JPH08289928A - 医療用チューブおよびその製造方法 - Google Patents

医療用チューブおよびその製造方法

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JPH08289928A
JPH08289928A JP7098752A JP9875295A JPH08289928A JP H08289928 A JPH08289928 A JP H08289928A JP 7098752 A JP7098752 A JP 7098752A JP 9875295 A JP9875295 A JP 9875295A JP H08289928 A JPH08289928 A JP H08289928A
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JP
Japan
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plasticizer
molecular weight
polyvinyl chloride
tube
inner layer
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JP7098752A
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English (en)
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Susumu Kashiwabara
進 柏原
Masaki Sato
正喜 佐藤
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安い価格の、透明で、柔軟性にも成形性にも
優れた、低分子量の可塑剤で可塑化したポリ塩化ビニル
を用い、且つ該ポリ塩化ビニルの可塑剤が、血液等の中
に抽出、混入してこない医療用チューブを提供する。 【構成】 外層部に低分子量の可塑剤で可塑化したポリ
塩化ビニルを用い、内層部に熱可塑性エラストマーおよ
びまたは分子量500以上の高分子量可塑剤で可塑化し
たポリ塩化ビニルを用いた多層の、押し出し成形により
成形されたチューブ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医療用のチューブに関す
るものであり、特に血液に接触する血液回路等に用いら
れる医療用チューブとその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】従来、血液が内部を通過する血液回路等に
用いられる医療用チューブに要求される特性は、例えば
血液適合性に優れていること、透明性が優れているこ
と、血液回路に成形するときの接着や溶着が容易なこ
と、価格が安いこと等であった。それらの要求性能から
DOP(ビス(2−エチルヘキシル)フタレート)を可
塑剤とする軟質ポリ塩化ビニルが主として用いられてい
る。DOPは分子量 390.56、融点−50℃、沸
点384℃の透明な液体で、これをポリ塩化ビニル樹脂
と混合することにより、柔軟で透明性が高く、テトラヒ
ドロフラン、シクロヘキサノン等の溶剤で容易に接着で
きる軟質ポリ塩化ビニル樹脂が得られる。しかしながら
軟質ポリ塩化ビニル樹脂はその使用している可塑剤が低
分子量のために血液または体液と接触したときに可塑剤
が血液または体液中に徐々に抽出され、生体に対して特
に肝臓や脳に悪影響を及ぼすことが報告されている。こ
のために従来DOPの抽出、混入を抑制するために種々
の方法が検討されてきた。
【0003】その例としてはポリ塩化ビニルに酢酸ビニ
ルを共重合させ、DOPを添加しなくても成形性、柔軟
性に優れた樹脂が市販されている。しかしこの共重合体
は血液適合性が従来のポリ塩化ビニルと同等程度であり
血液適合性が不十分である問題が残る。また、血液適合
性に優れ、かつ低分子量可塑剤を含まない樹脂としてシ
リコーン樹脂があるが価格が高いこと、適当な接着剤が
ないことなどから汎用の血液回路などに使用されるには
至っていない。また、熱可塑性を有するセグメント化ポ
リウレタンもこのような回路に使用するには可塑剤が含
まれないこと、抗血栓性(優れた血液適合性)を有して
いることなどから有望な材料であるが硬度がショアー7
0A以下の柔軟性の高いものは製造が難しいこと、価格
が高い点から実用化には至っていない。抗血栓性の優れ
たポリマーとしてセグメント化ポリウレタンウレア、シ
リコーン−ポリウレタン共重合体、抗凝血薬であるヘパ
リンをイオン的に結合せしめた第4級アミノ基を有する
アクリル系ポリマーをグラフト重合させたポリ塩化ビニ
ル等があり、これらを適当な有機溶媒に溶解した後に低
分子量可塑剤で可塑化したポリ塩化ビニルのチューブ内
面にコーティングし、乾燥することでチューブ内表面を
覆う皮膜として得られる。これらのチューブは抗血栓性
としては十分効果を期待できるものであるが、その皮膜
の厚さは高々30μmであり、可塑剤のバリアー層とし
ては厚みが足りず機能していない。また、これらの抗血
栓性材料は価格がセグメント化ポリウレタン等と比較し
ても高いために、実際に汎用の血液回路としては普及す
るに至らず、ごく限定された分野での使用に留まってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】血液適合性に優れ、柔
軟性に富み、接着、接合の容易な、価格の低い経済性の
ある医療用チューブを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで我々は鋭意研究開
発の結果、前記の問題点を解決するチューブを得るに至
った。即ち、本発明は、少なくとも内層部とその外側の
第2の層を有する複層医療用チューブであり、内層部が
熱可塑性エラストマーおよびまたは分子量500以上の
可塑剤にて可塑化されたポリ塩化ビニルから構成されそ
の厚みが50ミクロン以上であり、その外側の第2の層
が分子量500未満の低分子量可塑剤にて可塑化された
ポリ塩化ビニルから構成されていることを特徴とする医
療用チューブであり、第2の層の重量が全チューブ重量
の50%以上であることを特徴とする前記の医療用チュ
ーブであり、内層部とその外側の第2の層を押し出し成
形により積層一体成形することを特徴とする前記の医療
用チューブの製造方法である。
【0006】本発明の医療用チューブは内層部とその外
側に第2の層を有することを必須とするがさらにその外
側に別な層を有する多層チューブであっても良い。たと
えばチューブ表面のすべり性を向上させるためにポリオ
レフィン系やフッ素系の樹脂層を設けたり、X線透視下
で使用するための次炭酸ビスマス、硫酸バリウム等の造
影層を設けることも可能である。内層部の樹脂としては
軟質ポリ塩化ビニルと共押し出しできる熱可塑性エラス
トマーおよびまたは分子量500以上の可塑剤にて可塑
化されたポリ塩化ビニルがあるが、好ましくは熱可塑性
エラストマーである。熱可塑性のエラストマーである樹
脂としてはスチレン−ブタジエン−スチレンブロックコ
ポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコ
ポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコ
ポリマーの水素添加飽和型ポリマー、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロックコポリマーの水素添加飽和型ポ
リマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ
エステル・ポリエーテル型熱可塑性エラストマー、ポリ
エステル・ポリエステル型熱可塑性エラストマー、ポリ
エーテル型ポリウレタン熱可塑性エラストマー、ポリエ
ステル型ポリウレタン系エラストマー、エチレン、ポリ
プロピレン等のα−オレフィンとアクリル酸、メタクリ
ル酸等のα、β−不飽和カルボン酸からなるベース共重
合体とそれに含有される金属イオンからなるアイオノマ
ー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系
熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0007】また、これらの樹脂を混合して使用するこ
ともできる。スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
コポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
コポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
コポリマーの水素添加飽和型ポリマー、スチレン−イソ
プレン−スチレンブロックコポリマーの水素添加飽和型
ポリマーは両端のスチレンブロックが10重量%未満で
あると硬度、強度ともに不十分であり、40%を越える
と柔軟性が不十分である。特に好ましい両端ブロックの
割合は15〜25重量%である。ポリオレフィン系熱可
塑性エラストマーはエチレン−プロピレンゴム等のオレ
フィン系ゴムとポリオレフィン樹脂を混練りと同時にゴ
ム相を部分架橋したものや単純にオレフィン系ゴムとポ
リプロピレン等のポリオレフィン樹脂をブレンドしたも
のがある。ポリエステル・ポリエーテル型熱可塑性エラ
ストマーとしてはハードセグメントのポリエステルにポ
リアルキレンフタレートを用い、ソフトセグメントとし
てはポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルジ
オールを用いたものが挙げられる。
【0008】ポリエステル・ポリエステル型熱可塑性エ
ラストマーとしてはハードセグメントとしてはポリエス
テル・ポリエーテル型熱可塑性エラストマーと同様にポ
リアルキレンフタレートを主として用いるがソフトセグ
メントとしてポリラクトン等の脂肪族ポリエステルを用
いたものである。ポリエーテル型ポリウレタン熱可塑性
エラストマーは分子量500〜3000の末端活性水素
を有する長鎖ジオールと分子量500以下の短鎖グリコ
ールとジイソシアネートの付加重合物である。ポリエス
テル型ポリウレタン系エラストマーはソフトセグメント
としてカプロラクトン系やアジペート系の脂肪族ポリエ
ステル(分子量500〜3000程度)を用いる付加重
合物である。ポリエステル系及びポリエーテル系に共通
して用いられる短鎖ジオールとしてはエチレングリコー
ル、1、3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノール
A,ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物等が挙
げられる。また、ジイソシアネートとしてはトルイレン
ジイソシアネート、4,4' −ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシ
アネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート等が
挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーとしてより
好ましいのは、ポリエーテル型ポリウレタン熱可塑性エ
ラストマー、ポリエステル型ポリウレタン熱可塑性エラ
ストマーである。
【0009】ポリアミド系熱可塑性エラストマーとして
はハードセグメントとしてナイロン6、ナイロン66、
ナイロン12等が用いられ、これらを末端がカルボキシ
ル基となるように反応させたあとソフトセグメントであ
るポリエーテルジオールとエステル化した物である。フ
ッ素ゴム系エラストマーとしてはフッ素ゴムとフッ素樹
脂のA−B−A型のブロックポリマーで、フッ素樹脂と
してはフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン系
コポリマーでフッ素樹脂がテトラフルオロエチレン−エ
チレン系コポリマーやフッ化ビニリデン系ポリマー等か
ら成るものである。また、分子量500以上の可塑剤を
有するポリ塩化ビニル樹脂としては特開昭58−871
43に示されるようなジオール成分とジカルボン酸成分
との反応で得られる両末端がカルボン酸基のポリエステ
ルに両末端がエポキシ基を有する化合物を反応させて得
られる高分子量の改質ポリエステルや、特公昭52−3
6869号公報に開示されている脂肪族ポリエステルグ
リコールとヘキサメチレンジイソシアネートを反応させ
て得られるポリエステルウレタン等で可塑化したポリ塩
化ビニル等が挙げられる。これらの樹脂は架橋ゴムの架
橋部分に相当する役目を果たすハードセグメントとエン
トロピー弾性を有するソフトセグメントを有している。
ハードセグメントは凍結相によるもの、水素結合による
もの、結晶相によるもの、イオン架橋によるものなどが
あるがハードセグメントが凝集して、ソフトセグメント
中に分散した形状をとるミクロ相分離構造を有するもの
が特に好ましく用いられる。
【0010】これはミクロ相分離構造が血球成分、特に
血小板の粘着を抑制する作用によりポリ塩化ビヌル等よ
りも良好な抗血栓性を有するからである。特にポリエー
テル型のセグメント化ポリウレタンが抗血栓性が優れて
いることが種々の研究により証明されており、本発明の
内層部分の樹脂としては最も適している。これらの材料
はエラストマーであるにもかかわらず化学的な架橋部分
が存在しないために押し出し成形等の熱成形が可能であ
る。これらの樹脂を血液が通過するチューブの内部に5
0μm以上の層を形成し、チューブの外側を従来の血液
チューブと同様に、可塑剤を含有するポリ塩化ビニル樹
脂にて成形することにより、本発明のチューブが得られ
る。医療用チューブとしての加工性、透明性、チューブ
の操作性の点かポリ塩化ビニル樹脂の重量としてはチュ
ーブ全体に対して50%以上であることが好ましい。ま
た、内層部分の厚みは薄すぎるとDOPがマイグレード
により表面に移行して従来の軟質PVCと大差ない溶出
特性になってしまうため50ミクロン以上このましくは
100ミクロン以上あることが好ましい、さらに好まし
くは200ミクロン以上である。またその厚さの上限は
とくに限定されたものではないが、経済性、柔軟性等の
点から1000ミクロンである。
【0011】本発明における分子量500以下の可塑剤
とは、前記DOP以外には、ジイソデシルフタレート、
ジイソオクチルイソフタレート、ジオクチルアジペート
等が挙げられる。本発明における分子量500以上の可
塑剤とは、前記の特開昭58−87143に示されるよ
うな高分子量の改質ポリエステルがあり、その他限定さ
れるものではないが、ポリ塩化ビニルの可塑化に機能を
有し且つ分子量が500以上好ましくは分子量1000
以上の、マイグレードにより表面に移行して来ないもの
であればよい。成形はたとえば、二重のノズルヘッドを
有する押し出し成形機により内層部に熱可塑性エラスト
マー、外層部にDOPを可塑剤とするポリ塩化ビニル樹
脂が導入されて押し出し時に一体化され本発明のチュー
ブとなる。
【0012】
【実施例】
〈実施例1〉市販の軟質ポリ塩化ビニル樹脂(DOPで
の可塑化:昭和化成製MS−600)を外層部とし、内
層部としてセグメント化ポリウレタン(ポリテトラメチ
レングリコール、4,4−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、1,4−ブタンジオールからなるショアー硬度
70Aのセグメント化ポリウレタン)を用い、内層部と
し200μmの厚さの、全体のチューブとして内径が
9.5mmで外径が14.3mmの2層チューブを成形
した。このチューブを10cmにカットして片末端をシ
リコン栓で栓をして試験管状に加工した。この中に可塑
剤の抽出溶媒としてエタノールを入れ、経時的にサンプ
リングしてエタノール中に溶出してきたDOPの量を定
量した。溶出してきたDOP量を図1に示す。また、同
じくチューブに栓をして試験管状に加工して新鮮血をチ
ューブに充填して血液が凝固するまでの時間を測定した
(リーホワイト法)。その結果を図2に示す。また、医
療用具としての安全性を確認するために人工心肺用ディ
スポーザブルセット基準に準じて、チューブ内部に蒸留
水を充填して70℃で30分チューブを加温し、取り出
した液中に含まれる過マンガン酸カリウム還元性物質試
験を実施した。過マンガン酸カリウム消費量は試験液1
0mlを共栓三角フラスコにとり、0.01N過マンガ
ン酸カリウム溶液20ml及び希硫酸1.0mlを加
え、3分間煮沸し、冷却後、これにヨウ化カリウム0.
1gおよびデンプン試薬5滴を加えて0.01Nチオ硫
酸ナトリウムで滴定する。その結果を図3に示す。
【0013】〈実施例2〉市販の軟質ポリ塩化ビニル樹
脂(昭和化成製MS−600)を外層部とし、内層部と
してセグメント化ポリエステル(ソフトセグメントとし
てポリブチレンテレフタレート、ハードセグメントとし
てポリテトラメチレングリコールを用いたショアー硬度
82Aのセグメント化ポリエステル、東洋紡績製P40
B)を内層部とし用い、内層部が200μm厚さ、チュ
ーブ全体として内径が9.5mm外径が14.3mmの
2層チューブ成形した。このチューブを10cmにカッ
トして片末端をシリコン栓で栓をして試験管状に加工し
た。この中に可塑剤の抽出溶媒としてエタノールを入
れ、経時的にサンプリングしてエタノール中に溶出して
きたDOPの量を定量した。また実施例1と同様な方法
にてリーホワイト法による凝血時間測定および過マンガ
ン酸カリウム還元性物質試験を実施した。結果は各々図
1、2、3に示す。
【0014】〈実施例3〉アジピン酸1524部、1,
6ヘキサンジオール1061部、ネオペンチルグリコー
ル104部、チタン酸テトラブチル0.108部および
トリメチルホスフェートを脱水縮合させて得られる両末
端カルボキシル基のポリエステル1500部とエポキシ
樹脂YD128(東京化成(株)製)89部およびダイ
マー酸ジナトリウム3部を窒素気流下180℃で反応さ
せて改質ポリエステルAを得る。改質ポリエステルA5
0部、ポリ塩化ビニル100部、エポキシ安定剤5部、
ステアリン酸カルシウム0.5部、ステアリン酸亜鉛
0.5部を110℃で混練し、次いで2軸押し出し機で
溶融混合してペレット化し高分子可塑剤可塑化軟質ポリ
塩化ビニルを得た。この高分子可塑剤可塑化軟質ポリ塩
化ビニルを内層部として200ミクロン厚さで、外層に
は実施例1、実施例2と同じ軟質ポリ塩化ビニルを用
い、内径9.5mm外径14.3mmの2層チューブを
製造した。このチューブを10cmにカットして片末端
をシリコン栓で栓をして試験管状に加工した。この中に
可塑剤の抽出溶媒としてエタノールを入れ、経時的にサ
ンプリングしてエタノール中に溶出してきたDOPの量
を定量した。また実施例1と同様な方法にてリーホワイ
ト法による凝血時間測定および過マンガン酸カリウム還
元性物質試験を実施した。結果は各々図1、2、3に示
す。
【0015】〈比較例1〉市販の軟質ポリ塩化ビニル樹
脂(昭和化成製MS−600)単体で9.5×14.3
mmのチューブ成形した。このチューブを10cmにカ
ットして片末端をシリコン栓で栓をして試験管状に加工
した。この中に可塑剤の抽出溶媒としてエタノールを入
れ、経時的にサンプリングしてエタノール中に溶出して
きたDOPの量を定量した。溶出してきたDOP量を図
1に示す。また実施例1と同様な方法にてリーホワイト
法による凝血時間測定および過マンガン酸カリウム還元
性物質試験を実施した。結果は各々図2、3に示す。
【0016】〈比較例2〉市販の軟質ポリ塩化ビニル樹
脂(昭和化成製MS−600)単体で9.5×14.3
mmのチューブ成形した。このチューブを10cmにカ
ットして片末端をシリコン栓で栓をして試験管状に加工
した。この試験管状物に実施例1で用いたセグメント化
ポリウレタンをTHFに溶解し7%溶液としたを流し込
み、次に液を排出して乾燥させて内側にセグメント化ポ
リウレタンの皮膜を形成させる。この作業を3回繰り返
すとチューブ内面に約30ミクロンのセグメント化ポリ
ウレタンの皮膜が形成される。この試験管状物の中に可
塑剤の抽出溶媒としてエタノールを入れ、経時的にサン
プリングしてエタノール中に溶出してきたDOPの量を
定量した。溶出してきたDOP量を図1に示す。また実
施例1と同様な方法にてリーホワイト法による凝血時間
測定および過マンガン酸カリウム還元性物質試験を実施
した。結果は各々図2、3に示す。
【0017】図1より比較例1と比較して本発明で得ら
れたチューブが内層部に成形された層により大幅にDO
Pを抑制していることが判明する。また、従来の抗血栓
性材料の加工方法のように数回のコーティング程度では
十分な膜厚が得られず比較例2に示されるようにDOP
抑制効果がほとんどないことが分かる。また、図2から
このように押し出し成形にて加工された樹脂がコーティ
ングにより成形された皮膜と同等の抗血栓性を有してい
ることが表2より判明する。また、コーティングにて成
形されたチューブは多量の過マンガン酸カリウム還元性
物質を含有することが判明する。これはコーティング時
に使用した溶剤がチューブ肉厚中に拡散してしまうこと
により非常に除去しにくくなっていることを示す。除去
には高温下で乾燥するか、高真空下で乾燥するなどの方
法が取られるがいずれもチューブの劣化やポリ塩化ビニ
ル中の可塑剤も除去されることによる物性の変化、工程
の増加によるコストアップから好ましくない。このよう
に本発明により得られるチューブは医療用として好適な
ものである。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、価格の低い、透明で、
柔軟性にも成形性にも優れた低分子量可塑剤で可塑化し
たポリ塩化ビニルを用いて、且つ該ポリ塩化ビニルの低
分子量可塑剤が血液等のなかに抽出されてこない医療用
チューブが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施例、比較例のDOP溶出量を示す図。
【図2】各実施例、比較例のリーホワイト法による凝血
時間を示す図。
【図3】各実施例、比較例の過マンガン酸カリウム還元
性物質の消費量を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/30 101 A61M 5/16 // B29L 9:00 23:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも内層部とその外側の第2の層
    を有する複層医療用チューブであり、内層部が熱可塑性
    エラストマーおよびまたは分子量500以上の可塑剤に
    て可塑化されたポリ塩化ビニルから構成されその厚みが
    50ミクロン以上であり、その外側の第2の層が分子量
    500未満の低分子量可塑剤にて可塑化されたポリ塩化
    ビニルから構成されていることを特徴とする医療用チュ
    ーブ。
  2. 【請求項2】 第2の層の重量が全チューブ重量の50
    %以上であることを特徴とする請求項1に記載の医療用
    チューブ。
  3. 【請求項3】 内層部とその外側の第2の層を押し出し
    成形により積層一体成形することを特徴とする請求項1
    に記載の医療用チューブの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003070902A (ja) * 2001-09-04 2003-03-11 Toyobo Co Ltd 医療用チューブ
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