JPS6021241Y2 - 隆起型印刷用原板押圧要素を有する印刷装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本孝考は、印刷装置に係り、特に枠付き孔版印刷用原板
を用いて印刷を行なう印刷装置に於る印刷用原板押圧要
素に関する改良に係る。

印刷用原板として孔版の如き簡便な印刷用原板を用いて
印刷を行なう簡便な印刷装置の一つとして、一端縁部に
て互いに枢着された基台と押圧板とを有腰前記基台の上
面には弾性板を装着し、前記押圧板の下面には印刷用原
板を装着し、前記押圧板を前記基台上に枢動押圧し、前
記弾性板上に載置された印刷用紙に印刷用原板を押付け
ることにより印刷を行なう構造の簡便な印刷装置が知ら
れている。

かかる印刷装置の一つは、本件出願人と同一の出願人の
出願に係る実願昭５１−１１４２５３号に於ても提案さ
れている。

但し、この先の提案になる印刷装置は、感熱式の孔版印
刷用原板を用いその製版を行なうことができると同時に
、製版された孔版印刷用原板を用いて印刷を行なうこと
ができるように構成されているものである。

この種の簡便な印刷装置を用いる印刷用原板としては、
特に本件出願人と同一人と他の一名の出願人の共同出願
に係る実願昭５０−５１３０６号に於て提案されている
枠付き孔版印刷用原板が便利である。

この枠付き孔版印刷用原板は、和紙の如き多孔性支持体
と熱収縮性の合成樹脂フィルムとを貼合せてなる感熱性
孔版原紙をその周縁部にてボール紙等の環状枠体の一方
の面に貼付け、該枠体の他方の面にはインキネ通過性シ
ートをその周縁の一部にて貼付けたものであり、かかる
印刷用原板はその感熱性孔版原紙の部分に所要の感熱穿
孔を施された後、該感熱性孔版原紙とインキネ通過性シ
ートの間に同じく本件出願人と同一の出願人の出願に係
る特願昭５０−３０４７４号に於て提案される如き練り
のインクを保持する態様にてこれを施され、上述の如き
簡便な構造の印刷装置の押圧板の下面に装着され、その
弾性板の上に載置された印刷用原板上にその感熱性孔版
原紙の面にて押付けられることにより、孔版印刷を行な
う如く構成されているものである。

かかる枠付き孔版印刷用原板を用いる従来の印刷装置に
於ては、枠付き孔版印刷用原板は押圧板の平らな下面、
或は前記実願昭５１−１１４２５３号にて提案されてい
る如き製版印刷装置の場合には押圧板の下面に装着され
たガラス板の如き平らな押圧板によって印刷用紙へ向け
て押圧されるようになっている。

しかし上述の如き枠付き孔版印刷用原板は、本来その周
縁部にボール紙等よりなる環浄枠を有するものであり、
その為該印刷用原板は周縁部にて厚く、印刷に関与する
中央部にて薄い構造を有するものである。

但しこの場合、上述の如く感熱性孔版原紙とインキネ通
過性シートの間に固練りのインキが施された状態に於て
は、枠に囲まれた中央部の厚みはインキ層の厚みだけ増
大しており、特に多量のインキが施される場合には中央
部の厚みはほぼ枠体の厚みに近くなることはある。

しかしいずれにしても、かかる枠付きの孔版印刷用原板
が平らな押圧面によって印刷用紙上へ押付けられるとき
には、枠体が印刷面と用紙の間に押圧されて介在するこ
とにより、印刷用原板の中央部に於る肝心の印刷部分に
対する押圧力が弱くなる恐れがある。

上述の弾性板は、かかる観点から、枠付き孔版印刷用原
板を用いる場合には不可決のものであり、かかる弾性板
によって印刷用紙を支持することにより、印刷用紙をそ
の中央部に於ても印刷用原板に強く押付け、全体として
良好な印刷仕上りを得るようになっている。

しかしかかる弾性板を用いる場合にも、枠付き孔版印刷
用原板の枠の内側に近接する部分では弾性板の変形によ
る印刷用紙の支持が十分でなく、枠内一杯に印刷画面が
広がっている如き場合には、どうしても周縁部に於る印
刷の仕上りが不十分となる。

本考案は、枠付き孔版印刷用原板を用いて印刷を行なう
場合の上述の如き問題に対処し、枠の極く近傍迄枠内の
全領域に亘って均一な印刷仕上りを与える如く改良され
た印刷装置を提供することを目的としている。

かかる目的は、本考案によれば、押圧板の下面に装着さ
れ印刷用原板を押圧する印刷用原板押圧要素に枠付き孔
版印刷用原板の枠の内周よりに実質的に沿った輪郭を有
し且該内周幾分小さい外周寸法の隆起部を設けることに
よって遠戚される。

以下に添付の図を参照して本考案を実施例について詳細
に説明する。

第１図は本考案による印刷装置の一つの実施例を示す斜
視図である。

図に於て、１は基台であり、該基台の一端部には枢軸要
素２を含む枢着装置３によって押圧板４がその一端縁部
にて基台に対し枢動可能に枢着されている。

基台１の上面には弾性板５が装着されている。

尚弾性板５は第２図によりよく示されている如くその幾
分かの傾動を許すべく傾動可能に構成された駒部材６上
に担持されている。

押圧板４の下面には印刷用原板押圧要素７と該印刷用原
板押圧要素の表面の枠付き孔版印刷用原板を装着する為
のアングル要素の如き印刷用原板装着要素８が設けられ
ている。

印刷用原板押圧要素７の中央部７ａはその周縁部７ｂよ
り隆起された隆起部として構成されている。

第２図は第１図に示す印刷装置が印刷を行なっている状
態に於るその要部を通る横断面図である。

かかる印刷状態に於ては、弾性板５上には印刷用紙９が
載置されており、一方押圧板４の下面には印刷用原板装
着要素８によって印刷用原板押圧要素７の表面に着座し
た状態に枠付き孔版印刷用原板１０が装着されている。

枠付き孔版印刷用原板１０はボール紙の環状枠体１１と
、その一方の面に周縁部にて貼付けられた感熱性孔版原
紙１２と、枠体１１の他方の面にその周縁の一部にて貼
付けられたインキネ通過性シート１３とからなっている
。

感熱性孔版原紙１２は、図には詳細に示されていないが
、和紙の如き多孔性支持体と熱収縮性合成樹脂フィルム
を貼合わせたものであり、その熱収縮性合成樹脂フィル
ムが印刷用紙９に直接接触する側にきている。

そして感熱性孔版原紙１２とインキネ通過性シート１３
の間にはインキ１４が層状をなして施されている。

第２図に示す如く、印刷用原板押圧要素の隆起部７ａは
枠付き孔版印刷用原板１０の環状枠１２の内周より幾分
中さい外周寸法を有するように構成されている。

隆起部７ａの隆起高さは枠１１の厚みにほぼ等しいかそ
れにより幾分大きい値とされるのが好ましい（但し第２
図に示す解図的断面図に於ては図示の都合上隆起部７ａ
の隆起高さは枠体１１の厚みよりかなり大きく示されて
いる）。

かかる隆起部７ａを有する印刷用原板押圧要素７によっ
て枠付き孔版印刷用原板１ｏが押圧されることにより、
弾性板５の変形の頼ることなく枠体１１の厚みを逃げ、
該枠体間に延在する感熱性孔版原紙１２の全域に亘って
一様な押圧力を与えることができ、枠体１１の極く近傍
迄画像が存在する場合にも、印刷面の全域に亘って均一
な印刷画像を形成することができる。

尚、第２図にも理解される如く、枠付き孔版印刷用原板
１０には枠体１１の上面即ち印刷用原板押圧要素７に接
する側にインキネ通過性シート１３が設けられているの
で、印刷用原板押圧要素７の隆起部７ａが枠体１１の上
面を越えて感熱性孔版原紙１２へ向けて押付けられよう
とすると、インキネ通過性シート１３は第２図に示す如
く隆起部７ａの周縁に沿って断面が鉤形になるように変
形されなければならないが、インキネ通過性シート１３
は上述の如く枠体１１に対してその周縁の一部にて（通
常四辺形の周縁の一つの辺に沿う部分にて）張付けられ
ており、インキネ通過性シート１３が第２図に示されて
いる如く断面が鉤形になるように変形するにあたってそ
の周縁部と枠体１１の間に相対的なずれが生ずることが
自由に許されることと、第２図は上述の如（図示の都合
上隆起部７ａの隆起高さを枠体１１の厚みよりかなり大
きく示していると共に、枠体１１とインキネ通過性シー
ト１３とを図示の目的で引き離して示していることから
、インキネ通過性シート１３の断面に於ｒ／′ｊる鉤形
変形が実際よりは大きく且急角度に拡大されて解図的に
示されているものであり、実際には隆起部７ａの周縁に
沿うインキネ通過性シート１３の変形はインキネ通過性
シート１３がかなりの展延性を有する柔かいプラスチッ
クシートよりなっていることもあって、インキネ通過性
シート１３にほとんど目立った皺を生ずることなく行わ
れるものである。

かくして、本考案によれば、従来単純な平面として与え
られていた印刷用原板押圧要素の表面に所定寸法の隆起
部を設けること、或はそのような隆起部を設けるべくそ
の周縁部を切除すると言うきわめて簡単な構成によって
、枠付き孔版印刷用原板を用いる印刷に於るその仕上り
を著るしく改善することのできる印刷装置が得られるこ
とが理解されよう。

以上に於ては本考案を一つの実施例について詳細に説明
したが、本考案がかかる実施例にのみ限られるものでは
なく、かかる実施例について本考案の範囲にて種々の修
正が可能であることは当業者にとって明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による印刷装置の一つの実施例を示す斜
視図、第２図は第１図に示す印刷装置により印刷を行な
っている状態の要部を示す横断面図である。 １・・・・・・基台、２・・・・・・枢軸要素、３・・
・・・・枢軸装置、４・・・・・・押圧板、５・・・・
・・弾性板、６・・・・・・駒部材、７・・・・・・印
刷用原板押圧要素、７ａ・・・・・・印刷用原板押圧要
素の隆起部、７ｂ・・・・・・印刷用原板押圧要素の周
縁部、訃・・・・・印刷用原板装着要素、９・・・・・
・印刷用紙、１０・・・・・・枠付き孔版印刷用原板、
１１・・・・・・枠体、１２・・・・・・感熱性孔版原
紙、１３・・・・・・インキネ通過性シート、１４・・
・・・・インキ層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端縁部にて互に枢着された基台と押圧板とを有し、前
   記基台の上には弾性板が装着され、前記押圧板の下面に
   は前記押圧板が前記基台上に重合されたとき前記弾性板
   に重合する印刷用原板押圧要素と該印刷用原板押圧要素
   の表面に枠付ぎ孔板印刷用原板を装着する印刷用原板装
   着要素とが設けられている印刷装置に於て、前記印刷用
   原板押圧要素は前記枠付き孔版印刷用原板の枠の内周に
   実質的に沿った輪郭を有し且該内周より幾分中さい外周
   寸法の隆起部を有することを特徴とする印刷装置。