JPS60132308A - 磁心 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は巻磁心に関し、更に詳しくは、鉄損が小さく安
定した磁気特性を有する磁心に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

近時、変圧器などの各種誘導器に設けられる積層磁心、
巻磁心には、磁心材料として、非晶質磁性合金の薄帯が
用いられつつある。この薄帯は、金属（例えばＦｅ　、
　Ｃｏ　）と半金属（例えばＢ、Ｐ。

Ｓｔ）とを所定の割合で含む磁性合金の融体を常用の超
急冷法によって冷却して製造される。得られた薄帯は非
晶質で軟磁気特性に優れている。

この薄帯から磁心を製造する際には、ます薄帯を積層又
は巻回して成形コアを製作し、その後、全体に例えば樹
脂液を含浸し、該樹脂液を硬化することがある。これは
、チョークコイル、トランスコアのような適用分野にお
いては、磁心の一部を切断することがあり、そのとき、
磁心が分解するのを防ぐためである。

この樹脂含浸処理は、上記した成形コアを樹脂液中に浸
漬して各薄帯層間の微細な空隙に該樹脂液を浸入させ、
その後、樹脂を硬化せしめて各薄帯を相互に固着せしめ
るものである。かくして、磁心を切断してその断面を観
察すると、複数枚の薄帯の層と、該薄帯間の空隙で硬化
している複数枚の樹脂の層とが交互に積層した構造を呈
することになる。

ここで、断面内で薄帯の層全体が占有する面積比率を通
常占積率と指称し百分率（％）で表示されている。

このような磁心において、従来、含浸せしめる樹脂とし
ては、硬化時にその収縮が大きく各薄帯を強固に固着し
得るという理由から、通常、エポキシ系のものが多用さ
れている。

しかしながら、このような収縮硬化の大きい樹脂を用い
た場合には、たしかに薄帯固着能は向上するものの、一
方では薄帯が樹脂の収縮力を受け自らの有する正の磁歪
により、大きな磁気異方性が生じ樹脂硬化後の磁心の磁
気特性が当初予定していた値から劣化するという現象が
発生する。つまり、樹脂の硬化時にその収縮力により薄
帯に歪みが加わり、得られた磁心の鉄損が増大する等の
現象を生ずる。この傾向は、磁歪の大きいもの、すなわ
ち鉄系の非晶質磁性合金薄帯の場合に顕著となる。

このように、樹脂で固着せしめた積層磁心又は巻磁心の
場合、とくに薄帯として鉄系の非晶質磁性合金を用いた
場合には、磁気特性が変動し磁心として所期の磁気特性
が得られないという問題があった。

〔発明の目的〕

本発明は、上記した問題点を解消し、樹脂の収縮硬化に
よる磁気特性の変動がない、とくに鉄損の小さい磁心の
提供を目的とする。

〔発明の概要〕

本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた
ところ、薄帯の占積率がＮｉ定の範囲にあるとき、樹脂
処理を施しても得られた磁心の磁気特性の劣化が極めて
微少であるとの事実を見出し、本発明の磁心を開発する
に到った。

すなわち、本発明の磁心は、占積率８０％以上で金属磁
性薄帯を積層又は巻回して成り、かつ、樹脂含浸・硬化
処理が施されていることを特徴とする。

まず、本発明の磁心に用いる金属磁性薄帯は、いわゆる
磁心に適用できる材料の薄帯であれば何であってもよい
が、とくに軟磁気特性に優れる非晶質磁性合金の薄帯が
好ましい。とくに磁歪が正である鉄系の非晶質磁性合金
の薄帯は、効果が大きく有用である。

このような非晶質磁性合金としては、例えば、式：　Ｆ
ｅａＭｂＹｃ　（式中、ＭはＴｉ、Ｖ、Ｃｒ、Ｍｎ、Ｃ
ｏ。

Ｎｉ、Ｚｒ、Ｎｂ、Ｍｏ、Ｈｆ、Ｔａ、　Ｗ、Ｒｅ、Ｇ
ａ、Ｒｕ、Ｒｈ。

Ｐｄ、Ｏｓ、Ｉｒ、Ｐｔ、希土類の群から選ばれる少な
くとも１種の元素を表わし；ＹはＳｉ、　Ｂ、　Ｐ、　
Ｃの群から選ばれる少なくとも１種の九禦を表わし；ａ
。

ｂ、ｃはそれぞれ、６５≦ａ５８５，０≦ｂ≦１５゜５
≦Ｃ≦３５の関係を満足する数を表わす）で示されるも
のが好適である。

薄帯は超急冷法によって容易に製造することができる。

本発明の磁心にあっては、まず、上記した薄帯を積層又
は巻回してコアを成形する。このとき、薄帯の占積率が
８０％以上になるように成形する。

占積率が８０％以上の場合には、含浸される樹脂の足が
少なくなるため、得られた磁心の磁気特性の劣化、例え
ば鉄損が著しく少なくなるとともに、薄帯の総量が多く
なるので磁心を通る磁束が多くなる。なお、９５％を超
える占積率は、薄帯の表面状態、薄帯の厚みなどの関係
から事実上困難である。好ましい占積率は、８５％〜９
５％である。

このような占積率は、例えば巻磁心の場合、薄帯に所定
の引張り力を加えながら巻回する、又は、薄帯の製造条
件を選定して、若しくは薄帯表面を研摩して表面を平滑
にするなどの方法によって任意に決定することができる
。

つぎに、得られた成形コアを所定の樹脂液中に浸漬する
。用いる樹脂は、前記したものでよい。

チョークコイル、トランスコアなどへの用途のため、一
部切断する磁心の場合には、硬化後その機械的強度が高
くなる樹脂が好適である。

〔発明の実施例〕

組成が（Ｆｅｏ、９６ＮｂＯ，０３）＋＋２　Ｓｉ６　
Ｂｕ　で、幅１０闘。

厚み２５μｍの非晶質磁性合金の薄帯を単ロール法で製
造した。

ついで、この薄帯を巻回して、占積率の異なる巻磁心（
外径１８關内径１２ｍｍ厚み１０ｉｍ）を成形した０こ
れら磁心に約４６０℃で１時間熱処理を施したのち、エ
ポキシ樹脂液中に浸漬し、約１２０℃で１時間加熱硬化
した。

得られた各磁心の室温下での鉄損を、周波数５０ＫＨｚ
　％動作磁束密度３　ＫＧの条件で測定した。

結果を図に一括して示した。なお、これら磁心の樹脂含
浸前における鉄損は全て４３０〜４６０ｍＷ／　Ｃｃで
あった。

〔発明の効果〕

以上の説明で明らかなように、本発明の磁心は、樹脂含
浸してもその磁気特性の劣化が小さく、チョークフィル
、トランスコアなど一部を切断して用いる磁心として有
用である。

【図面の簡単な説明】

図は、実施例で製造した磁心の占積率と鉄損との関係図
である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 ■、　占積率８０％以上で金属磁性薄帯を積層又は巻回
   −して成り、かつ、樹脂含浸・硬化処理が施されている
   ことを特徴とする磁心。 ２、　該金属磁性薄帯が、非晶質磁性合金の薄帯である
   特許請求の範囲第１項記載の磁心。 ３、該非晶質磁性合金が、正の磁歪を有する特許請求の
   範囲第２項記載の磁心。 ４、　コアの一部が切断されている特許請求の範囲第１
   項記載の磁心。