JPS624528Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動２輪車用その他の燃料タンクの
キヤツプ装置に関する。

本願出願人は、先にこの種装置として、従来燃
料タンクに別個に設けられていたブリーザ装置に
代えて、燃料タンクの注入口に嵌着されるキヤツ
プ本体に、該タンク内を外気に連通する中間の気
液分離室を有するブリーザ通路を形成し、該タン
ク内からの排気中に含まれる蒸発燃料を該分離室
で分離回収し得るようにしたものを提案したが、
この場合該分離室で分離された液体燃料を如何に
該タンク内に戻すかが課題となる。

即ち、従来の別置のブリーザ装置では、液体燃
料の戻し通路から該分離室を短絡してタンク内の
排気が外部に排出されることのないよう、これに
常時はばねで閉じられるチエツク弁等の排液弁を
設け、液体燃料が一定量溜つたとき液圧で該排液
弁が開かれるようにするを一般としたもので、こ
れによれば該排液弁をばねに抗して開弁させるに
足る量の液体燃料を貯える比較的容積の大きな液
室を設ける必要があり、これをそのまま上記の装
置に組込むことはキヤツプ本体の大きさから見て
無理であつた。

本考案は、排気弁の構造を変更してかかる課題
を解決した装置を提供することをその目的とする
もので、燃料タンク１の注入口２に嵌着されるキ
ヤツプ本体３に、該タンク１内を外気に連通する
中間の気液分離室４を有するブリーザ通路５と、
該分離室４で分離された燃料を受ける液室６とを
形成し、該液室６内の燃料を排液弁７を介して該
タンク１内に戻すようにした燃料タンクのキヤツ
プ装置において、該排液弁７は、弁体を構成する
膜部７ａとその中央部に突設したピン部７ｂとで
構成されるものとし、該液室６の該タンク１内に
臨む壁面６ａに排液孔８とその周囲の弁座部９と
を形成し、該ピン部７ｂを該壁面６ａに摺動自在
に嵌挿して、該タンク１の内圧で該膜部７ａが該
弁座部９に密着されるようにしたことを特徴とす
る。

図示のもので該キヤツプ本体３は、その上端の
フランジ１０の下面にばね１１によりガイド枠１
２を介して下方に付勢されるパツキン１３と、上
部の中央のシリンダ錠１４とを備え、該注入口２
の口縁部上面に該パツキン１３を介して気密に接
合され、該シリンダ錠１４に連動する左右１対の
掛止片１４ａ，１４ａにおいて該口縁部下面に掛
止めされるものとした。

更に図示のものでは、第２図及び第３図に明示
する如く該シリンダ錠１４を囲繞する該キヤツプ
本体３の周壁部に、周方向一側の隙間を存して略
全周に亘る凹溝１５を穿設し、該凹溝１５を上面
のシールラバ１６で覆うと共に、その内部に該凹
溝１５の周方向一端側から他端側に向つて下方に
傾斜する該ラバ１６と一体のガイド壁１７を設け
てその下側の空間で該気液分離室４を形成するも
のとし、又該凹溝１５の周方向両端の周方向間隙
に、該燃料タンク１の内圧上昇で開く排気弁１８
を挿設する凹孔１９と、該凹孔１９内を該気液分
離室４の一端上部に連通する連通孔２０とを形成
し、更に該分離室４の他端上面の該ラバ１６にブ
リーザ孔２１を形成して、該タンク１内を該排気
弁１８と該連通孔２０と該分離室４と該ブリーザ
孔２１とを介して外気に連通する該ブリーザ通路
５を構成するものとした。

該液室６は、該キヤツプ本体３の下端を筒状に
形成し、これに下方から蓋体２２を嵌着して構成
するもので、該分離室４にその他端底部の透孔２
３を介して連通されるようにし、該蓋体２２で構
成される該液室６の底壁の下面を該壁面６ａとし
て、これに環状に該弁座部９を形成し、その内周
に該液室６に連る該排液孔８の複数個を穿孔する
と共に、その略中央部に該排液弁７の該ピン部７
ｂを下方から嵌挿し、該膜部７ａが該タンク１の
内圧でその周縁部において該弁座部９に下方から
密着されるようにした。該膜部７ａは、燃料たる
ガソリンに対しての耐久性の有る例えばポリエチ
レン樹脂製の薄膜フイルムで構成する。

尚、図示のものでは該壁面６ａに該排液弁７を
囲繞して下方にのびる筒部２４を突設し、該筒部
２４の下端に該排液弁７の落下を防止する受蓋２
５を嵌着した。該受蓋２５は、該タンク１内の液
面が波立つたときに、これが該排液弁７に直接作
用するのを防止する障壁としての役割りも果す。

図面で２６はシリンダ錠１４を覆う開閉自在の
上蓋を示す。

次いでその作動を説明するに、排液弁７は、そ
の膜部７ａが燃料タンク１の内圧で常時は弁座部
９に密着されて閉じられた状態に存するため、内
圧の上昇によれば該タンク１内からの排気は排気
弁１８を介して気液分離室４の一端に導入され、
該室４内を他端側に向つて流れる間に気液の分離
が行われて、空気のみがブリーザ孔２１から外部
に排出され、分離された液体燃料は液室６に流入
してこれに貯えられるが、この場合本考案によれ
ば該排液弁７を閉じ側に押圧するのは該タンク１
の内圧のみであるから、該排気弁１８を介しての
排気で内圧が低下すると軽い力で開弁され、従つ
て該液室６内の燃料の貯溜量が少量でも該排液弁
７の開弁即ち該膜部７ａの下動を生じて、燃料は
該タンク１内に戻され、結局該液室６は小容積の
もので足りることとなる。

この様に本考案によるときは、排液弁７を燃料
タンク１の内圧で弁座部９に密着される弁体とし
ての膜部７ａを備えた膜式の弁で構成するもの
で、ブリーザ通路５を介しての排気に伴う内圧低
下により液室６内に少量の燃料が溜つた段階で該
排液弁７が開弁されて燃料は該タンク１内に戻さ
れ、該液室６内に多量の燃料が溜ることがなく、
これを小容積のものとしてキヤツプ本体３に無理
なく組込むことが出来る効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の１例の截断側面図、第２図
は第１図の−線截断面図、第３図は第２図の
−線截断展開図である。 １……燃料タンク、２……注入口、３……キヤ
ツプ本体、４……気液分離室、５……ブリーザ通
路、６……液室、６ａ……壁面、７……排液弁、
７ａ……膜部、７ｂ……ピン部、８……排液孔、
９……弁座部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃料タンク１の注入口２に嵌着されるキヤツプ
   本体３に、該タンク１内を外気に連通する中間の
   気液分離室４を有するブリーザ通路５と、該分離
   室４で分離された燃料を受ける液室６とを形成
   し、該液室６内の燃料を排液弁７を介して該タン
   ク１内に戻すようにした燃料タンクのキヤツプ装
   置において、該排液弁７は、弁体を構成する膜部
   ７ａとその中央部に突設したピン部７ｂとで構成
   されるものとし、該液室６の該タンク１内に臨む
   壁面６ａに排液孔８とその周囲の弁座部９とを形
   成し、該ピン部７ｂを該壁面６ａに摺動自在に嵌
   挿して、該タンク１の内圧で該膜部７ａが該弁座
   部９に密着されるようにしたことを特徴とする燃
   料タンクのキヤツプ装置。