JP3541550B2

JP3541550B2 - 電動機

Info

Publication number: JP3541550B2
Application number: JP06634196A
Authority: JP
Inventors: 二郎林; 勇二橋場
Original assignee: Denso Corp
Current assignee: Denso Corp
Priority date: 1996-03-22
Filing date: 1996-03-22
Publication date: 2004-07-14
Anticipated expiration: 2016-03-22
Also published as: JPH09261932A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、電動パワーステアリング用電動機に適し、整流を良好とした電動機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、図６のアーマチャに示すように、アーマチャコアのスロットを回転方向にスキューさせることで、磁気抵抗の変化を抑えるものが示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の電動機においては、アーマチャコアのスロットをスキューさせているため、スロット形状が複雑となることによるアーマチャの製造工数もかかると共に、スロット内にアーマチャコイルの巻線を行う際の巻線加工が複雑になってしまうという問題点があった。
【０００４】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、アーマチャコアのスロットをスキューするという複雑な構成を採用することなく、磁気抵抗の変化を抑え、整流良好な電動機を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
請求項１ないし４の発明によれば、アーマチャコアのスロット間の隔壁部からのびる爪部の一部を隣接する隔壁部の一部もしくはこの隔壁部からのびる爪部の一部と径方向に略対向させることで、界磁極とアーマチャコア爪部との間の磁気抵抗変化率を低減することができ、その結果トルクリップルを低減することができる。
【０００６】
また、複雑なスロット形状とすることなく、爪部の形状変更のみで容易にトルクリップルを低減することができるという効果を有している。
【０００７】
【発明の実施の形態】
次に、本発明電動機を図面に基づいて説明する。
図１ないし図３に示す本発明電動機の第１実施例において、１はヨークで、２は界磁極をなす磁石で、ヨーク１の内周に等間隔でありかつ磁石端がアーマチャシャフト４と平行に取り付けられている。
【０００８】
３はアーマチャであり、このアーマチャ３はアーマチャシャフト４と、このアーマチャシャフト４上に設けられた、複数の板を積層したアーマチャコア５とから構成される。
このアーマチャコア５は、アーマチャシャフト４と平行にのびる複数の略Ｖ字状スロット５１と、これらスロット５１間を隔てる隔壁部５２と、この隔壁部５２の先端の両側から周方向にのびる第１の爪部５３と、第２の爪部５４とを有している。この第１の爪部５３の先端には径方向外周側から内周側に拡がる傾斜部５３ａが形成され、第２の爪部５４の先端には径方向内周側から外周側に拡がる傾斜部５４ａが形成されている。
【０００９】
そして、隔壁部５２の爪部５３の第１の傾斜部５３ａは、隣接する隔壁部５２の第２の爪部５４の傾斜部５４ａと略平行で、かつそれぞれ傾斜部５３ａと傾斜部５４ａの先端が互いに径方向に略対向している。
なお、図２は、それぞれの第１の爪部５３、第２の爪部５４を倒す前の状態を示す平面図であり、隔壁部５２の第１の爪部５３と、隣接する隔壁部５２の第２の爪部５４との間には、スロット５１にコイル６を挿入するための間隙が形成されている。そして、コイル６をスロット５１内に巻線した後に、それぞれ第１、第２の爪部５３、５４をスロット５１側に折り曲げ、図１に示す如く、スロット５１の開口部５１のを覆うことで、アーマチャコア５を完成させる。その後、整流子７をアーマチャシャフト４に圧入しつつ、アーマチャ５のコイル６を整流子７に接続する。
【００１０】
なお、第１、第２の爪部５３、５４の折り曲げ位置には、凹部５３ｂ、５４ｂがそれぞれ形成されており、第１、第２の爪部５３、５４を折り曲げやすくしている。
従って、隣りどうしの爪部間は適切なクリアランスが設けられており、かつ、爪どうしに磁気ラビリンスを形成することができる。従って、磁石と第１、第２の爪部５３、５４との間の磁気抵抗変化率を低減することが可能となり、その結果トルクリップルを低減することができる。また、アーマチャコア５のスロット５１をアーマチャシャフト４と平行にすることができることにより、巻線スペースの拡大が図れると共に、さらに爪部間には適切なクリアランスを確保できる為、整流悪化を防ぐこともできる。
【００１１】
さらに、爪部の倒しにより、遠心力によるコイル６の飛び出しが防止できかつ、コイル６のスロット５１への巻線時コイル６を爪部５３、５４で押圧しながら倒すことで、コイル６の占積率向上が図れる利点も有している。
図４に示す第２実施例では、第１実施例におけるアーマチャコア５の第１、第２の爪部５３、５４の代わりに、マーチャコア５の隔壁部５２の先端から周方向の一方側のみにのびる爪部５５と、この爪部５５の反対側に形成され、爪５５の先端が入り込む凹部５６とが形成されている。
【００１２】
そして、第１実施例と同様に、爪部５５の折り曲げの前には、爪部５５は径方向外周側にのびており、コイル６をスロット５１へ挿入した後、爪部５５をスロット５１側に折り曲げることで、この爪部５５の先端が凹部５６内に入り込み、結果として爪部５５の先端と隔壁部５２の先端とが対向することになる。
次に、図５に示す第３実施例では、第１実施例において、第１、第２の爪部５３，５４の先端に傾斜部５３ａ、５４ａを形成しているのに対し、第１、第２の爪部５７、５８の先端に段付き部５７ａ、５８ａを形成し、これら段付き部５７ａ、５８ａの先端を互いに径方向に略対向するようにしている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明電動機の第１実施例を示す平面図である。
【図２】第１実施例のアーマチャコアの第１、第２の爪部を折り曲げる前の状態を示す平面図である。
【図３】第１実施例のアーマチャを示す半断面正面図である。
【図４】本発明電動機の第２実施例を示す平面図である。
【図５】本発明電動機の第３実施例を示す平面図である。
【図６】従来の電動機のアーマチャを示す半断面正面図である。
【符号の説明】
１ヨーク
２磁石
３アーマチャ
４アーマチャシャフト
５アーマチャコア
５１スロット
５２隔壁部
５３第１の爪部
５４第２の爪部
５３ａ傾斜部
５４ａ傾斜部

Claims

界磁極と、この界磁極の内周に配設され、且つ内部にコイルが巻線される複数のスロットを有するアーマチャコアと、
このアーマチャコアを支持するアーマチャシャフトを有する電動機において、
前記アーマチャコアは、前記スロット間を隔てる隔壁部と、
この隔壁部からのび、前記コイルを前記スロット内に巻線した後に、折り曲げられて前記スロットの開口部を覆う爪部とを備え、
この爪部の一部が隣接する隔壁部の一部もしくはこの隔壁部からのびる爪部の一部と径方向に略対向していることを特徴とする電動機。
前記爪部は、前記隔壁部から互いに反対方向にのびる第１、第２の爪部からなることを特徴とする請求項１記載の電動機。
前記第１、第２の爪部の先端部に、傾斜部もしくは段付き部を有していることを特徴とする請求項２記載の電動機。
前記爪部は、前記隔壁部から一方向のみにのび、先端部が前記隔壁部と対向していることを特徴とする請求項１記載の電動機。
前記コイルの前記スロットへの巻線時、前記コイルを前記爪部で押圧しながら倒すことを特徴とする請求項１ないし請求項４記載の電動機。