JPS6018617Y2 - 内燃機関における燃料供給経路からの空気抜き装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は燃料タンクから内燃機関に至る燃料供給経路途
中に混入して来る空気をスムーズにもとの燃料タンクへ
抜くようにした装置に関する。

燃料の供給経路途中が気泡でロックされるのを防止する
ために、従来から例えば燃料濾過器より空気抜き管を分
岐導出し、この空気抜き管の上端を燃料タンクに連通連
結することが行なわれている。

この従来構造のものでは、空気抜き管と燃料タンクとの
連結部に問題があった。

即ち、燃料タンクの側壁一箇所に９０度曲折した継手管
を連通固着し、この継手管の一端を燃料タンク内に向け
て開口する一方、他端を燃料タンク外に位置させ、これ
に前記空気抜き管の上端を連結していた。

そのため、継手管の一端が燃料中に漬っているとき、空
気は空気抜き管から上端に位置する継手管の９０度曲折
部まではスムーズに上昇してくるが、これから燃料中を
水平に流れて燃料タンク内に抜は出るのが困難となり、
この継手管内で空気が貯まり、燃料供給経路中の空気を
満足に抜き出せないという不利、不便があったのである
。

本考案はかかる点に鑑み、燃料供給経路途中から上向き
に分岐導出した空気抜き管と燃料タンクとを連通連結す
る継手管に改良を加え、これの上端部を燃料タンク内に
向けて所定の角度斜め上向きに固着することにより、こ
の継手管内において空気がとどまることなく燃料タンク
内へと抜は出して行くようにし、もって燃料供給経路中
の空気抜きを円滑にすることを主眼として提供されたも
のである。

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明すると、第１
図及び第２図において、１は縦型の空冷式エンジン本体
、２はエンジン本体１の上面にブラケット３を介して載
置した燃料タンクである。

燃料は燃料タンク２から給油管４を通してエンジン本体
１に送り込まれ、この燃料供給経路途中に燃料濾過器５
が設けられている。

本考案ではこの燃料供給経路途中の燃料濾過器５の上部
から空気抜き管６が上向きに好ましくは直管状に分岐導
出される。

これに対応して、燃料タンク２の側壁２ａに凹陥部７を
一体形成し、この凹陥部７に空気抜き管６の上端部が外
側方に突出しない状態で案内されている。

しかして、タンク側壁２ａの凹陥部７上の傾斜壁部８に
継手管９を直角に挿嵌固着する。

この継手管９には４５度のベンドを使用し、第２図に示
す如く、その上端を燃料タンク２内に、その下端を燃料
タンク２外にそれぞれ開口する。

そうして、継手管９の下端部に空気抜き管６の導出上端
部を連結するとともに、とくに継手管９の上端部を水平
線りに対して一定角度０以上、斜め上向き姿勢で燃料タ
ンク２内にのぞませる。

ここに、上向き角度θとしては１５度以上であるのが好
ましい。

これによれば、燃料濾過器５内の空気はこれの上部から
空気抜き管６内を上昇したのち、継手管９を経て燃料タ
ンク２内に出て行く。

継手管９は４５度のベンドを使用し、その上端開口を斜
め上向きとして燃料タンク２にのぞませであるから、空
気抜き管６からの空気はこの継手管９内をスムーズに上
昇してとどまることなく燃料タンク２内に出て行くこと
になる。

また、燃料タンク２の注油口１０は、第３図に示すよう
な閉蓋構造となっている。

すなわち、燃料タンク２の上面に注油口１０を固着突設
し、この注油口１０の突出内周面に段付傾斜面１１を形
成する。

そして、この段付傾斜面１１にストレーナ１２の上端鍔
部１２ａを内嵌支持する。

一方、注油口１０の外周に螺合するネジキャップ１３に
は、その天板１３ａの下面に中栓１４を空転可能に取付
ける。

この中栓１４は注油口１０内に内嵌する円筒部１４ａを
有し、この円筒部１４ａから漏斗状底壁部１４ｂを一体
に連設してなり、この底壁部１４ｂの中央下端部に通孔
１５を透設するとともに、中栓１４内にスポンジ・グラ
スウール・カルストン等の通気性を持つ多孔性充填材１
６を充填した構造となっている。

なお、１７は弾性パツキン、１８は空気孔である。

しかるときは、注油口１０にキャップ１３を螺着したと
き、中栓１４の漏斗状底壁１４ｂがストレーナ１２の鍔
１２ａを押下げ、これを段付傾斜面１１に押圧接当させ
るとともに、注油口１０の上周縁とキャップ１３との間
に弾性パツキン１７が挟着され、二段のシール構造とな
る。

従って、燃料タンク２の振動や傾斜によっても、内部の
燃料が外部に漏出する事故を確実に防止できることにな
る。

なお、燃料の一部は通孔１５から中栓１４内に流入して
来るが、充填材１６；で邪魔されて空気穴１８より外部
に導出することがない。

ここで、中栓１４を弾性体とすれば、それの円筒部１４
ａが注油口１０の内周面に弾圧接当することになるので
、更に燃料タンク２からの燃料漏れを防止するに効果的
となる。

以上説明したように、本考案は燃料タンク２の側壁２ａ
に継手管９をその上端部が燃料タンク２内に向けて斜め
上向きとなるように連通固着した。

従って、この継手管９の外側下端部に燃料供給経路途中
から分岐導出した空気抜き管６を連結したとき、空気が
従来の如くこの継手管９内にとどまることがなくスムー
ズに燃料タンク２内へと抜き出て行き、燃料供給経路途
中からの空気抜きを円滑に行なえる利点がある。

また、燃料タンクの一側壁を凹陥形成し、この凹陥部に
空気抜き管を外部に突出しない状態で収容しであるので
、この空気抜き管を他物との接触から保護でき、他物が
引掛かって空気抜き管が継手管から外れ出したり、破損
したりすることを確実に防止することができる。

さらに、継手管は凹陥部の上側壁を形成する傾斜壁に直
交する姿勢で固定されるので、この接合部での液封を容
易にかつ確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は燃料タンクを載
置した縦型空冷式エンジンの側面図、第２図は第１図の
Ａ−Ａ線断面図、第３図は第１図Ｂ部の縦断面図、であ
る。 １・・・・・・エンジン本体、２・・・・・・燃料タン
ク、２ａ・・・・・・側壁、６・・・・・・空気抜き管
、９・・・・・・継手管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 燃料タンク２の側壁２ａに凹陥部７を縦向きに形成
   し、この凹陥部７の上面に形成した傾斜壁部８に継手管
   ９を斜め上向きでタンク２内に突入する状態に傾斜壁８
   と直交させて固着し、燃料タンク２からエンジン本体１
   への燃料供給経路の途中から空気抜き管６を上向きに分
   岐導出し、この空気抜き管６の上部を前記凹陥部７にタ
   ンクの外側方へ突出しない状態に収容するとともに、そ
   の上端部を前記継手管９に接続してなる内燃機関におけ
   る燃料供給経路からの空気抜き装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載の内燃機関に
   おける燃料供給経路からの空気抜き装置において、空気
   抜き管６を燃料供給経路に介在させた燃料濾過器５から
   上向きに分岐導出したもの。