JPS6034467Y2 - 抵抗溶接用電極チツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、円筒室とこの円筒室の内径より小さい内径を
もちかつ端面へ開口する案内孔と円筒室から案内孔への
円錐状移行部とをもつ電極チップ本体、および円筒室の
内径よりわずか小さい外径をもつフランジと案内孔の内
径よりわずか小さい軸部とフランジ軸部への円錐状移行
部とをもつ案内ピンをもつ抵抗溶接用電極チップに関す
る。

このような電極チップでは、案内ピンは例えば板材へ抵
抗溶接されるウェルディングナツトの位置ぎめを行なう
。

すなわち溶接前に被溶接物たるナツトと板材が電極によ
り加圧されてない状態では、チップ本体の円筒室へ供給
される圧縮空気は案内ピンのフランジに作用して、案内
ピンの先端をチップ本体から突出させ、案内ピンの先端
にはまるナツトを板材の穴に対して位置ぎめする。

一方溶接時チツブ本体が対向電極に押付けられると、案
内ピンは押込められて、それとチップ本体との間隙を通
って円筒室の圧縮空気が流出し、加圧状態で溶接される
被溶接物を冷却するとともに、スパッタの侵入を防止す
る。

このような電極チップでは、チップ本体の円錐状移行部
と案内ピンの円錐状移行部は同じ円錐角をもち、案内ピ
ンの先端がチップ本体から突出する際チップ本体に対し
て自動調心される。

しかしながらこれら円錐状移行部の加工精度例えば同心
度および面粗度が充分でなかったり、案内ピンがチップ
本体に対して傾いていたりすると、溶接前の非加圧時に
両目錐状移行部が密着せず、その間隙から漏れる空気が
、板材の穴に対する位置ぎめのため案内ピン先端にはめ
られたウェルディングナツトを吹き飛はしたり、ナツト
がぐらついて正確な位置ぎめができず、また漏れる空気
のためむだが多い等の欠点がある。

本考案はこれらの欠点をなくすもので、チップ本体の円
錐状移行部および案内ピンの円錐状移行部の少なくとも
一方に合成樹脂被覆を設ける。

本考案の実施例を図面について以下に説明する。

第１図において１は抵抗溶接用電極チップ本体で、２つ
のカップ状部分２，３をねじ込み部４で互いに対向して
ねじ合わせることによって形成されている。

このチップ本体１には円筒室５が形成され、空気導入管
６を介して圧縮空気を供給可能である。

チップ本体１の円筒室５には、円錐状移行部７を介して
、この円筒室５の内径より小さい内径の案内孔８が続い
ており、チップ本体１の端面へ開口している。

案内孔８の内径よりわずか小さい外径をもつ案内ピン１
０の軸部１１は、円錐状に細くなる先端１２をもち、ま
た円筒室５内にある後端には、円錐状移行部７と同じ円
錐角の円錐状移行部１３を介して、円筒室５の内径より
わずか小さい外径のピストンとしても役立つフランジ１
４を形成されている。

この円錐状移行部１３には、適当な弾性をもつ合成樹脂
例えばウレタンコム、シリコーンゴム、弗素ゴム、ニト
リルゴム、ナイロン、ポリアセタール、ブチルゴム、テ
フロン等からなる被覆１５が設けられている。

チップ本体１の後端には軸方向突起１６が形成され、そ
の空所１７に（＋冷却水が供給される。

なおＰは案内ピンを通される穴をもつ板部材、Ｗはこれ
に抵抗溶接されるウェルディングナツトである。

図は溶接前の非加圧状態を示し、チップ本体１の円筒室
５に圧縮空気が供給され、その空気圧力がフランジ１４
に作用して案内ピン１０の先端１２を案内孔８から押出
して、板材Ｐの穴を貫通させている。

チップ本体１は板材Ｐに当てられ、案内ピン１０の先端
１２にはウェルディングナツトＷがはめられて、板材Ｐ
の穴に対するナツトＷの位置ぎめを行なう。

この場合チップ本体１の円錐状移行部７は合成樹脂被覆
１５を介して案内ピン１０の円錐状移行部１３へ接して
いるので、移行部７，１３の間は被覆１５により密封さ
れ、円筒室５の空気が案内ピン１０とチップ本体１との
間隙を通って流出することはない。

図示してない対向電極をチップ本体１へ押付けると、ナ
ツトＷは空気圧に抗して案内ピン１０をチップ本体１へ
押込みながら板材Ｐへ押付けられ、通電により加圧状態
で溶接される。

この場合円筒室５内の空気は案内ピン１０の軸部１１と
チップ本体１の案内孔８の内壁との間隙を経て流出し、
被溶接物Ｐ、Ｗを冷却するとともに、スパッタの侵入を
防止する。

第２図では合成樹脂被覆１５がチップ本体１の円錐状移
行部に設けられている。

作用は第１図のものと同じである。

なお合成樹脂被覆１５を両方の円錐状移行部７．１３に
設けることができるのはもちろんである。

こうして本考案によれば、チップ本体および案内ピンの
円錐状移行部の加工精度が悪くても、また両者が完全に
調心されていなくても、溶接前の非加圧時にチップ本体
と案内ピンとの間から空気が漏れることがないので、ウ
ェルディングナツトの位置ぎめが確実に行なわれ、また
空気の損失もないというすぐれた利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の異なる実施例の中心軸を
通る断面図である。 １・・・・・・電極チップ本体、５・・・・・・円筒室
、７，１３・・・・・・円錐状移行部、８・・・・・・
案内孔、１０・・・・・・案内ピン、１１・・・・・・
軸部、１２・・・・・・先端、１４・・・・・・フラン
ジ、１５・・・・・・合成樹脂被覆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒室とこの円筒室の内径より小さい内径をもちかつ端
   面へ開口する案内孔と円筒室から案内孔への円錐状移行
   部とをもつ電極チップ本体、円筒室の内径よりわずか小
   さい外径をもつフランジと案内孔の内径よりわずか小さ
   い軸部とフランジから軸部への円錐状移行部とをもつ案
   内ピン、およびチップ本体の円錐状移行部および案内ピ
   ンの円錐状移行部の少なくとも一方に設けられた合成樹
   脂被覆を備えていることを特徴とする、抵抗溶接用電極
   チップ。