JPS6036897Y2 - 電磁遅延線 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は信号線とこれに添って巻回された分布容量を得
るアース線とから成る電磁遅延線の改良に係る。

第１図は、図示しない多数コイル巻回用溝を有するボビ
ンに多数のコイル巻回部に分割巻きされた一連の信号線
１と一端をこの信号線と共にコイル巻回部に巻回し、他
端を接地したアース線２を有する従来の遅延線の結線図
を示している。

これはこの種の遅延線の代表的なものであるが、アース
線に誘起する電圧によってアース線の開放端の電位がア
ース電位より、より高くなり所定の特性が得られない難
点があった。

また、第１図のような遅延線の等価回路は第３図に示す
ようにπ型回路のため位相特性が良くない欠点があった
。

本考案は上記の欠点を一掃する電磁遅延線を提供するこ
とを目的とする。

即ち、本考案の電磁遅延線は第２図の実施例結線図に示
すように、多数のコイル巻回部例えば３、 ４． ５．
６に分割巻きされた一連の信号線Ｃと一端７，８をこ
の信号線と共に上記コイル巻回部に巻回し、他端９，１
０を接地したアース線Ｅを有する遅延線において、上記
アース線Ｅの一端７．８は隣接する２つのコイル巻回部
、この実施例ではそれぞれ３，４及び５，６の一方のコ
イル巻回部３，５の中間部より信号線Ｃと平行に巻回さ
れ他方のコイル巻回部４，６の信号線中間で終端してい
ることを特徴とする電磁遅延線に関するものである。

ここで、コイル巻回部３，５に巻回されたアース線とコ
イル巻回部４，６に巻回されたアース線とはそれぞれの
巻回方向が反対にされている。

第２図の結線図に示した遅延線の左半分の等価回路は第
４図のようになる。

以上説明した本考案の遅延線は、アース線を一つのコイ
ルの中間から巻回し、隣接するコイルの中間まで巻回す
るようにしたので、その等価回路にも示すとおり左右対
称のＭ型の遅延回路となり、従来の型のものに比べて位
相特性が向上する。

しかもアース線Ｅの一方のコイル巻回部の巻回方向と他
方のコイル巻回部の巻回方向とを逆にしたので誘起電圧
を互いに打ち消し合い、さらに特性が向上する。

また、アース線Ｅの巻回数を変更することにより容易に
隣接するコイル巻回部間の信号線Ｃの結合を変更でき、
パルス特性を任意に設定することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の遅延線結線図、第２図は本考案の遅延線
結線図、第３図及び第４図はそれぞれ第１．２図の遅延
線等価回路で、Ｃは信号線、Ｅはアース線、３，４，５
．６はコイル巻回部を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数のコイル巻回部に分割巻きされた一連の信号線と、
   一端をこの信号線と共に上記コイル巻回部に巻回し、他
   端を接地したアース線を有する遅延線において、上記ア
   ース線の一端は隣接する２つのコイル巻回部の一方のコ
   イル巻回部の中間部より信号線と平行に巻回され、他方
   のコイル巻回部の信号線中間で終端しかつ一方のコイル
   巻回部に巻回されたアース線と他方のコイル巻回部に巻
   回されたアース線の巻回方向が反対にされていることを
   特徴とする電磁遅延線。