JPS60164923A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、磁気記録媒体に関し、特に耐久性および走行
安定性の優れた磁気記録媒体に関する。

磁気記録媒体、特、に磁気テープは、ドラム、固定ポス
ト等と接触しながら走行するために、摩擦係数が小さく
、長時間にわたり安定に走行することが必要である。ま
た回転磁気へントを使用しているＶＴＲ装置においては
、ヘッドとの摩擦が大きく、非常に高い耐久性を有する
磁気記録媒体が必要とされる。

このような要求に応えるために、従来より磁性層中に、
高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、ジメチルシリコーン
オイル、変性シリコーンオイルなどの潤滑剤成分を存在
させることが提案されている。しかしながら、これらの
従来の潤滑剤を含む磁性層は、走行性、耐久性ともに、
必ずしも満足のゆくレベルには達してはいなかった。そ
の原因は、次のように考えられる。

すなわち、高級脂肪酸においては、活性なカルボキシル
基が磁性層中の磁性粉末に吸着しやすく、磁気記録媒体
表面への進出が少ないため潤滑能力が発揮され難い。脂
肪酸エステルは、バインダー成分との相溶性もよく、優
れた潤滑剤であるが、磁性層中に多く含まれる磁性粉を
主体とする無機成分との親和性が悪く、したがって、磁
性層中に均一に存在し難く、均一な潤滑能力を発揮する
ことが困難となる。またジメチルシリコーンオイルおよ
び変性シリコーンオイルは、摩擦係数の低減に効果があ
るが、パインターとの相溶性が比較的悪く、磁性層表面
から脱離しやすい。従って初期特性は優れているものの
、長期的な信頼性に問題がある。

本発明の目的は、上述した事情に鑑み、走行安定性が良
好で且つ耐火性の優れた磁気記録媒体を提供することに
ある。

本発明者らの研究によれば、サリチル酸アルキルエステ
ルを潤滑剤として用いることか、上記目的の達成のため
に極めて効果的であることが見出された。

本発明の磁気記録媒体は、このような知見に基づくもの
であり、より詳しくは、非磁性支持体上に、強磁性体粉
末をバインダー中に分散させてなる磁性層が形成された
磁気記録媒体において、上記磁性層が、一般式 す）で表わされるサリチル酸アルキルエステルを含むこ
とを特徴とするものである。

なお上記したサリチル酸アルキルエステルは、それ自体
は、香料、湿布剤等として公知であるが、磁性層中に添
加した際に優れた作用を発揮することは、本発明者等に
よりはじめて見出されたものである。上記サリチル酸ア
ルキルエステルの配合により、所望の効果が得られる理
由は必ずしも明らかでないが、次のように考えることが
できる。すなわち上記したサリチル酸アルキルエステル
は、分子内にベンゼン環、アルキル基、水酸基を有する
ため、従来の脂肪酸エステル、シリコーンオイル等の潤
滑剤に比べて、磁性層中の磁性粉等の無機物およびバイ
ンダー等の有機物のいずれに対しても相溶性ないし親和
性がよく、磁性層中に均一に存在しやすい。また、無機
物に対して活性な水酸基を有しているものの、次式（２
）で示すように６員環状の分子内水素結合を形成してい
るため、水酸基の極性が適度に緩和されており、従来の
高級脂肪酸のように磁性粉に強く吸着してしまうことが
ない。このため適度の潤滑作用を永続的に発揮すること
ができる。

以下１本発明を更に詳細に説明する。以下の記載におい
て組成を表わす１％」および「部」は特に断らない限り
重量基準とする。

本発明の磁気記録媒体の構成は、上記したサリチル酸ア
ルキルエステルを使用することを除けば、従来の金属粉
末塗布型磁気記録媒体のそれと特に異るものではない。

すなわち、本発明の磁気記録媒体は、基本的には、非磁
性支持体上に、バインダー中に強磁性体粉末を分散させ
た磁性層を形成してなる。

非磁性支持体としては、通常、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリカーボネート、ポリアセテート、ポリアミド
、ポリイミド、などの比較的耐熱性の良好なプラスチッ
クの厚さ３〜２０．程度のフィルムが好ましく用いられ
るか、その他必要に応じて、上記のようなプラスチック
のシート（厚さ３０〜１００ｇｍ）、紙、非磁性金属箔
なども用いることができる。

磁性層は、上記したような非磁性支持体上に、必要に応
じて、コロナ処理、プライマー処理などの接着強化処理
を行ったのち、塗布により形成されるが、場合によって
は、予め用意した仮支持体北に形成した磁性層を上記し
たような非磁性支持体に転写して形成することもできる
。

本発明の磁気記録媒体の磁性層は、基本的には強磁性体
粉末と」１記したサリチル酸アルキルエステルとバイン
ダーと゛からなる。

強磁性体粉末としてはγ−Ｆｅ２０．．．Ｆｅａ０４　
、ｙ−Ｆｅ３０４　、ＣｒＯ２等の酸化物、あるいはＦ
ｅ、ＣＯ２Ｎｉ等を主成分とする強磁性合金等の平均粒
径が０．０５〜０，５に程度の粉末が用いられる。

バインダーとしては、それ自体皮膜形成性に優れるとと
もに、上記した強磁性体粉末を均一に分散させ得る熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂、あるいはこれらの混合物が好
ましく用いられ、たとえば塩・化ヒニルー酢酸ビニル共
重合体あるいはその部分ケン化物、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−マレイン酸共重合体、ニトロセルロース、ポリウ
レタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリ
ル樹脂などの一種又は二種以上の混合物が用いられる。

また必要に応じて架橋剤成分を添加することもできる。

これらバインダーは、固形分として上記した強磁性体粉
末・１００部に対し１０〜４０部の範囲で用いられる。

本発明で用いられるサリチル酸アルキルエステルは、前
記式（１）で表わされ、サリチル酸と対応するアルコー
ルから容易に合成することができる。またＸＲは、炭素
数１〜３０の直鎖または分岐差のアルキル基であり、好
ましくは炭素数が６〜１８程度のものが用いられる。炭
素数が小さい範囲では可塑性が大であり、また炭素数が
過大であると、潤滑能力か低下する。これらサリチル酸
アルキルエステルは、磁性層中に、強磁性体粉末１００
部に対して０．５〜１０部の範囲で含ませることか好ま
しい。０．５部未満では添加効果が乏しく、１０部を超
えて添加するとその可塑化効果が大きくなり、磁性層の
耐久性が低下する。

磁性層には、上記した成分以外にも、必要に応じて、Ａ
ｌ２Ｏ８やＣｒ２Ｏ３などの研摩材、帯電防止剤、界面
活性剤あるいは分散剤等の助剤を添加してもよく、また
従来の潤滑剤を補助的に併用することもできる。

本発明の磁気記録媒体は一般に、上記したサリチル酸ア
ルキルエステル、バインダーおよび磁性粉末に、必要に
応じて更に公知の潤滑剤、分散剤、研摩材等を加え、溶
剤とともに分散、混練して得られた磁性インキを、必要
に応してコロナ放電処理等の接着強化処理を施したポリ
エステルフィルム等の非磁性支持体上に慣用法により塗
布し、配向処理ならびに乾燥後、必要に応じて更に硬化
反応を行ない、厚さが１〜１０部程度の磁性層を形成す
ることにより得られる。

上記したように本発明によれば、いわゆる塗布型の磁気
記録媒体において、磁性層に、強磁性体粉末とともにサ
リチル酸アルキルエステルを潤滑剤として配合すること
により、走行安定性が良好で且つ耐久性の優れた磁気記
録媒体が得られる。

以下、実施例、比較例により本発明を更に具体的に説明
する。

支り涜」 強磁性金属粉末（Ｆｅ−Ｎｉ　−１００部Ｃｏ合金、長
径０．２５ｇｍ、 軸比０．８Ｈｃ１４５０　０ｅ） 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニル　１５部アルコール共
重合体（平均重合度４００、重合比９１／３／６） ポリウレタンエラストマー　１０部 α−Ａ１２０３　（研摩材）　５部 レシチン　（分散剤）　１部 メチルエチルケトン　１２０部 トルエン　１２０部 サリチル酸ｎ−オクチル　２部 （上記式（１）でＲ＝　（ＣＨ２）？　ＣＨａ　）上記
組成の混合物をサンドグラインターにて混合分散を行っ
た。次に なるポリイソシアネート架橋剤を５部添加し、十分に撹
拌して、磁性塗料を得た。

こうして得られた磁性塗料を厚さ１０４ｍのポリエステ
ルフィルム上に塗布し、配向処理、乾燥工程を経た後に
、カレンダー処理を施し、表面の平滑化を行って、厚さ
約３ｇ、ｍの磁性層を形成した。５０°Ｃで２４時間放
置した後に所定の幅に裁断して、磁気テープを得た。

削口Ｂ 実施例１において、サリチル酸ｎ−オクチルの代わりに
、サリチル酸ｎ−ドデシル（Ｒ＝−（ｃＨ２）　１１　
ＣＨｇ　）を用いる以外は同様にして、磁気テープを得
た。

支蓋皇」 実施例工において、サリチル酸ｎ−オクチルの代わりに
、サリチル酸ｎ−ヘキサデシルを用いる以外は同様にし
て、磁気テープを得た。

埼較潰」 実施例１において、サリチル酸ｎ−オクチルの代わりに
、オレイン酸を用いる以外は同様にして磁気テープを得
た。

埼絞箸」 実施例１において、サリチル酸ｎ−オクチルの代わりに
、ブチルステアレートを用いる以外は同様にして、磁気
テープを得た。

埼較涜」 実施例１において、サリチル酸ｎ−オクチルの代わりに
、ジメチルシリコーンオイルを用いる以外は同様にして
、磁気テープを得た。

こうして得られた各種の磁気テープに関して、＋５°Ｃ
におけるスチル特性、及び４０℃、８０％ＲＨにおける
１００回の繰り返し走行試験における動摩擦係数の変化
、出力低下、表面傷つき状態の判定を行なった。その結
果を、まとめて次表に一去一 上表において、スチル特性は、＋５°Ｃの環境下で１分
間１８００回転する４　０　ｍ　ｍ径のドラムに取付け
られた磁気ヘッドにより磁気テープの所定箇所を摺動さ
せ、酸ロー画像が著しく劣化するまでの時間（分）を示
す。また繰り返し走行試験後の磁性層の傷つき状態は、
目視観察により以下の基憎で評価した。

（Ａ）゛はとんど傷がない。

（Ｂ）小さな傷が少量確認できる。

（Ｃ）大きな傷が確認できる。

（Ｄ）大きな傷が非常に多く確認できる。

上表の結果を見れば本発明の実施例にかかる磁気記録媒
体は、走行安定性および耐久性が改善されていることが
容易に理解できよう。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 非磁性支持体上に、強磁性体粉末をバインダー中に分散
   させてなる磁性層が形成された磁気記録媒体において、
   上記磁性層が、一般式 （ここでＲは、炭素数１〜３０のアルキル基を示す）で
   表わされるサリチル酸アルキルエステルを含むことを特
   徴とする磁気記録媒体。