JPS6035246B2 - パラ配向的芳香族ポリアミドフイルムの製造法 - Google Patents

パラ配向的芳香族ポリアミドフイルムの製造法

Info

Publication number
JPS6035246B2
JPS6035246B2 JP53039748A JP3974878A JPS6035246B2 JP S6035246 B2 JPS6035246 B2 JP S6035246B2 JP 53039748 A JP53039748 A JP 53039748A JP 3974878 A JP3974878 A JP 3974878A JP S6035246 B2 JPS6035246 B2 JP S6035246B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dope
para
aromatic polyamide
die
oriented aromatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP53039748A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS54132674A (en
Inventor
啓作 長沢
正二 後藤
健二 竹尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP53039748A priority Critical patent/JPS6035246B2/ja
Publication of JPS54132674A publication Critical patent/JPS54132674A/ja
Publication of JPS6035246B2 publication Critical patent/JPS6035246B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、パラ配向的芳香族ポリアミドを用いるフィル
ムの製造法の改良に関する。
その目的とするところは、機械的強度、耐熱性、及び透
明性等の物理的性質に優れ、汎用性に富むフィルムを工
業的有利に製造するにある。芳香族ポリアミドはその優
れた耐熱性の故に、このものを主成分とする繊維や紙等
の製品が開発されている。
最近、芳香族ポリアミドの中でも特別な構造のもの、即
ち、ポリパラフェニレンテレフタルアミドの如く、ポリ
マーを構成する二価の芳香族基の結合位置が、パラ位等
のポリマー分子が直線的で棒状の剛直構造となりうるよ
うな位置である芳香族ポリアミド(パラ配向的芳香族ポ
リアミド)を用いる提案が公けにされている。このもの
は濃厚なドープでは液晶構造をとり、ドープ中で部分的
に配列した集合体(ドメィン)を形成するため、繊維ま
たはフィルムに成形すると、ノズルまたはダィ中での流
動配向等により、ドメィンの配向により高度に配向した
成形物が成形したまま(成形後の延伸処理なし)で製造
できることが知られ、高強度繊維の製造に応用が期待さ
れている(特公昭47−248び号公報、同50−12
485号公報、特開昭47−39458号公報等)。こ
れらのパラ酉己向的芳香族ポリアミドは、その分子構造
からも期待できるように、高強度・高ヤング率の成形品
を与えるが、一方、極めて高い融点およびガラス転移点
のポIJマーが多く、ために成形後の延伸が困難である
ため、上記の如き光学異万性ド−プによるノズルまたは
ダィでの流動による雛断力で配向し、成形したままです
でに配向がほとんど完了している成形品が得られる利点
がある。
しかし、この光学異万性ドープをフィルム成形に用いる
ときは、ダィのスリットを通過する際に吐出方向に高度
の配向が生じ、その配向が緑式成形された時点でほとん
ど完成されているために、成形品をさらに幅方向に延伸
して、いわゆる二軸配向を試みても、該芳香族ポリアミ
ドの高い軟化点とも相俊つて、好ましい二鞠配向を行な
うことは困難であって、得られるフィルムは長さ方向に
は強度が高くても、幅方向の強度がほとんどないものし
か得られなかった。
他の光学異方性ドープより得られるフィルムの欠点は、
ドープ中に形成されたドメィンがそのままフィルムにも
残るためか、ドープ同様に不透明な製品しか得られない
ため、フィルムとしての価値が著しく損なわれることで
ある。
本発明者らは、この有用な性質を有するパラ配向的芳香
族ポリアミドからフィルムを製造する方法につき種種検
討した結果、その研究の過程において次の如き意外な事
実を確認した。
すなわちパラ配向的芳香族ポリアミドからフィルムを製
造するには、上記の如き好ましい性質を示すといてれる
光学異万性のドープを用いるよりも、静直状態では光学
的に等万性のドープが、流動下では流動配向により光学
的異方性を示すという事実である。
本発明者らはこの知見に基いて更に研究を加え、この状
態のドープを用いることで、物理的、特に機械的性質並
びに透明性にすぐれたフィルムを工業的有利に生産し得
る本発明を完成し、所期の目的を達成するに至った。
即ち本発明の要旨は、パラ配向的芳香族ポリアミドを湿
式成膜してフィルムを製造するに当り、該芳香族ポリア
ミドのドープとしては臨界濃度以下の静暦下では光学的
に等方性であるポリマー濃度のドープを用い、該ドープ
を押し出す際に成形用ダィのスリットを通過中の該ドー
プに吐出方向と直角方向の鱒断力を加えつつ押出すこと
を特徴とするパラ配向的芳香族ポリアミドフィルムの製
造法である。
以下、本発明の構成、実施の態様、及び効果について更
に詳細に説明する。
本発明で言うパラ配向的芳香族ポリァミドとは、1種ま
たは2種以上の2価の芳香族基が直接アミド基により結
合されているポリマーであって、該芳香族基の2価の結
合基同志が1,4−フエニレン(パラフエニレン)や4
,4′−ビフエニレン、1,4−ナフチレンの如く、芳
香族環より同軸的に反対方向に、または1,5−ナフチ
レンや、2,6ーナフチレンの如く平行軸的に反対方向
に配置されているような芳香族ポリアミドを言う。
芳香族基としては、上記の如き単環または多環の炭素環
芳香族基の他に、2,5ーピリジンや、(ただし、Xは
−○−,一S−および−NH−を表わす)等のへテロ環
芳香族であってもよい。
これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基等の
低級アルキル基、メトキシ基、クロル基、等のハロゲン
基等が1個または2個以上含まれることも許される。こ
れらのパラ配向的芳香族ポリアミドの典型的な例は、ポ
リパラベンズアミド、ポリパラフェニレンテレフタルア
ミド、ポリ−4,4−ジアミノベンズアニリドテレフタ
ルアミド、ポリーN,N−Pーフエニレンビス(Pーベ
ンズアミド)テレフタルアミド、ポリパラフエニレン−
2,6−ナフタリツクアミド、コポリパラフエニレン/
4,4′ー(3,3′−ジメチルビフエニレン)−7レ
フタルアミド、コポリパラフエニレン/2,5−ピリジ
レン−テレフタルアミド、コポリ/ぐラフヱニレンテレ
フタルアミド/ピロメリツトイミド、コポリパラフエニ
レンーイソシンコメロンアミド/テレフタルアミド等が
挙げられる。
本発明のパラ配向的芳香族ポリアミドは、その分子を構
成する芳香族基の5モル%までを、上記の特別な芳香族
基以外の2価の芳香族基、たとえば、メタフェニレン基
、3,3′ービフェニレン等や、2価の脂肪族基、たと
えば、エチレン、ブチレン等で置き換えることも、また
、ァミド結合の5モル%以下をェステル結合、尿素結合
、ウレタン結合等により置き換えることも許される。
これらのパラ配向的芳香族ポリアミドの製造法は、本発
明を実施する上で制限されるものではなく、たとえば、
該当するジァミンおよびジ酸ク‐ロラィドから、特公昭
35一1439y号等で知られる低温溶液重合法により
容易に製造できる。本発明の臨界濃度以下の静贋下で光
学的に等方性のドープ(以下単に光学等方性ドープとい
う。
)はこれらのパラ配向的芳香族ポリァミドを、適当な溶
剤に溶解することにより調製される。このドープ調製に
用いることのできる溶剤は、ポリマーによっても、ポリ
マーの重合度によっても異なるが、いずれのポリマーに
も好適に用いられる溶剤は、9箱重量%の濃硫酸または
発煙硫酸であり、他の無機酸としては、弗酸、クロル硫
酸、フルオロ硫酸等が知られている。
有機溶剤は比較的重合度の低いものや、芳香族基に置換
基を持つもの、繰返し単位の長いもの、コポリマ一等に
用いることができ、ジメチルアセトアミド、Nーメチル
ピリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル
尿素等の、いわゆるN−アルキル置換アミド型溶剤や、
それらの組合わせ、およびそれらに塩化リチウムや塩化
カルシウム等の無機塩を添加したもの等がある。本発明
の光学等方性ドープは、ポリマーおよび溶剤および溶液
の温度により定まる一定のポリマー濃度(臨界濃度)以
下で得られるものである。
それ以上の濃度ではドープは光学的異方性を示す。具体
的には個個の組合わせにつき、光学異方性となる臨界濃
度を観察することで確認されるべきである。大略有機溶
剤系では数重量%以下、濃硫酸等では1の重量%内外以
下で光学等方性ドープである。光学異万性である確認は
、スライドグラス上にドープを薄く伸ばしたプレパラー
トを、偏光顕微鏡の直交ニコルの間に入れると、ドープ
が静置下にあっても直交ニコルの階視野が明視野に変化
することにより行なわれる。
またドープを溶解する際に毅断力下で配向して光を乱反
射し、金属様または真珠様の光沢が見られることによっ
ても確められる。光学等方性ドープでは、それが静贋下
にあっては、以上の如き現象は見られない。しかし本発
明のドープにあっても、カバーグラスをずらせてプレパ
ラートに酷断的変形を加えると、その間直交ニコル下の
暗視野が明視野となり、流動配向による光学異万性を示
す。実際に本発明を実施するに当っては、臨海濃度に近
い比較的高いポリマー濃度のドープは、ポリマーの分子
量やドープ温度によっては極めて高い粘度を示し、ドー
プ取扱い上の困難を伴なうことがあり、一般的には臨界
的よりある程度低いポリマー濃度のドープを用いること
が多い。
例えば、9頚重量%以上の濃硫酸を溶剤とする場合には
、約5重量%以下が好適に用いられる。吐出されるドー
プの温度は特に限定されるものではなく、各各のポリマ
ーの種類や分子量および溶剤の組合わせ、およびポリマ
ー濃度により異なる。
本発明の効果を損なわない範囲内で、ドープの粘度や得
られるフィルムの物性等を勘案して定められるべきであ
り、通常−1000から10000程度の範囲に設定さ
れることが多い。本発明の特徴とするところは、この光
学等方性ドープをダィのスリットから押出してフィルム
に湿式成形するに当り、ダィランドを通過中のドープに
吐出方向と直角な方向の鱗断力を加えつつ行なうことで
ある。これによって、流動配向により、液晶的分子集合
による配向によることなく「従って液晶ドメィンによる
不透明を伴なわずに吐出によるダィ壁面との勢断に基づ
く吐出方向の分子配向と同時に、それとは直角方向に配
列させること、または直角方向のベクトルを持つ分子配
列を生じさせることである。この場合、光学異万性を示
す液晶ドープと異なり、本発明の光学等方性ドープでは
流動配向の緩和が比較的速やかに生じることは十分に留
意されるべきである。
スリットより吐出されたドープは流動配向が完全に緩和
される以前に凝固を開始させることが必要であり、従っ
て、スリットから直接凝固裕中に吐出させるか、スリッ
トから吐出後約3現抄・以内に凝固を開始することが望
ましい。ダィランドを通過中のドープに直角方向の奥断
力を与える具体的な方法としては、たとえば、ダィのス
リットを形成する二つの部材の一方を、または部材の双
方を反対方向に鯛断力を与えたい方向に移動させる方法
がある。またダィランド内に板状物を置き、これを動か
して聡断力を与えることもでき、ダィランド内部に該雛
断力を与えるための板「帯、鎖等の外力により駆動され
る数断配向用部材を設ける等によっても可能である。所
期の効果を与える限り特に制限されるものではない。ダ
ィランドを通過するドープに、吐出方向と直角な方向の
馳断力を加える場合、ダィランドの吐出方向全長にわた
って鱗断力を加えることは好ましいが、フィルム面に部
材が移動することによる綿が入る等の理由で好ましくな
いときは、ダィ表面のリップは固定し、リップより内側
のダィランドのみに魂断力を加えることも行われてよい
フィルムに成形するためのダィの形式についても、本発
明の吐出方向に直角な方向の灘断力を加える機構を内蔵
できる限り、特に制限.されるものではなく、円筒状に
フィルムを製造するためのりングダイでは、ストレート
ダイ、ク。スヘツドタ、.ィ、オフセットダーィ等の諸
形式が、平面フィルムまたはシート製造のためには、フ
ィッシュテールダイ、Tーダイやコートハンガーダイの
ようなマニホールドダィ等が、いずれも灘断力を与える
べき機構を付加して用いられる。本発明の特徴とする灘
断力は、敷断速度として、ドープの吐出により生ずる灘
断速度の約0.01以上約10折音まで、またはそれ以
上であることが必要であり、さらに好ましくは約0.1
倍以上であるべきで、目的とするフィルムの機械的性質
により、この範囲で任意に選ばれるべきである。
斑断速度があまりにも低いと、ドープにフィルムの横方
向の強度を与えるに十分な吐出方向と直角なべクトルを
持つ流動配向を付与することができない。また、その上
限は主としてターーィの機械構造的な理由により定まり
、本発明を実施する上で雛断速度の上限は制限するもの
ではない。
本発明の実施に当って用いられるダィの具体的な例を挙
げて説明する。
第1図は、本発明の方法で円筒状のフィルムを製造する
ためのりングダィの一例を断面図で示したもので、基本
的には通常のリングダィと同機の構成であり、ドープは
内ダィと外ダイとにより横成される円形のスリットより
吐出されるのである。
ただし、本発明の方法を実施する上で特徴的なことは、
内ダィおよび外ダィが互いに反対方向に回転する機構と
なっていることである。すなわち、通気孔9を持つ内回
転夕、.ィ5は、それと一体として構成されている内回
転ダィ回転軸6によりスパイダー11を貫通し、シール
機構7によりクロスヘッド10外部に達し、図示されて
いない駆動装置により、チェーンスプロケット8に動力
が伝達されて回転する。
一方、外回転ダィ2およびそれに固定された回転リップ
3は、やはり図示されていない駆動装置により、回転リ
ップ3外周に設けられた歯4に動力が伝達されることに
より、内回転夕、1ィ5と反対方向に、内回転ター・ィ
5と等速度で、または望むならば異なる速度で回転する
。リップ間隔の調節は、外固定ダィ12の位置をリップ
間隙調整ボルト13にて変更することで行なわれる。本
発明の光学等方性ドープは、計量ポンプ(図示せず。
)より定量的にドープ入口14に送り込まれ、クロスヘ
ッド10、スパイダー11、内回転ダィ5と外回転ダィ
2とで形成されるダィランドの順に導かれ、ダィランド
で両回転ダィにより吐出方向に直角な方向の鱒断力を受
けつつ、同時に吐出による吐出方向の奥断力により、両
方向またはそれらの合わさった方向に分子配向し、ダィ
より吐出される。なお、第1図において1は外筒である
。第1図の例は、内ダィおよび外ダィのいずれもが回転
する形式のものであるが、そのいずれかのみが回転する
ことでも、本発明を達成でき、ダィの構造よりも簡単に
できる。
また、構造は複雑ではあるが、第2図にその断面を示し
た例の如く、内ダィ16と外ダィ15の間のダィランド
内に、円筒形の回転期断筒17を設けることにより、ダ
ィランドを通過する本発明の光学等方性ドープ層の中間
で、回転敷断筒壁により回転切断筒17の両側のドープ
層に吐出方向に直角な灘断力を加えるものである。
このような構造では、内ダィ16および外ダィ15は固
定されていても、吐出方向に直角な鱒断力がかかるが、
さらに鱗断を有効とするため、またはシート等の厚手の
ものの成形のために、第1図の例の如く、内ダィと外ダ
ィをも回転可能の構造として、各各を回転酸断筒と反対
方向に回転させることも好ましい実施態様である。第2
図の構造の詳細は、外ダィ本体15および内ダィ16が
ダィ支持板22で固定されてなる間隙に、回転期断筒1
7および回転軸18が設置されており、回転軸18と外
ダィ本体15および内ダイ16との間は、シール機構2
0および21でドープの漏れを防いでいる。
回転期断筒17には、ドープがその内部に流入するため
の窓23が複数個穿たれている。回転軸18にはチェー
ンスプロケツト19が設けられ、図示されていない駆動
装置により駆動される。上記した本発明を実施するに好
適な2,3の例は、円筒状にフィルムを成形するための
りングターィであるが、もちろん平面状にフィルム成形
するためのダィであっても、同様な構造、すなわち、リ
ップの一方または双方を反対方向に他のりップに平行に
移動させることにより、本発明の吐出方向に直角な灘断
力をドープに加える効果が得られる。
また、第3図に断面を示したマニホールドタ′ィの例の
如く、ダィランド内に可動敷断板25を設けることによ
っても同様の効果が得られる。
第3図で26はダイ本体であり、リップ27はリップ間
隙調整ボルト28により調整される構造である。本発明
の光学等方性ドープはドープ入口14より入り、マニホ
ールド29で分配された後、ダィランド3川こ入り、可
動製断板25により吐出方向に直角な鱗断力を受けつつ
ター、ィ先端に達し、フィルム状に吐出される。
ここで、可動製断板の材質や駆動方法については種種あ
るが、たとえば、薄い金属の無端の帯状物をダィ両側面
に設けたシール機構により、ダィの外部に達する一つの
ループを形成するように設置し、ダィ外部で該金属帯を
駆動することにより、ダィランドを金属帯が移動するこ
とにより可動期断板として機能させることができる。そ
の他の可動期断板としては、金属繊維の緑織物の帯や、
ドープ調整に用いた溶剤に侵されない、たとえば、ポリ
パーフルオロェチレン等の合成樹脂製の帯状物等を用い
得る。以上のような機構のダィより薄膜状に吐出させた
本発明の光学等方性ドープは、これを直接または一旦空
間あるいは非凝固性液層を通した後、凝固浴中に導いて
フィルム状とする。
凝固の特別な形態としては、ダィより平面状の薄膜とし
て吐出させたドープを一旦回転するロール上に乗せ、ロ
ール上で凝固液と接触させて凝固させることも行なわれ
てよい。第1図等のりングダィでドープを円筒状薄膜と
して吐出する場合には、内ダィの通気孔より空気圧を加
えて、いわゆるインフレーション操作を併用してもよく
、また、内ダィの通気孔の代りに、凝固液導入管および
排出管を円筒状薄膜内部まで内ダィを貫通して導き、円
筒状薄膜の内部からも凝固を進めることも可能である。
凝固液の組成や温度については特に限定されず、通常の
湿式成形に用いられる組成および温度でよい。
典型的な凝固液組成は、ドープ調製に用いた溶剤と水と
の混合物であり、これに必要があれば無機塩等を添加す
る。凝固液の温度も通常−100C〜80q○の間の任
意の温度に選ぶが、望むならばこの範囲外であってもよ
い。凝固したフィルムは、引続き溶剤を洗練して除去し
、乾燥し、必要あれば熱処理を施す。
円筒状にフィルム成形した場合は、必要あれば任意の工
程で長さ方向に切り裂いて平面状フィルムとすることも
行なわれてよい。また、任意の工程で仕上げ用の油剤付
与等の仕上げ処理を行なうことも許される。本発明の光
学等方性ドープを用いたフィルム成形では、通常のフィ
ルム成形と異なり、成形後に延伸配向処理を行なわなく
ても既に高度の配向が見られ、特に延伸工程は不要であ
るが、さらに高度のヤング率を望む等の理由で、延伸ま
たは緊張処理を行なうことは特に制限しない。
また制限収縮下に乾燥又は/及び熱処理することも好ま
しい実施態様である。フィルムの洗縦方法や乾燥方法、
熱処理方法等は、特に本発明にとって制限されるもので
はなく、通常の湿式成形に用いられる慣用の方法で行な
われてよい。
本発明の特徴とするところは、フィルム成形用ダィ内で
既に二軸的に配向し、長さ方向のみでなく、幅方向の強
度を持つ芳香族ポリアミドフィルムを、直接湿式成形で
きることにあり、特に高い融点という好ましい性質の故
に、熱延伸処理が困難であったパラ配向的芳香族ポリァ
ミド類の二軸配向的機械的性質のフィルムを提供できる
ことにある。
本発明の方法は、パラ配向的芳香族ポリアミドに限らず
、同様の光学異万性ドープを形成し得る剛直なポリマー
、たとえば、ポリテレフタロイルヒドラジド等であれば
、同様の効果が得られる。
本発明の方法で得られる芳香族ポリアミドフィルムは、
その優れた耐熱性および機械的性質の故に、電気絶縁用
フィルム、フレキシブルプIJント配線板、磁気テープ
等の種種の用途が期待される。以下に本発明の効果を、
実施例をもって示すが、実施例中の百分率は、ことわら
ない限り重量基準で示す。
ポリマーの重合度の尺度として用いる固有粘度(りin
h)は、98.5重量%の濃硫酸100cc中にポリマ
ー0.2夕を溶解し、30℃で常法により測定したもの
であり、光学異方性ドープの粘度は、ブルックフィール
ド式回転粘度計により測定したものである。フィルムの
機械的性質は、IQ肋×100側のテストピースを等速
伸長型強伸度試験機で、毎分50%の伸長速度で測定し
たものである。
参考例 1 ポリパラフェニレンテレフタルアミドの製造および光学
異方性ドープを示す臨界濃度の確認。
へキサメチルホスホルアミドとNーメチルピロリドンの
2対1の混合物100そに、バラフェニレンジアミン(
以下PDAと略記)3.78k9に溶解し、次いでテレ
フタル酸クロラィド(以下TPCと略記)7.10k9
を加えて重合し、数分後にチーズ状固体となる重合反応
物を1時間放置した後、ほぼ等量の水とへンシェルミキ
サーで混合粉砕し、次いで水洗し乾燥して、りi血が5
.9のポリパラフェニレンテレフタルアミド(以下PP
TAと略記)8.3k9を製造した。上で製造したPP
TAを50夕の99.8%濃硫酸に溶解したところ、P
PTA量を増すにつれて極めて高い粘度を示すようにな
り、約10%以上ではドープは不透明で、溶解のための
鷹拝により縞模様の光沢を示すようになり、光学異方性
ドープとなる。
さらにPPT〜嬢度を増すと、ドープ粘度が減少するが
、ほぼ14〜15%以上で常温では、もはや固体となる
が、70〜800○では20〜21%まで光学異方性ド
ープとして使用可能である。実施例 1 99.4%硫酸に参考例1のPPTA3.5%を含有す
る光学等方性ドープを、第1図のりングタ・1ィにより
円筒薄膜状に、インフレーションすることなく直接30
00の30%硫酸中に吐出した。
用いたりングダィのスリット直径は20仇蚊◇であり、
内回転ダィおよび外回転ダィは、反対方向に共に4.8
回転/分で回転させた。
スリットの間隙は0.7仇ゆであり、光学等方性ドープ
はダィランド内線速度1.5肌/分で吐出された。凝固
裕内にて円筒状フィルムのーケ所を切り開き、一枚の平
面フィルム状に展開した後、3肌/分の速度で凝固俗よ
り引き出し、次いで水洗格、アルカリ格、水洗俗、ロー
ラー乾燥機の順に送り巻き取った。この間、両耳部は強
制的に拡幅することなく、又長さ方向にも伸長させるこ
となくそれぞれ処理を施した。又、ローラー乾燥機のロ
ーラー中には、常圧のスチームを導入し加熱した。フィ
ルムは黄色で透明なものであり、厚み14ム、縦方向の
強度、伸度、ヤング率は、それぞれ15k9/柵、12
%、370kg/桝、横方向の強度、伸度、ヤング率は
、それぞれ14k9/桝、8%、320k9/ゆであっ
た。
比較のために、上例において内回転ダィおよび外回転ダ
ィの回転を止めた他は同様にしてフィルムを得た。
このフィルムの機械的性質は、縦方向の強度、伸度、ヤ
ング率がそれぞれ10kg/協、8%、380k9/ゆ
横方向はそれぞれlk9/桝以下、0.2%以下であっ
て、ヤング率の測定不能であり、横方向は極めて脆く、
僅かの引張りで簡単に破断するため、測定値の信頼性が
乏しいが、本発明の方法に比べて極めて劣るフィルムで
あることが伴る。
なお、縦方向の機械的性質も、引張り試験中にテストピ
ースが縦方向に割れを生ずることなどから、横方向に配
向されていないことが、破断強伸度を低める結果となっ
て出ているように思われる。実施例 299.8%硫酸
にPPTA2.5%を含有する室温の光学等方性ドープ
を、第1図のりングタ′ィより吐出し、0℃の水中に円
筒状ドープを導いた後、裕中で円筒状フィルム下端を二
本の。
−ルで絞って、折り畳まれた状態で格から引出し、折り
フィルムの両耳を切り開き、二枚のフィルムとし、別個
に水洗および中和、さらに水洗後、乾燥して巻き取つた
。本例では、浴面上2仇岬の位置にスリットが位置する
ように設置され、吐出後のドープは一且空間を走行した
後、格に導入された。
リングダィのスリット直径は500肌?で、スリット間
隙は0.8脚、内回転ダィおよび外回転ダィの回転は、
各各反対方向に3.0回転/分であった。
ドープ吐出量は400cc/分で、フィルムの格からの
引取り速度は4の/分であった。得られたフィルムは8
仏の厚みを持ち、機械的性質は第1表の如くであり、十
分な横方向の強さを持つものであった。
第1表 実施例 3〜6 以下の各実施例は、小型の試験用の第3図の如きマニホ
ールドダイを用いて行なった。
ダイのスリット寸法は0.5肋×100肋であり、ドー
プは1.5cc/分で吐出され、室温の30%硫酸裕中
で凝固され、3m/分の速度で吐出された。ダィ内を貫
通する鯛断板は、0.1肋厚のステンレス鋼の2.5肌
幅の帯を用い、4m/分の速度で移動させた。用いたポ
リマ−は、いずれも参考例1と同様な低温溶液重合で常
法により、いずれもフラスコスケールで重合した。得ら
れたフィルムの機械的性質は第2表の通りで、いずれも
横方向の強度が見られる。
なお、いずれの例においても鱗断板を停止して試験的に
採取したフィルムは、いずれも横方向にはほとんど強度
がなく、フィルムとして好ましくないものであった。
第2表 表中、YMはヤング率を表わす。
ドープA,B,C,Dは、それぞれ次の如きポリマーお
よび溶剤およびポリマー濃度のものであり、いずれも光
学等方性のドープである。A:りi血が3.5のポリパ
ラベンズアミドを2%含有し、塩化リチウム5%を含有
するテトラメチル尿素ドープ。
B;りi肺が4.2のコポリパラフエニレンーテレフタ
ルアミド(80)/ピロメリツトイミド(20)を3.
0%含有する99.2%硫酸ドープ。
C;りinhが5.8のコポリー4,4′(3,3一ジ
メチルビフエニレン)(20)/パラフエニレン(80
)−テレフタルアミドを2.8%含有する99.2%硫
酸ドープ。D;刀i血が6.0のコポリパラフエニレン
−2,5−ピリジン(20)/テレフタルアミド(80
)を2.5%含有する99.5%硫酸ドープ。
実施例 7りi洲が5.4のポリー2ークロロパラフヱ
ニレンテレフタルアミドを3.7%含有する98.5%
濃硫酸ドープを、実施例3で用いたダィにより同様の条
件で吐出した。
本例では吐出したドープをダイのスリットの1仇豚‘こ
設けた回転ドラム表面に受けた後、ドラムと共に回転さ
せて凝固裕中に浸燈し、凝固せしめたのちドラム面より
剥離し、引取つた。このようにして成膜したフィルムを
7弧四方に切り出した後、実験室的に以下の処理を行な
った。
先ず試料を流水中で10分間洗液した後、1%のNaO
H水溶液に1び分間浸潰して中和処理し、次いで一夜流
水中で洗膝した。
この洗糠フィルムを、ステンレス鋼製の型枠に四辺を固
定した後、8000の熱風乾燥機中で乾燥した試料Aを
製造し、さらに試料Aを、四辺を固定したままで、30
0℃の熱風循環式加熱機中で5分間熱処理して試料Bを
製造した。各各の物性は、第3表に示す通りであり、定
長下で、全く延伸を施すことないこ、強度及びヤング率
の改良されたフィルムが製造できる。第3表
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明の実施に当り使用されるフィルム成形用
ダィの断面図であって、第1図および第2図はリングタ
ーーィ、第3図はマニホールドダィの例である。 発つ図 苑2図 発3図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 パラ配向的芳香族ポリアミドを湿式成膜してフイル
    ムを製造するに当り、臨海濃度以下の静置下では光学的
    に等方性であるポリマー濃度の上記芳香族ポリアミドド
    ープを用い、かつ、成形用ダイのスリツトを通過中の該
    ドープに吐出方向と直角方向の剪断力を加えつつ押し出
    すことを特徴とするパラ配向的芳香族ポリアミドフイル
    ムの製造法。 2 パラ配向的芳香族ポリアミドが、ポリパラベンズア
    ミド、ポリパラフエニレンテレフタルアミド、またはパ
    ラフエニレンテレフタルアミド単位が80モル%以上で
    あり、他がパラ配向的芳香族ポリアミド単位であるコポ
    リアミドである特許請求の範囲第1項記載のパラ配向的
    芳香族ポリアミドフイルムの製造法。 3 ポリパラベンズアミド、ポリパラフエニレンテレフ
    タルアミド、またはパラフエニレンテレフタルアミド単
    位が80モル%以上であり、他がパラ配向的芳香族ポリ
    アミド単位であるコポリアミドと、98重量%以上の濃
    硫酸より成るドープを用いる特許請求の範囲第1項記載
    のパラ配向的芳香族ポリアミドフイルムの製造法。 4 パラ配向的芳香族ポリアミドの含有量が6重量%で
    あるドープを用いる特許請求の範囲第1項又は第3項に
    記載のパラ配向的芳香族ポリアミドフイルムの製造法。 5 スリツト通過中の光学等方性ドープに加えられる吐
    出方向に直角方向の剪断力が、ドープ吐出により生ずる
    剪断速度の0.01倍以上の剪断速度を生じさせるもの
    である特許請求の範囲第1項、第3項、及び第4項のい
    ずれかに記載のパラ配向的芳香族ポリアミドフイルムの
    製造法。6 スリツトより吐出せしめたドープを直接又
    は吐出後30秒以内に凝固浴中に導入する特許請求の範
    囲第1項記載のパラ配向的芳香族ポリアミドフイルムの
    製造法。
JP53039748A 1978-04-06 1978-04-06 パラ配向的芳香族ポリアミドフイルムの製造法 Expired JPS6035246B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP53039748A JPS6035246B2 (ja) 1978-04-06 1978-04-06 パラ配向的芳香族ポリアミドフイルムの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP53039748A JPS6035246B2 (ja) 1978-04-06 1978-04-06 パラ配向的芳香族ポリアミドフイルムの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS54132674A JPS54132674A (en) 1979-10-15
JPS6035246B2 true JPS6035246B2 (ja) 1985-08-13

Family

ID=12561575

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP53039748A Expired JPS6035246B2 (ja) 1978-04-06 1978-04-06 パラ配向的芳香族ポリアミドフイルムの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6035246B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4857255A (en) * 1985-04-04 1989-08-15 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Poly-p-phenylene-terephthalamide film and process for producing the same
US4939235A (en) * 1985-09-26 1990-07-03 Foster-Miller, Inc. Biaxially oriented ordered polybenzothiazole film

Also Published As

Publication number Publication date
JPS54132674A (en) 1979-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3767756A (en) Dry jet wet spinning process
US5367042A (en) Process for fabricating oriented polybenzazole films
JPS5911609B2 (ja) コ−ポリアミドの製造方法およびコ−ポリアミドから製造した成形製品
US4857255A (en) Poly-p-phenylene-terephthalamide film and process for producing the same
JPS6035246B2 (ja) パラ配向的芳香族ポリアミドフイルムの製造法
US5302334A (en) Process for coagulating and washing lyotropic polybenzazole films
US3389206A (en) Art of producing a polymeric film or the like
JPS595407B2 (ja) 芳香族ポリアミドフイルムの製造法
JP3100405B2 (ja) エンドレスベルト
JPS6239634A (ja) ポリパラフェニレンテレフタルアミド系フィルムの製造方法
JPH0376810B2 (ja)
JPS62174129A (ja) ポリパラフエニレンテレフタルアミド系フイルム
JPH03217429A (ja) 着色シートの製造法
JPS5933100B2 (ja) 芳香族コポリアミド成型物の製造法
JP4048417B2 (ja) ポリベンゾアゾールフィルム
JP2859914B2 (ja) 芳香族ポリアミドフイルム
JPH02115235A (ja) 芳香族ポリアミドフィルムの製造法
JPH0228222A (ja) アラミドフィルムの製法
JPH09220726A (ja) 耐熱性フィルムの製造法
JP2667890B2 (ja) 芳香族ポリアミドフィルムの処理方法
JPS60126314A (ja) パルプ粒子の製造法
JPH02107427A (ja) フイルムの製造方法
JPH04298330A (ja) シームレスベルト及びその製造方法
JP2877421B2 (ja) フィルムの製造方法
JPS62116637A (ja) フイルム及びその製造法