JPS6031017Y2 - キヤリア爪洗浄器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本願は自動半田付装置のラインに組込み、走行するキャ
リアの爪を洗浄する洗浄器に関する。

最近の自動半田付装置でのキャリアを用いたプリント基
板の半田付は一般に次の工程で行なわれている。

キャリアへの基板把持→フラックス塗布→プレヒート→
仮半田付→冷却−リード切断→フラックス塗布→プレヒ
ート→本半田付→冷却→キャリアからの基板取出し 上記工程を行なう各装置は長円形軌道或いは直線の往復
軌道の下に設置されており、該軌道上を一定数のキャリ
アが走行してプリント基板の半田付を行なっている。

従って、キャリアは各工程を何度も通過することになる
が、フラックス塗布工程を何回か通過するとキャリア爪
部にフラックスが堆積して基板や装置に弊害をもたらす
原因となることがある。

それは、プリント基板の半田付に用いるフラックスが松
ヤニと活性剤をアルコールで溶液としたものであるため
、物に付着するとアルコール分が揮発して非常に粘着性
のあるものとなり、キャリアの爪においてはそれがキャ
リアの正常な基板把持を不可能にさせる。

キャリアの爪は第４図に示す如く、略゛ぐ゛字形に形成
された爪１の下部にプリント基板Ｐを係合把持する切溝
２が刻設されているが、この切溝２には粘着性の強いフ
ラックスが堆積されやすい。

この切溝にフラックスが堆積されると、基板が粘着して
取出しにくくなり、自動半田付装置の基板取出工程では
基板の取出しが行なえず、キャリアが基板を粘着させた
まま次の新しい基板を把持する工程へ移行してしまう。

しかるに、次の工程ではキャリアに半田付を終了した基
板があるのにもかかわらず新しい基板が無理に挿入され
るため実装されている部品を破損したり、基板を破壊す
ることになる。

また、爪の切溝にフラックスが堆積していると所定の位
置で基板を把持することができなくなり、そのために他
の装置に基板が引掛って基板や装置を損傷することにも
なる。

特にリード切断工程においてはリードカッターと基板底
面の間隙がわずか１ｍｍ程度であるため基板が所定位置
より下方で把持されているとリードカッターが基板を傷
つけたり、或いはキャリアの走行とリードカッターの回
転で基板がキャリアから落下し、リードカッターに巻き
込まれリードカッターを破損してしまうこともある。

従って、基板は常にキャリアの所定の位置に把持されて
なくてはならず、そのためにはキャリアの爪にフラック
スが堆積するのを防ぐことである。

本願は上述の如き弊害を無くすためにキャリア爪に堆積
したフラックスを洗浄する洗浄器に関するものであり、
自動半田付装置のラインの中に組込んでおいても半田付
作業時にはキャリア走行に全く邪魔とならず、必要時、
即ちキャリア爪にフラックスが堆積して基板が付着しや
すくなった時だけ容易に洗浄作業が行なえるという洗浄
器を提供することにある。

以下、図面に基づいて本願考案を説明する。

第１図は本願考案キャリア爪洗浄器の平面図、第２図は
同正面図、第３図は同側面図である。

洗浄器３の上部には複数のキャリア爪洗浄用回転ブラシ
４，４・・・が設置されており、また洗浄器の底面には
上下動装置であるエアーシリンダー５が設置されている
。

エアーシリンダー５はピストン６が上下動するもので、
該ピストンの上下動に伴ない洗浄器３も上下動を行なう
。

回転ブラシ４，４・・・は洗浄器内部の駆動装置により
回転するもので、その回転方向はキャリア７の進行方向
（矢印Ａ）に対して、矢印で示す如く洗浄する面に逆ら
うような回転となっている。

キャリア７は無端チェーン８によって゛走行するもので
ある。

回転ブラシ４，４・・・の近傍には洗浄液噴射ノズル９
が設置されていて、キャリア爪洗浄作業時、回転ブラシ
に洗浄液をかけるようになっている。

洗浄液は図示しない洗浄液送出装置からパイプ１０を通
ってノズル９に供給され、洗浄器で使用後の洗浄液はパ
イプ１１から洗浄液送出装置へ戻される。

次に上記本願考案キャリア爪洗浄器の作動について説明
する。

自動半田付装置のラインに組込まれた洗浄器３は自動半
田付装置がプリント基板の半田付を行なっている間、エ
アーシリンダー５のピストン６を下げた状態としておく
。

ピストンを下げておけば洗浄器の上部に設置された回転
ブラシ４，４・・・はプリント基板を把持して走行して
いるキャリアに全く触れることがないため、何らキャリ
ア走行の妨げとならない。

そして、何回かの半田付作業を行なってキャリア爪にフ
ラックスが堆積し、洗浄の必要性が生じた時にエアーシ
リンダー５のピストン６を上方に押上げ、プリント基板
を把持していないキャリアの洗浄を行なう。

この時、ピストン６の押上げる高さは図の一点鎖線で示
すように回転ブラシ４，４・・・がキャリア７の爪１を
洗浄するのに適した高さとする。

キャリア爪の洗浄が終了したなら、またエアーシリンダ
ーのピストンを下げて通常の半田付作業を行なうもので
ある。

以上説明した如く、本願考案キャリア爪洗浄器は上下動
装置により上下動可能となっているため、自動半田付装
置のラインに組込んでおいても、半田付作業時には洗浄
器を下方に下げておけばキャリア走行の妨げとならない
という優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願考案キャリア爪洗浄器の平面図、第２図は
同正面図、第３図は同側面図、第４図はキャリア爪の部
分拡大図である。 １・・・・・・キャリア爪、３・・・・・・洗浄器、４
・・・・・・回転ブラシ、５・・・・・・エアーシリン
ダー。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）自動半田付装置に組込むキャリア爪洗浄器におい
   て、該洗浄器に上下動装置を設置したことを特徴とする
   キャリア爪洗浄器。
2. （２）前記上下動装置はエアーシリンダーであることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第（１）項記載のキ
   ャリア爪洗浄器。