JPH05120637A - 磁気ヘツド用基板 - Google Patents

磁気ヘツド用基板

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JPH05120637A
JPH05120637A JP3307071A JP30707191A JPH05120637A JP H05120637 A JPH05120637 A JP H05120637A JP 3307071 A JP3307071 A JP 3307071A JP 30707191 A JP30707191 A JP 30707191A JP H05120637 A JPH05120637 A JP H05120637A
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JP
Japan
Prior art keywords
magnetic head
tic
slider
zro
substrate
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP3307071A
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English (en)
Inventor
Otojiro Kida
音次郎 木田
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP3307071A priority Critical patent/JPH05120637A/ja
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】重量%でY23 またはMgOを3〜7%含む
正方晶ZrO2 を主成分としTiCを20〜40%、A
23 を10〜25%含有せしめた薄膜磁気ヘッド用
基板材料。 【効果】磁気ヘッド用基板材料として適したもので摺動
性、耐摩耗性、破壊靭性に優れ、電気的性質としても比
抵抗が小さく摩擦帯電性も小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性、耐摩耗性に優
れた磁気ヘッド用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年磁気ディスク装置の分野において増
大する高記録密度化の要請に応えるため、磁気ヘッド特
に薄膜磁気ヘッドが急速に普及しつつある。薄膜磁気ヘ
ッドは基板となるセラミックス製スライダーの後端面に
磁気信号の記録再生を行う薄膜素子が形成された構造を
有しており、スライダーが磁気ディスクの高速回転(2
0〜40m/s)によって発生する空気層流に乗って磁
気ディスク面上にわずかに浮上(0.2〜4μm)する
ことを利用し磁気ディスクに対して記録の書き込み、読
み取りを行う機能を有する。したがってスライダーは磁
気ディスク回転の起動、停止時は十分な空気層流が得ら
れないため必ず磁気ディスクと摺動し、いわゆるコンタ
クト・スタート・ストップ(CSS)動作を行う。さら
にスライダーは定常浮上中であっても振動や塵埃の介入
などの外的要因によって浮上高さや浮上姿勢が乱れるこ
とが避けられない。
【0003】記録密度を大きくするために浮上高さは一
層小さくなりつつあるため、このような乱れによりスラ
イダーが高速回転中の磁気ディスクと衝突する回数がま
すます増大してきている。
【0004】これらのことからCSS性能を向上させる
ためには、磁気ヘッドのスライダーの摺動性を高めるこ
とが重要である。更にスライダーの表面が平滑で気孔が
存在しないこと、耐摩耗性が良いことが必要である。
【0005】又磁気ヘッドは上に述べた如く、磁気ディ
スクと接触摺動する時に摩擦帯電する。この帯電量が過
度に大きくなると磁気トランスジューサーの信号巻線に
ノイズが発生したり、磁気ヘッドの浮上量が変わったり
する恐れがある。そこで摩擦帯電のできるだけ生じない
材料で磁気ヘッドのスライダーを構成することが望まし
い。
【0006】更に磁気ヘッドのスライダーは例えば特開
昭55−163665号に示されているように極めて複
雑な構造をしているものであるが、このような複雑な構
造の磁気ヘッドを生産性良く作るには、スライダー構成
材が機械加工性に優れていることが必要である。即ち加
工時の切削抵抗の少ないことや切削ブレード等への目づ
まりのないことやクラックやチッピングの生じないこと
が重要である。
【0007】従来のスライダー材料としては薄膜素子の
形成性が良好な点からAl2O3系セラミックが広く知られ
ており、改良提案も多い。例えば特開昭61−1588
62号、特開昭60−231308号、特開昭60−1
83709号及び特開昭60−179923号等に示さ
れたものがある。
【0008】これらはいずれも Al2O3−TiC とその他の
添加粒子からなっており耐摩耗性や加工性の向上が計ら
れている。又一方ZrO2 を主成分としたスライダー材料
が例えば特開昭60−171617号、特開昭63−2
78312号、特開昭60−66404号等に多く示さ
れ、摺動特性が良好であるスライダーが提案されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の A
l2O3−TiC からなるスライダーは、機械加工性や耐摩耗
性に優れるものの高精度の複雑な形状のスライダーを加
工する際、クラックやチッピングも少なくなく加工歩留
を落しており、より破壊靭性、摺動特性の向上が強く望
まれている。
【0010】又 ZrO2 を主成分とするスライダーは Al2
O3−TiC と比べ摺動特性は優れているが耐摩耗性や加工
性は劣るとされている。このように種々のスライダー材
料が提案されているが、摺動特性、耐摩耗性、破壊靭性
の高い機械加工性に優れた材料が強く望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、重量%で3〜7%のY2
O3又は MgOで固溶された正方晶 ZrO2 を主成分とし、Ti
C を20〜40%、Al2O3 を10〜25%含むことを特
徴とする磁気ヘッド特に薄膜磁気ヘッド用基板材料を提
供するものである。
【0012】本発明は摺動性、破壊靭性に優れた正方晶
ZrO2 を主構成相とし、耐摩耗性、導電性付与のための
TiCを分散し、高強度、微細結晶組織化を推進する Al2
O3を含有した焼結体からなる摺動特性、耐摩耗性、機械
加工性に優れた基板材料を得ることができる。
【0013】本発明の主構成相である正方晶 ZrO2 は、
Y2O3又は MgOが重量%(以下同じ)で3〜7%固溶され
た正方晶 ZrO2 とする必要がある。 Y2O3 や MgOが3%
より少ないと単斜晶 ZrO2 が増加し、焼結体冷却中にマ
イクロクラックが発生し機械的強度が著しく低下し、7
%より多いと立方晶 ZrO2 が増加して強度、破壊靭性が
著しく低下するため好ましくない。
【0014】本発明において耐摩耗性、帯電防止機能を
付与する TiCは正方晶 ZrO2 構成相中に均一に分散した
状態で含有することが必要である。TiC の含有量は20
〜40%が耐摩耗性、導電性さらには正方晶 ZrO2 の結
晶粒の微細化のため必要であり、20%未満では導電性
や耐摩耗性の点で不十分であり、40%を超えるとTiC
が高硬度であるため摺動特性が低下し好ましくない。
【0015】本発明において高強度、微細結晶組織化を
推進する Al2O3は正方晶 ZrO2 構成相中に均一に分散し
て含有することが必要である。Al2O3 の含有量は10〜
25%が高強度、微細結晶組織化のために必要であり、
10%未満では強度及び粒成長抑制の効果が発揮され
ず、25%を超えると Al2O3の含有量が多くなり Al2O3
粒子間での拡散が活発になり、Al2O3の粒成長化が著し
くなるなど、即ち、正方晶ZrO2粒子の周囲に Al2O3と T
iCの両粒子が均質に配列することで TiCと Al2O3両粒子
により正方晶 ZrO2 との熱膨張差に起因する引張応力が
発生して正方晶 ZrO2 が単斜晶への転移を抑制するため
である。これらの作用により正方晶 ZrO2は一層安定化
し正方晶 ZrO2 の高温強度低下が起こらなくなり、常温
から高温まで高強度、高靭性の特性を発揮することがで
きる。
【0016】本発明を構成する正方晶 ZrO2 、TiC 、Al
2O3 は正方晶 ZrO2 のマトリックス中にTiC と Al2O3
均一に分散した三相混合微細結晶組織を呈したものであ
るが、これらの構成相の結晶粒径は2μm以下にするこ
とが望ましく、2μm以下にすることにより強度、破壊
靭性が著しく向上し、機械加工性やチッピングを小さく
することができる。
【0017】本発明を構成する正方晶 ZrO2 、TiC 、Al
2O3 の原料の粒度はより細かいものが必要であり、平均
粒径が0.1μm以下のものが用いられる。0.1μm
を超えると焼結して生成する結晶粒が成長して大きくな
りやすく磁気ヘッド基板の表面の平滑性が低下するので
好ましくない。
【0018】又不純物としては少量の他の成分が存在し
ても構わないが、好ましくは0.5%以下特には0.1
%以下にすることが望ましい。
【0019】本発明は以上の構成よりなるが、本発明の
焼結体を製作するには0.1μm以下の Y2O3 又は MgO
で固溶された正方晶 ZrO2 粉末、TiC 粉末、Al2O3 粉末
を所定の割合で配合し、十分混合粉砕して乾燥し、ホッ
トプレスを使用し焼結体を得ることができる。又上記の
混合粉末に少量のバインダーを添加してスプレイドライ
ヤーにて造粒し、この造粒物をCIPにより成形し、真
空又は非酸化雰囲気中で常圧焼結や予備焼成HIP( S
inter HIP)やカプセルHIP(カプセル中に封入)
しても同様の効果が得られる。
【0020】このホットプレスやHIPを行う場合の焼
結温度は得られる焼結体の性能を大きく左右するため1
400〜1600℃が好ましく、焼結温度が1400℃
未満では密度が低く緻密な焼結体が得られず、1600
℃を超えると構成相である正方晶 ZrO2 、Al2O3 、TiC
が粒成長しやすくなるため好ましくない。
【0021】
【作用】前述に説明した如く、摺動特性、高靭性に優れ
た正方晶 ZrO2 を主相とし、耐摩耗性、導電性付与の T
iCを正方晶 ZrO2 主相中に均一に分散して、強度や破壊
靭性等の機械加工性を良好にし、焼結や微細結晶組織化
を促進する Al2O3を均一に分散したものであって、これ
らの相互作用によって磁気ヘッド特に薄膜磁気ヘッド用
基板材料としての摺動特性、耐摩耗性、機械加工性に優
れた特性を呈するものと考えられる。又これらの構成相
の組織が正方晶 ZrO2 粒子の周囲に均一にAl2O3と TiC
両粒子が配列するような組織構造を呈して熱膨張差に起
因する引張応力の発生によって正方晶 ZrO2 の単斜晶へ
の転移が起こらず、常温から高温までの強度、破壊靭性
の向上が認められており、薄膜磁気ヘッド基板への薄膜
作成プロセス中の加熱(数百度)にも基板特性を十分発
揮できるものと考えられる。
【0022】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて説明する。原
料として Y2O3 又は MgOを3〜7wt%固溶させた ZrO
2 粉末(純度99wt%、平均粒径0.03μm)とTi
C 粉末(純度99wt%、平均粒径0.1μm以下)と
Al2O3粉末(純度99.9wt%、平均粒径0.1μm
以下)を所定の割合にて配合し、ボールミルにてエタノ
ール溶媒を用い ZrO2 ボール(部分安定化 ZrO2 ボー
ル)で10時間混合粉砕した。この混合粉末をエバポレ
ーターで乾燥し、エタノールを抽出し乾燥して軽く解砕
した。
【0023】この粉末をホットプレスの黒鉛鋳型内に充
填し、圧力350kg/cm2 、温度はそれぞれ140
0〜1600℃、Ar雰囲気で1時間ホットプレスし、6
0mmφ×厚み5mmの焼結体を得た。
【0024】焼結体の物性として密度はアルキメデス法
により測定し、理論密度を除して相対密度を求め、曲げ
強度は JIS R 1601 「ファインセラミックスの曲げ試験
法」に従って測定した。
【0025】又破壊靭性はSEPB法( Single Edge P
re-Cracked Beam 法)により測定した。即ち JIS R 160
1 に準拠した試料を用意しビッカース圧子圧入により圧
痕をつけた後、予亀裂を入れるための荷重を加え、イヤ
ホンでポップイン(Pop-in)を検知した。続いて予亀裂
長さを測定するために着色を行い、そして曲げ試験を行
って破断荷重を測定した。破断試料の予亀裂長さを測定
した後、破壊靭性の算出式により破壊靭性を求めた。
【0026】ビッカース硬度は曲げ試験片の鏡面研磨面
を用い荷重300gにてビッカース硬度計により測定し
た。比抵抗の測定は曲げ試験片を用い、4端子法にて測
定した。
【0027】上記と同様な方法にて製作した60mmφ
×厚み5mmの焼結体で磁気ヘッドスライダーとしての
評価試験を行った。
【0028】得られた焼結体を鏡面研磨してダイヤモン
ド切断砥石で切断し、角部の微細なチッピングを顕微鏡
にて観察することにより行った。このチッピング試験は
幅0.28mm及び直径52mmのレジノイド砥石(3
0μmのダイヤ砥粒を有するカッター)を用い、切込み
0.3mm,送り量5mm/secで実施した。チッピ
ング深さが2μmを超えない場合実質的にスライダー品
質に影響を及ぼさず満足すべき品質を維持するもので、
これを○で示し、2μmを超える場合は△及び著しいチ
ッピングの場合は×として示した。
【0029】又摺動性及び耐摩耗性は焼結体から実際の
薄膜磁気ヘッド形状に切り出し、磁気ディスクと接触さ
せてディスクを回転させるCSS試験により特性を評価
した。
【0030】摺動性はディスクとヘッドのCSS試験に
より摩擦係数を求め、摩擦係数が0.5より小さいもの
を○で示し、摩擦係数が0.5より大きいものは△及び
著しく大きい場合は×として示した。耐摩耗性はCSS
試験を10000回繰返し、磁気ヘッドスライダーの摺
動面の傷の有無について評価した。
【0031】比較例として Al2O3−TiC 30%基板と Y
2O3 5.2wt%で部分安定化された ZrO2 −TiC 30
%基板を用いて比較した。それぞれの結果を表1、表2
に示した。
【0032】表1、表2に示されるように本発明は高密
度で比抵抗も小さく、硬度、曲げ強度も高く、特に破壊
靭性は Al2O3−30%TiC 基板に比べると2〜2.4
倍、ZrO2( Y2O3 5.2%部分安定化)−30%TiC 基
板と比べて約1.3倍程度向上している。
【0033】磁気ヘッドスライダーとしての評価では鏡
面研磨した場合の気孔はほとんど観察されず緻密化して
おり、耐チッピング性、耐摩耗性、摺動特性は比較例と
比べて優れており、スライダーとして最適なものであ
る。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明の薄膜磁気ヘッド用基板は、摺動
特性に優れた高強度、高靭性の正方晶ZrO2を主構成相と
し、これに耐摩耗性、導電性付与のためのTiC を正方晶
ZrO2中に分散し、微細結晶組織化を促進するAl2O3 を添
加均一に分散したものであり、摺動特性、耐摩耗性、機
械加工性に優れ、又磁気ヘッド基板の薄膜作成プロセス
中の加熱にも安定した性能を発揮し、かつ比抵抗が小さ
く摩擦帯電性が小さく高熱伝導率の優れた技術的長所を
有するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、3〜7%の Y2O3 又は MgOを固
    溶した正方晶 ZrO2 を主成分とし、TiC を20〜40%
    および Al2O3を10〜25%含有することを特徴とする
    磁気ヘッド用基板材料。
JP3307071A 1991-10-25 1991-10-25 磁気ヘツド用基板 Withdrawn JPH05120637A (ja)

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JP3307071A JPH05120637A (ja) 1991-10-25 1991-10-25 磁気ヘツド用基板

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JP3307071A Withdrawn JPH05120637A (ja) 1991-10-25 1991-10-25 磁気ヘツド用基板

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Date Code Title Description
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Effective date: 19990107