JPS6022898B2 - 固形マヨネ−ズ様食品 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明ではチーズ様の堅さを有し、他の食品からの吸水
によるだれが起こらず、耐熱性、耐冷凍性に優れた固形
マヨネーズ様食品に係る。

野菜サラダ・サンドウィッチをはじめ、広く使用されて
いるマヨネーズは従来ペースト状の○／Ｗ型乳化物であ
り、合成樹脂製チューブに入れて絞り出して使うのが一
般的であった。

そのため昨今の食品の多様化の中でも、マヨネーズの使
われ方は、ある程度限られてしまうのが現状で、チーズ
様の堅さを有し、かつ、他の食品系からの吸水によるだ
れが防げれば、その用途の拡大には計り知れないものが
あると考えられる。

しかしながら、マヨネーズは酸性かつ食塩を含む○／Ｗ
型の乳化物であり、その複雑、微妙な系のためこれを堅
くすることは非常に難しいことであった。たとえば油脂
として固形脂を使えば固形のマヨネーズが得られるが口
溶けが劣るし、またガム等の添加物を使用してもチーズ
様の堅さを得ることは不可能であった。

本発明者らは、すぐれた固形のマヨネーズ様食品を得る
ために鋭意研究の結果、部分加水分解した大豆たん白を
乳化剤として使用しかつ水分、油分をある特定量に決め
て乳化を行うとチーズ様の堅さを有し、かつ他の食品系
からの吸水によるだれも防げる、固形マヨネーズ様食品
が得られることを見し、出した。

本発明はかかる知見に基づいて完成されたもので、組成
物の全重量に対して部分加水分解処理を行った大豆たん
白を、たん白質換算で２．５％〜１０．０％、水分を５
．０％以上、油分を５５．０〜９０．０％含有してなる
固形マヨネーズ様食品である。

部分加水分解処理を行った大豆たん白の添加量はたん白
質換算で全重量に対して２．５〜１０．０％が良い。

２．５％より少ないと固形化するのに必要な油脂を乳化
することができなくなるからであり、また１０．０％よ
り多くなると、たん白が十分溶解しなくなり、油が乳化
しにくくなるとともに食感感ざらつくようになるからで
ある。

大豆たん白の部分加水分解処理は通常は、酵素または酸
を用い、好ましくは三塩化酢酸可溶率（たん白質分解率
）が約１５〜４０％になるまで加水分解するが、これは
、この分解率のものを用いると上記組成の０ノＷ型乳化
の安定性がよいからである。水分の添加量は５．０％以
上とする。

これは、部分加水分解処理を行った大豆たん白を○／Ｗ
型乳化が十分行える程度に溶解するために必要だからで
ある。油分の添加量は５５．０〜９０．０％とする。

これは５５．０％より少ないと必要な堅さが得られず、
また９０．０％より多くなると乳化安定性が悪くなるか
らである。加える油脂は、口溶けの点で液状油の方がよ
く、液状油を用いても上記の組成割合であればチーズ様
の堅さが得られる。

本発明の固形マヨネーズ様食品を製造するには上記の酢
の他に通常のマヨネーズに使用されるマスタード粉末、
グルタミン酸ソーダ、リポタイド、グリチミン、食塩、
はちみつ、マヨネーズフレーバー等の調香味料を使うこ
とができる。

本発明による固形マヨネーズ様食品の保型性は油脂の乳
化による堅さとともに大豆たん白のもつ保型性も寄与し
ている。また大豆たん白は他の食品系からの水分移行に
際しても大豆たん白のもつ保水性によりだれ等が生じな
い利点を持っている。したがって、ちくわ等へスティッ
ク状に成型して挿入しても、吸水してだれることはない
。また乳化の耐熱性・耐冷凍性もすこぶるよく、例えば
１２０）０で２０分間のレトルト加熱処理、または一２
０午０で３日凍結後の解凍処理をしても油が分離するこ
とはない。本発明による固形マヨネーズ様食品を使用す
れば、例えば額粒状にして、サラダにふりかけたり、薄
くスライス状にしてサンドイッチ用として使用するなど
、きわめて多種多様の使われ方が可酢を添加する時期は
、好ましくは中性で乳化を行った後、最後に加えるのが
よい。

即ちできるだけ濃縮された酢を最後に加え、初めは中性
の水で乳化した方がよい。これは油脂の添加により粘度
が上がり、酢の添加により粘度が下がるが、酢を油脂よ
り後に加えた方が油脂の添加により生じた堅さを低下さ
せにくくなり、さらに乳化安定性もよいからである。能
になる。

以下に実施例を示す。

実施例 １ 希塩酸で分離大豆たん白を三塩化酢酸可溶率が３０％に
なるまで部分加水分解したもの（たん白含量９２％）、
調味料、香辛料を下記の配合で水に分散溶解しこれに大
豆白絞油を滴下して横型ミキサー（ティー・ケーサプラ
イズ株式会社製）で乳化させ、さらに食酢を添加して乳
化をつづけ耐熱性・耐冷凍性のすぐれた固形マヨネーズ
様食品約実施例 ２アルコール変性された大豆たん白質
をアルカリ性プロテアーゼで三酸化酢酸可溶率が１５％
になるまで部分加水分解したもの（たん白含量７１％）
、調味料、香辛料を下記の配合で水に分散溶解し、これ
に綿実油を滴下して横型ミキサーで乳化させさらに食酢
を添加して乳化をつづけ耐熱性・耐冷凍性のすぐれた固
形マヨネーズ様食品約ｌｋ９を得た。

これを大きさ１０伽×１０弧×２０肌の成型器に入れ固
めたところチーズの堅さを有するマヨネーズ様食品が得
られた。これを厚さ０．５肌にスライスしたものをパン
に使用しサンドイッチを調整した。ｌｋ９を得た。

これを約１伽径のスティックにしてちくわに挿入し５℃
で１週間保存したところ吸水によるだれはみられず、チ
ーズ様の堅さを有していた。大豆たん白加水分解物
３０夕（たん白質換算２７．６夕）調
味料 ３ｏ 香辛料 ３ｏ 食酢 ６ｏ 水 １４ｏ夕大豆白絞油
７３０大豆たん白加水分解物
５０夕（たん白質換算３５．５夕）調
味料 ３ｏ 香辛料 ｌｏ 食 酢 ６ｏ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 組成物の全重量に対して部分加水分解処理を行つた
   大豆たん白をたん白質換算で２．５〜１０．０％、水分
   を５．０％以上、油分を５５．０〜９０．０％含有して
   なる固形マヨネーズ様食品。 ２ 部分加水分解処理を酵素または酸で三塩化酢酸可溶
   率が約１５〜４０％になるまで行うものである特許請求
   の範囲第１項記載の固形マヨネーズ様食品。 ３ 油脂が液状油である特許請求の範囲第１項記載の固
   形マヨネーズ様食品。