JPS6026535Y2 - 回転電機の回転子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えば自動車用発電機等に使用される回転
電機の回転子に関するものである。

従来に於けるこの種の回転子に用いられる界磁コイル用
ボビンは回転子の高速回転時に上記コイル用ボビンが界
磁鉄心に対して回動変位して界磁コイルが断線するのを
防止するために種々の工夫がなされているが例えばコイ
ル用ボビンの外側部に突出部を設け、一方、界磁鉄心に
上記突出部と対向する位置に貫通穴を設け、この貫通穴
に上記突出部を嵌合させることによってコイル用ボビン
の回動変位を阻止していた。

一方、このコイル用ボビンに巻回される界磁コイルの巻
始め及び巻終りの各リード部を集電装置に導くためと、
保持するために、一旦、上記各リード部をコイル用ボビ
ンの周縁部に設けられた貫通穴に通していた。

また、回転子の高速回転時に界磁コイルの最外装部がコ
イル用ボビンから浮上るのを防止するために界磁コイル
の最外装部を粘着テープによって保持し、更にその上を
絶縁ワニスを塗布して固着していた。

上述した従来のものはコイル用ボビンの回動を阻止する
ためにコイル用ボビンに突出部を設けることは勿論のこ
と、界磁鉄心にも貫通穴を設けなければならず、製作に
非常に手間を要すると同時にコイル用ボビンから界磁コ
イルが浮上るのを防止するためにボビンの貫通穴に界磁
コイルの各リード部を通した後、界磁コイルの最外装部
に粘着テープを貼付して固着しなければならず、組立作
業工程が非常に複雑となり組立に手間を要する欠点があ
った。

この考案は上記欠点を解消する優れた回転電機の回転子
を提供するものである。

以下、第１図乃至第４図に示す実施例について説明する
。

図に於て、１は回転電機の回転軸、２．３はこの回転軸
１に圧入固定される一対の界磁鉄心で、それぞれ外周部
に放射状に形成された複数個の磁極爪２ａ、３ａと内周
部に筒部２ｂ。

３ｂを有する。

この各筒部２ ｂｙ ３ ｂの端面は回転軸１への圧
入時に接合され、また上記磁極爪２ａ＊３ａは円周方向
に交互に配列される。

２１は第２図に示す如く上記複数個の磁極爪２ａの隣接
磁極爪間に形成された半月状の凹部、４はこれら界磁鉄
心２，３の筒部２ａ、３ｂの外周に嵌合されて挟持コイ
ル用ボビンで、可撓性樹脂の絶縁物によって成形されて
いる。

４ａ、４ｂはこのボビン４の鍔部、４ｃ、４ｄはこの鍔
部４ａ、４ｂの周縁部に形成された半月状の係合部で、
これら係合部４ｃ、４ｄは軸方向に突出し上記凹部２１
に係合するものである。

４ｅは上記鍔部４ａに形成された半月状の係合部４ｃか
ら外周方向に突出して一体に形成されたＴ字状の支持部
、５は上記コイル用ホビン４の筒部に巻回された界磁コ
イル、５ａは図示しない集電装置に接続される界磁コイ
ル５のリード部である。

このように、構成されたものに於て、コイル用ボビン４
はその各保合部４ｃ、４ｄが界磁鉄心２．３の各凹部２
１に係合した状態でこの界磁鉄心２，３によって挟持さ
される。

従って、界磁鉄心２，３に対するコイル用ボビン４の回
動は係合部４ Ｃ９４ｄが凹部２１に係合しているので
確実に阻止され、よって界磁コイル５のリード部５ａが
損傷して断線することは皆無となる。

また、回転子の高速回転時、コイル用ボビン４に巻回さ
れた界磁コイル５の最外装部とリード部５ａに大きな遠
心力が作用してその部分が弛み、外周方向に飛び出よう
とするが、上記リード部５ａをＴ字状の支持部４ｅに２
〜３回巻付けることにより防止できる。

即ち、界磁コイル５をコイル用ボビン４に巻回した後、
そのリード部５ａをある張力をもって引張り、そしてＴ
字状の支持部４ｅに巻付けるのである。

そうすれは、上記の最外装部、及びリード部５ａに遠心
力が作用しても、リード部５ａの巻付部は支持部４ｅの
Ｔ字部によって外周方向への飛ひ出しは阻止される。

尚、上記コイル用ボビン４は一体成形にて製作されるた
め、その係合部４ｃｔ４ｄ、支持部４ｅは同時に簡単に
形成できるものである。

以上のようにこの考案はコイル用ボビンの両端にそれぞ
れ一体成形され、且つ外方に向って軸方向に突出された
半月状の保合部を設け、この半月状の係合部を各界磁鉄
心の磁極爪間にそれぞれ設けられた半月状の凹部にそれ
ぞれ係合させたので、コイル用ボビン両端で支持するこ
とにより、界磁鉄心に対するコイル用ボビンの回動変位
は確実に阻止でき、界磁コイルのリード部の断線は皆無
にできる。

また一方の半月状をなした保合部の突出端より径方向に
突出され断面Ｔ字状をなした支持部を上記係合部に一体
的に形成したので、コイル用ボビンに界磁コイルを巻回
する際にＴ字状の支持部及び半月状の係合部は全く邪魔
にならず、巻線作業時にコイルと支持部及び係合部との
接触に伴うコイルの損傷等の不具合を防止できる。

更には上記支持部に界磁コイルのリード部をある張力を
持った状態で巻付けて保持したので、この界磁コイルの
最外巻部及びリード部が回転子の遠心力を受けて外周方
向に飛び出ようとすることはＴ字状の支持部により確実
に阻止できる実用顕著なる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す回転子の部分断面図
、第２図は第１図■−■線による部分断面図、第３図は
第１図に於けるコイル用ボビン４の正面図、第４図は第
３図ＩＶ−ＩＶ線による断面図である。 図に於て、１は回転軸、２，３は界磁鉄心、２ａ、３ａ
は磁極爪、２ｂ、３ｂは筒部、２１は凹部、４はコイル
用ボビン、４ｃ、４ｄは係合子、４ｅは支持部、５は界
磁コイルである。 尚、各図中同一符号は同一部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転軸に固定されて筒部と、この筒部の外方端部より折
   曲して軸方向に突出された複数個の磁極爪とを有する第
   １の界磁鉄心、上記回転軸に固定された筒部と、この筒
   部の外方端部より折曲して軸方向に突出され、且つ上記
   磁極爪間に挿入された複数個の磁極爪とを有する第２の
   界磁鉄心、上記両筒部の外周に嵌合され、且つ両端にそ
   れぞれ一体成形され、上記各界磁鉄心の磁極爪間にそれ
   ぞれ形成された半月状の凹部に係合するべく軸方向に外
   方に向って突出された半月状の係合部を有するコイル用
   ボビン、上記一方の保合部と一体成形され、且つ該突出
   端より突出され断面Ｔ字状をなした支持部、乃び上記コ
   イル用ボビンに巻回され、且つ上記支持部にある張力を
   持って巻付けて保持されるリード部を有する界磁コイル
   を備えてなる回転電機の回転子。