JPS6016373B2 - ペロブスカイト型鉛含有複合酸化物の製造方法 - Google Patents

ペロブスカイト型鉛含有複合酸化物の製造方法

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JPS6016373B2
JPS6016373B2 JP55181317A JP18131780A JPS6016373B2 JP S6016373 B2 JPS6016373 B2 JP S6016373B2 JP 55181317 A JP55181317 A JP 55181317A JP 18131780 A JP18131780 A JP 18131780A JP S6016373 B2 JPS6016373 B2 JP S6016373B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規を特性を有するべロプスカィト型鉛含有複
合酸化物、特にチタン酸鉛ジルコニウム酸鉛及びチタン
酸ジルコニウム酸鉛の製造方法に関し、より詳細には微
細な粒径、比較的大きい比表面積及び微細なべロプスカ
ィト型結晶構造を有し、セラミックの用途に使用したと
き極めて優れた暁結性を示すチタン酸鉛、ジルコニウム
酸鉛チタン酸ジルコニウム酸鉛等鈴含有複合酸化物の製
造方法に関する。
べロプスカィト型結晶構造を有するチタン酸鉛、ジルコ
ニウム酸鉛及びチタン酸ジルコニウム酸鉛は、譲軍体セ
ラミック、氏電体セラミック、焦電体セラミックス、抵
抗体セラミック、半導体セラミック等の分野に広く使用
されている。
このような鉛含有複酸化物を合成する最も一般的な製造
方法は、酸化鉛成分と二酸化チタン成分とを高温で固相
反応させる所謂酸化物法から成っている。しかしながら
このような固相反応によって得られる生成物を、X線回
折に賦すると、チタン酸鉛に特有のX線回折像の他に、
原料の一酸化鉛や二酸化チタンに特有のX線回折像を示
し、組成的に極めて不均質であるという欠点を有してい
る。このために、固相反応で得られる複合酸化物におい
ては、この生成物を粉砕し、再度焼成するという複雑で
費用のかかる操作を反復しなければならない。更にこの
固相反応性で得られた複酸化物は、高温での熱履歴をう
けていることに関連して、粒僅か粗大で他の原料や副原
料との均密漁和性に欠け、反応・性にも劣るという欠点
を有している。固相反応法における上記欠点を改善する
ために、溶液法でチタン酸鉛を製造することも既に知ら
れている。
その代表的な方法は、米国特許第3,352,632号
明細書に記載されている通り硝酸チタニル等を硝酸鉛、
酢酸鉛等の水溶性鉛塩とシュウ酸を含有する水性媒体中
で反応させて、複合シュウ酸塩を形成させ、この複合シ
ュウ酸塩を700qC以上の温度で熱分解してチタン酸
鉛を得ることから成っている。この方法では、チタン酸
鉛の製造に際して、700qo以上の高温での加熱によ
り粒子の成長が促進され、目的物の粒蓬の粗大化及び不
均一化が生じるという欠点を免れない。また、特公昭5
4−1867び号公報には、四塩化チタンや、硝酸チタ
ンの如き水熔性チタン塩と、硝酸鉛等の水溶性鉛液とを
含有する溶液に、過酸化水素を添加すると共に、アンモ
ニア等のアルカリを添加してpH3以上に保持すること
により、複合過酸化物を沈殿させ、この複合過酸化物を
100℃以上の温度で加水分解して無定形のチタン酸鎖
を製造することが開示されている。この方法では、比較
的低い温度で比較的均質な無定形チタン酸鉛が得られる
という利点が達成されるが、この無定形チタン酸鉛は非
常にポーラスなゲルの形態を有しており、セラミック用
原料としての用途には未だ十分満足し得るものではない
即ち、チタン酸鉛をセラミックとするには、チタン酸鉛
粒子が密に充填された成形体にする必要があり、このた
めには、チタン酸鉛が微細な粒子であることが要求され
るが、前述した酸化物法によるものは粒度が粗く、また
溶液法によるものは1次粒蓬が微細であるとしても凝集
による粗大粒子を形成しやすく、しかも粉砕性も乏しい
ため、上述した要求を満足させ難い。
更に、公知のチタン酸鉛原料は何れも、セラミックへの
焼結時に著しい粒成長を生じ、この粒成長により成形体
は破壊するという欠点がある。
かくして、従来のチタン酸鉛セラミックの製造において
は、マンガン、亜鉛、ランタン等の酸化物を粒成長抑制
剤として配合し、上述した粒成長を抑制している。本発
明者等は、一酸化鉛と水和型チタン酸、或は水和型ジル
コニウム酸とを水性媒体中に分散させて蝿梓下に水熱反
応させると、微細な粒蓬、比較的大きい比表面積及び微
細なべロブスカィト型結晶構造を有するチタン酸鉛等の
鉛含有複合酸化物が得られること及びチタン酸鉛等はセ
ラミックの製造に際して成形も容易であり、更に競給も
比較的低い温度で可能であると共に、驚くべきことに暁
結時における異状な粒成長がなく、粒成長抑制剤の配合
ないこもセラミックへの焼結が可能となることを見出し
た。
本発明によれば、一酸化鉛と、7乃至35の水和度を有
する水和型チタン酸及び水和型ジルコニウム酸から成る
群より選ばれた水和物の少なくとも1種とを水性媒体中
に分散させて灘伴下に水熱反応させ、水性媒体中でべロ
ブスカィト型結晶構造の鉛含有複合酸化物を生成させる
ことを特徴とするべロブスカィト型鉛含有複合酸化物の
製造方法が提供される。
本発明は、一酸化鉛と水和型チタン酸及び水和型ジルコ
ニウム酸の少なくとも1種とが水熱条件下に反応して、
ベロブスカィト型微結晶の鉛含有複合酸化物を与えると
いう新規知見に基ずくものである。
従釆、チタン酸鉛等のべロブスカィト型鉛含有複合酸化
物を形成させるには、一般に55000以上の結晶化温
度が必要とされていた。
即ち、酸化物法では、一酸化鉛と酸化チタンとが600
oo以上の温度で固相反応すると同時にべロブスカィト
型結晶構造への結晶化が進行する。また、溶液法では、
一且形成した無定形チタン酸鉛或いはチタン酸鉛前駆体
が550q0以上の温度でべロブスカィト型結晶構造へ
転移する。これに対して、本発明では、常態では水に不
落の一酸化鉛と水和型チタン酸或いは水和型ジルコニウ
ム酸とが110乃至200こ○のような比較的低い温度
で反応し、しかもべロブスカィト型結晶の鉛含有複合酸
化物を与えるのである。
本発明において、一方の原料として使用する一酸化鉛は
その水性サスペンションpHが9.5乃至10.8で示
されるように塩基怪物質である。
他方の原料である水和チタン酸、水和ジルコニウム酸は
その名前から明らかな通り酸であり、かくして、本発明
における反応は、水熱条件下での酸−アルカリ反応とい
うことができる。一方の原料である一酸化鉛としては、
乾式法或いは湿式法による一酸化鉛が何れも使用される
この一酸化鉛は、所謂リサージ型もしくはリサージ型の
結晶構造のものでも、また含水一酸化鉛の結晶構造のも
のであってもよい。乾式法による一酸化鉛としては、粒
径が1乃至loAmの範囲にあるものが適しているが、
特に粒径を7rの以下となるように分級した一酸化鉛を
使用すると、セラミック基剤の用途に特に適したべロブ
スカィト型鉛含有複合酸化物が得られる。本発明方法に
おいては、特に緑式法による一酸化鉛を用いることが望
ましい。
この湿式法一酸化鉛は、米国特許第4,117,104
号明細書に記載されている通り、8.3乃至9.2夕/
ccの真の密度、0.2ミクロン以下の一次粒径、波数
1400乃至1410凧‐1に赤外線吸収ピーク、及び
94%以上の無水クロム酸反応率を有するものであり、
粒径の微細さ及び反応性に優れている。この一酸化鉛原
料は、金属鉛の粒状物と液体媒体と酸素ガスとを回転ミ
ル内に充填し;液体媒体で湿潤された金属鉛の粒状物の
少なくとも一部が液体媒体の液面よりも上方の気相中に
露出し且つ金属鉛の粒状物が液体媒体中で相互に摩擦し
合う条件下に前記回転ミルを回転3させ、これにより一
酸化鉛の超微細粒子を液体媒体中に分散された分散液を
形成させ;金属鉛の粒状物から前記分散液を分離し、所
望により前記分散液から生成する一酸化鉛を微粉末の形
で回収することにより製造される。
3他方の原料として使用する水和チタン酸或いは水和
ジルコニウム酸は、式M02・mH20 式中MはTi又はZrを表わし、nは7乃至35の数、
特に10乃至25の数である 4で表わされる
組成を有するものであり、水にコロイド分散乃至は微粒
化分散する性質を有するものであり、0.01乃至3ミ
クロンの粒径を有し、7乃至35の水和度nを有する微
粒状水和物である。
本発明に好適に使用される水和型チタン酸はQ−チタン
酸と一般に呼ばれるものである。これらの水和型チタン
酸或いは水和型ジルコニウム酸は単独でも、或いは組合
せでも使用することができる。上述した一酸化鉛原料と
水和型チタン酸乃至は水和型ジルコニウム酸とは、ベロ
ブスカィト型の複合酸化物を形成し得る量比、即ち実質
上等モル量で反応させる。この際、ベロブスカィト型の
複合酸化物が形成されるという範囲内で、一酸化鉛原料
の一部、特に20モル%以下の量を、カルシウム、マグ
ネシウム、バリウム、ストロンチユウム、ランタニゥム
等の金属成分の水酸化物で層換えて使用することができ
、またチタン酸或いはジルコニウム酸原料の一部、特に
20モル%以下の量を、マンガン酸、ニオブ酸、タング
ステン酸、イリジウム酸等で層換えて使用することがで
きる。本発明によれば、上述した原料を水性媒体中に分
散させて鷹枠下に水熱反応を行う。水性媒体中に分散さ
せる原料の濃度は特に制限はないが、縄梓の容易さ及び
反応器の容量等の見地からは、5乃至4の重量%の範囲
が適当である。水熱反応は、圧力容器中に両原料の水性
分散液を供給し、10000よりも高い温度、特に11
0乃至200ooの温度、最も好適には120乃至15
000の温度に加熱することより行なわれる。上述した
温度よりも低いときには、ベロプスカィト型結晶の生成
が有効に行われず、一方温度があまり高くても格別の利
点はなく、かえって圧力が向上するので反応温度は20
0℃以下とするのが有利である。反応時の圧力は、水の
自生圧力であるが、所望によって空気、窒素等により加
圧しても差支えない。本発明においては、この水熱反応
時に、両原料の水性分散液を楓拝することが極めて重要
であり、鷹梓を行わない場合には、反応が不均一に行わ
れる結果として、ベロブスカィト型結晶の収率が低下す
る。
反応時間は、原料の種類によっても多少相違するが、一
般に30分間乃至5時間程度の比較的短かし、時間で十
分である。
反応をバッチ式にも連続式にも行うことができ、前者の
場合には例えば縄梓機付オートクレープ等を使用し、ま
た後者の場合には雛梓羽根或いは多数の分配板を備えた
パイプ式連続リアクター等を使用することができる。
かくして、本発明によれば、水熱反応により、粒径が著
しく微細で、比表面積が大であり、しかもべロプスカィ
ト型微結晶から成る鉛含有複合酸化物を直接形成させる
ことができる。
しかも、本発明によれば、用いる原料が一酸化鉛とチタ
ン酸及び/又はジルコニウム酸とのように、全て反応性
成分から成り、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオ
ン、酸イオン等の可溶性イオンを全く含有していないた
め、生成物がこれらのイオンで汚染されるのを防止でき
ると共に、洗浄等の精製操作も一切不要となるという利
点がある。得られる複合酸化物は、必要により乾燥し、
或いは850qo迄の温度に焼成して種々の用途に用い
得る。
本発明による微結晶べロプスカィト型鉛含有複合酸化物
は、従釆セラミック基剤として使用されているものに比
して新規ないくつかの特徴を有している。
即ち、本発明による鉛含有複合酸化物は、実質上、式P
b0・M02 式中MはTi及び/又はZrを表わす で表わされる組成のべロブスカィト型微結晶から成り、
Cu−KQX線回折ピークにおける最強回折線の半値中
が回折角△20で0.30度以上であり、0.5ミクロ
ン以下の1次粒径と5〆/タ以上のBET比表面積を有
している。
添付図面第1図は、本発明による鉛含有複合酸化物の微
結晶チタン酸鉛のX−線折像であり、その1ーー図は2
5q○での減圧乾燥物及び1一2図は85000での仮
焼物のX−線回折像を示す。
このX−線回折像から、本発明による鉛含有複合酸化物
は、べロブスカィト型の結晶構造を有することが理解さ
れる。一般に、結晶子が微細になれば、X−線回折ピー
クの高さは低くなるが、この回折ピークの半値中△2の
ま増大することが知られている。しかして、本発明によ
る鉛含有複合酸化物が、第1図のX−回折像に示すよう
に、最強回折線の回折ピークにおける半値中△28が0
.30度以上であるという事実は、結晶子が著しく微細
であることを示している。しかも、本発明による鉛含有
複合酸化物は、非晶質の複合酸化物を殆んど含有するこ
となく、実質上全てがべロブスカィト型の微結晶から成
っていると信じられる。第2図は、従釆の溶液法による
無定形のチタン酸鉛及び従来の酸化物法による酸化チタ
ン一酸化鉛混合物A及び本発明による微結晶チタン酸鉛
8の示差熱分析曲線を示す。この第2図から、従来法に
よるチタン一鉛複合系は500〜520qoに結晶化に
伴なう発熱ピークを示すのに対して、本発明により水熱
合成で得られたままのチタン酸鉛においては、かかる発
熱ピークは全く認められず、結晶子がほぼ完全に形成さ
れていることが了解される。水熱反応により得られたま
まの鉛含有複合酸化物は、前記回折ピークにおける半値
中△20が0.7度以上である。しかも第3図は本発明
による鉛含有複合酸化物のチタン酸鉛の走査形電子顕微
鏡写真を示し、この第3図から本発明による鉛含有複合
酸化物は前述したべロブスカィト型微結晶を有すると共
に、粒径が0.5ミクロン以下であり、更にBET比表
面が5〆/タ以上、特に10〆/タ以上であるという特
徴を有する。
公知方法では、粒径が1ミクロンよりも小さし、べロプ
スカィト型酸化物を得ることは到底困難であり、また非
晶質のものや、前駆体に場合には比較的大きい比表面を
有するとしても、ベロプスカィト型の結晶に転化すると
、その比表面積は5〆/夕よりもかなり4・さし、値と
なる。これに対して、本発明による鉛含有複合酸化物は
、結晶でありながら、5〆/タ以上、特に10〆/タ以
上の大きな比表面積を有することが顕著な特徴である。
本発明による鉛含有複合酸化物は、上述した特性を有す
ることにより、セラミックの製造に用いたとき、予想外
の顕著な作用効果を示す。
先ず、この複合酸化物は1次粒径が微細でしかも表面活
性が大きいため、1次粒子が柔かく凝集した2次粒子の
形で存在し、そのためプレス成形、押出成形、テープキ
ャスト、ホットプレス等の手段で容易に所望形状のセラ
ミック構造体に成形できる。しかも、この鉛含有複合酸
化物は、1次粒径が微細で、表面活性が大であり、しか
もべロブスカィト型結晶構造となっているため、900
乃至1000℃の低温で競結可能であり、このような低
温の焼鯖で、繊密で機械的強度に優れたべロブスカィト
型セラミック体を形成できる。本発明による鉛含有複合
酸化物から形成されるセラミック体は理論密度の96%
以上職.5%にも達する密度を有する。更に、本発明に
よる鉛含有複合酸化物は、上述した優れた焼結特性を有
し、低温で焼結可能であることにも関連して、焼結時の
粒成長が著しく抑制され、例えば粒成長抑制剤の配合な
しにも、諸特性に優れたべロブスカィト型セラミック体
を得ることができる。本発明による鉛含有複合酸化物は
、ベロブスカィト型結晶でありながら、粒座が微細で表
面活性が大であるという性質を利用して、セラミック以
外の用途、例えば排ガス浄化用触媒、電極触媒等の分野
にも有利に使用し得る。
本発明を次の例で説明する。
実施例 1 一酸化鉛と微粒状の水和型チタン酸及び同じく*微粒状
の水和型ジルコニウム酸とを水性媒体中に分散させ、縄
梓下に水熱仮応させて特異な物性を保持した超微細結晶
のべロブスカィト型鉛含有複合酸化物を製造する方法と
その物性について説明する。
原料一酸化鉛は、米国特許第4,117,104号公報
明細書記載の湿式ミル法により調製された活性一酸化鉛
の水性スラリー3種類を選んだ。
また他の一酸化鉛として、特公昭37−11801号特
許明細書記載の乾式法により調製された一酸化鉛粉末を
選んだ。
ここに選んだ計4種の一酸化鉛(Pの)の特性を下記第
1表に示す。
第1表 原料微粒状水和型チタン酸は、特開昭54−54914
号および袴開昭54−80297号公開特許公報記載の
方法により調製されたチタンの硝酸溶液、および市販試
薬の硫酸チタン(TiOS04)と四塩化チタン(TI
C14)の各酸溶液を、アンモニア性アルカリによる加
水分解による加水分解により調整された微粒状の水和型
Q−チタン酸を選んだ。
ここに選んだ計3種類の水和型Q−チタン酸の特性を下
記第2表に示す。第 2 表 なお、第1表ならびに第2表に示した物性測定は下記の
方法にしたがった。
1 頁密度 ピグノメーターにベンゼン溶液を入れ満杯にし、重量W
および備付けの温度計で温度Tiを測定する。
次いでベンゼンを払出し、サンプルを所定量(M(夕)
)加え、更にベンゼンを添加し、減圧デシケーターに入
れ、真空ポンプで3吻虹g減圧を3時間行いコックを締
め真空ポンプをはずし、温度Tiになるようにして一晩
放置する。コックを開きピグノメーターを取出し、ベン
ゼンを補充して満杯にし重量W′及び温度Tiを測定し
下記の式(川こて算出する。船:サンプル密度 【 d:Ti。
Cに於けるベンゼンの比重2 数平均粒径 日本電子(株)製スーパースコープ型(JEM−50)
電子顕微鏡を用い、コロジオンーカーボン蒸着膜にて、
水ペースト法にてサンプリングし、1,000〜3,0
0“音の倍率で、200〜300ケの粒子の大きさを測
定し、その各粒子の大きさの数平均よりその平均粒子隆
一を求めた。
3 金属鉛含有量 JISK−1456(リサージの定量法)託敷の方法に
準拠して、酢酸不港分則ち金属鉛分を定量し、その含有
量を(%)をもって表示した。
4 クロム酸反応率 2そのビーカーに、水500の‘を張り込み、この中に
試料の酸化鉛粉末69.06夕を糟秤して、ゆっくりと
良く縄拝しながら投入し、充分水中に分散せしめ、次い
でこの分散液を65q0に加溢する。
一方で調製された無水クロム酸の水溶液(30.94夕
/100凧【水)100の‘を濃伴下に、ゆっくりと3
0分間の時間を要して注加し、さらに65℃に保持し、
礎拝して60分間熟成を行いクロム酸鉛の結晶を生成せ
しめる。次いで、柚.3の炉紙にてクロム酸鉛の結晶を
炉遇し、水にて洗浄し、ここに生成したクロム酸鉛を1
10℃で乾燥し、このクロム酸鉛として固定されたクロ
ム酸量を無水クロム酸(Cの3)量(夕)で定量分析し
、この結果からのこの固定されたクロム酸(Cr03)
量(夕)(AC)と、使用した原料のクロム酸(Cr0
3)量(夕)(TC)との比から、次式糊よりRC=A
T/TC×100(%) ・・・・・・‘2’
クロム酸反応率(RC%)を求めた。
5 赤外線吸収スペクトル測定 日本分光工業(株)製(IR−G型)赤外線吸収スペク
トル測定装置を用い減圧真空下(3側Hg)400kg
/の加圧下の条件でKBr錠剤成型器で成型し、4,0
00〜400弧‐1の波長領域で吸収スペクトルを自記
回折させた。
なお、吸収スペクトルの回折ピークの強度を下記6段階
のシンボルで表示した。
VS:最強 S:強 M:普通 W:弱 b:微小 sh:極小 6 X−線回折測定 理学電機(株)製のX−線自記回折装置(X−線発生装
置はCatM.2001、ゴニオメーターは広角度のC
at地.2227、ブロポーショナル・カウンター)を
使用し、試料を下記の回折条件に従って、粉末測定法に
より測定した。
回折条件 ターゲット Cuフイル
ター Ni電圧
3皿V電流
18hA力ウンタ・レンジ
50比pS高圧電圧
1450Vタイム・コンスタント
ISeCチヤート・スピード 1肌/mln
スキヤニング・スピード lo/min回折角度
(28) 170〜60.50スリツト中
10一10一0.37 酸化鉛の組成分析
JISK1456(リサージの定量法)記載の方法に準
拠して、その組成分析を行った。
なお本明細書においては、水性スラリーが対象試料とな
ることが多いが、特記しない限り、組成はすべて乾燥物
基準の重量%で表わした。(7−1)一酸化鉛(Pの) 試料を糟秤し、一方水分を測定し、その水分換算後、(
試料が粉末の場合はあらかじめ、水で潤した。
)6規定の酢酸を加え、加熱し、溶解した後、冷却し、
アンモニア水および緩衝液で、その試料液のpHを5.
0〜5.5になるように調製した後、キシノールオレン
ジを指示薬として、1/20モル濃度のEDTA(エチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム)溶液で滴定して、一
酸化鉛(Pの)の含有量(%)を乾燥物基準で求めた。
(7−2)光明丹(Pは04) 上記(7−1)の一酸化鉛の場合と同様にしてサンプリ
ング後、6規定の酢酸と酢酸ナトリウムとで試料を溶解
せしめ、次いで一定量の1/1咳算定のチオ硫酸ナトリ
ウム溶液を加えておき、一定時間後、デンプン溶液を指
示薬にして、1/1礎規定ヨウ素溶液で逆滴定して、光
明丹(PQC4)の含有量(%)を乾燥物基準で求めた
(7−3)不純物(Fe,Cu) 上記(7−1)の一酸化鉛の場合と同様にしてサンプリ
ング後、硝酸と過酸化水素水を加えて溶解せしめ、蒸発
乾固を繰り返して得た試料調整液をJISKO120“
原子吸光分析方法通則”に準拠して、Fe(鉄)および
Cu(銅)を定量し、その含有量を乾燥物基準(柳)で
求めた。
8 水和度(n) ,M○・NH20式中の水和度(n)は、減圧度500
肋Hgでの減圧炉過ケーキの約熱減量を式中のMOIモ
ル数当りの水分モル数で表示し定義した。
原料水和型ジルコニウム酸は、袴開始払一54914号
公開特許公報記載の方法により調製されたジルコニウム
の硝酸溶液および市販試薬のオキシ塩化ジルコニウム(
ZのCI2)の各酸溶液を前記した各チタンの酸溶液中
に所定量割合混合もしくは単独でアンモニア性アルカリ
による加水分解により調整された微粒状の水和型ジルコ
ニウム酸を選び、それぞれ硝酸塩系を(ZN)及び塩酸
塩系を(ZC)として表わし、それぞれの水和型ジルコ
ニウム酸の特性と共に下記の第3表に示した。
第3表さらに、べロブスカィト型チタン酸鉛もしくはチ
タン酸ジルコニウム酸鉛中に共存させる他の金属成分の
原料としてマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)
、バリウム(母)、ストロンチウム(Sr)マンガン(
Mn)、タングステン(W)、インジウム(ln)、ラ
ンタン(La)およびニオブ(Nb)の各硝酸塩を市販
試薬の中より選び、それぞれ第6表に示す所定量割合に
予じめ、各チタンの酸溶液もしくは、各チタンージルコ
ニゥムの混合酸溶液中に溶解混合せしめた後、アンモニ
ア性アルカ川こより加水分解し、次いで、水を用い水洗
浄しアンモニア成分を除去してそれぞれ目的の金属成分
を含有した水和型チタン酸もしくは水和型チタン酸ジル
コニウム酸の微粒状各水和物を調製した。
各べロブスカィト型チタン酸鉛、チタン酸ジルコニウム
酸鉛の製造方法は、下記の方法に従った。
なお第5表には各試料中の成分を各べロフスカィト型結
晶組成に相当するチタン酸鉛成分(PT)、ジルコニウ
ム酸鎖成分(PZ)、穣合べロプスカィト型成分(P(
B.&))、及びPTの鉛成分を一部他成分に置換して
なるチタン酸鉛成分((PA)T)から、それぞれなる
ものとして表示した。製造条件としては、第4表に表示
した範囲内で任意に選ぶことができる。
第4表 べロブスカイト型微結晶鉛含 有複合酸化物の製造条件 べロブスカイト型微結晶鉛含 有複合酸化物の製造条件 ・ なお、本発明を明確にするための比較例として、前
記した原料以外にチタン成分原料としては、市販のアナ
ターゼ型酸化チタン(Ti02)粉末、市販の水酸化ジ
ルコニウム(Zr(OH)4)および硝酸鉛(Pb(N
03)2)、オキシ硝酸チタン(Ti0(N03)2)
、オキシ硝酸ジルコニウム(Zr0(NQ)2)を選び
、それぞれの原料番号を第5表に表示した。
第 5表 べロプスカィト型鉛含有複合酸化物の具体的製造法とし
ては、第6表に示すべロプスカィト型成分種のモル割合
にしたがって調製された前記微粒状各水和物を、各々2
そのイオン交換水と共に縄伴機付き、ステンレス製容器
(内容積5そ)に探り、加溢することなく室温にて50
仇pm以上の高速鰹梓下に均質な微粒状水和物スラリー
を調製する、一方、前記一酸化鉛のスラリー(LW−1
、LW−2、LW3)もしくは一酸化鉛粉末(LD−1
)を水中に分散せしめて、400夕/夕濃度の一酸化鉛
スラリ−を予じめ調製した。
次いでスチームジャケット付ステンレス製縄梓型のオー
トクレープ(内容積5夕)に、上記微粒状水和物スラリ
ーと−酸化鉛スラリーを礎梓下に混合し、14500に
加熱し、1時間水熱処理して、界面団相反応をほどこす
ことによって、炉過性に優れたべロブスカィト型結晶の
鉛含有複合酸化物の反応生成物スラリー15種類を調製
した。
次いで、ここに得た生成物スラリーを炉過によりケーキ
として回収した後、それぞれの第6表に示す温度におい
て1.5時間を要して乾燥及び仮擁し、それぞれのべロ
ブスカィト型微結晶の鉛含有複合酸化物の微粒末2の蓮
類を得た。本発明を明確にするために、下記の方法によ
り鉛含有複合酸化物を作り比較例とした。
比較例H−1:特公昭弘−106514号特許明細書記
載の方法に準拠して、酸化鉛と酸化チタン粉末の原料を
湿式粉砕方法にて混合後第4表に示す温度で仮隣させ、
べロブスカィト型チタン酸鉛の結晶物とした。
この場合酸化物基準でPb○/Ti02のモル割合が1
の時を試料番号H−IA、モル割合が0.85の時を試
料番号H−IBとした。比較例H−2:持公昭54−1
8675号特許明細書0記載の方法に準拠し、硝酸鉛と
硝酸チタンを原料にして、さらに1ぴ音モル量に相当す
る過酸化水素と当モル量に相当する量のアンモニア水を
加え、非晶質のチタン、鉛の複合過酸化物を生成せしめ
た後、150qoの乾燥物(試料番号H−泌)と600
5℃で仮暁ごせべロブスカィト型結晶物(試料番号H−
が)とした。比較例H−3:オキシ硝酸チタン溶液を8
0oo以上に加温し、これにアンモニア性アルカリを注
加して生成せしめた水酸化物ケーキを炉過・洗浄し、こ
のチタンの水和物(原料番号TN−2)をチタン原料に
用いて、実施例の試料番号1−1の場合と同様にしてオ
ートクレープ処理による水熱処理をほどこし、チタン及
び鉛の混合物を得た。
比較例H−4:微粒状チタン水和物(原料番号TN−1
)、一酸化鉛スラリー(試料番号LW−1)および市販
の水酸化ジルコニウム(Zr(OH)4、水和度2)を
用いて、実施例の試料番号1−7の場合と同様にしてオ
ートクレープ処理による水熱処理をほどこし、チタン酸
鉛、水酸化ジルコニウム及び一酸化鉛の混合物を得た。
比較例H−5:米国特許第3,352,632号明細書
記載の方法に準拠し硝酸鉛、オキシ硝酸チタン及びオキ
シ硝酸ジルコニウムを原料にして、綾酸アンモンまたは
袴酸から複合鯵酸塩を共沈せしめ、ここに生成せしめた
英沈物を850午○で熱分解させべロブスカィト型結晶
物とした。
比較例日一6:V.M.McNamraらのCan.C
eram.Soc.Jour.34 103(′65)
の文献に準拠し硝酸鉛、オキシ硝酸チタン及びオキシ硝
酸ジルコニウムとを原料にして、アンモニアと炭酸アン
モンの混合アルカリ溶液からチタンとジルコニウムの水
酸化物と鉛の塩基性炭酸塩の共沈物を生成せしめた後8
5000で熱分解せしめ、ベロブスカイト型結晶物とし
た。
ここにそれぞれ調製したべロブスカイト型鉛含有複合酸
化物粉末について下記に示す各物性を測定し、その結果
を第6表に併せ表示した。
なお表中、結晶形を表わす記号として、ベロブスカィト
型結晶(Cp)、非晶質形(Am)及びCp以外混合物
(M広)と表わし用いた。さらに、ここに得られたべロ
ブスカィト型鉛含有複合酸化物粉末の中から1万種類を
選び、具体的用途の一例として、強議電体セラミックス
へ応用するために、下記の方法により成形後、第7表に
示した焼結条件下に暁結した成形体についてそれぞれ下
記に示す各物性を測定し、その結果を第7表に併せ表示
した。
成形方法は各鉛含有複合酸化物粉末(粉体)を約100
0kg/c海のプレス圧による一軸成型をほどこし、直
径2仇松、厚さ2帆のべレツト(成型体)を作成した。
■化学分析による組成の均一性、■走査形電子顕微鏡下
で測定した粉体及び焼結体の粒度、■X−線回折による
結晶形および(101)面の半値幅、■DTAによる構
造解折、■BET法による粉体の比表面積、■成形体及
び焼結体のカサ密度、■焼結体の硬さ、■焼給体の誘電
諸特性8項目について各々下記に示す測定法により測定
した。■ 組成の均一性各反応生成物の湿潤ケーキにつ
き、各々4点から約2夕の試料を採集し、硫酸アンモン
と硫酸とでTi分を溶解させ、常法の金属AI還元法で
Ti分を分析し、Zr分を常法のEDTA法で分析する
一方Pb分をP氏04の沈殿として炉別後、CH3CO
ONH4で溶解し、常法のEDTA法でPb分を分析す
る。
この分析値よりPのとTj02のモル比を算出し、この
モル比の値より下記の3式で定義した各試料のモル比の
平均偏差率(%)を求め、この値をもって絹成の均一性
を評価した。均−性;Mq(%)=100x=1…4 mo:各試料の調合原料中のPb○とTi02のモル比
mK:各試料の反応生成物中のPのとTi02のモル比
■ 粉体及び隣縞体の粒度各試料の乾燥及び仮暁粉体の
粒子径及びこれらの粉体を用いて成形−嫌結した競結体
中の競結粒蓬等を走査形電子顕微鏡及び金属顕微鏡下に
観察し測定した。
■ X−線回折による結晶形及び半値中 乾燥及び所定温度で1.虫時間保持し仮暁した粉末試料
につき粉末法による×−線回折を行ない、各試料の結晶
形を調べると共に、そのCu−KaX線回折ピークから
ミラー指数(101)面の半値中を△20度で求め、こ
の回折線のひろがりから各試料の結晶化度を評価した。
■ DTAによる解析理学電機(株)製卓上形DTA8
0増産層で各試料を所定温度まで1ooo/分で昇溢し
、DTA曲線を書かせ、特に本発明によって得られた粉
体と、従釆法(比較例)の酸化物法及び共沈法によって
得られた粉体とのべロプスカィト型結晶機構について、
それぞれ解析した。
■ BET法による比表面積 各粉末試料の乾燥及び仮焼粉体のBET比表面を測定を
し、その値から各粉体の有用性の1例としての鱗給に及
ぼす粉体の表面活性を評価した。
■ 成形体及び暁緒体のカサ密度各粉末試料の成形体及
び齢結体の表面をパラィンで被覆をした後、水中浮力法
でそれぞれカサ密度(p)及び(ps)を測定し、次い
で各試料の理論密度(pの)との比から、それぞれ成形
体の密度比(p/pの)及び暁結度(ps/pの)を算
出し評価した。
■ 擬結体の硬さ 暁結体の表面を紙ヤスリを用いて、よく研磨した後、A
KASHI製マイクロビッカース硬度計を用いて荷重5
00夕での暁結体の硬さを測定した。
■ 鱗結体の誘電特性各嫌結体を1肋厚に研磨した後、
両面にElKO製コーテング装置を使用してA叫喚を電
極として蒸着させ、銀ペーストで銅のりード線をつけた
次いでHEWLET−PACKERD社製のベクトルイ
ンピーダンスメータを使用して、周波数1乃至500k
H2、温度20乃至550qoの範囲で、誘電率、譲霞
損失及びキューリ点等を測定した。更らにシリコン油中
で直流IKV印加での電流測定法から競鯖体の抵抗率を
測定した。以上の結果、第6表及び第7表から明らかな
如く、鉛含有複合酸化物の従来法の一般的な製造方法で
ある酸化物法(比較例一1の試料番号H−IA及びH−
IB)、共沈法(比較例−2の試料番号H−松、H−が
、比較例‐5の試料番号H−5及び比較例−6の試料番
号H−6)及び比較例3、4の如く本発明の原料として
不適当な水和型チタン酸及び水和型ジルコン酸を用いた
比較例等を含むいかなる製造方法でも全く得ることので
きない、特異な物性を保持したべロブスカィト型微結晶
鉛含有複合酸化物の微粉末を本発明の製造方法によって
得られることが分かった。
これは本発明に用いられる原料の特徴が、一酸化鉛が微
細粒であることはもとより、Pの・M02式中のM成分
となるチタンについては微粒状の水和型チタン酸が、主
にQ−チタン酸からなること、更に同じく微粒状の水和
型ジルコニウム酸と同様に第4表に表示したチタン及び
ジルコニウム以外の成分からなる鉛舎有べロブスカィト
型結晶を作り得る同じく微粒状の各水和物が、いずれも
7乃至35の範囲の水和度(n)を持った反応活性の高
い原料であって、これによって本発明の製造方法である
水性媒体系の水熱反応下において、Pbo成分とM02
成分が、まさしくそれぞれ固体塩基成分と固体酸成分と
して水熱仮応に寄与するに十分な活性水和型原料である
ことによるものと思われる。
しかも本発明の製造方法はこれら両成分を水性媒体中に
分散させて、蝿杵下の水熱山反応下で両成分が相互に接
触して起こる界面団相反応であって、しかも生成する結
晶反応物(第1図のX線回4折図を参照)が順次水性媒
体中に剥がれ分散されると同時に、順次新たに同様の反
応が進行していくことからすると、従釆法の如く熱願歴
下に固相反応が固定状態で進行し続け−気に結晶化する
反応とは異なるため、その反応物は結晶化度の低い形の
微結晶として得られることも本発明の特徴といえる。
これは第6表に表示した如く、本発明によって得られる
結晶物のCu−KQX線回折ピークにおける最強回折線
の半値中が試料番号H−IA、及びH−波等の比較例(
従来法)の結晶物に比べ、大きな値であることからよく
理解され、しかも従来の共沈法の非晶質系の乾燥物に見
られがちな水和物による強固な凝結がなくしたがって粗
大粒は全く見られず、極めて粉化性に富み、したがって
熱履歴後においても容易に微粉末結晶物(第3図の走査
露顕写真及び第6表に表示した粒度を参照)となること
も本発明によるべロブスカィト型鉛含有複合酸化物の特
徴であり、これは本発明によって得られる結晶物には、
乾燥時に凝結する未反応水和物が全く無いことを示すも
のであって、本発明の固相反応が完全に進行することに
よるものであり、このことは第6表に表示した反応物の
組成の均質さを表わすMqの値が極めて高いことからも
容易に理解される。さらに本発明によって得られたべロ
ブスカィト型微結晶鉛含有複合酸化物の徴粉体を用いて
得られた成形体及びその締結体の物性を表示した第7表
から明らかな如く、その高い成形密度、高い焼精度、暁
絹粒子の微細さ及び高いピッカース硬さ等から、本発明
によって得られる粉体は極めて成形性に優れており、こ
の粉体を用いることによって極めて繊密な暁絹体が得ら
れることがよく理解される。
このことは、本発明によって得られる粉体は従来法にい
かなる方法によっても作り得なかった蟻縞性に優れたべ
ロプスカィト型鉛含有複合酸化物であって、その嫁結過
程で、従釆一般的に用いられる粒成長防止剤としての添
加剤を用いることなく、しかも100ぴ0以下という低
温度で繊密に競結されたことは従来法の粉体からは考え
られない驚くできことである。
より詳細には、従来の酸化物法の仮暁粉体(比較例1の
試料番号H−IA)及び共汝法(比較例‐2)の非晶質
体(試料番号日‐泌)及びその仮暁粉体(試料番号H−
斑)等と実施例−1の粉体(試料番号1一1、1一2、
1−3、1一4、1−5及び1一6)との粉体特性とを
比較すると、第6表の結果及び図1、2のX−線回折図
及びDTA曲線図から明らかな如く、本発明のチタン酸
鉛は、極めて微細な結晶粒子から成り、しかも従来のチ
タン酸鉛粉体の如く熱履歴条件下で初めて固相反応を起
こし一気に完全な結晶体になるものとは全く異なり、水
熱逆反応条件下においてすでに微細な結晶体であって、
以後の熱履歴過程においては、この微細なべロブスカィ
ト結晶が徐々に成長する過程であって、いまだ粒成長に
およんでいないことが、第1図のX線回折図及びその回
折線ピークの半値中等からよく理解されしたがって、従
来法のいかなる粉体とも異なり900℃以下の仮暁温度
範囲におよんでも、その粉体の比表面積が極めて高いこ
とが第6表からよく分る。
これらの粉体特性は第7表の焼結結果から明らかな如く
、従来法のチタン酸鉛系粉体(比較例1,2,3,4,
5及び6)には見られない暁給‘性粉体としての特性に
ほかならない。以上から本発明のべロプスカィト型微結
晶鉛含有複合酸化物の粉体は、すでに明細書本文に説明
した如く活性化焼結に必要な粉体固有の内的要因として
の特性を特徴的に満足している、まさしく焼結性べロブ
スカィト型鉛含有複合酸化物粉体といえる。船 船 し○ ○ 船 船 ■ 船
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による鉛含有複合酸化物のX−線回折像
であり、第2図は従来の溶液法及び酸化物法による鉛含
有複合酸化物及び本発明による鉛含有複合酸化物の示差
熱分析曲線であり、第3図は、本発明による鉛含有複合
酸化物の走査形電子顕微鏡写真である。 第1図 第2図 第3図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一酸化鉛と、7乃至35の水和度を有する水和型チ
    タン酸及び水和型ジルコニウム酸から成る群より選ばれ
    た水和物の少なくとも1種とを水性媒体中に分散させて
    撹拌下に水熱反応させ、水性媒本中でペロブスカイト型
    結晶構造の鉛含有複合酸化物を生成させることを特徴と
    するペロブスカイト型鉛含有複合酸化物の製造方法。 2 水熱反応を110乃至200℃の温度で且つ自生圧
    力下で行う特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 一酸化鉛と前記水和物とを実質上等モルで反応させ
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。 4 一酸化鉛が0.01乃至10ミクロンの粒子径を有
    する一酸化鉛である特許請求の範囲第1項記載の方法。 5 水和型チタン酸及び水和型ジルコニウム酸が0.0
    1乃至3ミクロンの粒径を有し、且つ10乃至25の水
    和度nを有する微粒状水和物である特許請求の範囲第1
    項記載の方法。6 水和型チタン酸がα−チタン酸であ
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。
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