JPS6018060Y2 - 製茶粗揉機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、揉乾胴内で熱風を供給しながら茶菓を撹拌
・揉捻せしめる製茶粗揉機に関するものであり、特に揉
乾胴内への熱風を供給する仕方に関するものである。

従来は、揉乾胴の背面はぼ中央にひとつの熱風吹出口を
穿つと共に、該背面上部に一体的に装着した熱風供給ダ
クトの底面を傾斜させ該吹出口下辺まで伸ばし、熱風供
給ダクトに供給される熱風を、傾斜せしめたダクト底面
に沿って該吹出口から吹き出させているが、吹き出た熱
風は竹だくを敷き詰めた揉乾胴の揉底面に沿って流れそ
のまま揉乾胴上部あるいはその天井を越えて抜けてしま
うので、主軸のまわりの茶菓の撹拌部には新しい熱風が
吹き込まれず、折角茶菓を撹拌しても熱風の通気が悪く
て乾燥が進みにくく、乾燥時間が長引くまた茶菓が赤味
を帯びて味が落ちるなど、特に粗揉工程の後半乾燥が進
み茶菓が軽くなり撹拌手によって掬われた茶菓が主軸の
まわりに拡がって撹拌されるようになると、それらが悪
化する。

従来、特公昭４５−１５４３８号の発明のように、揉乾
胴の背面に上下２系統の冷風あるいは熱風の吹出口を設
け、冷風を回転軸の上方に向って供給し熱風茶葉揉捻部
に向って供給することにより、揉乾胴内茶菓に対して加
熱と空冷とを循環的に繰り返し行ない、茶の品質を高め
るようとするものがある。

これは、熱風あるいは冷風が揉乾胴内により広角度に広
がって茶菓の通気がよくなるが、粗揉工程生茶葉の落下
位置が大きく変化するにもかかわらず、吹き出し方向が
変化せず、また上下それぞれ送風量を変化させることが
できないから、特に粗揉工程の初期揉乾胴２の前面近く
で茶菓が撹拌されるときには上側の冷風が余分であって
下側からの熱風による加熱をさまたげるものとなるなど
、結局、茶菓に応じた効率の良い乾燥が行なわれない等
の欠点のあるものである。

この考案は、上記の問題点に鑑みなされたものであって
、揉乾胴の背面に上下２段の熱風吹出口を形威し、上側
の熱風吹出口に装着したダンパーによって熱風を上下２
つの熱風吹出口に自在に分配して、揉乾胴内には茶菓の
状態変化に応じた適宜な方向と角度で熱風を吹き出し得
る製茶粗揉機を提供し、茶菓を効率良く乾燥させると共
に、茶の品質を向上させることを目的とする。

図面に基いてこの考案の実施例を説明すると、１は粗揉
機フレーム、２は上部を方形の撹拌部ａ下部を半円筒形
の揉底部すとした揉乾胴、３は揉底す上に敷き詰めた竹
だく、４は多数の撹拌手５及び揉手６を放射状に装着し
揉乾胴２中央部に回転自在に横架せしめた主軸、７は揉
乾胴２の天井となる金網、８は揉乾胴２の背面上部に一
体的に装着せしめた熱風供給ダクトである。

９，１０は背面板１４に上下平行に穿った熱風吹出口で
あり、上側の吹出口９にはその下辺を気侭とし外部ハン
ドル１２によって傾斜角度自在にせしめた開閉ダンパー
１１が装着され、下側の吹出口１０の下辺にはダクト８
の底面８′が４５〜６０度はどの傾斜で達している。

ダクト８は上下の吹出口９，１０より上側で熱風発生機
Ａと連通し、またダンパー１１が閉じた状態から９０度
近く開いたときダンパー１１がダクト８を塞ぎこのとき
下側の吹出口１０からは熱風が供給されない。

揉乾胴２中に投入された茶菓は、熱風を受けつつ撹拌手
５によって掬い上げられ撹拌されまた揉手６によって竹
だく３上で揉捻されるが、投入されたばかりの茶菓は水
分が多くて重く、揉捻されることによって多量の水分が
茶菓表面に滲出しまた揉乾胴２の前面近く１５で撹拌さ
れるので、ダンパー１１を閉じ、従来の粗揉機のように
下側の吹出口１０から竹だく３面に沿って熱風を供給す
る。

茶菓が次第に乾燥して来る粗揉工程の中期には、茶菓が
次第に軽くなって撹拌手５によって掬い上げられた茶葉
が揉乾胴２の前面近く１５から主軸４の上部１６の間で
主として撹拌されるようになるので、ダンパー１１を３
０〜４５度はど開いて、上側の吹出口９から主軸４のま
わりの撹拌部１６に、また下側の吹出口１０から竹だく
３面に沿ってそれぞれ熱風を供給する。

揉手６と竹だく３との間に挟まれて揉捻された茶菓内部
から滲出した水分は竹だく３に沿って流れる熱風によっ
て、また該前面近く１５から撹拌部１６で撹拌される際
には吹出口９から主軸４部に向って吹き込む熱風、及び
竹だく３に沿って吹き込む熱風によって極めて効果的に
乾燥が進行する。

茶菓は熱風の通気が良いので、鮮かな緑を保ち、風味の
失われることが少なくなる。

粗揉工程後期には、茶菓の水分が少なくなって軽くなり
、茶菓が竹だく３上で揉捻されてもその内部水分の滲出
が少なくなるので、供給する熱風量を粗揉工程初期の状
態から３０〜５０％はど少なくすると共に、ダンパー１
１を６０度ぐらいま”で開き供給する熱風の大部分を上
側の吹出口９から主軸４のまわりの撹拌部１６に向って
吹き出す。

軽くなった茶菓は撹拌手５によって主軸４のまわりの撹
拌部１６全体に拡がって撹散され、そこに新しい熱風が
必要十分に供給されるので、熱風の通気が極めて良く、
′うわ乾きヨすることなく鮮緑色で風味を保った粗揉葉
が得られる。

乾燥が進み茶菓の重量が半分はどになると、粗揉機中か
ら取り出し次の揉捻機の工程に送る。

この考案では、揉乾胴２における熱風吹出口を上下二段
に設けているので、茶葉が揉捻されて内部水分が滲出す
る竹だく３上にも、また茶菓が掬い上げられて撹散する
主軸４のまわりにもそれぞれ熱風が供給され、熱風の通
気不足で茶菓が赤味を帯びて味が落ちるなどということ
がなくなる。

また、上側の吹出口９に角度調節自在のダンパー１１を
装着することによって、主軸４のまわりの撹拌部１６へ
の熱風供給が必要となる粗揉工程の中・後期に必要量だ
け容易に供給でき、茶菓の風味を失わず茶菓を鮮緑色に
保つ効果が高い。

さらにダンパー１１を９０度近くまで開くとダクト８を
閉鎖するので、上下の吹出口９，１０はそれぞれ別個の
状態で熱風を供給出来、またダクト８を上下吹出口より
も上側で熱風発生機Ａと連絡させることによって、熱風
発生機Ａから供給される熱風を揉乾胴２内における茶葉
の動きまた茶菓の乾燥状態に合わせて、上下の吹出口９
，１０から適切に割り振ってそれぞれ供給することが出
来る。

以上この考案は茶菓の状態に適合させて熱風を吹き込む
粗揉機を提供するものであり、茶菓に対する熱風の通気
が優れているので茶菓の乾燥時間を短かくできると共に
茶菓を鮮緑色に保ちその風味も損うことはなく茶の品質
を向上させるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の粗揉機を示す右側面縦断面図、第２．第
３図はこの実施例を示す右側縦断面図、正面切欠図、第
４．５．６図はそれぞれ粗揉工程初期、中期、後期にお
ける茶菓の状態（動き）また熱風の流入状態を示す右側
断面図である。 ２・・・・・・揉乾胴、８・・・・・・熱風供給ダクト
、９・・・・・・上側熱風吹出口、１０・・・・・・下
側熱風吹出口、１１・・・・・・ダンパー、１４・・・
・・・背面板、Ａ・・・・・・熱風発生機、１３・・・
・・・茶葉。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背面板を境にして揉乾胴の背面上部に配設した熱風供給
   ダクトと、揉乾胴の長手方向に沿って背面板に上下２段
   に穿設した上下の熱風吹出口と、上側の熱風吹出口の下
   辺に軸支し外部より傾斜角度調節自在に開閉可能とした
   ダンパーとからなり、該ダンパーを９０度近くまで開口
   させたときに該ダンパーが熱風供給ダクトから下側の熱
   風吹出口に至る熱風の流路を閉鎖してなる製茶粗揉機。