で作られた磁気コアを用いることができ、絶
縁性薄膜を磁気コアと非磁性基板の両方の上に共
通して付着させることもできる。 本発明においては、立方晶ジルコニアを主体と
するマトリツクス中に、周期率表のa、a、
およびa族元素のなかから選ばれた少なくとも
1種類の元素の炭化物微粒子とともにアルミナ微
粒子を分散させる。ジルコニア相中に炭化物の微
粒子、特にTiC微粒子と、アルミナ微粒子とを分
散させることによりジルコニア相の結晶粒の成長
を防ぎ、マトリツクスの結晶粒を微細化する働き
があるものと考えられるためである。また、アル
ミナ(Al2O3)と炭化物、は上述のようにジルコ
ニア相中に分散して、結晶粒の粗大化するのを防
ぐが、同時にジルコニアセラミツクスを切削する
際に、高硬度の炭化物がドレツシングの役割をし
て、ダイヤモンドブレードの目づまりを防止でき
る。 本発明において、マトリツクスを安定化ジルコ
ニア、すなわち立方晶ジルコニアとしたのは、立
方晶ジルコニアは摺動特性に優れるので磁気ヘツ
ドのスライダー材料に適しているためである。 ジルコニア相を安定化するためには、Y2O3
MgO、またはCaO等の安定化剤を添加する必要
がある。安定化剤を添加しない場合には、高温
(約2400℃以上)では立方晶(c相)であるが、
温度が約1200℃〜2400℃の範囲では正方晶(t
相)となり、約1200℃以下では単斜晶(m相)と
なる。また、安定化剤の量が極めて少ない場合に
は、ジルコニアは常温ではm相になるが、安定化
剤の量を増加するとt相が常温で存在するように
なり、更に安定化剤の量を増やすと常温でもc相
で存在するようになる。このため、本発明の磁気
ヘツドにおけるスライダー材料としてのジルコニ
アセラミツクスは、常温においても立方晶ジルコ
ニアとして存在するだけの安定化剤を含有させる
必要がある。 本発明においては、安定化剤として通常Y2O3
を用いるが、MgOやCaOを同時に含有してもよ
い。ジルコニアに安定化剤が5mol%以上含有さ
れれば安定化ジルコニアとなるので、本発明にお
ける安定化剤量の下限は5mol%とする。 尚、安定化剤が少なくなると上述したようにt
相やm相も生じてくるが、m相が生じる際には体
積膨張を伴うので、基板への膜付けやパターン付
けの際の数百℃までの加熱や冷却に起因してm相
が生じると基板の反りやパターンずれが生じる恐
れもある。このため、必ず安定化ジルコニアにす
る必要がある。 一方、安定化剤が過剰に含まれた場合には、マ
トリツクス中にY4Zr2O13のようなZrO2―Y2O3
合物等が析出して、摺動性の劣化や強度の低下を
まねく。このため、Y2O3の含有量は必要以上に
含有させないことが重要であり、10mol%以下が
望ましい。このため、本発明において適当な量は
5〜10mol%とする。 また、本発明において、立方晶ジルコニアの結
晶粒径は12μm以下(正方晶ジルコニアの結晶粒
径は、通常約15μm)であることが望ましい。
12μmより小さく、望ましくは、10μm以下にする
ことによつて機械加工性が向上し、チツピングの
大きさも小さくすることができる。 本発明において、周期率表のa、a、およ
びa族元素のなかから選ばれた少なくとも1種
類の元素の炭化物微粒子およびアルミナ微粒子の
量は、容量%(vol%)で、炭化物微粒子1〜10
%、アルミナ微粒子1〜10%含むことが望まし
い。周知のように、周期率表のa、a、およ
びa族元素の炭化物はそれぞれ比重が異なり、
また、同一組成の炭化物原料粉であつても、その
粒径や純度その他の要因によつても見掛けの比重
(密度)は変化する。このため、本発明において
は、前記容量%の炭化物微粒子がマトリツクス中
に分散されるように、使用する炭化物原料等に応
じてその配合重量比を適宜調整する。例えば、炭
化物として比重4.7のTiCを用い比重4.0のアルミ
ナとともに含有させた場合には、立方晶ジルコニ
アの比重を約5.6と考えると、wt%では、
TiC0.84〜8.76wt%とAl2O30.72〜7.47%を含み残
部が実質的にジルコニアであることになる。 また、本発明においては、不純物として通常許
容される程度のSiO3、Fe2O3などを含有すること
が出来るが、Fe2O3の量は0.1wt%以下にするこ
とが望ましく、SiO3の量は5wt%までは問題にな
らない。また、通常はジルコニア相に固溶されて
いると考えられているY2O3、CaO、MgOなどが
部分的に析出して来て分散粒子となつたり、ある
いは、添加したTiCやAl2O3などと結合あるいは
反応した微粒子としてジルコニア相中に分散する
こともあるが、これは問題ではない。 更に、本発明の磁気ヘツドに使用される基板材
の相対密度(理論密度との比)は97%以上であれ
ば良いが、特に99%以上であることが望ましく、
この場合にはポアの極めて少ないものが得られ
る。また、このように高い密度を持つ材料を用い
た磁気ヘツドは、摺動性の優れたものとなる。 ジルコニアセラミツクスをスライダーに用いた
場合には、磁気デイスクとのCSSや摺動によつて
摩擦帯電することの少ないことも本発明の有効な
点である。本発明においては、炭化物微粒子をそ
れほど多く含んでいない比較的抵抗の高いジルコ
ニアセラミツクスからなるスライダーでも摩擦帯
電の少ないことが判明した。この理由は明らかで
はないが、磁気デイスク表面に塗布されている保
護膜との間での摩擦帯電特性差が小さいためと考
えられる。 本発明の磁気ヘツドに使用されるジルコニアセ
ラミツクスを製造するには、ZrO3微粉末、Y2O3
粉末、a、a、a族元素の炭化物(例えば
TiC、ZrC、HfC、VC、NbC、TaC、WC)粉末
及びAl2O3の粉末を所定の割合で配合し、十分混
合した後、これを乾燥させ、少量のバインダーを
加えて造粒する。この造粒粉を得るべき形状のキ
ヤビテイを持つたプレス機で成形体に予備成型す
る。この成形体を真空中で1400℃〜1600℃の温度
でホツトプレスしてジルコニアセラミツクス焼結
体を得ればよい。 このホツトプレスを行う時の温度は、得られる
ジルコニアセラミツクスの性能を左右する。1400
℃以上の温度は、セラミツクスの相対密度を97%
以上にするために必要である。しかし、1600℃を
越えると安定化ジルコニアの結晶粒の粒成長が著
しくなるので、1600℃以下の温度でホツトプレス
することが望ましい。 次に、ホツトプレスで得たジルコニアセラミツ
クス焼結体を、磁気ヘツドのスライダーの形状に
ダイヤモンドブレードで切断し、グラインダーな
どで仕上加工をする。スライダーの形状になつた
ものに磁気コア、信号コイル、および絶縁膜等を
配設して磁気ヘツドが作製される。前記絶縁膜と
しては、数10μmの厚さにスパツターで付けた
Al2O3膜などが使用される。 以上説明したように、本発明の磁気ヘツドはジ
ルコニアセラミツクスをその非磁性基板としてい
るので、磁気デイスクとの摺動性、耐摩耗性に優
れている。また、密度も高くポアがほとんどない
ので、CSS性能が高い。また、摩擦帯電も少ない
ので、高記録密度装置用の磁気ヘツドとして適し
ている。 更に、本発明におけるジルコニアセラミツク
は、機械加工性が良好なため、微細な加工を行う
ことができ、高精度の磁気ヘツドが実現できる。 以下、実施例に基づいて、本発明の磁気ヘツド
に使用するジルコニアセラミツクスについて、よ
り詳しく説明する。 実施例 1 平均粒径0.03μmのZrO3微粉末と、Y2O3粉末、
さらに代表的なa、a、a族遷移元素の炭
化物(TiC、ZrC、HiC、VC、NbC、TaC、
WC)粉末及びAl2O3粉末を第1表に示す割合に
なるように配合し、純水を溶媒としてアルミナボ
ールミルで24時間混合した。次いで、混合溶液を
乾燥し、10%のPVA溶液を添加してらいかい機
で造粒後、1ton/cm2の圧力で80φ×6〜7mmの成
形体に予備成型した。次にこれを真空中1450℃×
300Kg/cm2×1hの条件下でホツトプレスした。 焼結体の密度は水中置換法で測定し、理論密度
を除して相対密度を求めた。曲げ強度試験は、焼
結体をダイヤモンドブレードで切断し、4mm×3
mm×35mmの試験片を使用し、JIS4点曲げで測定し
た。また、ポア観察、ビツカース硬度(荷重
200g)は試片の一部を鏡面研磨して行つた。比
抵抗の測定には1cm角の試片を用い、4端子法の
一種であるパウ法で測定したが、比抵抗が高いと
きには両面に銀ペーストを塗布し絶縁抵抗を決め
た。また、摩耗テストを行い、摩耗量の測定を
し、
【表】 炭化物を含有しないジルコニアの摩耗量を100と
したときの相対比較を行つた。加工性は、鏡面研
磨した試片にダイヤモンドブレードで溝を入れ、
ラツピング面と切削面の稜に生ずるチツピングの
大小で比較した。また、摺動特性は、焼結体から
実際の薄膜磁気ヘツドの形状に切り出し、磁気デ
イスクと接触させてデイスクを回転し、特性を比
較した。以上の測定結果を第1表に示す。 第1表で、Al2O3と炭化物を加えた本発明に係
るジルコニアセラミツクスはNo.1〜8であり、い
ずれも助剤としてAl2O3を2wt%添加してある。
No.9、No.10はAl2O3のみを2wt%加えたジルコニ
アセラミツクスである。またNo.11は助剤として
MgOを0.5wt%添加し、1650℃でホツトプレスし
たものである。 相対密度は、Al2O3―TiC(No.11)を除いて全て
99%以上に緻密化しており、また、鏡面のポア観
察においてもほとんどポアは観察されず、基板と
しての基本的特性である表面にポアが存在しない
という条件を満していることがわかつた。これは
マトリツクスであるZr2O3がAl2O3に比べて焼結
性が元来良好である上に、圧力下で焼結している
ことに起因するものと思われる。 ビツカース硬さは、Al2O3―TiC(No.11)に比べ
てZrO3の方が小さいが、炭化物を加えることに
より、Hvは1400〜1550と炭化物を含まないNo.9
およびNo.10のHvに比べて100〜200ほど上昇する。
そのため、耐摩耗性も向上する。曲げ強度は、マ
トリツクスの強度に強く影響を受けるため、残留
正方晶の多いNo.9に比べ、No.10の立方晶ZrO3
びNo.10〜No.8のZrO3―炭化物系は強度は小さい。
しかし、基板材としては十分な強度である。ま
た、比抵抗は30vol%の炭化物を複合化した場合、
炭化物粒子の平均粒径や分布状態によつて大きな
差異が存在するが、それでもNo.11のZrO3相単体
のものに比べ導電性は大幅に向上されており、帯
電防止という点では好ましい効果が得られる。 溝入れの際のチツピングは、炭化物を添加する
ことにより、チツピングの量および大きさが小さ
くなり、加工性は向上した。摺動特性はAl2O3
TiCの場合、短時間でデイスクに傷をつけるため
基板材としてあまり好ましくないのに対し、
Y2O3を十分に入れた安定化ジルコニアでは、長
時間のデイスク回転に耐え摺動性は良好である。 なお、残留正方晶の多いNo.9は、スパツタリン
グによる膜付け処理時の加熱により正方晶への相
変態が発生し、薄膜ヘツド用基板としては不適当
であつた。 実施例 2 第2表に示す組成のジルコニアセラツクスを実
施例1と同じ製造条件で作製した。これを加工
し、鏡面にラツピングして、3″径のウエハーとし
た。この試料について、結晶粒径、耐チツピング
性、切削抵抗―加工性、切削面の肌の状況、摺動
特性を測定した。 耐チツピング性は、ダイサーによる溝入れ加工
の際に稜に生ずるチツピングの大きさ(表では最
大チツピング深さで示す)及びアルミナ膜の欠け
によつて測定した。アルミナ膜はセラミツクス基
【表】 板上に約40μm厚さにスパツタリングで形成し、
これにダイサーで溝入れ加工して基板とともにア
ルミナ膜が欠けたときの、その部分の欠けの幅で
示した。 切削抵抗は、外周スライサーで切削し、スライ
サーに加わる応力を圧電素子を用いて測定した。 摺動特性は、磁気デイスクを回転させて、これ
にジルコニアセラミツクスを接触摺動させるCSS
テストによつて測定した。 Al2O3およびTiCを添加しないNo.12及びNo.14の
ジルコニアの場合、切削抵抗は非常に大きく切削
面の肌の状態も良くなかつた。チツピング深さ
は、結晶粒径の小さいNo.12では小さいが、Y2O3
量を増加し粗大な立方晶が多くなつたNo.14では大
きくなつた。TiC、Al2O3を単独に添加したNo.15
および16では、結晶粒がある程度微細化されるた
めチツピング深さはある程度減少するが、切削面
の肌の状態は大きな改善がされない。それに対し
TiC、Al2O3を同時に添加したNo.13及びNo.17〜25
の場合にはチツピング量はNo.14に比べ1/3程度
に減少し、また切削抵抗力も小さく切削面の肌の
状態も良好であり、スライダーを90本加工後も切
削は最初とほとんど変わりはなかつた。またアル
ミナ膜の欠けも非常に小さい。 No.25はTiCを40vol%と非常に多く添加した場
合である。チツピング、切削抵抗共に小さいが、
摺動特性が悪くCSSの寿命が短い。 以上の実施例および比較例から明らかなよう
に、ジルコニアセラミツクスは摺動特性に優れて
いる。しかし、炭化物を30vol%を超えて加えた
ものは、摺動特性が悪くなる。 また、炭化物微粒子、およびアルミナ微粒子を
分散させたジルコニアセラミツクスは、耐摩耗性
に優れていることがわかる。さらに、C相のジル
コニアでも、Al2O3およびTiCを分散させると結
晶粒径が小さくなり、チツピング量が小さくな
り、加工性が良好になる。 また、C相であるために、ジルコニア基板に薄
膜ヘツドをスパツタリング等でパターニングする
際に数百度に加熱されてもジルコニアの相変態は
発生しないので、すぐれた薄膜ヘツドが実現でき
る可能性がある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 強磁性体からなる磁気コアおよび信号コイル
    とから構成された磁気トランスデユーサを非磁性
    基板に配設してなる磁気ヘツドにおいて、上記非
    磁性基板として、5〜10モル%の安定化剤により
    安定化された立方晶ジルコニア相からなるマトリ
    ツクス中に周期率表のa、a、およびa族
    元素のなかから選ばれた少なくとも1種類の元素
    の炭化物微粒子1〜10容量%とアルミナ微粒子1
    〜10容量%が分散した摺動性に優れるジルコニア
    セラミツクスを用いたことを特徴とする磁気ヘツ
    ド。 2 上記非磁性基板が、0.84〜8.76重量%のTiC
    と、0.72〜7.47重量%のAl2O3と、残部が実質的
    にジルコニア相からなり、このジルコニア相は
    Y2O35〜10mol%で安定化された立方晶ジルコニ
    アからなることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項に記載の磁気ヘツド。
JP59073654A 1983-09-21 1984-04-12 磁気ヘツド Granted JPS6066361A (ja)

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JP59073654A JPS6066361A (ja) 1984-04-12 1984-04-12 磁気ヘツド
EP84107935A EP0137134B1 (en) 1983-09-21 1984-07-06 A magnetic head having a non-magnetic substrate
DE8484107935T DE3478162D1 (en) 1983-09-21 1984-07-06 A magnetic head having a non-magnetic substrate

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