JPS6039720B2 - 石鹸のスカム生成防止法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、石鹸を主成分とする洗剤の石鹸スカムの生成
を防止する方法に関する。

石鹸及び石鹸洗剤が環境に及ぼす影響が少ないという事
から、近年その需要が増してきているが、これらは石鹸
（高級脂肪酸塩）を主成分とするため、水中（特に硬度
の高い水中）で金属石鹸スカムを発生しやすい、溶解性
又は溶解速度が悪い、ＰＨ値が商いなどの欠点を有する
。

これらの欠点、特に石鹸のスカムの生成防止又は除去の
必要性は、石鹸洗剤の需要の増大と共に高まってきてお
り、ビルダー類の探索、石鹸スカム分散剤（瓜ＤＡ）の
開発が種々試みられている。

ビルダーとしては、一般の洗剤に使用されるＳＴＰＰ等
の重合隣酸塩及びＥＤＴＡやＮＴＡ等の有機キレート剤
がある程度の効果を示すが、燐酸塩類は排水公害の面か
ら問題視され、有機キレート剤は自然環境に及ぼす影響
について論議されている。

また、石鹸洗剤においてビルダー効果があるものとして
、クエン酸ソーダ等の有機酸塩も知られるが、これらは
石鹸スカムの防止効果を実質上期特できない。次に、界
面活性を有する石鹸スカム分散剤を石鹸又は石鹸洗剤に
添加して、生成する金属石鹸を分散させ、被洗浄物への
再汚染や洗浄用容器へのスカムの付着を防止する試みで
は、ポリオキシヱチレン付加型の特殊非イオン（エーテ
ル型又はアマィド型）、高分子カルボン酸、Ｑースルフ
オ脂肪酸ェステルなどが効果のある物質として知られて
いる。

しかし、こられは一般に石鹸のスカムを分散させるのに
一定の添加量、石鹸分に対し約３〜１の重量％、を必要
とし、その製品は洗浄剤活性成分として石鹸以外の成分
を配合した一種の複合洗剤として石鹸洗剤とは区別され
ている。

また、洗浄活性分としての石鹸の一部が金属石鹸と化し
、洗浄の有効成分が減少することを避けることはできな
い。

本発明は、このような欠点を解消し、石鹸活性をあまり
減ずることなく、また環境汚染の心配をすることなく、
石鹸のスカムの生成を防止できる方法を提供する。

すなわち、本発明では石鹸又は石鹸洗剤に少なくとも一
般のへテログリカンを添加することを特徴とする。

へテログリカンの添加量は特に限定されないが、石鹸又
は石鹸洗剤の固形分に対し０．５〜５０重量％、特に５
〜３の重量％であるのが好ましい。

なお、効果面からみて、石鹸純分に対するへテログリカ
ンに添加量は少なくとも３重量％なければ顕著な効果が
期待され驚く、添加量を増すと効果も高まるが、一般に
３０〜５の重量％で効果は飽和に達する。石鹸としては
、一般の油脂、例えば牛脂、豚脂、鯨油などの動物油脂
、榔子油、パーム油、菜種油、大豆油、ぬか油などの植
物油脂及びそれらの混合物から直接得られる石鹸及び上
記植物油脂から得られる脂肪酸の中和反応で得られる炭
素数８〜２２の石鹸がいずれも使用でき、Ｌｉ，Ｋ，Ｎ
ａいずれのアルカリ塩であってもよい。

石鹸洗剤は、一般に石鹸とビルダ−を主成分とするもの
であって、ビルダ−としては炭酸ソ−ダ、桂酸ソーダ、
重炭酸ソーダ、硫酸ソーダ、クエン酸ソーダなどが好ん
で使用され、更に他の活性剤が添加物を併合する場合も
ある。へテログリカンは２種以上の単糖類から構成され
る多糖類でありいずれも使用できるが、本発明では特に
２種の中性糖から構成されるグルコマンナン、ガラクト
マンナン、アラビノガラクタンなどの使用が好ましく、
例えば次のようなものが含まれる。

グルコマンナン： コンニャクイモの球茎（コンニヤク
マンナン）、ラン料、アヤメ科ュリ種の球茎、 樹木（針葉樹のへミセルロー ス）。

ガラクトマンナン： 豆科植物の舷乳（グァラン、例え
ばグアガム、ロ−カストビーンガム）。

アラビノガラクタン： 斜葉樹（落葉松）カラマツ、砂
糖カエデ、トラガカントゴム。

これらの糖類はかなり高い分子量を持った状態で存在し
、一般に約数方から数百万の分子量を有しているが、本
発明で使用するへテログリカンは水に可溶となる程度迄
分子量を低下させたものから数百という低い分子量のも
のまで広く効果が認められ、通常数万〜数十万の分子量
のものが使用０される。

本発明におけるへテログリカンの石鹸スカム分散効果に
は、その水酸基による水素結合が強く働いていると思わ
れるが、更に単糖類、モノグリカンでは石鹸スカム防止
効果があまり見られないの夕に対し、ヘテログリカンで
はその効果が著しく認められるのは、上記水素結合の作
用に加えて、鎖状構成糖が複数であることによる相互結
合及び他成物、例えば重金属との相互作用が関係してい
ると思われる。

このような本発明の方法では、石鹸スケールの防止及び
分散効果を達成できるだけでなく、洗浄剤の溶解性の増
進、溶液のｐＨ緩衝効果、人体への皮膚への緩和効果も
期待できる。

従って、本発明は一般的な衣料用石鹸箱（粒状、粉末、
固型）；台所用洗浄剤、血洗い用洗浄剤、住宅用洗浄剤
、家具用洗浄剤、シャンプーなどの家庭用洗浄剤、機械
食器用洗浄剤、野菜洗浄剤、クリーニング用洗剤などの
業務用洗浄剤と広く適用できる。

次に、本発明を実施例に従って更に詳しく説明するが、
本発明はこれらに限られるものではない。

なお、実施例に％とあるのはいずれも重量％を示す。実
施例 〔１〕 第１表に示す組成からなる２種の洗剤Ａ，Ｂを調製した
。

第１表 Ａ（％）Ｂ（％） 牛脂石鹸 ４０ ４０榔子油石
鹸 １０ １０ソーダ灰
３０ ３０Ｅ硝 ５
５ロー力ストビーンガム ５ 可溶性澱粉 ５ 水分 １０ １０Ａ，Ｂの洗
剤を用いて、ランニングシャツ（グンゼ株式会社製、綿
１００％）５枚ずつについての着用１日、翌日洗濯を２
の司繰り返し、家庭用洗剤としての適用性を試験した。

試験結果を第２表に示す。洗濯法 東京芝浦電気株式会社製の洗濯機ＶＨ７１７７洗濯槽に
水道水（硬度ＣａＣ０３換算５蛇ｐｍ）３０そを入れ、
次いで洗剤４雌を投入し、５分間櫨拝して、洗剤を溶解
後、試料（シャツ）を投入、１粉ふ間洗浄、１分間脱水
、５分間の濯ぎ３回を行なった後、直射日光を避けて風
乾した（洗濯温度：２０±３００）。

評価尺度 十１ 黄ばみ無し ０ 少し黄ばみ有り −１ 顕著な黄ばみ有り 第２表 実施例 〔２〕 第３表の組成からなる２種の洗剤Ｃ，Ｄを調製した。

第３表 Ｃ（％）Ｄ（％） ゲンブ粉石鹸※１ ７．７ ７．７メタ桂酸
ソーダ ３５ ３５（５水和物）シルト
ンＢ※２ １５ １５ソーダ灰
３５ ３５ Ｅ硝 ２‐３ ２‐３グアー
ガム※３ ５ −アルギン酸ソーダ
５ Ｃ，Ｄの洗剤を用いて、 に・しるスカム
の生成量を試験した。

試験結果を第４表に示す。試験法 下記条件下で、洗剤Ｃ，Ｄを１日毎交互に５回変換使用
し、洗浄終了後に洗浄槽に付着、浮遊したスカム量を測
定した。

洗浄機 ： 八木厨房株式会社製自動食器洗浄機被洗物
： 使用済食器４５０の固／日 洗浄温度 ６０±５℃ 洗液濃度 ０．１５％ 評価尺度 十１ スカムの生成多量 ０ スカムの生成少量 −１ スカムの生成無し 第４表 実施例〔１〕及び〔２〕に示される如く、本発明に従っ
てへテログリカンを添加した洗剤Ａ，Ｃは、スカム生成
が著しく防止でき、洗浄効果に優れることがわかる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 石鹸又は石鹸洗剤に少なくとも一種のヘテログリカ
   ンを添加することを特徴とする石鹸のスカム生成防止法
   。 ２ ヘテログリカンが石鹸又は石鹸洗剤の固形分当り０
   ．５〜５０重量％の割合で添加されることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の方法。 ３ ヘテログリカンが石鹸純分の少なくとも３重量％添
   加されることを特徴とする特許請求の範囲第１項又は第
   ２項記載の方法。 ４ 石鹸洗剤が石鹸及びビルダーを主成分とするもので
   あることを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし第３
   項いずれかに記載の方法。 ５ ヘテログリカンが２種の中性糖から構成されるもの
   であることを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし第
   ４項いずれかに記載の方法。 ６ ヘテログリカンがグリコマンナン、ガラクトマンナ
   ン及びアラビノガラクタンから選ばれるものであること
   を特徴とする特許請求の範囲第５項記載の方法。