JPS6021284Y2 - 車輛用車輪懸架装置のためのバウンドストッパ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車輌の車体とアクスルハウジングとの間に設
けられる懸架装置に組み込まれ、車体の過大なバウンド
を防止するバウンドストッパに関する。

車輌用車輪懸架装置の一つに、コイルスプリングからな
る懸架ばねと、該コイルスプリングの振動減衰を図るべ
く、これと並列的に設けられるショックアブソーバとを
含むものがある。

この懸架装置には、一般的に車体の過大なバウンドを防
止して車輌の乗心地を高めるべく前記ショックアブソー
バの動きを規制する、すなわち前記スプリングの過大な
圧縮変形を防止するバウンドストッパが組み込まれてい
る。

従来のこの種のバウンドストッパは、車体およびアクス
ルハウジングのいずれか一方に、基部で固定される全体
に截頭円錐形状の支持部材と、該支持部材の頂部に固定
され、前記車体が大きくバウンドしようとした際該車体
およびアクスルハウジングの他方に当接する弾性体とを
備え、前記支持部材の基部には前記スプリングの一端を
受けるための環状の受座が形成され、該受座には前記ス
プリングからの振動伝達の低減を図るために、板状弾性
部材が配置されている。

前記バウンドストッパでは、前記板状弾性部材は前記ス
プリングの押圧力により前記受座に保持されているが、
これと別体の前記弾性体はボルトおよびナツトを介して
前記支持部材に結合されている。

このため、従来の前記バウンドストッパでは、部品数が
多いためにコストの増大を招くと共に、前記ボルトの締
め付けに手数が掛り、また前記支持部材に関連してこれ
に前記した２つの弾性部品を組付ける必要があることか
ら、組付は作業に手間取り、そのため組付作業の能率低
下を招いていた。

従って、本考案の目的は、部品数の削減を図りかつ組付
作業を迅速に行ない得るバウンドストッパを提供するこ
とになる。

本考案は、支持部材の頂部に設けられる弾性体に、前記
支持部材の周面を覆うスカート部および前記支持部材の
受座に沿って伸びるフランジ部を一体形成すると共に、
前記支持部の前記頂部に突起を形威しかつ前記弾性体に
前記突起へ圧入嵌合される凹所を形威し、該凹所と前記
突起との嵌合により前記弾性体の前記支持部材への仮組
付を可能とし、前記スプリングの前記一端で前記フラン
ジ部を前記受座に押圧することにより、従来のようなボ
ルトナツトの締付けによることなく前記弾性体を前記支
持部材に結合したことを特徴とする。

本考案が特徴とするところは、図示の実施例についての
以下の説明によりさらに明らかとなろつ。

本考案に係るバウンドストッパ１０は、第１図に示され
ているように、車体１２とアクスルハウジング１４との
間に配置されたコイルスプリング１６からなる懸架ばね
を備える車輌用懸架装置に組込まれる。

バウンドストッパ１０は、前記スプリング１６に関連し
て設けられ、全体に截頭円錐形の支持部材１８と、該支
持部材に設けられる弾性体２０とから成る。

前記支持部材１８は、その基部２２で車体１２の下面に
固定されており、基部２２には前記スプリング１６の上
端を受は入れるための環状の受座２４が設けられている
。

また、支持部材１８の頂部２６には該頂部より下方に突
出する円柱状の突起２８が設けられている。

前記弾性体２０は、前記頂部２６を覆って配置される全
体に中空円柱状の頭部３０と、該頭部に連らなって支持
部材１８の局面を覆うスカート部３２と、該スカート部
の外縁に連らなってその径方向外方に伸びる環状のフラ
ンジ部３４とを備える。

頭部３０の内孔３６は前記突起２８の外径よりもわずか
に小さな径を有し、頭部３０の一端に開放する。

この内孔３６は、作業者の人手による前記突起２８への
圧入を許す凹所を規定する。

前記頭部３０の前記一端は前記頂部２６に着座され、ま
たその他端は前記ハウジング１４に間隔をおいてこれに
対向する。

頭部３０の外周面には、その周方向に伸びる複数の環状
切溝３８が設けられている。

各切溝３８は、頭部３０アクスルハウジング１４に当接
して該ハウジングと前記頂部との間で圧縮変形を受ける
際、衝撃感を低減すべく頭部３０のばね定数に従来よ（
知られた非線形特性を与える。

スカート部３２は、頭部３０の前記一端より支持部材１
８の傾斜する周面を覆って基部２２に向けて伸びる。

スカート部３２の外縁に連らなる前記フランジ部３４は
、前記座部２４に沿って該座部と前記スプリング１６の
上端との間に配置され、前記フランジ部３４はその弾性
により前記スプリング１６の上端との間に配置され、前
記フランジ部３４はその弾性により前記スプリング１６
からの振動が車体１２に伝わることを防止する。

アクスルハウジング１４の上面には、前記スプリング１
６の下端を受ける従来よく知られた受座４０および環状
の弾性材料からなる従来と同様な防振部材４２が配置さ
れている。

本考案に係るバウンドストッパ１０の弾性体２０は、頭
部３０、スカート部３２およびフランジ部３４が一体成
形された全体にキャップ形状の弾性体であり、前記頭部
に設けられた凹所３６を支持部材１８の前記頂部に設け
られた突起２８に人手により圧入することができる。

従って、前記スプリング１６の組付けに先立って、従来
のようにボルト・ナツトを用いることなく、前記弾性体
２０を支持部材１８に仮組付けすることができる。

この仮組付けによって、弾性体２０の頭部３０が支持部
材１８の頂部２６に着座され、またフランジ部３４が支
持部材１８の受座２４に配置される。

前記した仮組付後に前記スプリング１６が組込まれ、該
スプリングの一端でそのばね力により前記フランジ部３
４が前記受座２４に向けて押圧される。

これにより前記弾性体２０は確実に支持部材１８に結合
される。

また、車輌の悪路走行等によって車体１２が大きくバウ
ンドしようとした際には、弾性体２０の頭部３０がアク
スルハウジング１４に当接することにより、過大なバウ
ンドが抑制される。

この際、頭部３０は支持部材１８の頂部２６とアクスル
ハウジング１４との間で強い圧縮変形を受けるが、前記
頭部の凹所３６に嵌合する前記支持部材の突起２８は、
前記頭部の径方向への運動を確実に防止することから、
前記弾性体２０の所定箇所からのずれが確実に防止され
る。

前記弾性体２０の前記持部材１８に対する周方向位置を
特定する必要がある場合、第３図に示されるように、前
記突起２８の局面に、その径方向外方に張り出しかつ軸
線方向に伸びる張出部４４を設け、さらに前記凹所３６
の内周面に前記張出部に対応する従溝４６を設けること
ができ、これにより弾性体２０を支持部材２８に対し特
定の周方向関係位置で容易に組付けることが可能となる
。

前記したところでは、バウンドストッパ１０を車体１２
に設けた例について説明したが、これに代えて本考案に
係るバウンドストッパをラフスルハウジング１４に設け
ることができる。

本考案によれば、前記したように、バウンドストッパの
支持部材に支承される弾性体に、そのフランジ部として
前記支持部材の受は座とコイルスプリングの一端との間
に伸びる防振部を一体成形しかつ前記支持部材に設けら
れた突起と前記弾性体の頭部に設けられた凹所とを圧入
嵌合させることにより、従来個別に形成されていた２つ
の弾性部材を１つの部品とし、さらに従来必要とされた
ボルトナツト等の締結具を不要とすることができ、これ
によりコストの低減を図ることができる。

また、前記弾性体を前記支持部材に仮組付することがで
きかつ従来のボルト・ナツトのような特別な締結具を用
いることなく前記弾性体を前記支持部材に確実に結合す
ることができることから、組付作業を容易かつ迅速に行
なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案は係るバウンドストッパをその一部を破
断して示す正面図であり、第２図は第１図に示した■−
■線に沿って得られた断面図であり、第３図は本考案の
他の実施例を示す第２図と同様な図面である。 １２：車体、１４：アクスルハウジング、１６：コイル
スプリング、１８：支持部材、２０：弾性体、２２：基
部、２４：受座、２６：頂部、２８：突起、３０：頭部
、３２ニス力−ト部、３４：フランジ部、３６：凹所。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体とアクスルハウジングとの間に設けられる車輌用懸
   架装置の懸架ばねであるコイルスプリングの過大な圧縮
   変形を防止するためのバウンドストッパであって、前記
   車体およびアクスルハウジングのいずれか一方に固定さ
   れかつ基部に前記スプリングの一端を受は入れるための
   環状の受座を備え、また頂部に突起を備える全体に戴頭
   円錐形の支持部材と、前記車体および前記アクスルハウ
   ジングの他方に当接可能に前記頂部を覆って配置され前
   記突起に圧入嵌合される凹所が設けられた頭部、該頭部
   に連らなりかつ前記支持部材の周面を覆うスカート部お
   よび該スカート部に連らなり前記受座と前記スプリング
   の前記一端との間に伸びる環状のフランジ部とを備える
   弾性体とから戊り、前記突起と前記凹所との嵌合により
   前記支持部材への前記弾性体の仮組付を可能とした、車
   輌用懸架装置のためのバウンドストッパ。