JPS6028825Y2 - ガススプリング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシリンダ内に高圧ガスを封入してなるガススプ
リングに関する。

第１図に示すように、シリンダ１の内部に高圧ガス１ａ
を封入してピストン２に連結されたピストンロッド３を
シリンダ１外に突出させスプリング作用を行わせるよう
にしたガススプリング４は知られている。

そうして、従来のガススプリング４においては、シリン
ダ１内にストッパ５が取り付けられていると共に、シリ
ンダ１内を密閉すべく、パツキン６がロントガイド７に
隣接して設けられており、また、スプリング作用を適度
なものにすると共にパツキン６と協働してシリンダ１内
をより確実に密閉すべく、油液８がシリンダ１内に封入
されている。

ところで、このようなガススプリング４は、使用に際し
て、或いは保管に際して、ピストンロッド３側を上方し
ておくと、ピストンロッド３が貫通するストッパ５の貫
通孔９及びピストン２に穿設された貫通孔１０を介して
、油液８がシリンダ１の閉塞端面１１側に全て移動し、
パツキン６側での油液８によるシール作用が無くなり、
シリンダ１内に封入された高圧ガスがパツキン６とシリ
ンダ１との間隙、パツキン６とピストンロッド３との間
隙等を介してシリンダ１の外部に漏出し易くなり、スプ
リング作用が劣化して行く場合がある。

このため、第２図に示すように、例えば自動車１２のバ
ックドア１３にガススプリング４を用いる場合、バック
ドア１３が閉じられている際にはピストンロッド３側が
下方に位置するようにガススプリング４は取り付ケラれ
る。

しかし乍ら、このようにガススプリング４を取り付けす
ると、バックドア１３の開放時、位置１４から位置１５
までの期間では、主に高圧ガス１ａが貫通孔１０を通過
するため、比較的抵抗が少なく、短時間でドア１３は回
動し、位置１５から位置１６の若干手前までの期間では
、主に油液８が貫通孔１０を通過するため、比較的抵抗
が大となり、ゆるやかにドア１３は回動し、その後、全
ての油液８が閉塞端面１１側に移動して再び高圧ガス１
ａのみが貫通孔１０を通過するため、位置１６の若干手
前から位置１６までの期間では急速にドア１３は回動す
ることになり、ドア１３の全開時に強い衝撃が生じ、操
作性が必ずしもよくない。

一方、ピストンロッド３側を上方にしても高圧ガス１ａ
の漏出が生じないように、例えばストッパ５とパツキン
６との間の室１７を完全に密閉して、この室１７に油液
を封入するようにすると、製造時において、高圧ガスを
パツキン６とピストンロッド３との間隙からシリンダ１
内に導入することが困難となり、他の箇所に貫通孔を設
けて、この貫通孔から高圧ガスをシリンダ１内に封入し
、封入後、貫通孔を閉塞するという作業が必要となる。

本考案は前記諸点に鑑みなされたものであり、その目的
とするところは、長期間ピストンリング側を上方にして
おいても高圧ガスの漏出がほとんど無い上に、取り付は
状態の自由度を増大し得、加えてガス封入用の貫通孔を
特別に設けなくても高圧ガスをシリンダ内に封入し得る
ガススプリングを提供することにある。

次に本考案による好ましい一具体例を図面に基づいて説
明する。

第３図において、一端２１が一体的に閉塞されたシリン
ダ２２の他端には、ロントガイド２３が嵌着されており
、ロッドガイド２３に隣接してシリンダ２２内にはパツ
キン２４が装着されている。

パツキン２４は、シリンダ２２内に封入される高圧ガス
２５ａ及び油液２５のシリンダ２２外への漏出を防止し
ている。

シリンダ２２内を２室２６及び２７に画成するピストン
２８には、オリフィスとしての貫通孔２９が穿設されて
おり、貫通孔２９により室２６と２７とは連通されてい
る。

凹所としての細径部３０と太径部３１とからなるピスト
ンロッド３２は、細径部３０側の一端でピストン２８に
連結されている一方、ストッパ３３、パツキン２４及び
ロッドガイド２３を貫通して外部に突出しており、ピス
トンロッド３２の突出端には、取付環３４が固着されて
いる。

尚、同様の取付環３５がシリンダ２２の一端２１にも固
着されている。

ストッパ３３は、ピストン２８ノハツキン２４側への移
動を規制すべく、シリンダ２２に設けられた絞り部３６
により移動しないようにシリンダ２２に係止されている
。

ピストンロッド３２が貫通するストッパ３３の貫通孔３
７は、ピストンロッド３２の太径部３１の径とほぼ同一
の径の孔３８と大径部３１の径より十分に大なる径の孔
３９とからなり、孔３８には、孔３８に大径部３１が位
置する際ストッパ３３とパツキン２４との間の油溜め室
４０を確実に液密にすべく、Ｏリング４１がストッパ３
３に嵌着されて設けられている。

尚、ストッパ３３の外周面にもＯリング４２が嵌着され
ており、０リング４２により、ストッパ３３とシリンダ
２２との間隙を介する室４０から室２７への油液の漏出
が防止されている。

ピストン２８にはピストンリング４３が嵌着されている
。

このように構成されたガススプリング５０においては、
ピストンロッド３２をシリンダ２２内に十分押し込み、
太径部３１を孔３８に位置せしめると、室２７に対して
室４０は密閉される一方、ピストンロッド３２をシリン
ダ２２外に十分に押し出し、即ち、ピストン２８がスト
ッパ３３と当接するようにし、細径部３０を孔３８に位
置せしめると、孔３８においてストッパ３３と細径部３
０との間に通路としての間隙が生じ、室４０と室２７は
連通される。

従って、例えば油液２５をシリンダ２２内に注入した後
、ピストンロッド３２側を上方にして、ピストンロッド
３２を十分にシリンダ２２外に引き出すと、注入された
油液２５は、室４０に溜まることなく細径部３０とスト
ッパ３３との間隙及び貫通孔２９を介して室２６側に流
出腰閉塞された一端２１側において室２６に溜まる。

このため、注入された油液に妨げられることなく、高圧
ガスを、外部からピストンロッド３２の太径部３１とロ
ッドガイド２３との間隙５１及びピストンロッド３２の
太径部３１とパツキン２４との間隙５２を介してシリン
ダ２２内部に導入し得、他の箇所に高圧ガス封入用貫通
孔を設ける必要がなくなる。

高圧ガス２５ａを封入した後、ピストンロッド３２を十
分にシリンダ２２外に突出させた状態を維持して、ピス
トンロッド３２側を下方にすると、油液は室２６から貫
通孔２９及び細径部３０とストッパ３３との間隙を介し
て室４０に流入し、室４０に溜められる。

室４０に油液２５が充填された後、ピストンロッド３２
をシリンダ２２内に押し込み、太径部３１をストッパ３
３の孔３８に位置せしめると、室４０は室２７に対して
密閉され、従って、ピストンロッド３２をシリンダ２２
内に押し込んだ状態でピストンロッド３２側を上方にし
ても、室４０内の油液は室２７に漏出しなくなり、パツ
キン２４及びＯリング４１と共に、封入された高圧ガス
２５ａの漏出を防止する。

更に、このようなガススプリング５０を、第４図に示す
ようなガススプリング５０を、第４図に示すように、バ
ンクドア５３に適用する場合（リフトバック、バッチバ
ックの車の場合）、ドア５３の閉塞時ピストンロッド３
２側が上方にあるように配置し得る上に、ドア５３の全
開時の若干手前からほぼ確実に貫通孔２９を介する油液
２５による抵抗力が得られ、衝撃なしにゆるやかにドア
５３を全開状態に設定し得る。

即ち、第５図において、横軸を時間Ｔ秒縦軸をドア５３
の開度０’ （全開６５°）とすると、ガススプリン
グ５０では曲線５４で示すようにドア５３は開放される
。

尚、曲線５５は、第１図に示すガススプリング４を第２
図に示すような状態で用いた場合のバックドアの開度特
性である。

ところで、前記具体例では、細径部をピストンロッドに
形成したが、本考案はこれに限定されず、例えばピスト
ンロッドを同径で形成腰軸方向に伸びる凹所としての溝
をピストンロッドに形威し、溝が孔３８に位置される際
に室４０と室２７とを連通ずる通路がこの溝により形威
されるようにしてもよい。

前記の如く本考案によれば、パツキン側に油溜め室を形
威し得るため、ピストンロッド側を上方にして長期間放
置し得、取り付は状態の自由度を増大し得る。

加えて、油溜め室の油液を一時的に除去し得るため、従
来のガス注入方法を適用し得る一方、特別なガス封入用
貫通孔を設ける必要がなくなる。

更に、例えば自動車のバックドア等に用いる場合には、
ドア全開時の衝撃を少なくし得、操作性の優れたドア開
閉用ガススプリングを提供し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のガススプリングの断面図、第２図は第１
図に示すガススプリングを自動車のバンクドアに用いた
場合の説明図、第３図は本考案による好ましい一具体例
の断面図、第４図は第３図に示す具体例を自動車バック
ドアに適用した場合の断面図、第５図は時間とバックド
アの開度との特性曲線図である。 ２２・・・・・・シリンダ、２３・・・・・・ロッドガ
イド、２４・・・・・・パツキン、２５・・・・・・油
液、２６．２７・・・・・・室、２８・・・・・・ピス
トン、２９・・・・・・貫通孔、３０・・・・・・細径
部、３１・・・・・・太径部、３２・・・・・ゼストン
ロッド、３３・・・・・・ストッパ、４０・・・・・・
油溜め室、４１・・・・・・Ｏリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が閉塞されたシリンダと、シリンダの他端に取り付
   けられたロントガイドと、封入された油液及び高圧ガス
   のロッドガイド側からの漏出を防止すべく、シリンダの
   他端に設けられたパツキンと、シリンダ内を２室に画成
   すると共に画成した２室を連通ずる貫通孔を有するピス
   トンと、２室とパツキンとの間に油溜め室を形成すべく
   、シリンダ内に固着されたストッパと、一端がピストン
   に連結され、他端がシリンダ外に突出し、ストッパ、パ
   ツキン及びロッドガイドを貫通して設けられたピストン
   ロッドとからなり、ピストンロッドのシリンダ外への突
   出量が一定量以上の際に、ストッパとピストンロッドと
   の間に通路が形成されて油溜め室と２室とが連通され、
   ピストンロッドのシリンダ外への突出量が一定量以内の
   際、ストッパとピストンロッドとの間の通路が閉塞され
   て２室に対して油溜め室が密閉されるように、ピストン
   ロッドには凹所が形成されているガススプリング。