JPS6017546Y2 - 電磁ブレ−キの手動開放装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はばね圧により制動板を駆動し、回転体の制動
を行う電磁ブレーキの手動開放装置に関するものである
。

この種電磁ブレーキにおいては、電磁装置を付勢するこ
とにより回転体の制動が開放されるが、停電時あるいは
保守点検時に電源を切った場合には手動開放装置により
制動を開放する。

第１図、第２図は以上のような手動開放装置を備えた従
来のものを示すもので、図において１は励磁コイル２を
巻装した固定鉄心、３は固定鉄心１と軸方向空隙を介し
て対向する可動鉄心、４は固定鉄心１の内周部を支持す
る固定リング、５は固定リング４の内周部にねじ込まれ
、外側部に多角形頭部５ａを形成した調整ねじ、６は固
定リング４に調整ねじ５を固定する固定ねじ、７は可動
鉄心３を支持する可動支持板、８は可動支持板７の内周
部にねじ込まれるブレーキ板、９は調整ねじ５と可動支
持板７間に設けられ、可動支持板７を軸方向に押圧する
制動ばね、１０は固定鉄心１の側部を支持する側板、１
１は電動機のブラケット、１２は側板１０、ブラケット
１１間の外周部をおおうブレーキ胴、１３は側板１０、
ブラケット１１を連結する支持ボルト、１４は回転軸、
１５は回転軸１４に固定されるハブ、１６はハブ１５と
一体に回転し、軸方向に可動なブレーキライニング、１
７は支持ボルト１３により回転が阻止され、軸方向に可
動な停止円板である。

以上のように構成され、固定鉄心１に巻装された励磁コ
イル２を付勢することにより、可動鉄心３は固定鉄心１
に吸引され、ブレーキ板８、ブレーキライニング１６、
停止円板１７間の摩擦による制動トルクが解消され、回
転軸１４は回転自在となる。

つぎに回転軸１４が回転中に励磁コイル２を消勢すると
固定鉄心１による電磁吸引力が解消し、ブレーキ板８は
可動支持板７を介して制動ばね９に押圧され、ブレーキ
板８、ブレーキライニング１６、停止円板１７間の摩擦
により制動トルクが発生し、回転軸１４は停止する。

また、手動により制動状態を開放する場合は、固定ねじ
６を取外し、調整ねじ５の頭部５ａにスパナ−（図示せ
ず）を掛けて、調整ねじ５を回転させることにより調整
ねじ５は図において圧力に移動し、ブレーキ板８に加わ
る制動ばね９の押圧力を解消させることにより、回転軸
１４は回転自在となる。

以上のように動作するが、手動開放時にスパナ−を必要
とすることと、制動ばね９のばね圧を解消させるために
は制動ばね９を自由長となるまで伸張させる必要があり
、調整ねじ５の移動距離が長くなるため作業性が悪い欠
点があった。

この考案は上記の欠点を改善することを目的とするもの
で、簡単な操作により制動の開放を行うことができる電
磁ブレーキの手動開放装置を提供するものである。

以下、この考案の一実施例を第３図、第４図により説明
する。

図において第１図、第２図と同一符号は同一または相当
部分を示し、１８は調整ねじ５を軸方向に貫通し、外周
部に案内ねじ１８ａを形成した開放ロッド、１９は開放
ロッド取付けられ止めねじにより固定可能に軸着された
バンドル、２０はバンドル１９を調整ねじ５に固定する
固定ね腰２１は開放ロッド１８の案内ねじ１８ａに螺合
し、端部に突起などの係合部２１ａを設けた駆動ナツト
で、駆動ナツト２１の外周は角形に形成され、可動支持
板７の内周部の角穴に挿入することにより、回転が阻止
される。

以上のように構成され、励磁コイル２の付勢による制動
の開放動作ならびに励磁コイル２の消勢による制動動作
については従来のものと同様であるので説明は省略する
。

つぎに手動により制動の開放を行う場合は、固定ねじ２
０のみを緩めてバンドル１９を所定の方向に回転するこ
とにより、駆動ナツト２１は矢印Ａの方向に移動し、駆
動ナツト２１の突起２１ａは制動ばね９のばね圧に抗し
て可動支持板７を同一方向に移動させる。

この時、上記ばね圧により開放ロッド１８には矢印Ａと
反対方向の力が作用するが、バンドル１９が調整ねじ５
に当接するので、開放ロッド１８は矢印Ａと反対方向に
は移動しない。

したがって、バンドル１９を所定の方向に回転すること
により、可動支持板７を矢印Ａ方向に移動させることが
できる。

なお、この考案では固定ねじ６は皿ねじなどを使い、バ
ンドル１９と調整ねじ５とが当接する面には突起物をな
くし、バンドル１９が調整ねじ５に当接しても、バンド
ル１９の回転には支障がないようにしである。

その結果ブレーキ板８とブレーキライニング１６間に間
隙が生じ、回転軸１４に加えられる制動力が解消し、回
転軸１４は回転自在となる。

次に、バンドル１９と開放ロッド１８とを固定している
止めねじを緩め、さらに固定リング４と調整ねじ５とを
固定する固定ねじ６を緩めてバンドル１９を回すと、調
整ねじ５と開放ロッド１８及びバンドル１９と開放ロッ
ド１８は回転方向及び軸方向何れもフリーとなり、可動
支持板７と駆動ナツト２１の突起２１ａとの間隙を変化
させることなく、ブレーキトルクの調整ができる。

すなわち、ブレーキトルクの調整時に上記間隙が変化す
ると、ブレーキの手動開放時に、バンドル１９の回転数
が多くなったり、あるいは上記間隙が電磁石吸引ストロ
ークより小さくなって、制動時にばね９の押圧力がブレ
ーキ板８に十分作用せず、制動不足となったりする可能
性があるが、本考案によれば上述の欠点を生ずることな
くブレーキトルクの調整ができる。

なお、第３図に示す状態はブレーキトルクが最大に調整
された状態を示し、上述のようにしてバンドル１９を回
して行くに従い、つまり固定リング４の端面と調整ねじ
５のつばの部分との間に隙間が生じ、その隙間が大きく
なるにつれて、ブレーキトルクは段々小さくなって行く
。

又固定リング４に設けられた、固定ねじ６が螺合するめ
ねじの深さは、第３図に示す状態でも固定ねじ６が充分
締め付けられただけの深さにしておく。

以上のようにこの考案によるときは、バンドルの操作に
より制動ばねを圧縮し、ブレーキ板とブレーキライニン
グ間に間隙を形成するようにしたので、開放ロッドの軸
方向の移動は少くてすみ、操作性のすぐれた手動開放装
置を提供することができる。

さらに、本考案によれば手動開放とトルク調整を、互に
影響することなく単独に行なうことができるという効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来例を示し、第１図は縦断面図、第
２図は側面図、第３図、第４図はこの考案の一実施例を
示し、第３図は縦断面図、第４図は側面図である。 図において、同一符号は同一または相当部分を示し、１
は固定鉄心、３は可動鉄心、５は調整ねじ、７は可動支
持板、８はブレーキ板、９は制動ばね、１４は回転軸、
１８は開放ロッド、１８ａは案内ねじ、２１は駆動ナツ
ト、２１ａは突起である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定鉄心を支持する支持体の内周部に螺合して軸方向に
   進退できると共に固定ねじにより上記支持体に固定可能
   な調整ねじと、可動鉄心を支持する可動支持板との間に
   制動ばねを設け、上記制動ばねにより上記可動支持板に
   取付けられた制動板を押圧し、回転体を制動する電磁ブ
   レーキの手動開放装置において、上記可動支持板の内周
   部に回り止めされて軸方向に移動可能に挿入支持され、
   かつ上記可動支持板との保合部が設けられた駆動ナツト
   と、上記調整ねじを軸方向に貫通すると共に、上記駆動
   ナツトを送るための案内ねじが上記可動支持板側に設け
   られた開放棒の上記案内ねじと反対側に上記調整ねじを
   挾んで、止めねじにより固定可能に軸着されると共に、
   上記調整ねじともねじにより固定されたハンドルとを備
   えたことを特徴とする電磁ブレーキの手動開放装置。