JPS6014983B2 - アルミニウムの選択的太陽熱吸収被膜 - Google Patents

アルミニウムの選択的太陽熱吸収被膜

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JPS6014983B2
JPS6014983B2 JP52043439A JP4343977A JPS6014983B2 JP S6014983 B2 JPS6014983 B2 JP S6014983B2 JP 52043439 A JP52043439 A JP 52043439A JP 4343977 A JP4343977 A JP 4343977A JP S6014983 B2 JPS6014983 B2 JP S6014983B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アルミニウムよりなる基体上に選択的吸収能
のある表面被膜をつくる方法に関するものである。
太陽熱を住宅の暖房および冷房のエネルギーとして使用
することは、既に知られている。
それに必要な装置および構成は、既に技術的に実現可能
である。太陽熱によって運転される暖房装置は、適当な
気候において経済的に使用できるが、目下のところは、
熱効率、寿命および維持費について良い効率を得るため
には、多額の投資に耐えられる場合のみである。この問
題は、太陽熱収光器においては、熱装置の核心部に係る
ものである。
というのは、装置の他の部分は、公知の暖冷防装置に通
常使われている部品を用いて粗立てることができるから
である。この困難を説明するためには、先ず、太陽熱集
光器のエネルギーコストに影響を与える個々の要素、即
ち製造コスト、寿命、および工業的な効率について考察
しなければならない。
太陽熱構築器の価格は、吸収板、吸収層、瓶集器外被、
ガラスカバー、および熱交換器の価格の合計である。
吸収板の材料としては、アルミニウム又はアルマイト化
可能なアルミニウム合金が望ましい。これは、ROll
めndという商標で知られている方法によって、吸収板
の製造コストが原料コストを殆ど越えないように合理的
に完成された大規模工業的につくられる。その際、熱交
換器は、前記吸収板の中に組込まれる。太陽エネルギー
技術において興味深い他の方法は、同様にアルミニウム
を利用するヒートパイプ法である。アルミニウム吸収板
を選択的に太陽熱を吸収する被膜によって被膜するため
のコストは、効率の上昇により得られる技術的進歩より
も低くなければならない。このことは、低くて変動しや
すい運転温度の平面補集器に対しては、その選択性被膜
が簡単な非選択性の黒色化−例えば、黒色の陽極処理に
よってつくられるようなもの−よりもコストが高くなる
ことは全く許されないことを意味する。非選択性の黒色
化においては一般に2重のガラスカバーが必要であるが
、選択性被膜を用いる場合には、一つのガラス層を節約
し得るという利点がある。さらに、これによって生じる
重量の節約および装置構造の簡略化という利点もある。
太陽熱吸収器の製造および投資額と並んで、勿論、その
寿命も考慮しなければならない。金属面の長期間の耐久
性と同様に吸収層の光学的劣化も技術的に問題になる。
被膜層の価値は、被膜自体の光学的安定性だけでなく、
それが被膜している基材に対する保護機能にも依存する
。太陽熱収光器の工学的効率およびそれと同等の経済性
は、選択吸収性表面を使用することによつて明らかに向
上する。このような選択表面とは、太陽スペクトル領域
において黒として働き、それ故に太陽光に対して高い吸
収館Qを有し、そして熱放射領域においては強く反射す
る、即ち熱放散館ごが低い表面である。この作用は、こ
の場合は表面温度に依存する、即ち、この作用はすでに
60℃において顕著になる。100o0においては、一
重ガラスカバーをした選択性補集器は、非選択性補集器
の殆ど2倍の効率を有する。
このような表面特性を有する天然の材料は全く存在しな
いので、この選択性は、特別の被覆によって作られなけ
ればならない。今迄に知られている選択吸収性の表面被
覆は、干渉効果および半導体効果に基づくものである。
″干渉フィルター″の場合には、多層被膜構造中での干
渉および多重反射によって太陽光の特定のスペクトル領
域が吸収され、一方、長波長の熱線だけが高反射性の金
属基村に到達する。″半導体フィルター″は、最も簡単
なものは、金属基材と約1〜2叫こ光学的基底吸収があ
る半導体被膜よりなる2層系である。
太陽スペクトルは、この吸収限界の短波長側にあり、吸
収される。長波長の光に対しては、この場合に使われた
半導体層は、透過性であり、それ故、金属基材の低い放
散能が作用する。この技術による多数の太陽光吸収被膜
が知られているけれども「今迄に被膜構造として完成さ
れたものはなく、多かれ少なかれ次の様な要件、即ち安
い製造コスト、高い選択性、および高い安定性に欠ける
」その例は、質的に価値はあるが値段の高い干渉フィル
ターである。干渉フィルターは、その被膜厚を正確に制
御するために、真空蒸着またはスパッタリングによって
製造しなければならないが、これは大きな表面に対して
は、非常に経費のかかるものである。一方、半導体フィ
ルターのグループには、簡単な電気メッキまたは化学的
方法によって析出させるいくつかのシステムが知られて
いるが、それらは耐候‘性あるいは耐熱性が十分ではな
い。このような太陽熱吸収被膜を鋼鉄あるいは銅の上に
設けることは比較的容易であるけれども、アルミニウム
の場合には非常に困難である。
その原因は、アルミニウムの一三の技術的特殊性である
。即ち、アルミニウムは、熱的に非常に敏感で、そのた
め高温の加工法は、表面の構造的変化のために採用でき
ない。メッキによる被覆は、強固に存在する酸化物被膜
のために、アルミニウムへの付着が殊に悪い。酸化被膜
を避ける方法は、次の段階で施こす被膜と必らずしも両
立しない。アルミニウムは非常に卑金属性であり、それ
故にその酸化被膜が傷けられ、または貴金属被膜で置き
換えられた場所では、腐蝕の危険性が高くなる。さらに
、アルミニウムは浴中に溶解されるので、多くのメッキ
法または化学的方法が適用できない。従って、本発明は
、アルミニウム製太陽熱補集器用に、高い太陽熱吸収能
力、低い熱放散能力、温度およば環境の影響に対する良
好な安定性を有する選択吸収性の表面被膜を有利なコス
トで製造するという課題に基づくものである。
本発明によればこの課題は、先ずアルミニウム基体上に
希リン酸中で陽極処理法によって表面上に一様に分布し
た紬孔の網目を有する1仏以下の薄い酸化被膜を形成し
、次に前記細孔内から外へ電気メッキ法によって金属棒
状体を析出させて解決される。
本発明方法によれば、アルミニウム上に、密着性、耐摩
耗性、熱安定性、耐酸化性および耐腐蝕性に関して卓越
しだ性質を有する太陽熱吸収被膜が得られる。
純製造コストは、従来使用されていた黒色陽極化法のコ
スト以下である。この太陽熱補集器のその他の経済的お
よび技術的利点は、二重ガラスカバーが不要な事と高い
効率に存する。陽極処理法によって得た紬孔を有するア
ルミニウム表面を電気メッキ法で処理する方法それ自体
は新規ではなく、そして既に採色法としてまたは付着性
改善のための技術において使用されている。本発明の本
質は、それ自体知られた方法を、選択性の黒色表面をつ
くり得るように応用することが従来不可能でありかつ知
られていなかったという点にある。本発明による新規な
太陽熱吸収被膜の選択的性は、前術の半導体または干渉
効果に帰するものではない。
なぜならば、半導体層も本質的な今層も存在しないから
である。明らかに、表面構造効果として特徴づけられる
、上記以外の効果が肝要である。.本発明のその他の構
成は、以下に記載される。
本発明の効果、特徴、および使用可能性は、第1図の写
真及び第2図の表面構造の断面図により更に明らかに理
解されるであろう。第1図の写真は、本発明によって製
造された表面の走査形電子顕微鏡写真である。
この写真には、被膜の表面が緊密に相接して立っている
棒状体で覆われている典型的な状態が認められる。
これらの棒状体は、電気メッキの際に生じたものである
。アルミ表面は酸化物で覆われているので、金属はそこ
の細孔中にのみ析出し、そして最終的に紬孔から突出し
た棒状体の形に生長する。第2図においてアルミニウム
の表面3川ま多孔性の酸化被膜20(例えばN203)
で覆われている。
酸化物中の細孔から金属棒状体10(例えばNi)が生
長している。この構造の特別な効果は棒状体の平均間隔
則ち表面の波状の起伏が10分の2〜3ムであり、そし
てそれは光波長と比較しうるという点にある。
これに対して前記棒状体の長さ(アルミニウムの表面迄
)は、光波長の数倍である。この表面の光学的挙動は、
純散乱(小粒子対波長)から反射(大粒子対波長)への
過渡領域にちようど存在するために複雑である。投射さ
れる太陽光は、一部は棒状体に直接吸収(最小金属球晶
の吸収)され、一部は強く前方へ散乱され、そして棒状
体間の隙間へ捕捉される。
この範囲では、100%付近迄の非常に高いQ値が生ず
る。10%以下の低い熱放射能は、同様に、多くの作用
の良好な総合作用によって説明すべきである。
即ち、棒状体の平均間隔が、約0.5一である場合には
、この構造は、熱線の長波長部分(入〉5仏)を全く感
知せず、それ故に高い反射能とそれにより相当する平滑
な金属平面の低い放散能を示す。近赤外領域(入ら1一
)にある熱線部分は、光学の法則に従って吸収と同様に
強く放散される。
しかしこの放散は、(吸収に類似して)特に表面に対し
て垂直に起り、そして平らな角度へ非常に急速に減少す
る。即ち、半球の放散能(この値が熱収支を決定する)
が比較的小さく抑えられる。なお、第三の効果としては
、酸化物マトリックスの固有の放散能−これは本発明の
ような構造にしてない表面においても起る−を考慮すべ
きである。酸化アルミニウム単独では、顕著な分子振動
に基づいて5〜10叫3E常に高い熱放散能をもってい
る。本発明によれば、非常に薄い膜厚に調節することに
よってこの事情が考慮に入れられている。本発明によっ
て提案されている被膜は、従来の陽極処理による酸化物
被膜よりも1/2以下の薄さである。紬孔あるいは金属
棒状体の間隔および直径のような光学的性質に対して直
接関係のある寸法は、格温度、酸含量、格への添加物、
電流、電圧、時間などのような製造パラメーターに依存
する。
これらパラメーターのいずれを変化させてもQ値および
ご値か直接影響を受けるので、最適のQ/ご値あるいは
非常‘こ選択的な吸収被膜が得られるように調節できる
範囲は非常に狭い。本発明による被膜では、下記の値が
得られる。吸収熊 ばら0.95 放散能 どら0.15 今迄の経験によれば、陽極処理は、稀釈されたリン酸中
が特に有利である。
なぜならば、リン酸を使うと、工業用電解質であるシュ
ウ酸、硫酸、およびクロム酸の場合よりも大きな紐孔径
および棒状体が得られるからである。例えば、硫酸の場
合には、どのような範囲においてもQ/ご値が1以上と
なることはない。しかし、他の電解質を用いても同じよ
うな結果が得られないということはない。金属棒状体を
つくるためには、例えば通常のニッケル、コバルト、銅
、亜鉛などの析出にも使用される普通の酸性メッキ俗が
適当である。
析出に関するパラメーター、特に時間、電圧、および温
度は、陽極処理の場合と同様に慎重に調節される。金属
が少なすぎると、表面は濃い黒色でなく着色しており、
金属が多すぎると表面は平らになって金属的外観となる
。さらに、メッキは、交流を用いて行なうのが有利であ
ると認められている。さらに、この新規な方法のコスト
は、大規模工業的に処理する場合は、従来の黒色陽極処
理のコスト以下であろう。
明らかに短い酸化時間、それに対応する電気エネルギー
、冷却費、酸消費などの節約は有利である。陽極処理俗
および金属棒状体形成俗の温度は、室温ないしそれより
少し高い温度であり、従って特別の加熱コストは全く不
要である。同様に、紬孔の金属化には、特記すべきエネ
ルギーおよび材料の消費は全くなく、さらにこれ以外の
通常の金属化着色俗用の薬品および装置が節約される。
陽極処理および金属化処理工程に要する時間は、夫々約
10分と比較的短く、このことは大量生産の際に非常に
有利である。大略全部の操業材料と同様に、脱脂、洗浄
、水洗、密閉、乾燥などのようなその他のプ。セスも通
常の陽極処理と同一であって、余分の投資は全く不要で
ある。実施例 アルミニウム板を通常の方法で前処理、即ち有機的また
はアルカリ性脱脂、洗浄、腐蝕、および水中での徹底的
再洗浄を行なう。
金属表面の出発時の資に応じて、他の表面処理法−ブラ
ッシング、エッチング、化学的または電気的研摩のよう
な処理−を代り1こあるいは追加的に行なうこともでき
る。陽極処理は、15%リン酸中で、3〆0で7分間、
12〜14ボルトの電圧において行なう。徹底的に水洗
後、直ちに金属化を行なう。金属化には、例えば、水1
〆当り硫酸ニッケル50夕、ホウ酸20夕、およびグリ
セリン2.5の‘よりなる電解液を使用することができ
る。ニッケルの析出は、室温で約1び分間、16ボルト
の交流電圧で行なう。最後に、水中で洗浄し、沸騰水中
で密閉を行なし、そして空気中で乾燥する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願発明による被膜の電子顕微鏡写真図を示す
、第2図は前記被膜の断面構造を示す拡大模型図である
。 10・・・・・・金属棒状体、20・・・・・・酸化被
膜、30..・..・アルミニウム表面。 第1図 第2図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルミニウム基体上に稀リン酸中で陽極処理法によ
    つて表面上に一様に分布した細孔の網目を有する1μ以
    下の薄い酸化被膜を先ず形成し、次に前記細孔内から外
    へ電気メツキ法によつて金属棒状体を析出させることを
    特徴とするアルミニウム基体上に選択的吸収能を有する
    表面被膜をつくる方法。 2 前記陽極処理法を交流によつて行なう特許請求の範
    囲第1項記載の方法。 3 前記陽極処理法のパラメーター、即ち酸含量、時間
    、温度、浴の運動、容器の形状寸法、電圧および電流条
    件等を、酸化被膜厚が1μ以下の場合に細孔間隔が0.
    1〜1μで、細孔直径が0.1〜0.5μとなるように
    定めるようにする、特許請求の範囲第1項又は第2項記
    載の方法。 4 前記電気メツキ法による金属化を酸性でアルミニウ
    ムおよび酸化アルミニウムを腐食しない電解液中で交流
    電圧を使用して行なう特許請求の範囲第1、第2又は第
    3項記載の方法。 5 前記電気メツキ法による金属化のパラメーター、即
    ち時間、温度、浴の運動、浴の組成、容器の形状寸法、
    電圧および電流条件などを、高い太陽熱吸収能力および
    低い熱放散能力をもつビロード状表面が形成されるよう
    に定めるようにする特許請求の範囲第1、第2、第3又
    は第4項記載の方法。
JP52043439A 1976-04-15 1977-04-15 アルミニウムの選択的太陽熱吸収被膜 Expired JPS6014983B2 (ja)

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