JPS60132307A - 磁心 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は磁気特性に優れ、しかもカットコア形状にして
もその切断面が所定形状を保持している磁心に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

変圧器などの各種誘導器には磁性合金の薄帯を積層又は
巻回して成る磁心が配設される。近時、この薄帯として
は、軟磁気特性に優れるということから、非晶質磁性合
金の薄帯が広く用いられつつある。

磁心のうち、チョークコイル、トランスコアなどに用い
られるものは、その一部を切断してカットコア形状にす
る。

このような形状の磁心は通常次のようにして製泄される
。すなわち、まず所定材料の薄帯を積層又は巻回して例
えばドーナッツ型（巻回した場合）の成形コアである磁
心本体を製作し、ついでこの磁心本体を適当な樹脂液中
に浸漬して該薄帯相互間の空隙に該樹脂液を含浸せしめ
たのち、例えば全体に加熱処理を施して該樹脂を硬化せ
しめ薄帯相互を固着する。その後、一部を切断してカッ
トコア形状にする。

この場合、磁心本体に含浸して硬化せしめる樹脂が、硬
化収縮が小さくその強度も小さい場合には薄帯の固着能
も小さいので、カットコア形状にしたとき、各薄帯が自
らの弾発力でバラバラになってしまったり、バラバラに
ならない場合でもその切断面では各薄帯が扇状に開いて
切断面が変形し設計基準の切断面形状から外れてしまう
ことがある。

そのため、従来、磁心本体に含浸せしめる樹脂としては
、硬化時にその収縮が大きく、硬化後の機械的強度も大
きく、したがって各薄帯を強固に固着しつるという理由
から、通常、エポキシ系、のものが多用されている。

しかしながら、このような収縮硬化の大きい樹脂を用い
た場合には、たしかに薄帯固着能は向上する、したがっ
て切断面の変形は起らなくなるが、一方では薄帯が樹脂
の収縮力を受け自らの有する正の磁歪のため、大きな磁
気異方性が発生して、樹脂硬化後の磁心の磁気特性が当
初予定していた値から劣化するという現象が発生する。

つまり、樹脂の硬化時にその収縮力により薄帯に歪みが
加わり、得られた磁心の鉄損が増大する等の現象を生ず
る。この傾向は、磁歪の大きいもの、すなわち鉄系の非
晶質磁性合金薄帯の場合に顕著となる。

収縮硬化が小さく、しかも硬化後でも弾性を有するよう
な樹脂を用いれば、上記した収縮力による磁気特性の変
動は緩和されるが、しかし、カットコア形状にしたとき
に前述のような切り血の変形が起る。

〔発明の目的〕

本発明は、樹脂の収縮硬化による磁気特性の変動が小さ
く、とくに鉄損が小さく、しかもカットコア形状にして
も切断面が変形しない磁心の提供を目的とする。

〔発明の概要〕

本発明者らは上記した問題点を解決すべく鋭意研究を重
ねた結果、薄帯を積層又は巻回した磁心本体の周縁部の
みを収縮硬化が大きくしかも硬化後の機械的強度が大き
い樹脂（硬度の大きい樹脂）を含浸して硬化し、残余の
部分、すなわち本体の中心部は収縮硬化が小さく硬化後
も弾性を有しているような樹脂を含浸して硬化せしめれ
ば、樹脂の収縮硬化による磁気特性の変動は緩和され、
しかもカットコア形状にしても切断面は収縮硬化の大き
い樹脂で強固に固着されるので該切断面の変形は抑制さ
れるとの着想を得て本発明の磁心を開発するに到った。

すなわち、本発明の磁心は、磁性合金薄帯を積層または
巻回してなる磁心本体の一部分を他の部分よりも硬度が
大きい樹脂で硬化してなることを特徴とする。

まず、磁心本体は磁心材料として用いることのできる磁
性合金の薄帯を積層又は巻回して構成さｔ’ｊ、　’ｓ
　ｏとくに、磁性合金としては軟磁気特性に優れ、しか
も正の磁歪を有する鉄系の非晶質磁性合金が有用である
。

このような非晶質磁性合金としては、例えば、式：　Ｆ
ｅａＭｂＹｃ　、、　（式中、ＭはＴ　ｉ＋　Ｖ＋　Ｃ
ｒ　＋　Ｍｎ　ｒ　Ｃｏ＋　Ｎｉ　＋ｚｒ、Ｎｂ、Ｍｏ
＋Ｈｆ、Ｔａ、Ｗ＋Ｒｅ、Ｇａ、Ｒｕ、Ｒｈ、ＰｃＬＯ
ｓ＋　Ｉｒ、ＰＬ希土類の群から選ばれる少なくとも１
種の元素を表わし；ＹはＳｉ、Ｂ、Ｐ、Ｃの群から選ば
れる少なくとも１種の元素を表わし；　ａ、ｂ、ｃはそ
れぞれ、６５≦ａ≦８５，０≦ｂ≦１５，５≦Ｃ≦３５
の関係を満足する数を表わす）で示されるものが好適で
ある。

このような磁心本体の例えば周縁部には、収縮硬化が大
きく硬化後の機械的強度も大きく、薄帯を強固に固着す
る樹脂が含浸されて硬化される。

したがって、磁心本体の周縁部に位置する複数枚の薄帯
は収縮硬化穴の樹脂によって固着されることになる。い
わば、磁心本体の周縁部には、薄皮のように収縮硬化の
大きい樹脂部分が形成される。

このような樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂をあげ
ることができる。また、磁心本体の周縁部に形成された
樹脂部分の厚みは、できるだけ薄い方がよいが、しかし
、あまり薄くすると、磁心本体の一部を切断したとき各
薄帯の弾発力を抑制することが困難になる。したがって
その厚みは上記問題を勘案して適宜に選定される。

磁心本体の残余の部分、すなわち、収縮？ｉＺ化の大き
い樹脂部分を除いた部分には、収縮硬化が小さく硬化後
の機械的強度も小さく弾性に富む又は軟質な樹脂が含浸
されて硬化される。

このような樹脂としては、例えば、シリコン系樹脂、ブ
タジェン系樹脂をあげることができる。

また、磁心本体の切断すべき個所に相当する局部断面部
分のみに硬度大の樹脂を含浸して硬化せしめ、その部分
を切断してカットコア形状にすることもできる□磁心本
体には歪みが殆んど加わらないので磁気特性の変動は一
層小さくなって有用である。

〔発明の効果〕

本発明の磁心は以上のように構成されるので、■磁心本
体の大部分は収縮硬化が小さく軟質な樹脂部分で固着さ
れているため、各薄帯に加わる歪みが小さい。したがっ
て、樹脂の含浸・硬化の前後において磁心の磁気特性の
変動は小さくなる。

■また、磁心の一部を切断してカットコア形状にしても
、各薄帯の弾発力は周縁部に形成された薄帯固着能大の
樹脂部分の作用、いわば、壁のような作用によって抑制
されるので、切断面の変形は起らず設計規準の維持が可
能となる。

したがって、本発明の磁心は、高飽和磁束密度が要求さ
れるチョークコイル、高周波トランスコアなどの電子部
品用の磁心として有用である。

〔発明の実施例〕

組成（Ｆｅａ、、０．　Ｎｂｏ、（，３）ｓ＋　Ｓｌｅ
　ＢＩ３であり、飽和磁歪が２１Ｘ１０−６　の非晶質
磁性合金の薄帯（帯幅１Ｏ間厚み２５μｍ）を巻回して
、外径１８關内径１２朋高さ１０龍の磁心本体を成形し
た。この磁心本体の、室温、動作磁束密度３ＫＧ、周波
数５０ＫＨｚにおける鉄損は５００　ｍＷ／ｃｃであっ
た。

ついで、全体をシリコン樹脂液（ＴＳＥ３２５東芝シリ
コン社製）の中に浸漬したのち取り出し、１５０℃で約
６０分硬化した。その後この磁心本体の周縁部約１γｍ
にエポキシ樹脂（ＴＶＢ−２６０３束芝ケミカル社製）
を含浸して１２０　’Ｃで１２０分硬化した。得られた
磁心の鉄損は５９０　ｍＷ／　ｃｃであった。

磁心の一部を切断してカットコア形状にした。

切断面の変形は全くみられなかった。

比較のために、同じ磁心本体を上記したエポキシ樹脂液
に浸漬して全体にエポキシ樹脂υ脂を含浸して硬化した
。得られた磁心の鉄損は１６４０ｍＷ／ｃｃと非常に大
きかった。

また、同じ磁心本体に上記したシリコン樹脂を含浸した
。得られた磁心の鉄損は５８０　ｒｎＷ／　ｃ　ｃであ
った。しかし、カットコア形状にすると、切凹面では各
薄？ｉｙが扇状に開いてしまい切断面か大きく変形して
しまった。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、磁性合金薄帯を積層または巻回してなる磁心本体の
   一部分を他の部分よりも硬度が大きい樹脂で硬化してな
   ることを特徴とする磁心。 ２、硬度が大きい樹脂は磁心本体の周縁部に設けてなる
   特許請求の範ｇ第１項に記載の磁心。 ３６　硬度が大きい樹脂は、磁心本体の局部断面部分に
   設けてなる特許請求の範囲第１項に記載の磁心。 ４、磁心本体の一部が切断されカットコア形状を有する
   特許請求の範囲第１項に記載の磁心。 ５、切断部分は、硬度が大きい樹脂を設けた部分を含む
   特許請求の範囲第４項に記載の磁心。 ６、該磁性合金薄帯が非晶質磁性合金薄帯である特許請
   求の範囲第１項記載の磁心。 ７、　硬度の大きい樹脂がエポキシ樹脂である特許請求
   の範囲第１項記載の磁心。 ８、該収縮硬化の小さい樹脂がポリエステル樹脂、又は
   ポリブタジェン樹脂である特許請求の範囲第１項記載の
   磁心〇