JPS6024161B2 - 高炉損傷炉壁の補修方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高炉々壁耐火物の脱落、損耗による炉壁耐火物
損傷部を補修する方法に関するものである。

高炉では操業中、特にその炉寿命末期において、炉壁耐
火物が局部的に脱落、損耗し、その結果当該部分の鉄皮
に大きな熱負荷がかかり、その結果鉄皮の亀裂、更には
ガス漏れが発生するという問題がある。

このことにより高炉の稼動率低下、または操業度の低下
という生産支障の原因になっており炉の寿命に大きな影
響を与えていた。

かか場合に従釆行なわれてきた炉壁耐火物損傷部の補修
方法は菱入物を滅尺しないままの状態で高炉炉体の外周
囲からボーＩＪングを行ない、しかる後に炉内に耐火材
を圧入機を用いて圧入するものであった（例えば侍開昭
４８−２０７０２号「高炉炉壁補修方法」や特関昭４９
−１２２４０６号「高炉損耗炉壁の吹込み補修法とその
装置」）。

ところが上述のような従来方法では補修のために炉体鉄
皮、更にその内側に残存する健全な耐火物にボーリング
をしなければならないこと、また耐火物を圧入した後で
も物理的な構造面で脆弱となり、その後ボーリングをし
た部分から鉄皮が亀裂するなどの問題があった。

またこの補修方法は、装入物を滅尺、休風しなし、で炉
外より不定形耐火材を圧入するため、補修壁は不定形耐
火材が菱入物へ混合した状態で形成される。従って耐久
性、強度等に問題がある。さらに炉の外側からでは損傷
部の位置の把握が十分に行なえないことから、意図した
損傷位置へのボーリングが外れるという事態となり十分
に有効な効果を上げることができなかった。

一方、高炉において通常操作時に炉墜耐火物損傷部を露
出させて観察することは高炉操業上、例えばガス爆発、
炉況維持等のてんで、これまでは不可能であるが、直後
観察しながら損傷部分を修理する方法としては、高炉を
吹止め（完全に休止し、冷却した状態）後に炉内に作業
者が入り補修方法がある。

然しこれは、改疹と呼ばれて通常は２〜３ケ月程度の時
間を必要とするため、生産性、経済性など様々の理由で
なかなか採用されるものではない。本発明は以上の欠点
を解決することを目的とするもので、操業状態にある高
炉々壁損傷部の補修にあたり炉体鉄皮、耐火物にボーリ
ングを行なうことないこ、かつ損傷部の位置を正確に把
握することにより精度良く損傷部の補修を行なうもので
ある。

すなわち、本発明は、炉頂マンホール１２の近傍に支持
台３を設け、該支持台３に粉体輸送機４とコンブレッサ
ー５を不定形耐火材誘導ホース１′で接続した不定形耐
火材吹付けノズル１を操作自在に取付け、かつ高炉袋入
物１３を炉壁耐火物損傷部２以下へ滅尺、休風し炉頂マ
ンホール１２より観察しながら不定形耐火材吹付けノズ
ルーを炉内へ挿入すると共に、炉壁損傷部２へ不定形耐
火材１４を吹付けて補修壁を形成した後、上記袋入物レ
ベルを通常操業時のレベルまで回復させることを特徴と
する、高炉損傷炉壁の補修方法である。

以下、本発明を図面に示す一実施例に基づき詳細に説明
する。

第１図において１は不定形耐火材吹付けノズル、２は炉
壁耐火物損傷部、３は耐火材吹付け／ズルの支持台であ
り、耐火材吹付けノズル１との接合部は上下、水平方向
及び百振り自在な構造となっている。

従って該ノズル１は、支持台３の操作により上記の損傷
部２へ導き不定形耐火材を吹付けて補修壁を形成するこ
ともできる。４は粉体輸送機、５はコンブレッサーで、
不定形耐火材議導ホース１′で接続しかつ不定形耐火材
吹付けノズルーと接続している。

６は不定形耐火材吹付けノズルーと支持用チェン７とを
接続するための接合金具、８は支持用チェン７の操作素
であり、これをもって耐火材吹付けホ−ス７の吹付け位
置の調整を行なう。

９は炉墜耐火物、１０‘ま鉄皮、１ １は鉱石受金物、
１２は炉頂マンホールであり、ここから観察しながら接
合金具６で支持用チェン７を介して操作素８を取付けた
不定形耐火材吹付けノズル１を炉内（菱入物を炉墜耐火
物損傷部２以下へ減尺、休風して形成された炉内の空間
）へ挿入する。

１３は織尺、休脇状態にある袋入物である。

本発明による上述の一例方法は減尺操業により菱入物１
３を炉撃損傷部２以下に下げて滅尺休風を行なった後に
上述の構成からなる補修装置２０を用い、炉壁耐火物の
損傷部２を観察しながら耐火材吹付けノズル１の位置を
支持用チェン７を介して操作索８を調整しつつ操作する
ことにより精度良く炉墜耐火物損傷部２に不定形耐火材
１４を吹付けて補修壁を形成することができるものであ
る。

次に本発明の実施例を以下に示す。

Ａ高炉は装入基準線下７川の位瞳に長さ２０００豚、中
１００仇舷、深さ５０ＷＣの損傷部があった。

この損傷部を補修するために菱入物を袋入基準線下８の
とすることを目的として、第２図に示す如く、先ず袋入
速度を通常時の４回／時間から１回／時間に減少させて
装入線を徐々に降下させた。このとき装入線降下による
炉頂温度を抑制する目的で送風量１５５０Ｎ〆／分から
徐々に下げ、休風直前には１３０側め／とし、また装入
線降下による熱補償として、最終装入時にコークス装入
量を通常時の２倍、１５．８とし、徐々に装入物を降下
させ目標の８肌として、その後休風した。

これは滅尺、休風の一例で、炉内は所定温度に保持され
冷え込みが生じないようになっている。減尺、休風後に
補修を行なったが、使用した吹付け耐火材の材質を下表
に示す。

表−１ 耐火材の材質 上述の材質を有する不定形耐火材１４を炉壁耐火物損傷
部２に吹付けたが、吹付け時の旋工要領としては、吹付
け部分の温度を２００〜３００００とし、圧送圧力６〜
７ｋ９／めで蓮続吹付けを行ない合計吹付け量は約２．
２ｏｎであった。

なお不定形耐火材１４の吹付けロス分は、約１０％程度
であると、目標との比較により判断した。また吹付旋工
後、吹付けた不定形耐火材１４の養生条件は、炉内雰囲
気温度２００〜３０ぴ○、また養生時間を６時間とし、
その後、高炉を再稼動させ減尺、休風状態にある菱入物
１３を徐々に上昇させて通常操業時のレベルまで回復（
通常の菱入線まで復帰）させた（第２図参照）。

再稼動前後（通常操業）の補修部分の鉄皮内面温度の推
移を第３図に示したが、本発明方法による補修前に比較
して炉壁損傷部の鉄皮内温度が１６０ｏｏ→１２び０と
約４ぴ０も温度が降下しており、本発明による補修方法
が非常に有効であったことを示している（第３図参照）
。

この発明は上述のごとく炉壁耐火物の損 。

を直接観察しながら高炉内側から吹付け補修を行なうも
のであるから、旋工方法が簡単であり、かつ損傷部分を
その態様に対応させて正確に補修を行なうことを可能と
するものである。また、既述の従来方法のように菱入物
を滅尺、休腐しない状態のままで、高炉外周部から鉄皮
、耐火物にボーリングを行い補修壁を形成するものは、
菱入物を上記のとおり減尺しないので炉外より圧入した
不定形耐火材と菱入物とが混合して混合層状の補修壁を
形成するため、耐久性、強度、その他が悪い。

これに対しては本発明は、装入物を減尺して露出した損
傷部へ不定形耐火材を吹付けノズルで吹付けて、不定形
耐火材のみの補修壁を形成するので、耐久性、強度、そ
の他が向上する。また上述のとおりボーリングを行なう
必要が無いことから旋工餐用が安く、かつボーリングを
行なうこと自体による鉄皮、耐火物の損傷の拡大を抑止
するこが可能となり、最終的には高炉の稼動率を高くす
ることのできる有効な方法である。また本方法は上述の
ような実施例で述べた損傷部の補修以外に高炉耐火物の
目地切れ、鉱石受金物直下の耐火物脱落、ステーブの侵
食部分などの補修にも有効であり、広範囲に亘つて耐火
物の補修ができるなど、高炉操業に支障を与えることな
く確実に桶疹できる極めて有益な効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本発明の一実施例を示すもので、第１図
は補修状態を示す説明図、第２図は減尺操業と吹付け補
修工程を示すグラフ、第３図は炉墜損傷部の鉄皮内温度
推移を示すグラフである。 １…・・・耐火材吹付けノズル、１′・・・・・・不定
形耐火材誘導ホース、２・・・・・・炉壁耐火物損傷部
、３・・・・・・耐火材吹付けホースの支持台、４・・
・・・・粉体輸送機、５・・・・・・コンブレッサー、
６・・・・・・耐火材吹付けホースと支持チェンの接合
金具、７・・・・・・支持チェン、８・・・・・・支持
チェンの操作素、９・・・・・・炉壁耐火物、１０・・
・・・・鉄皮、１１・・・・・・鉱石受金物、１２・・
・・・・炉頂マンホール、１３・・・・・・装入物、１
４・・・・・・不定形耐火材、２０・・・・・・補修装
置。 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 炉頂マンホール１２の近傍に支持台３を設け、該支
   持台３の粉体輸送機４とコンプレツサー５を不定形耐火
   材誘導ホース１′で接続した不定形耐火材吹付けノズル
   １を操作自在に取付け、かつ高炉装入物１３を炉壁耐火
   物損傷部２以下へ減尺、休風し、炉頂マンホール１２よ
   り観察しながら不定形耐火材吹付けノズル１を炉内へ挿
   入すると共に、炉壁損傷部２へ不定形耐火材１４を吹付
   けて補修壁を形成した後、上記装入物レベルを通常操業
   時のレベルまで回復させることを特徴とする高炉損傷炉
   壁の補修方法。