JPH05120637A - 磁気ヘツド用基板 - Google Patents
磁気ヘツド用基板Info
- Publication number
- JPH05120637A JPH05120637A JP3307071A JP30707191A JPH05120637A JP H05120637 A JPH05120637 A JP H05120637A JP 3307071 A JP3307071 A JP 3307071A JP 30707191 A JP30707191 A JP 30707191A JP H05120637 A JPH05120637 A JP H05120637A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic head
- tic
- slider
- zro
- substrate
- Prior art date
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- Withdrawn
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Magnetic Heads (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】重量%でY2 O3 またはMgOを3〜7%含む
正方晶ZrO2 を主成分としTiCを20〜40%、A
l2 O3 を10〜25%含有せしめた薄膜磁気ヘッド用
基板材料。 【効果】磁気ヘッド用基板材料として適したもので摺動
性、耐摩耗性、破壊靭性に優れ、電気的性質としても比
抵抗が小さく摩擦帯電性も小さい。
正方晶ZrO2 を主成分としTiCを20〜40%、A
l2 O3 を10〜25%含有せしめた薄膜磁気ヘッド用
基板材料。 【効果】磁気ヘッド用基板材料として適したもので摺動
性、耐摩耗性、破壊靭性に優れ、電気的性質としても比
抵抗が小さく摩擦帯電性も小さい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性、耐摩耗性に優
れた磁気ヘッド用基板に関する。
れた磁気ヘッド用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年磁気ディスク装置の分野において増
大する高記録密度化の要請に応えるため、磁気ヘッド特
に薄膜磁気ヘッドが急速に普及しつつある。薄膜磁気ヘ
ッドは基板となるセラミックス製スライダーの後端面に
磁気信号の記録再生を行う薄膜素子が形成された構造を
有しており、スライダーが磁気ディスクの高速回転(2
0〜40m/s)によって発生する空気層流に乗って磁
気ディスク面上にわずかに浮上(0.2〜4μm)する
ことを利用し磁気ディスクに対して記録の書き込み、読
み取りを行う機能を有する。したがってスライダーは磁
気ディスク回転の起動、停止時は十分な空気層流が得ら
れないため必ず磁気ディスクと摺動し、いわゆるコンタ
クト・スタート・ストップ(CSS)動作を行う。さら
にスライダーは定常浮上中であっても振動や塵埃の介入
などの外的要因によって浮上高さや浮上姿勢が乱れるこ
とが避けられない。
大する高記録密度化の要請に応えるため、磁気ヘッド特
に薄膜磁気ヘッドが急速に普及しつつある。薄膜磁気ヘ
ッドは基板となるセラミックス製スライダーの後端面に
磁気信号の記録再生を行う薄膜素子が形成された構造を
有しており、スライダーが磁気ディスクの高速回転(2
0〜40m/s)によって発生する空気層流に乗って磁
気ディスク面上にわずかに浮上(0.2〜4μm)する
ことを利用し磁気ディスクに対して記録の書き込み、読
み取りを行う機能を有する。したがってスライダーは磁
気ディスク回転の起動、停止時は十分な空気層流が得ら
れないため必ず磁気ディスクと摺動し、いわゆるコンタ
クト・スタート・ストップ(CSS)動作を行う。さら
にスライダーは定常浮上中であっても振動や塵埃の介入
などの外的要因によって浮上高さや浮上姿勢が乱れるこ
とが避けられない。
【0003】記録密度を大きくするために浮上高さは一
層小さくなりつつあるため、このような乱れによりスラ
イダーが高速回転中の磁気ディスクと衝突する回数がま
すます増大してきている。
層小さくなりつつあるため、このような乱れによりスラ
イダーが高速回転中の磁気ディスクと衝突する回数がま
すます増大してきている。
【0004】これらのことからCSS性能を向上させる
ためには、磁気ヘッドのスライダーの摺動性を高めるこ
とが重要である。更にスライダーの表面が平滑で気孔が
存在しないこと、耐摩耗性が良いことが必要である。
ためには、磁気ヘッドのスライダーの摺動性を高めるこ
とが重要である。更にスライダーの表面が平滑で気孔が
存在しないこと、耐摩耗性が良いことが必要である。
【0005】又磁気ヘッドは上に述べた如く、磁気ディ
スクと接触摺動する時に摩擦帯電する。この帯電量が過
度に大きくなると磁気トランスジューサーの信号巻線に
ノイズが発生したり、磁気ヘッドの浮上量が変わったり
する恐れがある。そこで摩擦帯電のできるだけ生じない
材料で磁気ヘッドのスライダーを構成することが望まし
い。
スクと接触摺動する時に摩擦帯電する。この帯電量が過
度に大きくなると磁気トランスジューサーの信号巻線に
ノイズが発生したり、磁気ヘッドの浮上量が変わったり
する恐れがある。そこで摩擦帯電のできるだけ生じない
材料で磁気ヘッドのスライダーを構成することが望まし
い。
【0006】更に磁気ヘッドのスライダーは例えば特開
昭55−163665号に示されているように極めて複
雑な構造をしているものであるが、このような複雑な構
造の磁気ヘッドを生産性良く作るには、スライダー構成
材が機械加工性に優れていることが必要である。即ち加
工時の切削抵抗の少ないことや切削ブレード等への目づ
まりのないことやクラックやチッピングの生じないこと
が重要である。
昭55−163665号に示されているように極めて複
雑な構造をしているものであるが、このような複雑な構
造の磁気ヘッドを生産性良く作るには、スライダー構成
材が機械加工性に優れていることが必要である。即ち加
工時の切削抵抗の少ないことや切削ブレード等への目づ
まりのないことやクラックやチッピングの生じないこと
が重要である。
【0007】従来のスライダー材料としては薄膜素子の
形成性が良好な点からAl2O3系セラミックが広く知られ
ており、改良提案も多い。例えば特開昭61−1588
62号、特開昭60−231308号、特開昭60−1
83709号及び特開昭60−179923号等に示さ
れたものがある。
形成性が良好な点からAl2O3系セラミックが広く知られ
ており、改良提案も多い。例えば特開昭61−1588
62号、特開昭60−231308号、特開昭60−1
83709号及び特開昭60−179923号等に示さ
れたものがある。
【0008】これらはいずれも Al2O3−TiC とその他の
添加粒子からなっており耐摩耗性や加工性の向上が計ら
れている。又一方ZrO2 を主成分としたスライダー材料
が例えば特開昭60−171617号、特開昭63−2
78312号、特開昭60−66404号等に多く示さ
れ、摺動特性が良好であるスライダーが提案されてい
る。
添加粒子からなっており耐摩耗性や加工性の向上が計ら
れている。又一方ZrO2 を主成分としたスライダー材料
が例えば特開昭60−171617号、特開昭63−2
78312号、特開昭60−66404号等に多く示さ
れ、摺動特性が良好であるスライダーが提案されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の A
l2O3−TiC からなるスライダーは、機械加工性や耐摩耗
性に優れるものの高精度の複雑な形状のスライダーを加
工する際、クラックやチッピングも少なくなく加工歩留
を落しており、より破壊靭性、摺動特性の向上が強く望
まれている。
l2O3−TiC からなるスライダーは、機械加工性や耐摩耗
性に優れるものの高精度の複雑な形状のスライダーを加
工する際、クラックやチッピングも少なくなく加工歩留
を落しており、より破壊靭性、摺動特性の向上が強く望
まれている。
【0010】又 ZrO2 を主成分とするスライダーは Al2
O3−TiC と比べ摺動特性は優れているが耐摩耗性や加工
性は劣るとされている。このように種々のスライダー材
料が提案されているが、摺動特性、耐摩耗性、破壊靭性
の高い機械加工性に優れた材料が強く望まれている。
O3−TiC と比べ摺動特性は優れているが耐摩耗性や加工
性は劣るとされている。このように種々のスライダー材
料が提案されているが、摺動特性、耐摩耗性、破壊靭性
の高い機械加工性に優れた材料が強く望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決すべくなされたものであり、重量%で3〜7%のY2
O3又は MgOで固溶された正方晶 ZrO2 を主成分とし、Ti
C を20〜40%、Al2O3 を10〜25%含むことを特
徴とする磁気ヘッド特に薄膜磁気ヘッド用基板材料を提
供するものである。
解決すべくなされたものであり、重量%で3〜7%のY2
O3又は MgOで固溶された正方晶 ZrO2 を主成分とし、Ti
C を20〜40%、Al2O3 を10〜25%含むことを特
徴とする磁気ヘッド特に薄膜磁気ヘッド用基板材料を提
供するものである。
【0012】本発明は摺動性、破壊靭性に優れた正方晶
ZrO2 を主構成相とし、耐摩耗性、導電性付与のための
TiCを分散し、高強度、微細結晶組織化を推進する Al2
O3を含有した焼結体からなる摺動特性、耐摩耗性、機械
加工性に優れた基板材料を得ることができる。
ZrO2 を主構成相とし、耐摩耗性、導電性付与のための
TiCを分散し、高強度、微細結晶組織化を推進する Al2
O3を含有した焼結体からなる摺動特性、耐摩耗性、機械
加工性に優れた基板材料を得ることができる。
【0013】本発明の主構成相である正方晶 ZrO2 は、
Y2O3又は MgOが重量%(以下同じ)で3〜7%固溶され
た正方晶 ZrO2 とする必要がある。 Y2O3 や MgOが3%
より少ないと単斜晶 ZrO2 が増加し、焼結体冷却中にマ
イクロクラックが発生し機械的強度が著しく低下し、7
%より多いと立方晶 ZrO2 が増加して強度、破壊靭性が
著しく低下するため好ましくない。
Y2O3又は MgOが重量%(以下同じ)で3〜7%固溶され
た正方晶 ZrO2 とする必要がある。 Y2O3 や MgOが3%
より少ないと単斜晶 ZrO2 が増加し、焼結体冷却中にマ
イクロクラックが発生し機械的強度が著しく低下し、7
%より多いと立方晶 ZrO2 が増加して強度、破壊靭性が
著しく低下するため好ましくない。
【0014】本発明において耐摩耗性、帯電防止機能を
付与する TiCは正方晶 ZrO2 構成相中に均一に分散した
状態で含有することが必要である。TiC の含有量は20
〜40%が耐摩耗性、導電性さらには正方晶 ZrO2 の結
晶粒の微細化のため必要であり、20%未満では導電性
や耐摩耗性の点で不十分であり、40%を超えるとTiC
が高硬度であるため摺動特性が低下し好ましくない。
付与する TiCは正方晶 ZrO2 構成相中に均一に分散した
状態で含有することが必要である。TiC の含有量は20
〜40%が耐摩耗性、導電性さらには正方晶 ZrO2 の結
晶粒の微細化のため必要であり、20%未満では導電性
や耐摩耗性の点で不十分であり、40%を超えるとTiC
が高硬度であるため摺動特性が低下し好ましくない。
【0015】本発明において高強度、微細結晶組織化を
推進する Al2O3は正方晶 ZrO2 構成相中に均一に分散し
て含有することが必要である。Al2O3 の含有量は10〜
25%が高強度、微細結晶組織化のために必要であり、
10%未満では強度及び粒成長抑制の効果が発揮され
ず、25%を超えると Al2O3の含有量が多くなり Al2O3
粒子間での拡散が活発になり、Al2O3の粒成長化が著し
くなるなど、即ち、正方晶ZrO2粒子の周囲に Al2O3と T
iCの両粒子が均質に配列することで TiCと Al2O3両粒子
により正方晶 ZrO2 との熱膨張差に起因する引張応力が
発生して正方晶 ZrO2 が単斜晶への転移を抑制するため
である。これらの作用により正方晶 ZrO2は一層安定化
し正方晶 ZrO2 の高温強度低下が起こらなくなり、常温
から高温まで高強度、高靭性の特性を発揮することがで
きる。
推進する Al2O3は正方晶 ZrO2 構成相中に均一に分散し
て含有することが必要である。Al2O3 の含有量は10〜
25%が高強度、微細結晶組織化のために必要であり、
10%未満では強度及び粒成長抑制の効果が発揮され
ず、25%を超えると Al2O3の含有量が多くなり Al2O3
粒子間での拡散が活発になり、Al2O3の粒成長化が著し
くなるなど、即ち、正方晶ZrO2粒子の周囲に Al2O3と T
iCの両粒子が均質に配列することで TiCと Al2O3両粒子
により正方晶 ZrO2 との熱膨張差に起因する引張応力が
発生して正方晶 ZrO2 が単斜晶への転移を抑制するため
である。これらの作用により正方晶 ZrO2は一層安定化
し正方晶 ZrO2 の高温強度低下が起こらなくなり、常温
から高温まで高強度、高靭性の特性を発揮することがで
きる。
【0016】本発明を構成する正方晶 ZrO2 、TiC 、Al
2O3 は正方晶 ZrO2 のマトリックス中にTiC と Al2O3が
均一に分散した三相混合微細結晶組織を呈したものであ
るが、これらの構成相の結晶粒径は2μm以下にするこ
とが望ましく、2μm以下にすることにより強度、破壊
靭性が著しく向上し、機械加工性やチッピングを小さく
することができる。
2O3 は正方晶 ZrO2 のマトリックス中にTiC と Al2O3が
均一に分散した三相混合微細結晶組織を呈したものであ
るが、これらの構成相の結晶粒径は2μm以下にするこ
とが望ましく、2μm以下にすることにより強度、破壊
靭性が著しく向上し、機械加工性やチッピングを小さく
することができる。
【0017】本発明を構成する正方晶 ZrO2 、TiC 、Al
2O3 の原料の粒度はより細かいものが必要であり、平均
粒径が0.1μm以下のものが用いられる。0.1μm
を超えると焼結して生成する結晶粒が成長して大きくな
りやすく磁気ヘッド基板の表面の平滑性が低下するので
好ましくない。
2O3 の原料の粒度はより細かいものが必要であり、平均
粒径が0.1μm以下のものが用いられる。0.1μm
を超えると焼結して生成する結晶粒が成長して大きくな
りやすく磁気ヘッド基板の表面の平滑性が低下するので
好ましくない。
【0018】又不純物としては少量の他の成分が存在し
ても構わないが、好ましくは0.5%以下特には0.1
%以下にすることが望ましい。
ても構わないが、好ましくは0.5%以下特には0.1
%以下にすることが望ましい。
【0019】本発明は以上の構成よりなるが、本発明の
焼結体を製作するには0.1μm以下の Y2O3 又は MgO
で固溶された正方晶 ZrO2 粉末、TiC 粉末、Al2O3 粉末
を所定の割合で配合し、十分混合粉砕して乾燥し、ホッ
トプレスを使用し焼結体を得ることができる。又上記の
混合粉末に少量のバインダーを添加してスプレイドライ
ヤーにて造粒し、この造粒物をCIPにより成形し、真
空又は非酸化雰囲気中で常圧焼結や予備焼成HIP( S
inter HIP)やカプセルHIP(カプセル中に封入)
しても同様の効果が得られる。
焼結体を製作するには0.1μm以下の Y2O3 又は MgO
で固溶された正方晶 ZrO2 粉末、TiC 粉末、Al2O3 粉末
を所定の割合で配合し、十分混合粉砕して乾燥し、ホッ
トプレスを使用し焼結体を得ることができる。又上記の
混合粉末に少量のバインダーを添加してスプレイドライ
ヤーにて造粒し、この造粒物をCIPにより成形し、真
空又は非酸化雰囲気中で常圧焼結や予備焼成HIP( S
inter HIP)やカプセルHIP(カプセル中に封入)
しても同様の効果が得られる。
【0020】このホットプレスやHIPを行う場合の焼
結温度は得られる焼結体の性能を大きく左右するため1
400〜1600℃が好ましく、焼結温度が1400℃
未満では密度が低く緻密な焼結体が得られず、1600
℃を超えると構成相である正方晶 ZrO2 、Al2O3 、TiC
が粒成長しやすくなるため好ましくない。
結温度は得られる焼結体の性能を大きく左右するため1
400〜1600℃が好ましく、焼結温度が1400℃
未満では密度が低く緻密な焼結体が得られず、1600
℃を超えると構成相である正方晶 ZrO2 、Al2O3 、TiC
が粒成長しやすくなるため好ましくない。
【0021】
【作用】前述に説明した如く、摺動特性、高靭性に優れ
た正方晶 ZrO2 を主相とし、耐摩耗性、導電性付与の T
iCを正方晶 ZrO2 主相中に均一に分散して、強度や破壊
靭性等の機械加工性を良好にし、焼結や微細結晶組織化
を促進する Al2O3を均一に分散したものであって、これ
らの相互作用によって磁気ヘッド特に薄膜磁気ヘッド用
基板材料としての摺動特性、耐摩耗性、機械加工性に優
れた特性を呈するものと考えられる。又これらの構成相
の組織が正方晶 ZrO2 粒子の周囲に均一にAl2O3と TiC
両粒子が配列するような組織構造を呈して熱膨張差に起
因する引張応力の発生によって正方晶 ZrO2 の単斜晶へ
の転移が起こらず、常温から高温までの強度、破壊靭性
の向上が認められており、薄膜磁気ヘッド基板への薄膜
作成プロセス中の加熱(数百度)にも基板特性を十分発
揮できるものと考えられる。
た正方晶 ZrO2 を主相とし、耐摩耗性、導電性付与の T
iCを正方晶 ZrO2 主相中に均一に分散して、強度や破壊
靭性等の機械加工性を良好にし、焼結や微細結晶組織化
を促進する Al2O3を均一に分散したものであって、これ
らの相互作用によって磁気ヘッド特に薄膜磁気ヘッド用
基板材料としての摺動特性、耐摩耗性、機械加工性に優
れた特性を呈するものと考えられる。又これらの構成相
の組織が正方晶 ZrO2 粒子の周囲に均一にAl2O3と TiC
両粒子が配列するような組織構造を呈して熱膨張差に起
因する引張応力の発生によって正方晶 ZrO2 の単斜晶へ
の転移が起こらず、常温から高温までの強度、破壊靭性
の向上が認められており、薄膜磁気ヘッド基板への薄膜
作成プロセス中の加熱(数百度)にも基板特性を十分発
揮できるものと考えられる。
【0022】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて説明する。原
料として Y2O3 又は MgOを3〜7wt%固溶させた ZrO
2 粉末(純度99wt%、平均粒径0.03μm)とTi
C 粉末(純度99wt%、平均粒径0.1μm以下)と
Al2O3粉末(純度99.9wt%、平均粒径0.1μm
以下)を所定の割合にて配合し、ボールミルにてエタノ
ール溶媒を用い ZrO2 ボール(部分安定化 ZrO2 ボー
ル)で10時間混合粉砕した。この混合粉末をエバポレ
ーターで乾燥し、エタノールを抽出し乾燥して軽く解砕
した。
料として Y2O3 又は MgOを3〜7wt%固溶させた ZrO
2 粉末(純度99wt%、平均粒径0.03μm)とTi
C 粉末(純度99wt%、平均粒径0.1μm以下)と
Al2O3粉末(純度99.9wt%、平均粒径0.1μm
以下)を所定の割合にて配合し、ボールミルにてエタノ
ール溶媒を用い ZrO2 ボール(部分安定化 ZrO2 ボー
ル)で10時間混合粉砕した。この混合粉末をエバポレ
ーターで乾燥し、エタノールを抽出し乾燥して軽く解砕
した。
【0023】この粉末をホットプレスの黒鉛鋳型内に充
填し、圧力350kg/cm2 、温度はそれぞれ140
0〜1600℃、Ar雰囲気で1時間ホットプレスし、6
0mmφ×厚み5mmの焼結体を得た。
填し、圧力350kg/cm2 、温度はそれぞれ140
0〜1600℃、Ar雰囲気で1時間ホットプレスし、6
0mmφ×厚み5mmの焼結体を得た。
【0024】焼結体の物性として密度はアルキメデス法
により測定し、理論密度を除して相対密度を求め、曲げ
強度は JIS R 1601 「ファインセラミックスの曲げ試験
法」に従って測定した。
により測定し、理論密度を除して相対密度を求め、曲げ
強度は JIS R 1601 「ファインセラミックスの曲げ試験
法」に従って測定した。
【0025】又破壊靭性はSEPB法( Single Edge P
re-Cracked Beam 法)により測定した。即ち JIS R 160
1 に準拠した試料を用意しビッカース圧子圧入により圧
痕をつけた後、予亀裂を入れるための荷重を加え、イヤ
ホンでポップイン(Pop-in)を検知した。続いて予亀裂
長さを測定するために着色を行い、そして曲げ試験を行
って破断荷重を測定した。破断試料の予亀裂長さを測定
した後、破壊靭性の算出式により破壊靭性を求めた。
re-Cracked Beam 法)により測定した。即ち JIS R 160
1 に準拠した試料を用意しビッカース圧子圧入により圧
痕をつけた後、予亀裂を入れるための荷重を加え、イヤ
ホンでポップイン(Pop-in)を検知した。続いて予亀裂
長さを測定するために着色を行い、そして曲げ試験を行
って破断荷重を測定した。破断試料の予亀裂長さを測定
した後、破壊靭性の算出式により破壊靭性を求めた。
【0026】ビッカース硬度は曲げ試験片の鏡面研磨面
を用い荷重300gにてビッカース硬度計により測定し
た。比抵抗の測定は曲げ試験片を用い、4端子法にて測
定した。
を用い荷重300gにてビッカース硬度計により測定し
た。比抵抗の測定は曲げ試験片を用い、4端子法にて測
定した。
【0027】上記と同様な方法にて製作した60mmφ
×厚み5mmの焼結体で磁気ヘッドスライダーとしての
評価試験を行った。
×厚み5mmの焼結体で磁気ヘッドスライダーとしての
評価試験を行った。
【0028】得られた焼結体を鏡面研磨してダイヤモン
ド切断砥石で切断し、角部の微細なチッピングを顕微鏡
にて観察することにより行った。このチッピング試験は
幅0.28mm及び直径52mmのレジノイド砥石(3
0μmのダイヤ砥粒を有するカッター)を用い、切込み
0.3mm,送り量5mm/secで実施した。チッピ
ング深さが2μmを超えない場合実質的にスライダー品
質に影響を及ぼさず満足すべき品質を維持するもので、
これを○で示し、2μmを超える場合は△及び著しいチ
ッピングの場合は×として示した。
ド切断砥石で切断し、角部の微細なチッピングを顕微鏡
にて観察することにより行った。このチッピング試験は
幅0.28mm及び直径52mmのレジノイド砥石(3
0μmのダイヤ砥粒を有するカッター)を用い、切込み
0.3mm,送り量5mm/secで実施した。チッピ
ング深さが2μmを超えない場合実質的にスライダー品
質に影響を及ぼさず満足すべき品質を維持するもので、
これを○で示し、2μmを超える場合は△及び著しいチ
ッピングの場合は×として示した。
【0029】又摺動性及び耐摩耗性は焼結体から実際の
薄膜磁気ヘッド形状に切り出し、磁気ディスクと接触さ
せてディスクを回転させるCSS試験により特性を評価
した。
薄膜磁気ヘッド形状に切り出し、磁気ディスクと接触さ
せてディスクを回転させるCSS試験により特性を評価
した。
【0030】摺動性はディスクとヘッドのCSS試験に
より摩擦係数を求め、摩擦係数が0.5より小さいもの
を○で示し、摩擦係数が0.5より大きいものは△及び
著しく大きい場合は×として示した。耐摩耗性はCSS
試験を10000回繰返し、磁気ヘッドスライダーの摺
動面の傷の有無について評価した。
より摩擦係数を求め、摩擦係数が0.5より小さいもの
を○で示し、摩擦係数が0.5より大きいものは△及び
著しく大きい場合は×として示した。耐摩耗性はCSS
試験を10000回繰返し、磁気ヘッドスライダーの摺
動面の傷の有無について評価した。
【0031】比較例として Al2O3−TiC 30%基板と Y
2O3 5.2wt%で部分安定化された ZrO2 −TiC 30
%基板を用いて比較した。それぞれの結果を表1、表2
に示した。
2O3 5.2wt%で部分安定化された ZrO2 −TiC 30
%基板を用いて比較した。それぞれの結果を表1、表2
に示した。
【0032】表1、表2に示されるように本発明は高密
度で比抵抗も小さく、硬度、曲げ強度も高く、特に破壊
靭性は Al2O3−30%TiC 基板に比べると2〜2.4
倍、ZrO2( Y2O3 5.2%部分安定化)−30%TiC 基
板と比べて約1.3倍程度向上している。
度で比抵抗も小さく、硬度、曲げ強度も高く、特に破壊
靭性は Al2O3−30%TiC 基板に比べると2〜2.4
倍、ZrO2( Y2O3 5.2%部分安定化)−30%TiC 基
板と比べて約1.3倍程度向上している。
【0033】磁気ヘッドスライダーとしての評価では鏡
面研磨した場合の気孔はほとんど観察されず緻密化して
おり、耐チッピング性、耐摩耗性、摺動特性は比較例と
比べて優れており、スライダーとして最適なものであ
る。
面研磨した場合の気孔はほとんど観察されず緻密化して
おり、耐チッピング性、耐摩耗性、摺動特性は比較例と
比べて優れており、スライダーとして最適なものであ
る。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明の薄膜磁気ヘッド用基板は、摺動
特性に優れた高強度、高靭性の正方晶ZrO2を主構成相と
し、これに耐摩耗性、導電性付与のためのTiC を正方晶
ZrO2中に分散し、微細結晶組織化を促進するAl2O3 を添
加均一に分散したものであり、摺動特性、耐摩耗性、機
械加工性に優れ、又磁気ヘッド基板の薄膜作成プロセス
中の加熱にも安定した性能を発揮し、かつ比抵抗が小さ
く摩擦帯電性が小さく高熱伝導率の優れた技術的長所を
有するものである。
特性に優れた高強度、高靭性の正方晶ZrO2を主構成相と
し、これに耐摩耗性、導電性付与のためのTiC を正方晶
ZrO2中に分散し、微細結晶組織化を促進するAl2O3 を添
加均一に分散したものであり、摺動特性、耐摩耗性、機
械加工性に優れ、又磁気ヘッド基板の薄膜作成プロセス
中の加熱にも安定した性能を発揮し、かつ比抵抗が小さ
く摩擦帯電性が小さく高熱伝導率の優れた技術的長所を
有するものである。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%で、3〜7%の Y2O3 又は MgOを固
溶した正方晶 ZrO2 を主成分とし、TiC を20〜40%
および Al2O3を10〜25%含有することを特徴とする
磁気ヘッド用基板材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3307071A JPH05120637A (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 磁気ヘツド用基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3307071A JPH05120637A (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 磁気ヘツド用基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05120637A true JPH05120637A (ja) | 1993-05-18 |
Family
ID=17964696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3307071A Withdrawn JPH05120637A (ja) | 1991-10-25 | 1991-10-25 | 磁気ヘツド用基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05120637A (ja) |
-
1991
- 1991-10-25 JP JP3307071A patent/JPH05120637A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990107 |