JPS6030494B2 - 鰹一本釣遠洋漁業における急速冷凍法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 遠洋漁業において釣上げた鰹を刺身等の生食に最適の食
品とするためには、その鮮度と肉質および赤味を帯びた
美しい肉色の三者を釣上げた時点と殆んど変りなく保持
することが最も大切なことである。

このためには鰹を釣上げると同時に洋上において冷凍処
理を施し、急速且つ短時間で凍結させることが必要であ
る。

この目的のため、従来次記のとおりの２冷凍法が行なわ
れたが、何れも未だ完全なものということはできなかっ
た。

本発明は従来の２冷凍法の欠点を除去し、極めて短時間
に凍結させ、釣上げた時点と殆んど変りのない鮮度、肉
質と赤味を帯びた美くしい赤色を有し、刺身等の生食に
最適の優良品質で、商品価値の極めて高い食品となった
ものである。

○｝ 従来の一般冷凍法（ブラィン冷凍）これは従来一
般に行なわれた方法で、海水と塩の混合液体を収容した
容器内に釣上げた鰹をそのまま漬けて、約６〜１餌時間
で−１ぴ０〜１６℃まで冷凍して凍結する方法である。

この方法は鰹をそのまま海水と塩の混合液体に漬け、冷
凍時間も長くかかり且つ凍結出釆上りの温度も高いので
、肉質の変化と添付写真のとおりの肉食の褐変化は避け
られず、解凍した際鮮度に欠け且つ生臭いので生食には
不向で、大半が加工用として使用されている。

【２１ 最近の急速冷凍法（空気冷凍） これは最近一部で行なわれている方法で、アンモニヤガ
スまたはフオレンガスを使用して−５ぴＣに冷却する冷
凍管棚を数個設けた冷凍室内において、各冷凍管棚の上
に鰹を並べて凍結する方法である。

この方法は冷凍管棚の面積が限られるため量産ができな
い。

また一４び０まで冷凍するには５〜７時間を要するので
非能率的であると共に肉質の変化、鮮度の低下および肉
色の褐変化は避けられない。脚 本発明の急速冷凍法（
塩化カルシウムによる液体冷凍）釣上げた鰹の頭部と内
臓を即時除去したものを０００〜２℃の氷水中で３０分
以上予冷を施した後これを四ッ割にしナイロン袋に入れ
て密閉する。

このナイロン袋の適当数を金網龍に収容し、更に多数の
金網龍を同時に−４０Ｃ○の塩化カルシウム液を満たし
た魚胸内に僅か１時間漬けて−４０ｏのこ完全凍結する
。本発明の予冷の工程においては魚肉の温度降下のみな
らず脱血処理が完全に行なわれ、毛細管部まで脱血が行
なわれるので生臭さがなくなる。

また−４０ｏｏまで１時間で完全凍結されるのみならず
、その後凍結が戻り難い性質がある。これは塩化カルシ
ウム液体冷凍のため、氷の結晶が小さく、完全凍結が実
施されるためと考えられる。

本発明の冷凍時間は従来の如何なる冷凍方法に比較して
も正に驚異的な早さであり、一４０ｑｏまで僅か１時間
で完全凍結となる。

この結果従来の空気冷凍の５〜７分の１の時間で凍結さ
れるので、解凍した際の鮮度は他に類を見ない程良好で
あり、肉色も添付写真のとおり美〈しい赤色を呈し、肉
質の変化もなく生臭さもないので、刺身等の生食に最適
の食品となった。

また冷凍時間も僅か１時間であるから量産ができるよう
になった。本発明は上記のとおり、刺身等の生食の場合
の生命ともいうべき、鮮度、肉質、赤味を帯びた実くし
い肉色の三者が釣上げた時点と殆んど変りなく保持され
、刺身等の生食に最適且つ商品価値の高い食品となり、
また量産できるようになった等の諸点‘こ優れた効果を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

図は従来２法と本発明方法の凍結時間を示すものである
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 釣上げた鰹の頭部と内臓を即時除去したものを０℃
   〜２℃の氷水中に３０分以上漬けて予冷を施した後四ツ
   割にしナイロン袋に詰めて密閉し、このナイロン袋の適
   当数を金網篭に収容し、更にこの金網篭多数を同時に−
   ４０℃の塩化カルシウム液を満たした魚艙内に１時間漬
   けて−４０℃に完全凍結することを特徴とする、鰹一本
   釣遠洋漁業における急速冷凍法。