JPS6022768Y2 - ケ−ブル接続部 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えばゴム、プラスチック絶縁ケーブルの終
端部を形成する場合に有用なケーブル接続部に関する。

一般に、ゴム、プラスチック絶縁ケーブルの終端部は、
第１図に示すように形成されている。

すなわち、端部を段剥して露出させたケーブル絶縁体１
の外周の絶縁テープの巻回によって補強絶縁層２を設け
、この補強絶縁層の傾斜面にケーブル遮蔽層３から延出
して外部遮蔽層４を設け、これらを覆う碍管５内に、例
えばシリコーン油Ｓを充填して形成している。

しかしながら、絶縁テープを巻回して補強絶縁層を形成
する従来のケーブル終端部においては、補強絶縁層とケ
ーブル絶縁体との界面、絶縁テープの巻回層間および補
強絶縁層の傾斜面と外部遮蔽層との界面にギャップが形
成され、該ギャップ部位が電気的弱点部となる欠点があ
った。

本考案はこのような点に着目してなされたもので、補強
絶縁層の傾斜面に設けた外部遮蔽層上に、通気特性の良
好な材料から形成された熱収縮性テープ巻回しこれを加
熱収縮することにより、ギャップを形成しないケーブル
接続部を提供することを目的としている。

以下、本考案を一実施例の図面に基づいて説明する。

第１図と同一部分に同一番号を付した第２図において、
段剥して露出させたケーブル絶縁体１外周に補強絶縁層
２を設け、この傾斜面にケーブル遮蔽層３から延出させ
た外部遮蔽層４を設けることは、従来と同様である。

補強絶縁層２は、ケーブルがＯＦケーブルの場合におい
ては、絶縁紙と、アルミ箔等の金属箔６を交互に積層巻
回することによって形成され、ケーブルがゴム、プラス
チック絶縁ケーブルの場合においては、絶縁紙やゴム、
プラスチック絶縁シートの巻回により形成される。

外部遮蔽層４は、ケーブルの外部半導電層７もしくは金
属遮蔽層３から補強絶縁層２の傾斜面間に跨って設けた
半導電性のクレープ紙８と、この外側に巻き付けた銅編
組線９とで樹皮されている。

１０は、外部遮蔽層４外周に巻回し、加熱収縮させた通
気特性の良好な材料から形成された熱収縮性テープ巻回
層で、該テープとしては、機械的強度が高くかつ、耐油
性の良好なものもしくは通気性の良好なものが選定され
る。

ところで、外部遮蔽層の傾斜面に通気性合良好な材料か
ら形成された熱収縮性テープ巻回層１０を設ける理由は
、加熱時における収縮力を補強絶縁層２の傾斜面に作用
させ、これによって前述のギャップを解消させるためで
ある。

しかして形成されたケーブル端末は、磁器やエポキシ等
の套管５によって包被され、套管５内には、ケーブルが
ゴム、プラスチックケーブルの場合は、該ケーブルに悪
影響を与えないシリコーン油Ｓが、ケーブルがＯＦケー
ブルの場合にはポリプデン油がそれぞれ充填される。

第３図は、本考案をケーブルの直線接続部に適用した場
合の実施例を示している。

この実施例においては、各ケーブル遮蔽層１１ａ、ｌｌ
ｂ間が外部遮蔽層１２によって連絡され、この外側には
、第２図と同様の手段によって通気特性の良好な材料か
ら形成された熱収縮性テープ巻回層１３が設けられ、該
テープ巻回層が加熱収縮されている。

ところで、一般の直線接続部すなわち、補強絶縁層上に
防食層を設けるものにおいては、前記防食層の形成作業
時間を短時間に行ない得るようにするため、防食層とし
て熱収縮性チューブを使用することが試みられているが
、本考案はこの熱収縮性チューブを単に熱収縮性テープ
巻回層に置換したものではない。

すなわち、ＯＦケーブルの絶縁層上に補強絶縁層を設け
、これを覆う接続箱（図示せず）内に絶縁油を充填する
ものにおいては、前記絶縁油を前記補強絶縁層のテープ
巻回層間の浸透させる必要がある。

ところが、補強絶縁層上に熱収縮性チューブを設ケるも
のにおいては、このチューブが遮油層としての作用をな
し、結果的に絶縁油が補強絶縁層中に浸透しないことに
なる。

この点、通気特性の良好な材料から形成された熱収縮性
テープを巻回するものにおいては、テープを通して絶縁
油が完全に浸透し、補強絶縁層の絶縁特性を向上させる
ことになる。

尚、本考案に使用する通気特性の良好な材料から形成さ
れた熱収縮性テープとしては、ポリエチレン、ポリエス
テル等の公知の不織布に、必要に応じて架橋処理を施し
、加熱下の延伸加工を行ったものが好適している。

以上のことは、ケーブル終端部の場合についても同様で
ある。

なお、図中１４は動体引出棒、１５はケーブル導体、１
６はケーブルシース、１７は接続スリーブ、１８はケー
ブルがゴム、プラスケーブルの場合に設ける油止め部を
示している。

上述した本考案においては、補強絶縁層の傾斜面に設け
た外部遮蔽層上に通気特性の良好な材料から形成された
熱収縮性テープ巻回層を設け、該巻回層の加熱時の収縮
力を前記外部遮蔽層に作用させているので、ケーブル絶
縁体の補強絶縁層間の界面ギャップ、補強絶縁層内の空
隙および補強絶縁層の傾斜面と外部遮蔽層間のギャップ
をなくすことができもって、電気特性の良好なケーブル
を接続部を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のケーブル終端部の一部省略縦断面図、第
２図は本考案の他の実施例を示すケーブル接続部の一部
省略縦断面図、第３図は本考案の他の実施例を示すケー
ブル接続部の一部省略縦断面図である。 １・・・・・・ケーブル絶縁体、２・・・・・・補強絶
縁層、３・・・・・・ケーブル遮蔽層、４・・・・・・
外部遮蔽層、５・・・・・・套管、１０・・・・・・通
気特性の良好な材料から形成された熱収縮性テープ巻回
層、Ｓ・・・・・・シリコーン油。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）段剥し露出させたケーブル絶縁体外周に、絶縁テ
   ープの巻回によって形成した紡錘状の補助絶縁層と、該
   補助絶縁層の傾斜面にケーブル遮蔽層から延出して周設
   した外部遮蔽層と、該外部遮蔽層上に巻回して加熱収縮
   させてなる通気特性の良好な材料で形成された熱収縮性
   テープ巻回層と、該テープ巻回層上を覆う套管内に充填
   した絶縁油と具備してなることを特徴とするケーブル接
   続部。
2. （２）通気特性の良好な材料で形成された熱収縮性テー
   プが不織布である実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   ユニット接続部。