JPS6031621B2 - 二軸研削盤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は同一形状の二つのワークを一合の研削盤によ
り同時並列して研削加工できるようにした二軸研削盤に
関するものである。

例えばディーゼルエンジンのノズル用部品の内面は先端
部テーパ状部分及び円筒内面があり、これらの内面各部
を精度よく研削するためには二工程の研削加工が必要で
ある。

ところで従来の研削盤にあっては、１つのワークスピン
ドルに対し、砥石スピンドルも１つとするものがほとん
どであり、このため、研削盤の加工スピードをアップし
たとしても一合の研削盤のワンサィクル加工工程中研削
されるワークは１個でしかなく、１個のワークで複数の
加工工程を要する場合などでは、各研削盤の研削スピ−
ド‘こも限度があるため、これら各研削盤を用いて２倍
、３倍の生産性を上げることは全く不可能であった。こ
れに対し、最近では砥石スピンドルを複数個設けるとと
もに、各砥石スピンドルに対向する複数のワークスピン
ドルを１つのドラムに保持させ、一加工毎に各ワークに
対して同時並列的研削を行い、かつ一如工終了毎に上記
ドラムをゼネバ機構等を介して間欠的に一方向分割回転
させるようにした多軸研削盤が開発されている。

このものは一合の研削盤で同時複数の加工を行うことに
なり、従来のものに比してその加工スピードが増大でき
る利点を有する。しかしながら、このような多軸研削盤
にあっても種々の欠点が指摘されている。

その１つは、複数のワークスピンドルを保持するドラム
は、上述の如く一方同間欠回転するものであるが、この
ような構成のものにおいては間欠回転毎に位置決め機構
のストツパを可動にして一分割回転毎にこれらをドラム
に対し接触、離間させなければならず、機構が複雑化し
、かつ位置決め精度が低下すること、また一方向回転の
ために各ワークスピンドルに対する潤滑油系の配管や配
線及び、ワークの自動チャツキング機構が複雑化するこ
と、更には各ワークスピンドルの駆動モータはドラム上
に設けられているため、重量がかさむとともに、各スピ
ンドルに対し共通の駆動モ−夕を用いたのでは研削条件
が同一となり不都合を生ずる場合などでは１つのワーク
スピンドルに対し、夫々のワークスピンドルに対応して
夫々１つの駆動モータを設ける必要が生じ、更にドラム
が重くなりその作動が緩慢なものとなる等の欠点が生じ
ていた。

この発明は以上のような従来の多軸研削盤の欠点に鑑み
なされたものであって、旋回軸上に固定される支持フレ
ームに左右対称的に設けられた少くとも一対のワークス
ピンドルを、一加工終了後に上記旋回軸を１８０ｏ反転
させ、その左右の逆位置で再度各砥石に対向位置決めす
ることにより、２つのワークを二工程同時に加工できる
ようにしたもので、位置決め機構のストッパを固定で行
えるようにするとともに、潤滑油系の配管や配線等の機
構の簡素化を図り、更には上記ワークスピンドルの回転
を上記施回軸の回転中心に同軸上に軸受される中間軸に
より伝達することによって、そのワークスピンドル駆動
モータを別暦できるようにした。

高速かつ高精度の加工が行える二軸研削盤を提供するに
ある。以下この発明の一実施例を図面を用いて詳細に説
明する。

第１図はこの発明に係る二軸内面研削盤の全体構成を示
し、この装置はベッド１と、このベッド１上に平行に設
けられ、かつ直流サーボモータＭ，，Ｍ２により駆動さ
れる一対のフィードテープル２，３と、これら各フィー
ドテーブル２，３上に設置された砥石スピンドル装置４
，５と、各フイードテーブル２，３の中間にあって、こ
れらに対向してベッド上に設置されたワーク保持装置６
とから概略構成されている。

上記一方のスピンドル装置４は、ワークＷの内筒部を研
削するためのもので、そのスピンドルモータ７（モータ
内蔵のスピンドル、以下スピンドルモータと称す）は、
上記フィードテーブル２上にこれと直交して設置され、
かつパルスモータ地によって駆動される研削送りテーブ
ル８上に固定されている。

また他方のスピンドル装置５はワークＷの内筒部テーパ
面を研削するためのもので、そのスピンドルモータ９は
上記フイードテープル３上に上記ブーパに対応する角度
斜めに設置され、かつパルスモータＭ４によって駆動さ
れる研削送りテーブル１０上に固定されており、これら
に対応して各スピンドルモータ７，９の先端に保持され
る砥石１１，１２は夫々円筒状及びテーパ状に形成され
ている。

上記ワーク保持装置６は、その後端に配置された直流サ
ーボモータ１３により１８００反転駆動される旋回軸１
４と、この旋回軸１４上にこれと直交して固着された支
持フレーム１５と、この支持フレーム１５に対称的に固
着された平行な一対のワークスピンドル装置１６，１６
と、上記フレーム、１５の一側部にあって旋回軸１４の
１８０ｏ旋回毎にフレーム１５に当綾してこれをクラン
プするクランブ装置１７及び上記直流サーボモータ１３
の両側においてベッド１上に固定された上記各ワークス
ピンドル装置１６の駆動用モータ１８，１８，１８とか
ら構成されており、各ワークスピンドル装置１６の先端
には夫々上記各砥石１ １，１２と対向してワークＷが
チャツキングされている。

上記旋回鞍１４は第２図に示すようにその前後と軸受フ
レーム１９及び２０に回転可能に軸受されているととも
に、その後端面に大径ギア２１を固着し、上記直流サー
ボモータ１３の出力軸１３ａに固着されたピニオン２２
に噛合させることにより動力を伝達し、ヮンサィクルの
加工工程終了毎に上記サーボモータ１３からの出力を受
けて１８０ｏ反転駆動されるようになっている。

また上記旋回軸１４及び大径ギア２１の中心部において
固定スリーブ２３ａにはその軸方向に沿って鞠穴２３が
貫通形成され、この藤穴２３にはベアリング等を介して
中空筒状の第１の中間軸２４が回転可能に軸受されてい
るとともに、この第１の中間軸２４の内筒部にはこれも
やはりベアリング等を介して同軸上に第２の中間軸２５
が回転可能に軸受されており、谷中間鞠２４，２５で中
間軸部２５ａを構成している。そして、これら第１、第
２の中間軸２４，２５の後部突出端には夫々プーリ２６
，２７が軸着され、更には上記各駆動用モータ１８に袖
設されたプーリ２８，２８（第４図参照）との間にベル
ト２９，２９を夫々懸架することによりモータ１８の回
転を各中間軸２４，２５に伝達するようにしている。

また上記各中間軸２４，２５の先端側において上記旋回
軸１４の軸穴２３は拡開され、かつ、旋回軸の鞠心と直
交する方向における、その両側に窓部３０を閉口形成し
てあるとともに、上記各中間軸２４，２５の先端側にも
プ−ＩＪ３１，３２が設けられており、第３図に想像線
で示す如く上記各ワークスピンドル装置１６，１６の後
端に軸着されたプーリ３３，３３との間で上記窓部３０
を通してベルト３４，３４を懸架することにより、回転
を伝達するようにしている。

なお、第３図中符号３５で示されるものは上記各ベルト
３４のテンションプーリである。次に上記クランプ装置
１７は同第３図に特にその詳細が示されているように、
テーブル１上に立設された固定フレーム３６を、この固
定フレーム３６の上部及び下部側に突出し、かつ夫々上
下槽動可能に軸受された一対のクランプロッド３７，３
８と、上記固定フレーム３６の後部側に支持されたエア
ーシリンダ３９とから概略構成されている。

上記固定フレーム３６の先端部には上下対称的に形成さ
れた当援ブロック部４０が一体に突設され、その上端お
よび下端にストツパフロツク４１，４１を固着してある
。

そして、この各ストツパブロック４１には夫々上記支持
フレーム１５の両端に上下貫通して螺合された度決めネ
ジ４２，４２の先端に当接させることにより支持フレー
ム１５の１８０ｏ旋回位置での位置決めがなされるよう
にしている。また、上記各クランブロツド３７，３８は
上記ェアシリンダ３９の先端に往復動自在に構成された
ピストンロッド４３に夫々、リンクレバー４４，４５を
介して連結され、図示しないピストンの正逆駆動により
夫々上下方向に摺動するようになっており、更に各ロッ
ド３７，３８の先端には上記度決ねネジ４２の頭部に対
向するクランプブロック４６，４７が螺着され、上記ピ
ストンの駆動に伴い各クランプブロックの下端面で上記
度決めネジ４２の頭部をクランプまたはアンクランプす
るようになっている。

尚、クランプロツド３７，３８およびェアシリンダ３９
等によりクランプ機構３９ａを構成している。なお、第
３図中４８，４８は上記クランプブロツク４６，４７を
上下に貴遍螺合されたストッパネジ、４９，４９はその
各ストッパネジ４８に対向して固定フレーム３６の上下
の肩部に固定された第２のストツパブロックであって、
一方側のクランプブロツク４６が度決めネジ４２の頭部
に接している間に他方側のクランプブロツク４７を上記
第２のストッパブロツク４９に当俵させている。また、
上記一方のクランプブロツク４６がクランプしている間
はそのストツパネジ４８とストツパフロック４９間には
微少間隙が形成されるようになっており、このクリアラ
ンス分各ロッド３７，３８の移動距離の差を吸収するた
めに、上記ェアシリンダ３９の両側部は軸５０を介して
揺動可能に支持され、かつその後部は支持ブロック５１
に綾競合により保持されている。

従って同第３図に示すクランプ状態で各ワークＷのワン
サィクルの加工がなされ、各砥石１１，１２が作業待機
位置に後退するとこの信号を受けてシリンダ３９が駆動
され、各クランプロッド３７，３８が上昇及び下降して
支持フレーム１５のアンクランプがなされ、次いで上記
直流サーボモーター３の駆動により主軸１４が反転し１
８０度回動した段階で、反対側の度決めネジ４２が下部
側ストツバフロツク４１もこ当接して位置決めされ、次
いでシリンダ３９が逆方向に駆動されて今度は下部側の
クランプブロック４７がクランプ作用をなすことになる
。

なお、上記旋回鞠１４の回転動作は急速に回動し、かつ
ストッパ４１に当援する前段階でその速度を減速し、ス
トツパ４１に当援する直前の段階で０となるよう上記サ
ーボモータ１３を駆動する必要がある。

この場合の主軸の回動角を検出する手段としては第２図
及び第４図に特に示すように、上記軸受フレーム２０の
上端に取付フレーム５０ａを介して取着され、かつ上記
大径ギア２１の後端面に対向する正逆検出用の第１の近
接スイッチ５１ａ，５１ａ及び共通の第２の近接スイッ
チ５２と、各近接スイッチに対向して上記大蓬ギア２１
の端面に夫々正逆の停止位置に対応して同じく円状に位
置決め固着されたその周長が異なる第１、第２のドグプ
レート５３，５３，５４，５４とからなっている。

上記第１の近接スイッチ５１は第１のドッグプレート５
３に対応し、第２の近接スイッチ５２は第２のドッグプ
レート５４に対応するもので、先ず上記サーボモータ１
３の回転にり、旋回軸１４が回動し、その回動停止位置
近傍まで回動すると第２のドッグプレート５４が第２の
近接スイッチ５２で検出され、この検出信号を受けてサ
ーボモータ１３はその回転速度を減速し、次いで旋回軸
１４が回転停止位置（ストッパに対する当援位置）まで
回動すると第１のドッグプレート５３が第１の近接スイ
ッチ５１で検出され、この信号を受けてサーボモータ１
３はその回転を停止することになり、更にはこの信号に
より上記ェアシリンダ３９を駆動させて、上述の如くク
ランプを行い、各ワークＷを前記とは対称位置で夫々の
砥石１１，１２に対向位置決めさせ、この段階で次の加
工サイクルが行われることになる。

以上説明したようにこの発明に係るこ軸研削盤にあって
は、上述の如く主軸上に固定される支持フレームに左右
対称的に設けられた少くとも一対のワークスピンドルを
、一加工終了後に上記主軸を１８００反転させ、その左
右の逆位置で再度各砥石に対向位置決めすることにより
２つのワークを二工程同時加工できるようにしたもので
あるから、その旋回軸の位置決め機構のストッパーを固
定的に設けることができ、これによって精度よく位置決
めができる。

また旋回軸を１８ぴくり返して反転することができる構
成のため、ワークスピンドルに対する潤滑油系の配管や
、配線あるし・はワ−クの自動クランプ機構等が従来の
一方向回転のものに比して極めて簡単に現出でき、その
機構も簡単かつ低コストとなる利点を有す。またこの発
明にあってはワークスピンドルの回転を上記主軸の回転
中心に同軸上に軸受される中間軸により伝達するように
したものであるから、ワークスピンドル駆動用モータを
主軸上でなく別に設けることが出来、このために反転部
分は軽量化され、かつ、高速で反転駆動できると共に、
中間軸が同軸こ軸で構成されているために、各スピンド
ル軸を別々に駆動制御でき、作業能率を極めて容易に向
上させることができる等の効果を奏するものである。

更に、この発明にあっては、旋回軸をギアを介してサー
ボモータによってダイレクトに駆動するため、従来のゼ
ネバ機構等を介して駆動するものに比較してその機構が
簡単となり、反蔑弱駆動中の回転速度及び加速度を自由
に制御できるなどの利点をも有する。

したがってこの発明に係る二軸研削盤にあっては例えば
ディーゼルエンジンのノズル部品等のようにその内面各
部を二工程で精度よく加つ高速で研削加工を行うワーク
などに最も適合して用いることができる。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの発明に係る二騎研削盤の全体構成を示す概
略平面図、第２図は同研削盤におけるワーク保持装置の
縦断面図、第３図は第２図の３−３線断面図、第４図は
同じく７一７保持装置の背面図である。 １……ベッド、２，３……フイードテーフル、４，５・
・・・・・砥石スピンドル装置、６・・・・・・ワーク
保持装置、１３・・・・・・直流サーボモータ、１４・
・・・・・主軸、１５・・・・・・支持フレーム、１６
・・・・・・ワークスピンドル、１７・・・・・・クラ
ンプ装置、１８・・・・・・ワークスピンドル駆動用モ
ータ、２４，２５・・…・第１、第２の中間軸、２５ａ
・・・・・・中間軸部、３０・・・・・・窓部、３６・
・・・・・固定フレーム、３７，３８はクランプロツド
、３９はエアシリンダ、４１……ストツパブロツクであ
る。 第１図 第３図 図 Ｎ 舷 図 寸 船

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ベツド上に平行に配設された一対のフイードテーブ
   ルと、各フイードテーブルに各々配設された砥石スピン
   ドル装置と、各フイードテーブルの中間にあつてこれら
   に対向して１８０度旋回可能に設けられた旋回軸と、こ
   の旋回軸に設けられた支持フレームと、この支持フレー
   ムの両側において各々回転可能に設けられた一対のワー
   クスピンドルと、この旋回軸を１８０度反覆して交互に
   回動するための駆動モータと、この旋回軸に設けられた
   同軸二軸状の中間軸部と、前記各ワークスピンドルを各
   々個別に回転駆動するための一対のワークスピンドル駆
   動モータとを備え、各ワークスピンドル駆動用モータの
   駆動は前記中間軸部を介して各ワークスピンドルに各々
   個別に伝達されると共に、旋回軸を１８０度回動してワ
   ークの位置を互いに位置交換できる構成にしたことを特
   徴とする二軸研削盤。 ２ 第１項において、前記支持フレームに隣接して設け
   られたクランプ装置を有することを特徴とする二軸研削
   盤。