JPS6031099Y2 - 織物 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は天然皮革スェードに極めて類似した織物に関す
る。

従来天然皮革スェードに類似したものに織布、トリコッ
ト等の編織布又は不織布等の片面にスポンジ状のポリウ
レタンフォームを被覆したスェード調の合成皮革があり
、外観のみの類似で品質、性能共に似面非なものであっ
たが、最近になってニードルパンチ不織布へ発泡性ポリ
ウレタン含浸させて得られる構造、性能、外観共に酷似
した人工皮革スェードが現れ、特に０．００５デニール
乃至０．９デニールの極細繊維の集合体をニードルパン
チした不織布へポリウレタン等の高分子重合物を含浸、
充填し、その表面をサンドペーパー等でパフ仕上した人
工皮革スェードは、天然皮革の組織と同一なる微細な繊
維が束状にてからみあった構造であって、天然皮革スェ
ードに匹敵する外観、風合、触感を有するものであるこ
とが知られている。

しかし乍ら人工皮革スェードは極細繊維を使用しておる
とは言へその基本構成が不織布のシート構造であること
や繊維集束間隙へゴム弾性のある高分子重合体を充填し
ておること等から風合の点でペーパーライクな感じやゴ
ム状の弾性感が残り、天然皮革スェードの特性であるし
なやかさやソフトで充実感のある風合を再現することは
困難であった。

本考案者はこれらの問題を解決せんとして人工皮革スェ
ードを１ｍ乃至２−巾に細布裁断し、１剛乃至２０ｒｍ
巾の長尺テープとした人工皮革スェードテープを織物の
経糸、緯糸として使用した構造物を考案したが、該人工
皮革スェードテープによる経、緯交錯体は織物を裁断し
た場合裁断周辺から経糸、緯糸の交錯状態がゆるみ経糸
、緯糸が外れたり密度が減少したりして当初の密度が維
持出来ない欠点があり、又経緯及び緯糸として使用すれ
ば厚みが二重となって織物が厚すぎ衣料用や装飾用とし
て不適当な厚みとなる欠陥がある。

本考案はこれらの問題を解決せんとして鋭意研究した結
果人工皮革スェードの外観や触感更にはしなやかさやソ
フト充実感のある風合を損わずに裁断時のトラブルを回
避し織物厚みの調整を容易にすることに威勢したもので
ある。

即ち本考案の目的は天然皮革スェードの外観。

触感を有ししなやかにして充実感のある風合をもち裁断
した場合に経、緯糸がほつれたり密度が甘くなったしせ
ずに織物の厚み調整も容易な織物を提供するにある。

本考案は上記目的を遠戚するために考案されたもので公
知の人工皮革スェード即ち高分子相互配列繊維（海島繊
維とも言う）によるニードルパンチ不織布へ高分子重合
体例えばポリウレタンを含浸、凝固させて不織布を構成
する繊維間隙に充填したのち海島繊維の海成分を除去し
サンドペーパーによるパフ仕上を行い染色仕上を旋して
得られる０、５ｍｍ乃至０．８７１ＥＩｌｌ厚みのもの
で、市販品としては例えば東しのエクセーヌやクラレの
クラリ−ノニル等が該当するものであり、これら人工皮
革スェードを１ｍ乃至２０ｒｒｒｒｓに細巾裁断して１
篇乃至２−巾の長尺テープ状の人工皮革スェードテープ
を形威し、そのテープを表経糸として裏経糸及び表裏緯
糸を紡績糸、フィラメント糸等の織物糸から構成し、表
経糸の組織を経糸が緯糸に対し２本乃至３０本浮かせる
変則斜子組織とするとともに、表経糸の組織を平織組織
で緯糸と交錯させた経二重織物構造したものである。

表経糸と裏経糸との配列割合は両者が交互に配置されて
おればどのような配列でも良いが、表経糸に使用される
人工皮革スェードテープが３ｍ＋＋巾の場合には裏経糸
に使用される天然繊維、合威繊維或いはこれらの混紡に
よる紡績糸又はフィラメント糸は２本乃至３本が好まし
く、表経糸に使用される人工皮革スェードテープが５Ｗ
ＩＬ巾の場合の裏経糸は４本乃至５本が好ましく、人工
皮革スェードテープが１−巾の場合には９本乃至１０本
の裏経糸を配することが適当である。

表経糸の交錯組織及び裏経糸の交錯組織は平織又は平織
の変化組織や変則斜子組織、変化綾織等の交錯組織が使
用されるが、本考案の目的を遠戚させるには表経糸の交
錯組織は経糸を２本乃至３０本浮かせる変則斜子組織を
、裏経糸の組織には平織又は平織の変化組織で緯糸と交
錯させることが望ましい。

表経糸の配置密度は人工皮革スェードテープが３ｗＲの
長尺テープの場合には２鉢乃至３Ｈ／１００閣間隔、５
７１７７Ｅ巾の長尺テープの場合には１６本乃至ｎ本／
１０ｏｒｒｒＪｎ間隔、１一山の長尺テープの場合には
８本乃至１１本／１００ｒＩｒｌ！を間隔が好適である
。

天然繊維、合成繊維及びこれらの混紡による紡績糸とは
綿０毛、麻、絹繊維等の天然繊維、ポリアミド系、ポリ
エステル系等の合成繊維を紡績したもので単糸、双糸を
間はず紡績糸の太さも英弐番手換算で２０番手乃至１０
幡手のものが用いられ、また染色せる先染糸等を適宜用
いることができる。

又フィラメント糸とは天然繊維の絹糸、或いは合成繊維
のポリアミド長繊維系、ポリエステル長繊維系で単糸、
双糸を問わず、フィラメント糸の形態もストレートヤー
ン、ウーリーヤーン何れでも良くその太さは３０デニー
ル乃至２５０デニールの先染糸等が用いられる。

第１図はこの考案の織物の一実施例であって経糸は表経
糸１本に対し表経糸２本を交互に配列したものであり、
５Ａ、６Ａは表経糸、３１Ａ、３２Ａ、３３Ａ、３４Ａ
は裏経糸を示しており、３１Ｂ、３２Ｂ、３３Ｂ、３４
Ｂは緯糸を示す。

表経糸の交錯組織は経緯２本浮きの変則斜子組織とし、
裏経糸の交錯組織は平織組織で緯糸と交錯させたもので
ある。

３１Ｂ、３２Ｂ、３３Ｂ、３４Ｂの緯糸は各々が紡績糸
又はフィラメント糸の１本及び２本以上の引揃え状態を
表しており、２本以上の引揃えとは２本以上の引揃えた
糸を緯糸として配しても良くまた１本ずつ緯糸を打込ん
で２本以上引揃えたように打込んでも良い。

又緯糸を局部的に多く露出させたい場合には３１Ｂ、３
２Ｂをｎ回繰返したのち３３Ａ、３４Ｂをｎ回繰返して
も良く、３１Ｂ、３２Ｂを３回繰返したのち３３Ｂ、３
４Ｂを３回繰返して構成したものを第２図に示す。

第３図は他の実施例であって経糸は表経糸１本に対して
表経糸３本を交互に配列させたもので、７Ａ、８Ａ表経
糸、４１Ａ、４２Ａ、４３Ａ、４４Ａ、４５Ａ、４６Ａ
は裏経糸を示しており、４１Ｂ、４２Ｂ・・・・・・４
８Ｂは緯糸を示す。

表経糸の交錯組織は経緯４本浮きの変則斜子組織とし、
裏経糸の交錯組織は平織の変化組織で緯糸と交錯させた
ものである。

４１Ｂ、４２Ｂ・・・・・・４８Ｂの緯糸はその各々が
紡績糸又はフィラメント糸の１本及び２本以上の引揃え
状態を表しており、前述の３１Ｂ、３２Ｂ、３３Ｂ、３
４Ｂと同様の緯糸打込みが行われる。

第４図は４１Ｂ、４２Ｂ、４３Ｂ、４４Ｂを３回繰返し
たのち、４５Ｂ、４６Ｂ、４７Ｂ、４８Ｂを３回繰返し
て構成したものを示す。

尚経二重織物構造として表経糸１本に対し裏経糸が２本
乃至１味になるよう交互に配置して構造することができ
る。

以上のように、この考案の織物によると、人工皮革スェ
ードを１閣乃至２−巾に裁断したテープを表経糸として
、裏経糸及び裏表経糸を紡績糸、フィラメント糸等の織
物糸から構威し、表経糸の組織を経緯が緯糸に対し２本
乃至３吐浮かせる変則刺子組織とするとともに、表経糸
の組織を平織組織で緯糸と交錯させた経二重織物構造と
したので、裏経糸、表経糸をなす織物糸によりスェード
テープがしつかり締め付けられるため、どのような寸法
に裁断しても裁断周辺からほつれることや構成密度に変
化をきたすことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図はこの考案の織物の各実施例をそれぞ
れ示す組織図である。 ５Ａ、 ６Ａ、 ？Ａ、 ８Ａ、 ３１Ａ、 ３２Ａ、
３３Ａ、３４Ａ、４１Ａ、４２Ａ、４３Ａ、４４Ａ、
４５Ａ、４６Ａ・・・・・・経緯、３１Ｂ、３２Ｂｙ３
３Ｂ、３４Ｂ、、４１Ｂ、４２Ｂ、４３Ｂ、４４Ｂ、４
５Ｂ、４６Ｂ、４７．４８Ｂ・・・・・・緯糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表経糸が人工皮革スェードを１７１！＋７Ｅ乃至２ｏＴ
   ｒｒＩｎ巾に裁断したテープから成るととに、゛表経糸
   、及び表裏緯糸が紡績糸、フィラメント糸等の織物糸か
   ら威り、表経糸の組織は経糸が緯糸に対し２本乃至３０
   本浮かせる変則刺子組織となっているとともに表経糸の
   組織は平織組織で緯糸と交錯させた経二重織物構造とし
   た織物。