JPS5838390Y2 - 穀物乾燥機の通風装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は穀物乾燥機の通風装置の改良に関する。

通風乾燥部の上部に調質槽を搭載すると共に、その一側
に昇降機を立設して穀物循環行程を形成してテンパリン
グ乾燥を行う特公昭４９＝４６７４３号のような乾燥装
置を、連続乾燥を必要とする麦乾燥に利用した場合は、
高水分の麦粒が調質槽内に蒸れ状態で長時間溜留するた
め しばしば発芽粒・くされ粒・熱損粒等を生ずる欠点
を有していた。

本考案は、上記した従来のテンパリング乾燥機に特有の
通風装置を設けることにより、正常な籾のテンパリング
乾燥と、連続乾燥による麦乾燥との切換実施を可能にし
、また穀粒中に混入する軽量夾雑物を吸集排除して乾燥
斑の発生を防止する高性能な装置を提供することを目的
とする。

本考案を実施例図について説明すると、図中１は通風乾
燥部であり、その上部に調質槽２を搭載して箱形状の乾
燥機体３を形成し、その一側に昇降機４を立設して一体
的に形成した循環式穀物乾燥機である。

前記通風乾燥部１は、機体の内部中央に火熱発生機５を
備えた熱風室６を立設し、鉄車６の両側にその下端に排
出バルブ７．７を軸着した乾燥室８．８をそれぞれ装設
し、これら各室６，８の下部に流穀槽９を装架し、その
底部に排出用コンベア１０を設けると共に、該コンベア
１０を昇降機４の供給口部４ａに連絡し、また前記乾燥
室の面外側にそれぞれ排風室１１．１１を設けて下部の
風路１２により連絡し、前記熱風室６で発生した熱風は
乾燥室８．８を横切って排風室１１．１１にそれぞれ流
れ、更に機体３に設けた排風機１３によって機外に排出
するように形成しである。

前記調質槽２は、土壁部の中央に分散盤１４を吊設し、
鉄盤１４と昇降機吐出口部１５を給穀用コンベア１６に
よって接続し、また槽内底部に漏斗状の流穀壁１７・・
・・・・を設けて各乾燥室８，８に連絡し、槽内の側壁
部には、その上部を閉鎖すると共に、その下部を開放し
た山形状板体から成る通風筒１８または１９を、複数列
、複数段に亙って上下交互に縦横に配置して横設し、奇
数段の通風筒１８・・・・・・を前記調質槽２側壁に設
けた絵風窓２０・・・・・・に、また偶数段の通風筒１
９・・・・・・を前記調質槽２側壁に設けた排風窓２１
・・・・・・にそれぞれ連結し、また前記調質槽２の土
壁部の排気口２５を設けて該排気口２５と前記各排風窓
２１・・・・・・を開閉弁２２を備えた排風路２３によ
って排風機２４に連結して通風装置を形成し、なお前記
開閉弁２２の設定位置は図示したものに限定されること
なく、排風口２５・・・・・・に連絡する風路を開成し
て使用する場合もある。

上述の構成であるから、籾原料のテンパリング乾燥（胴
割粒の発生する恐れのある）を実施する場合は、昇降機
４を介して籾を上部の調質槽２に供給し、火熱発生機５
に点火して高温熱風（約５０℃）を発生すると共に、調
質槽２上部の排風機２４を停止して該装置を比較的に低
速で回転する。

調質槽２の籾は下部の乾燥室８，８に流下して穀物層を
形成し、該穀物層は熱風室６がら排風室１１に横方向に
流れる高温熱風によって乾燥され、また乾燥室８．８下
端の排出バルブ７．７の回転により乾燥籾は流穀槽９に
間欠的に排出され、その乾燥籾は底部の排出用コンベア
１０および昇降機４、給穀用コンベア１６を介して上部
の調質槽２に揚穀返還してテンパリングされ、また所定
時間後に再び各乾燥室８，８に流下して乾燥され、謂ゆ
る循環式テンパリング乾燥を実施することができる。

なお、前記排風機２４および排風装置１８，１９．２３
はその乾燥作用とは別個に、給穀作用時に原料穀物に混
在する塵埃、夾雑物を排除するために使用したり、また
籾乾燥と同時に排風機２４を運転して調質槽２の土壁部
に設けた排気口２５の風路のみを開成して分散盤１４に
よって飛散する穀粒から混入する軽量の夾雑物を吸集し
て機外に排除するために使用される。

次に、テンパリングを用しない麦類等の熱風乾燥（胴割
粒の発生する恐れのない）を実施する場合は、排風路２
３の開閉弁２２を開放し上部の排風機２４と該装置を共
に起動する。

原料麦は昇降機４によって揚穀して調質槽２に供給され
る。

その間、排風機２４の吸引力によって槽２向上部に設け
た分散盤１４によって飛散する穀粒から混入する軽量の
夾雑物を前記排気口２５を介して吸集すると共に、調質
槽２内を流下する穀粒に対しても混入する夾雑物を槽内
に横架した複数個の通風筒１９・・・・・・によって吸
集して排除する。

次に火熱発生機５に点火して高温熱風（約６０℃）を発
生して該装置を比較的に高速で回転すると、調質槽２の
麦は下部の乾燥室８，８を介して連続的に流下し、前述
した籾と同様に乾燥されると共に、排出バルブ７．７の
回転によって比較的に高速に排出されて上部の調質槽２
に揚穀して返還される。

該調質槽２では、機外からの常温風が絵風筒１８・・・
・・・から排風側の通風筒１９・・・・・・に流れて槽
内穀物を通風乾燥し、また所定時間後に各乾燥室８．８
に流下して熱風乾燥されると共に、数回次前記流勤行程
を循環し通風乾燥と熱風乾燥を連続的に実施して所定含
水率の穀物に乾燥される。

このように本考案の穀物乾燥機の通風装置は、通風乾燥
部の上部に調質槽を搭載すると共に、その一側に昇降機
を立設して穀物循環行程を形成した乾燥装置において、
前記調質槽の内部に、その上部を閉鎖すると共に、その
下部を開放した山形状板体から成る通風筒を複数列・複
数段に互って上下交互に縦横に配置して横設し、奇数段
の通風筒を前記調質槽側壁に開口した絵風窓に、また偶
数段の通風筒を前記調質槽側壁に開口した排風窓にそれ
ぞれ連結し、また前記調質槽の土壁部に排気口を設けて
該排気口と前記各排風窓を開閉弁を備えた排風路によっ
て排風機に連結したので、調質槽内の穀粒は通風乾燥さ
れるから、前述した発芽粒、くされ粒、熱損粒の発生が
防止されて連続乾燥を必要とする麦乾燥を実施でき、前
記通風筒によって調質槽が堅牢化されて装置全体の大型
化を促進でき、また排風路に設けた開閉弁の開閉操作に
より、籾のテンパリング乾燥と、連続乾燥による麦乾燥
との切換実施を可能にし、併せて、穀粒中に混入した軽
量夾雑物が吸着排除され穀粒層の通気性が向上して穀粒
の乾燥斑を完全に防止できる等の効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例図である。 第１図は本装置の正断面図、第２図はその側断面図であ
る。 １・・・・・・通風乾燥部、２・・・・・・調質槽、３
・・・・・・乾燥機体、４・・・・・・昇降機、４ａ・
・・・・・供給口部、５・・・・・・火熱発生機、６・
・・・・・熱風室、７・・・・・・排出バルブ、８・・
・・・・乾燥室、９・・・・・・流穀槽、１０・・・・
・・排出用コンベア、１１・・・・・・排風室、１２・
・・・・・風路、１３・・・・・・排風機、１４・・・
・・・分散盤、１５・・・・・・昇降機吐出口部、１６
・・・・・・給穀用コンベア、１７・・・・・・流穀壁
、１８・・・・・・通風筒、１９・・・・・・通風筒、
２０・・・・・・絵風窓、２１・・・・・・排風窓、２
２・・・・・・開閉弁、２３・・・・・・排風路、２４
・・・・・・排風機。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 通風乾燥部の上部に調質槽を搭載すると共に、その一側
   に昇降機を立設して穀物循環行程を形成した乾燥装置に
   おいて、前記調質槽の内部に、その上部を閉鎖すると共
   にその下部を開放した山形状板体から戊る通風筒を複数
   列、複数段に亙って上下交互に縦横に配置して横設し、
   奇数段の通風筒を前記調質槽側壁に開口した絵風窓に、
   また偶数段の通風筒を前記調質槽側壁に開口した排風窓
   にそれぞれ連結し、また前記調質槽の土壁部に排気口を
   設けて該排気口と前記各排風窓を開閉弁を備えた排風路
   によって排風機に連結したことを特徴とする穀物乾燥機
   の通風装置。