JPS6024261Y2 - ポンプ注液式ポツトにおけるポツト転倒時の漏水防止構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ポンプ注液式ポットにおいてポット転倒時に
液容器内の液体が一連の液体注出通路を通うて外部へ流
出するのを防止するための漏水防止機構に関するもので
ある。

従来のポンプ注液式ポットにおいて、液体注出通路の途
中にポット転倒時に転動して前記液体注出通路に設けた
弁座を閉塞する体弁を配設して構成した漏水防止構造が
あるが、この漏水防止構造では体弁を収容するための弁
室が液体注出通路から隔離されていないため、液体注出
通路を流通する液体によって体弁が誘引され、弁座を閉
塞することがあり、そのときには液体流出が阻止される
という問題があった。

本考案は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ポット
転倒時には確実に液体注出通路から漏水を防止でき、し
かも、液体注出時においても注出される液体に誘引され
て弁体が移動しないようにしたポンプ注液式ポットにお
けるポット転倒時の漏水防止構造を提供することを目的
とするものである 本考案は、上記目的達成のためにポット本体内の液容器
内に収容した液体を適宜のポンプ装置によって液体注出
通路を通して外部へ注出し得るようにするとともに、前
記液体注出通路の途中にポット転倒時に変位して前記液
体注出通路中に設けた弁座を閉塞する弁体を配設したポ
ンプ注液式ポットにおいて、前記液体注出通路中には、
前記弁座と略水平方向において対向する位置に前記弁体
を開弁静止状態で収容すべき弁室を設は且つ該弁室の側
方には、側壁で区画された前記液体注出通路の一部を形
成するとともに、該側壁には、開弁静止位置にある弁体
に対して流出水流が影響をおよぼさない程度離れた位置
であって前記弁座より上流側に前記液体注出通路を連通
可能ならしめる連通孔を形成したことを特徴とするもの
である。

以下添付の図面を参照して本考案の実施例にかかるポン
プ注液式ポットにおけるポット転倒時の漏水防止構造を
説明する。

第１図において符号１はポット本体、２はポット本体１
に対して蝶番ピン３を介して開閉自在に枢着した蓋体、
４はポット本体１の外周面を構成する外ケース、５はポ
ット本体１の内周面を構成する真空二重瓶製の液容器、
６は外ケースの上部に載置固定された皿状の下口部材、
７は下口部材６のほぼ中央部に形成された給液口、８は
蓋体２内に配設されたベロース式のエアーポンプからポ
ンプ装置、９は給液ロアに密嵌された中栓、１０はポン
プ装置８と液容器５とを連通させるために中栓９内に形
成された通気路、１１は中栓９内に通気路１０と併設さ
れた通液路、１２及び１３は前記通液路１１と共に一連
の液体注出通路りを構成する液体汲上管及び液体注出管
をそれぞれ示している。

前記中栓内通液路１１の出口側に連結された液体注出管
１３の基端部には、ポット転倒時において後述する弁体
１４が着座する弁座１５が設けられている。

前記通液路１１は、入口側（液体汲上管１２側）から出
口側（液体注出管１３側）にかけて垂直部と水平部とか
らなる逆り字状に形成されている。

この通液路１１の水平部には、前記弁座１５と略水平方
向において対向する位置に弁座１５側を開口せしめた筒
状の弁室１６が形成されている。

該弁室１６は、通液路１１内に形成された底壁１６ａと
両側壁１６ｂ、１６ｂとによって通液路１１から隔離さ
れた状態で四角筒状に形成されており、その内部にはス
テンレス鋼球からなる弁体１４が前記底壁１６ａ及び両
側壁１６ｂ、１６ｂにガイドされて転勤変位し得るよう
に配設されている。

又、前記弁室底壁１６ａは、ポット正立時に弁体１４が
弁室１６の最奥部に位置して開弁静止位置を維持し得る
ように弁座１５側に向かってやや上り勾配とされている
。

更に、前記弁室両側壁１６ｂ、１６ｂの先端部には、弁
体１４に対して流出水流が影響をおよぼさない程度離れ
た位置（具体的には、少なくとも弁体１４の直径相当分
だけ離れた位置）であって弁座１５より上流側に連通孔
１７，１７・・が形成されており、該連通孔１７，１７
・・を介して通液路１１と液体注出管１３とが連通せし
められている。

即ち、弁室１６先端部においてのみ液体注出通路りは連
通可能とされており、ポット正立時には、液体注出通路
りを流通する液流が弁体１４に影響を及ぼさないように
されている（第２図参照）。

前記弁室底壁１６ａには、前記弁体１４の開弁静止位置
より弁座１５寄りに水抜き用の小孔１８が形成されてい
る。

この小孔１８は、弁室１６内に溜る液体を逃がす作用を
有しており、その径は通液路１１内を流通する液体が該
小孔１８を介して弁室１６内に大量に流入しない程度の
小径とされている。

尚、符号１９は断熱材を示す。

次に図示のポンプ注液式ポットの作用を説明する。

ポンプ装置８を駆動させると、該ポンプ装置８からの加
圧空気が中栓９内の通気路１０を介して液容器５内に吹
き込まれ、該加圧空気によって液容器５内の液体Ｗが液
体汲上管１２、中栓通液路１１及び液体注出管１３から
なる一連の液体注出通路りを通って外部へ注出されるよ
うになっている。

尚、このとき液体汲上管１２を通って中栓通液路１１内
に汲上げられた液体Ｗは弁室１６の両側壁１６ｂ、１６
ｂ先端に形成された連通孔１７．１７・・を介して液体
注出管１３側に圧送されるようになっており、ポット正
立時に弁室１６最奥部に開弁静止位置を維持している弁
体１４が注出液流によって弁座１５側に誘引されること
はない。

従って、ポット正立時には、液体注出通路りは常に開通
状態を維持されることとなる。

又、誤ってポットを転倒させたときには、弁体１４が弁
室底壁１６ａ及び弁室両側壁１６ｂ、１６ｂにガイドさ
れつつ弁座１５側へ転勤変位してこれを閉塞し、液体注
出管１３から液体Ｗが漏出するのを防止することができ
る。

更に、ポット正立時において弁室１６内に溜る液体Ｗは
、弁室底壁１６ａに設けた小孔１８を介して液体汲上管
１２側に還流する。

尚、本考案のポット転倒時の漏水防止構造は、図示の手
動ポンプ注液式ポットだけでなく、電動エアーポンプ式
あるいは電動軸流ポンプ式のポツトにも適用可能なこと
は勿論である。

続いて本考案のポンプ注液式ポットにおけるポット転倒
時の漏水防止構造の効果を以下に述べる。

叙上の如く、本考案によれば、ポット本体１内外を連通
ずる一連の液体注出通路り中において、該液体注出通路
りの途中に設けた弁座１５と略水水方向において対向す
る位置に、ポット転倒時に転動して前記弁座１５を閉塞
する弁体１４を開弁静止状態に収容すべき弁室１６を設
は且つ該弁室１６の側方に、側壁１６ｂで区画された液
体注出通路りの一部を形成するとともに、該側壁１６ｂ
において、開弁静止位置にある弁体１４に対して流出水
流が影響をおよぼさない程度離れた位置であって前記弁
座１５より上流側に、前記液体注出通路りを連通可能な
らしめる連通孔１７を形成したので、ポット正立時には
、弁体１４は流出水流から隔離された位置に静止してい
ることとなり、注液操作中に弁体１４が流出水流に誘引
されて液体注出通路りを閉塞するようなことがなくなる
。

従って、本来の転倒漏水防止機能をそこなうことなく、
注液操作時の円滑注液を確保できるという実用的な効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかるポット転倒時の漏水防
止構造を備えたポンプ注液式ポットの上部縦断面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ断面図である。 １・・・・・・ポット本体、５・・・・・・液容器、訃
・・・・・ポンプ装置、１４・・・・・・弁体、１５・
・・・・・弁座、１６・・・・・・弁室、１６ｂ・・・
・・・側壁、１７・・・・・・連通孔、１８・・・・・
・小孔、Ｌ・・・・・・液体注出通路、Ｗ・・・・・・
液体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポット本体１内の液容器５内に収容した液体を適宜のポ
   ンプ装置８によって液体注出通路りを通して外部へ注出
   し得るようにするとともに、前記液体注出通路りの途中
   にポット転倒時に変位して前記液体注出通路り中に設け
   た弁座１５を閉塞する弁体１４を配設したポンプ注液式
   ポットにおいて、前記液体注出通路り中には、前記弁座
   １５と略水平方向において対向する位置に前記弁体１４
   を開弁静止状態で収容すべき弁室１６を設は且つ該弁室
   １６の側方には、側壁１６ｂで区画された前記液体注出
   通路りの一部を形成するとともに、該側壁１６ｂには、
   開弁静止位置にある弁体１４に対して流出水流が影響を
   およぼさない程度離れた位置であって前記弁座１５より
   上流側に前記液体注出通路りを連通可能ならしめる連通
   孔１７を形成したことを特徴とするポンプ注液式ポット
   におけるポット転倒時の漏水防止機構。