JPS6028455Y2 - 命綱連結具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は命綱連結具に関するものである。

住宅建築に際して傾斜面上での作業となる屋根葺作業が
作業員の転落、滑落の恐れがあり、最も危険性を有して
いる。

従来は転落、滑落を防止するために屋根上方に複数本の
足場材を並列して配設腰建築物周辺に組立て立設した足
場間に架設固定し、かつ足場材の中間部を屋根上に立設
した固定具（ツカ）に連結して補強し、作業者はこの足
場材につかまり或は足を掛ける等して作業するようにし
ていた。

しかし、屋根上に足場材を配設し、また固定具を立設す
る等は屋根上での作業、移動等にかえって不便なもので
あるとともに特に瓦、鉄板等による屋根葺には障害物と
なりきわめて支障を生ずるものであった。

また、足場材の運搬、組立や解体等に余計な手数と時間
、費用を要し、転落、滑落の危険性が全くなるものでは
なかった。

本考案は屋根棟上から命綱を垂設することにより屋根上
に障害物を設置することなく作業者が縦横に活動し、転
落、滑落の危険性をなくすようにした連結具を提供する
ことを目的とする。

以下図面に従って本考案の一実施例を詳述する。

第１図、第２図は本考案に係る連結具を示すものであっ
て、二枚の短冊状金属製固定板１の上端を開閉動可能に
軸連結２し、両画定板１の上部外側面に命綱連結環３を
固着するとともに固定板１は連結環３の下部において外
方向へ適当な角度で拡開状に折曲し、この折曲した固定
板１ａには釘挿通孔４を穿設したことを特徴とする。

本考案は上記構成であり、使用に際しては第３図に示す
ように屋根の棟頂部５において両側屋根傾斜面にそって
両画定板１ａをそれぞれ定置し野地板上からタル木のよ
うな屋根桁材に釘打ち固定する。

このようにして棟上に適当な間隔で連結具。を複数台設
置固定し、各連結具の連結環３に命綱６の一端を挿通連
結して屋根勾配にそって垂らしておけば作業者は命綱を
腰に巻き着けたり或は腰に取り付けた適宜挟着連給金具
に命綱を固定する等することにより屋根勾配にそって縦
或は横方向へ自由に移動が可能であり、仮りに足をすべ
らせても命綱によって屋根からの落下事故を防ぐことが
できる。

また、棟上の全ての連結具の連結環３に一本の主ロープ
を挿通し、主ロープの両端を固定し、命綱の上端を環状
にして主ロープに連結するか或は主ロープに移動可能に
取付けた適宜連結金具に命綱の上端を連結固定するよう
にしておけば命綱は主ロープにそって移動可能であるか
ら作業者の横方向へ作業範囲を広げることができるもの
である。

両国定板１は上端において軸連結２したことにより固定
板１ａは任意の角度に開閉可能となっているから、例え
ば４寸勾配、８寸勾配等傾斜角度を異にする棟に対応し
て常に固定板１ａを屋根面に平行に固定することができ
きわめて安定している。

上記説明において固定板１に連結環３を固着した状態に
ついて説明したが、これは連結環３を固着するための手
数と費用を要し、材料費が嵩むため製品全体の単価が高
くなるが、第４図に示すように固定板１の上部を円形に
成型して連結環３とすれば製作が容易で材料費、製品単
価を低廉なものとすることができる。

また、固定板１ａは屋根に釘を使用して固定する場合に
ついて説明したが、釘は必ず抜かなければ連結具を取り
外すことができず、また打ち込んだ釘は弛む恐れがある
が、釘に変えてネジ釘を使用してもよい。

すなわち、釘頭を有しない釘上部にネジ溝を刻設したも
のであって、釘を打ち込み固定板１ａ上にナツト締めす
ることによりネジ部において釘は抜けにくく弛むことも
なく、作業終了後なナツトを外すのみで連結具の取り外
しが可能であり、釘はそのまま屋根に全体を打ち込んで
おいてもよい。

上記のように本考案によれば転落、滑落の危険がなく作
業を安全かつ迅速に行うことができ、種種の勾配屋根に
設置することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案連結具の一実施例を示す斜視図、第２図
は同正面図、第３図は使用状態を示す正面図、第４図は
本考案連結具の他側を示す正面図である。 １は固定板、２は軸連結、３は連結環、４は釘挿通孔で
ある。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二枚の短冊状金属製固定板１の上端を開閉動可能に軸連
   結２し、両画定板１の上部外側面に命綱連結環３を固着
   するとともに固定板１は連結環３下部において外方向へ
   適当な角度で拡開状に折曲し、この折曲固定板１ａに釘
   挿通孔４を穿設したことを特徴とする命綱連結具。