JPS60627Y2 - 穀物乾燥機の通風調節装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は穀物乾燥機の通風調節装置の改良に関する。

通常、循環式穀物乾燥機においては、供給された穀物が
乾燥室に充満した後、穀物槽内に熱風室から熱風の吹き
抜け、あるいは穀物槽内から排風室に吸風されることの
ないある一定の穀物層が穀物槽内に形成されるところを
最低張込み位置として表示し、張込んだ穀物が最低張込
み位置に到達せぬ少量である場合には斑乾燥となって胴
割粒などの損傷を招くこと、あるいは燃料の無駄な消費
などから乾燥を実施することができない。

しかし、高水分の穀物を張込んだままの状態に放置する
と発熱のため変色等の被害粒となるので常温による送風
運転を行い、別のロットの穀物の補充を待って正常乾燥
運転に移行するものであり、その間の送風運転に無駄な
動力を消費するものである。

本考案は、上記問題点を解決するために乾燥室上側部に
設けた傾斜壁を多孔壁面に形威し、排風室上部に設けた
傾斜壁の多孔壁面にその通気を遅閉または流通させる切
換用開閉弁を設けて前記乾燥室の乾燥行程を適宜に短縮
または延長できるように形成し、穀物槽内に穀物量が最
低張込み量に満たぬ少容量である場合には、傾斜壁の多
孔壁面の通気を開閉弁により遅閉して乾燥室の乾燥行程
を短縮し、所定容量の穀物量のときには傾斜壁の多孔壁
面に通気するよう開閉弁を操作して乾燥室の乾燥行程を
延長し、それぞれに効率的な穀物乾燥作用を実施するよ
うにし、もって常に良質の乾燥穀物を確実にかつ迅速に
量産する装置を開発し提供せんとするものである。

本考案を実施例図について説明すると、第１図は通風乾
燥部１に穀物槽２を上載して乾燥機体３を形威し、該機
体３の一側に昇降機４を立設して穀物循環行程を設けた
循環式の穀物乾燥機である。

前記通風乾燥部１は、その内部中央に設けた熱風室５の
両側にそれぞれ流下式乾燥室６，６を装架し、また各乾
燥室６，６の円外側にそれぞれ排風室７，７を装設して
これら各室５・・・、６・・・、７・・・を並立状に配
置する。

流下式乾燥室６，６の両側壁部は、その上端部を漏斗状
の傾斜壁８・・・、８・・・に、またその主体部を直立
状の通気壁９・・・、９・・・にそれぞれ形成し、前記
傾斜壁８・・・、８・・・の内、外方側の傾斜壁上端部
を穀物槽２の壁部にそれそれ連結すると共に、内方側の
傾斜壁上端部を相互に交叉状に連結し、前記通気壁９・
・・、９・・・の下端部は、下部に設けた排出口部１０
，１０の壁部にそれぞれ連結し、各排出口部１０，１０
内には排穀用バルブ１１，１１がそれぞれ軸設しである
。

また、通風乾燥部１の下側部に漏斗状の流穀槽１２を装
架し、前記バルブ１１から排出される穀粒をその底部に
横設した排出用スクリューコンベヤ１３によって昇降機
４の下部供給口部に搬入し、昇降機４て揚穀された穀粒
は供給用スクリューコンベア１４によって穀物槽２に搬
入するように形成腰 １５は乾燥機体３に設けた排風機
である。

そこで本考案の通風調節装置であるが、前記流下式乾燥
室６，６の両側に設けた直立状の各通気壁９，９の上端
部から隣設する熱風室５および排風室７，７のそれぞれ
の上部方向に延長した各傾斜壁８，８を多孔壁面１６ａ
、１６ｂ、１６ｃ。

１６ｄに形成すると共に、前記排風室７，７上部に設け
た傾斜壁８，８の多孔壁面１６ａ、１６ｄの通気を遅閉
または流通させる切換用開閉弁１７．１７をそれぞれ設
けである。

前記開閉弁１７の構造は、開閉板１８を各多孔壁面１６
ａ、１６ｄの上端部に枢着し、また機体３に設けた操作
杆２０を回動して機体３内壁に軸設した回軸２１を介し
てカム部１９を回転させ、該カム部１９の回転により前
記開閉板１８，１８が左右に回動して各多孔壁面１６ａ
、１６ｂを閉塞または開放させて流下式乾燥室６，６の
乾燥行程を短縮または延長するように形成しである。

上述の構成であるから、上部の穀物槽２において、原料
穀物が図上右半部Ａに示すように多量のときは、操作杆
２０，２０を回動して各開閉弁１７．１７をそれぞれ開
口状態にしてその通風乾燥行程の全長を延長し、熱風を
発生して該装置を駆動すると、流下式乾燥室上側部の漏
斗状に形成した多孔壁面１６ｃ、１６ｄ内の穀物層に乾
燥用熱風が一点鎖線ａで示す矢印方向に流れて上部の穀
粒を予備乾燥し、またこの穀粒は所定間隔に形成した乾
燥室６，６の各通気壁９，９間に流下して正常な通風乾
燥が行われる。

この延長された通風乾燥行程によって予備乾燥が実施さ
れ極めて効率的な連続乾燥作用により良質の乾燥穀物に
調整される。

しかしながら、原料穀物が図上左半部Ｂに示すように少
量のときは、前記開閉弁１７を開口状態にしておくと、
穀物槽２内のテンパリング等で生ずる多湿且低温の空気
が図上点線Ｃで示す矢印方向に流れ、二点鎖線すで示す
矢印方向の熱風室５から排風室７，７への通気が弱くな
り乾燥室６゜６の熱風室５と排風室７，７側とには穀粒
に斑乾燥を生ずる恐れがある。

そこで原料穀物が少量のときは、直ちに操作杆２０，２
０を回動して開閉弁１７，１７を閉塞状態にしてその通
風乾燥行程の全長を短縮し、多孔壁面１６ａ、１６ｄの
通気を遮断した状態で乾燥作用を実施すると、熱風室５
の乾燥用熱風は図上二点鎖線すで示す矢印方向に流れ、
前述の穀物槽２からの空気は阻止されて穀粒は各乾燥室
６，６のそれぞれの通気壁９，９間の短縮された通風乾
燥行程で確実な通風乾燥が行われるから、穀物槽２内か
らの多湿低温の空気の流通もなくまた乾燥室６，６内で
の斑乾燥を生ずることなく、良質の乾燥穀物に調整され
る。

このように本考案の通風調整装置は、穀物槽に供給され
た原料穀物の穀量の多少に応じて直ちに切換用開閉弁を
操作することにより、穀物槽に穀量の多いときは開閉弁
を開成し、通風乾燥行程を拡大延長して乾燥能率を増大
できると共に、その穀量の少ないときは開閉弁を閉或し
、通風乾燥行程を短縮して穀物槽からの多湿低温の風ａ
流入を阻止して乾燥室内における斑乾燥の発生を防止で
き、しかも構造は簡潔で製作・取付を簡易化できると共
に、切換操作を簡単に実施でき、穀物量に応じた通風乾
燥作用により良質の乾燥穀物を確実に且迅速に量産でき
る等の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は本装置の立話面
図、第２図はその要部を拡大した斜視図である。 １・・・・・・通風乾燥部、２・・・・・・穀物槽、３
・・・・・・乾燥機体、４・・・・・・昇降機、５・・
・・・・熱風室、６・・・・・・流下式乾燥室、７・・
・・・・排風室、８・・・・・・傾斜壁、９・・・・・
・通風壁、１０・・・・・・排出口部、１１・・・・・
・排穀用バルブ、１２・・・・・・流穀槽、１３・・・
・・・排出用スクリューコンベア、１４・・・・・・供
給用スクリューコンベア、１５−−−−−−排風機、１
６，１６ａ、１６ｂ、１６ｃ、１６ｄ・・・・・・多孔
壁面、１７・・・・・・切換用開閉弁、１８・・・・・
・開閉板、１９・・・・・・カム部、２０・・・・・・
操作杆、２１・・・・・・回軸、Ａ・・・・・・右半部
、Ｂ・・・・・・左半部、ａ・・・・・・一点鎖線、ｂ
・・・・・・二点鎖線、Ｃ・・・・・・点線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 流下式乾燥室、熱風室、排風室を並立状に内蔵した通風
   乾燥部に穀物槽を上載して乾燥機体を形成し、該機体の
   一側に昇降機を立設して穀物循環行程を設けた乾燥装置
   において、前記流下式乾燥室の両側に設けた直立状の各
   通気壁上端部から隣設する熱風室および排風室のそれぞ
   れ上部方向に延長した各傾斜壁を多孔壁面に形威すると
   共に、前記排風室上部に設けた傾斜壁の多孔壁面の通気
   を遅閉または流通させて前記乾燥室の乾燥行程を短縮ま
   たは延長する切換用開閉弁を設けたことを特徴とする穀
   物乾燥機の通風調節装置。