JPS60236751A - 樹脂積層体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は樹脂積層体に関し、特に、弾性にすくれると共
に、低分子量の溶出や溶血性がなく、従って、医療用、
特に血液と接触する血液回路用チューブ等の医□療器材
に好適に使用し得る塩化ビニル系樹脂積層体に関する。

（従来技術） 樹脂成形物は種々の医療器材、例えぼ、血液の保存、運
搬のための血液バッグや、人工腎臓用血液回路のための
チューブ等として用いられている。

これらの血液と接触する用途に使用される医療器材用樹
脂成形物は、自由に変形し得るように柔軟であると共に
、溶血性のないことが必要であり、特に、前記血液回路
用チューブには、内部を流通する血液を外部から観察し
得るように透明であることのほかに、チューブの外側か
らクランプで締め付け、或いははづ″ず操作によって血
液の流れを随時に任意に制御でき、また、血液ポンプに
よって血液を循環させるのに使用されるポンプ部チュー
ブにおけるように、長時間しごきを′ｍ続しても、流量
変化や破裂のないように、弾性にずくれることが、重要
な特性として要求される。更に、チューブを巻き付けた
り、或いは積み重ねたりする際に、チューブが相互に癒
着しないように、表面が非粘着性であることも要求され
る。

従来、上記のような医療器材には、柔軟性及び透明性に
すくれるところから、ジオクチルフタレートのような可
塑剤を含有する塩化ビニル系樹脂成形物が広く用いられ
ている。しかし、このような塩化ビニル系樹脂からなる
成形物は、可塑剤が僅かではあるが、溶出する問題があ
る。このために、例えば、特開昭５７−１７５３６５号
公ｆＫには、エチレン−酢酸ビニル系共重合体に塩化ビ
ニルをグラフト重合して、可塑剤を含有しない軟質透明
の樹脂を得ることが提案されているが、この樹脂は弾性
に劣るために、前記したような高弾性が必要とされる人
工腎臓透析用血液回路のポンプ部のチューブ部としては
、使用するに適さない。

また、特願昭５７−１８３５０１号には、塩化ビニル−
エチレン共重合体と、エチレン−酢１１ニルーー酸化炭
素共重合体とからなる無可塑樹脂組成物が提案されてい
るが、この組成物よりなる成形物も、上記可塑剤を含有
する塩化ビニル系樹脂に比較して、弾性に劣るため、上
記と同様に、血液回路のポンプ部のチューブ部には使用
し難い。

更に、熱可塑性ポリウレタンに塩化ビニル系重合体を混
合し、或いは熱可塑性ポリウレタンに塩化ビニルをグラ
フト重合させて、可塑剤を含有しない軟質塩化ビニル系
樹脂を得ることができることは既に知られているが、し
かし、これらからは残存イソシアネートその他の不純物
が溶出し、或いば溶血性を有するので、医療器材として
使用することができない。

（発明の目的） 本発明者らは、医療用樹脂成形物における上記゛　した
問題を解決するために鋭意研究した結果、塩化ビニル系
重合体と上記したようなエチレン−酢酸ビニル系共重合
体との混合物からなる可塑剤を含有しない樹脂組成物に
て内層を形成し、これに塩化ビニル系重合体と熱可塑性
ポリウレタンとの混合物、若しくは熱可塑性ポリウレタ
ンに塩化ビニルをグラフト重合させてなるグラフト樹脂
を外層として積層してなる積層体によれば、血液に接触
する内層には溶血性や低分子量物の溶出がなく、且つ、
外層によって十分な弾性を有する樹脂積層体を得ること
ができることを見出した。

従って、本発明は、弾性にすぐれると共に、溶血性や低
分子量物の溶出がない樹脂積層体を提供することを目的
とし、特に、前記したような血液回路用ポンプ部チュー
ブ部として好適に使用することができる樹脂積層体を提
供することを目的とする。

（発明の構成） 本発明の樹脂積層体は、 ｆａｌ　熱可望性ポリウレタンと塩化ビニル系重合体と
の混合物、又は熱可塑性ポリウレタンに塩化ビニルがグ
ラフト重合されたグラフト樹脂からなる外層と、 （ｂ）塩化ビニル系重合体とエチレン−酢酸ビニル系共
重合体との混合物からなる内層とが積層されてなること
を特徴とするものである。

本発明の樹脂積層体においては、外層として、熱可塑性
ポリウレタンと塩化ビニル系重合体との混合物、又は熱
可塑性ポリウレタンに塩化ビニルがグラフト重合された
グラフト樹脂が用いられ、ここに、上記熱可塑性ポリウ
レタンとしては、従来より知られている熱可塑性ポリウ
レタンが任意に用いられる。このような熱可塑性ポリウ
レタンは、よく知られているように、通常、ポリエステ
ルジオールとジイソシアネートとの縮合重合体である。

また、熱可塑性ポリウレタンに塩化ビニルをグラフト重
合させてなる樹脂も既に知られており、通常、熱可塑性
ポリウレタンの存在下に塩化ビニル単量体を重合するこ
とによって得られる。

熱可塑性ポリウレタンに混合される塩化ビニル系重合体
としては、塩化ビニルの単独重合体又は塩化ビニルとこ
れに共重合性を有する単量体との共重合体（以下、これ
らを塩化ビニル系共重合体ということがある。）が用い
られる。塩化ビニル系共重合体を形成する上記単量体と
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メチルア
クリレ−ト、メチルメククリレート、ブチルアクリレー
ト、フ゛チルメタクリレート、２−エヂルへこトシルア
クリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタ
クリ１／−ト等の（メク）アクリル酸及びそのエステル
類、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン類、酢酸
ビニル、ステアリン酸ビニル等のビニルエステル類、メ
チルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニル
エーテルｍ　を例示することができる。特に、これらの
なかでも、エチレン、ブチルアクリレート又は２−エチ
ルアクリレートが好ましく用いられる。

このような塩化ビニルと共重合性を有する単量体単位を
含有する塩化ビニル系共重合体においては、この単量体
単位は、塩化ビニル単位１００重量部に対して、２０重
量部以下であるのが好ましい。更に、塩化ビニル系共重
合体は、熱可塑性ポリウレタンとの混合物が高弾性であ
るように、平均重合度が１４００以上であるのが好まし
く、特に１９００以上であるのが好ましい。

更に、熱可塑性ポリウレタンと上記塩化ビニル系重合体
との混合物においては、塩化ビニル系重合体１００重量
部に対して、熱可塑性ポリウレタンは５０〜３００重量
部の範囲であることが好ましい。ポリウレタンが５０重
量部よりも少ないときは、この混合物から形成される外
層の弾性が不足し、一方、３００重量部よりも多いとき
は、内層に積層して樹脂積層体としたとき、層間の接着
性に劣り、実用上、支障が生じる。

次に、外層として、熱可塑性ポリウレタンに塩化ビニル
をグラフト重合させてなる樹脂を用いる場合も、上記と
同じ理由から、このグラフト樹脂において、塩化ビニル
重合体成分１００重量部に対して、熱可塑性ポリウレタ
ンは５０〜３００重量部の範囲であることが好ましい。

本発明の樹脂積層体は、上記のような外層に、４化ビニ
ル系重合体とエチレン−酢酸ビニル系共重合体との樹脂
組成物からなる内層が積層されで形成されている。

ここに、塩化ビニル系重合体は、先に説明した外層にお
いて用いる塩化ビニル系重合体と同じものを使用するこ
とかでき、塩化ビニルの単独重合体又は塩化ビニルとこ
れに共重合性を有する単量体との共重合体を使用するこ
とができる。

また、上記エチレン−酢酸ビニル系共重合体としては、
酢酸ビニル含有量２０〜６０％のエチレン−酢酸ビニル
共重合体のほか、エチレン、酢酸ビニル及びこれらに共
重合性を有する第３の単量体との三元共重合体を用いる
ことができる。この三元共重合体としては、エチレンー
酢酸ヒニルーー酸化炭素共重合体が好ましく用いられ、
特に、単量体単位がエチレン７２〜５０％、酢酸ビニル
２０〜３５％及び−・酸化炭素８〜１３％からなる共重
合体が好ましい。このような共重合体は既に知られてお
り、例えば、「エルハロイ」　（デュポン社製）として
人手することができる。

本発明においては、内層を形成する上記塩化ビニル系重
合体とエチレン−酢酸ビニル系共重合体との混合物から
なる樹脂組成物において、エチレン−酢酸ビニル系共重
合体は、塩化ビニル系重合体′１００重量部に対して、
５０〜３００重量部の範囲で含有されることが好ましい
。塩化ビニル系重合体１００重量部に対して、エチレン
−酢酸ビニル系共重合体が５０重量部よりも少ないとき
は、樹脂の柔軟性が乏しくなって、実用に支障を生じ、
一方、３００重量部よりも多いときは、例えば、樹脂の
強度が不足すると共に、樹脂の粘着性が増大するからで
ある。

本発明の樹脂積層体は、上記のような外層と内層とが積
層されて形成されており、例えば、チューブの場合を含
め、通常の２層成形押出機にて製造することができる。

本発明の樹脂積層体は、高弾性を有するために、前記し
たように、面液回路用チューブ及びポンプ部チューブと
して好適であるが、このようなチューブにおいては、内
層は、外層の厚みを１とするとき、０．１〜ｌの範囲と
するのが好ましい。内層が外層よりも厚いときは、チュ
ーブの弾性が十分でなく、外層の０．１倍よりも小さい
ときは、外層から内層を経て、血液中に可塑剤や低分子
量物が溶出するようになるからである。

尚、本発明の樹脂積層体においては、外層、内層いずれ
においても、必要に応じて、ステアリン酸カルシウム、
ステアリン酸亜鉛、酸化マグネシウム等の安定剤、フェ
ノール系や亜リン酸エステル系の抗酸化剤、エポキシ系
可塑剤等を適宜含有することができる。また、成形時に
おける溶融濡れ性の改善や金型付着防止のために、ポリ
エチレン系、酸アミド系、エステル系等の滑剤を含有す
ることもできる。

（発明の効果） 以上のように、本発明の樹脂積層体によれば、内層が塩
化ビニル系重合体とエチレン−酢酸ビニル系共重合体と
の混合物からなる可塑剤を含有しない樹脂組成物によっ
て形成されており、外層が熱可塑性ポリウレタンを含む
高弾性の塩化ビニル系共重合体からなるので、熱可塑性
ポリウレタンは内層側の血液等から遮断されて、低分子
量物の溶出がなく、また、溶血性ももたず、一方、外層
はによって樹脂積層体は高弾性を有するので、血液回路
用チューブはか、種々の医療器材に好適ムに用いること
ができる。

（実施例） 以下に実施例を挙げて本発明を説明する。

実施例 表に示すように、平均重合度１９００のポリ塩化ビニル
と熱可塑性ポリウレタンとの混合物、又は熱可塑性ポリ
ウレタンに塩化ビニルをグラフト重合させた樹脂にエポ
キシ化大豆油及びＣａ　−Ｚ　ｎ系安定剤を適宜量添加
した後、混練し、ペレツ１−化して、外層用樹脂組成物
ペレットを調製した。

別に、エチレン含有量４％、平均重合度１３００の塩化
ビニル−エチレン共重合体とエチレン−酢酸ビニルー−
酸化炭素共重合体を混合し、これにエポキシ化大豆油及
びＣ’　ａ　Ｚ　ｎ系安定剤を適宜量添加した後、混練
し、ペレット化して、内層用樹脂組成物ペレットを調製
した。

表において、外層及び内層の各成分量は重量部を示す。

これら外層用及び内層用樹脂組成物のペレットを用いて
、外径１２ｍｍ、内層肉厚約Ｑ、　５　ｍｍ＋、九層肉
厚約１．５鰭の２層チューブを２層押出成形により成形
した。このチューブの物性評価の結果を表に示す。

比較例としζ、上記内層用樹脂組成物ペレット又は外層
用樹脂３；■酸物ペレットを単独で用いて、それぞれ外
径１２朋、肉厚２師の単層チューブを製作した。更に、
化較例として、外層用樹脂組成物として、ポリウレタン
量が少ない樹脂混合物を調製し、また、塩化ビニル系重
合体とエチレン−酢酸ビニル系共重合体との混合物から
なる内層用樹脂組成物において、後者の星の少ない樹脂
組成物を調製し、これらをそれぞれ用いて、同様にして
、２層チューブを成形した。これらチューブの物性を表
に併せて示す。

外層用樹脂組成物からの単層チューブは、しごき変形率
は小さいが、溶出物及び溶血性の点で医療用途には不適
である。内層用樹脂組成物からの単層、チューブは、溶
出物や溶血性の点では支障がないが、弾性に乏しいため
に、しごき変形率が著しく大きく、割れの発生が認めら
れた。

また、外層用樹脂組成物において、塩化ビニル系重合体
と熱可塑性ポリウレタンとの量的比率が本発明に従わな
いとき、又は、内層用樹脂組成物において、塩化ビニル
系重合体とエチレン−酢酸ビニル系重合体の量的比率が
本発明に従わないときは、いずれもしごき変形率が大き
く、血液回路用チューブとしての使用には適さない。し
かし、本発明のチューブによれば、しごき変形率が小さ
く、割れも生しないと共に、溶出物がなく、溶血性もな
かった。

尚、溶血性試験、溶出物試験及び弾性試験は、昭和５８
年６月２０日薬発第４９４号透析型人工腎臓装置承認基
準中の血液回路試験に準じて行なった。

特許出願人　積水化学工業株式会社 代表者　胚　沼　基　利

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 （１１（ａ）　熱可塑性ポリウレタンと塩化ビニル系重
   合体との混合物、又は熱可塑性ポリウレタンに塩化ビニ
   ルがグラフト重合されたグラフト樹脂からなる外層と、 （ｂ）　塩化ビニル系重合体とエチレン−酢酸ビニル系
   共重合体との混合物からなる内層とが積層されてなるこ
   とを特徴とする樹脂積層体。 （２）エチレン−酢酸ビニル系共重合体がエチレン−酢
   酸ビニルー−酸化炭素共重合体であることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載の樹脂積層体。 （３）内層及び外層が２層チューブを形成していること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の樹脂積層体。