JP2835127B2 - 磁心およびその製造方法 - Google Patents

磁心およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は磁心およびその製造方法に係り、さらに詳し
くは、例えば線形加速器の誘導磁心およびレーザ用パル
ス電源に用いられる可飽和磁心などの高出力パルス磁心
およびその製造方法に関する。
(従来の技術) 一般に高出力パルス磁心、例えば線形加速器用の誘導
磁心は、本質的に1:1トランスとして動作し、二次側ギ
ャップに発生する電圧により、磁心中心部を通る荷電粒
子のビームを加速するものである。
また最近、レーザ用パルス電源装置には高出力かつ高
電圧で作動する磁気方式のパルスコンプレッサが用いら
れている。このパルスコンプレッサは、電源で発生せし
めたパルス幅の広い所定のパルスを圧縮して、パルス幅
は狭いが高出力のパルスに変換する装置である。この変
換動作は装置に組み込まれた磁心の飽和現象を利用する
ものである。
従来、この種の高出力パルス用の磁心としては、飽和
磁束密度が高く、磁化曲線の角形比が大きく、かつ低保
磁力で鉄損が低い特性を有するコバルト(Co)基非晶質
合金薄帯あるいは鉄(Fe)基非晶質合金薄帯と、絶縁強
度が大きいポリエステルフィルムあるいはポリイミドフ
ィルムから成る電気絶縁層とを交互に巻回して形成され
た磁心が広く使用されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながらCo基非晶質合金薄帯を使用して形成した
磁心においては飽和磁束密度Bsが低い上に、Co基合金自
体の素材価格が高いため、磁心の製造原価が高騰し工業
上不利であった。
一方、Fe基非晶質合金薄帯に電気絶縁層としてポリエ
ステルフィルムあるいはポリイミドフィルムを介装して
形成した磁心においては、飽和磁束密度BSが高く、また
Fe基合金自体が安価であるという有利性がある反面、次
のような問題点があった。すなわち電気絶縁層としてポ
リエステルフィルムを用いた場合には、フィルム自体の
耐熱温度が約200℃と低いため、非晶質合金の磁気特性
を向上させるために必要な高温度(約400℃)で熱処理
することが不可能であり、結果として高い磁気特性を発
揮し得ない難点があった。
そこで予め非晶質合金薄帯のみを、所定の高温度で熱
処理した後に、ポリエステルフィルムとともに巻回して
磁心を製造する方法も採用された。しかしこの製造方法
では熱処理後の巻回工程において合金薄帯に応力が作用
するため磁気特性が劣化してしまう問題点がある。
一方、熱処理温度に耐える耐性を有するポリイミドフ
ィルムを非晶質合金薄帯とともに巻回した後に熱処理を
行い磁心を形成する方法も採用されている。しかし、こ
の製造方法では使用するポリイミドフィルムが極めて高
価であるため、工業上難点がある上に、熱処理時におけ
るポリイミドフィルムの熱収縮などにより非晶質合金薄
帯に応力が作用し、所要の磁気特性から外れた磁心が形
成され易いという問題点もあった。
また上記製造方法による磁心では直流保磁力が大きく
なるため、磁心のリセット用巻線数を多くしたり、リセ
ット用電源容量を大きくする必要があった。特に高出力
パルス磁心では磁心の形状が大きいため、前記問題点は
工業上極めて深刻となる。
さらに、高出力パルス磁心では残留磁束密度と飽和磁
束密度の和(ΔB)が大きいことが要求され、この要求
されるΔBは飽和磁束密度の大きな材料を選択し、その
材料の角形比を向上させることにより達成されるが、上
記製造方法による磁心ではΔBが24KG以下と低いため、
必要な磁気特性を満足するためには磁心を大型化しなけ
ればならないという問題があった。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもの
であり、高い飽和磁束密度および角形比を有し、かつ低
保磁力である磁心を安価に製造することが可能な磁心お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段と作用) 上記目的を達成するために本発明者らは非晶質合金薄
帯の組成や熱処理条件を種々変えて、実験を繰り返し、
得られた各磁心について検討を重ねた結果、Co、Niを添
加したFe基非晶質合金薄帯の所定方向に磁場を印加しな
がら、低温度で熱処理を行った場合に、優れた磁気特性
を有する磁心が得られた知見に基づいて本発明を完成し
た。
すなわち本発明に係る磁心は、CoおよびNiの少なくと
も一方を含むFe基非晶質合金薄帯と電気絶縁層としての
高分子フィルムとをともに巻回して形成され、直流保磁
力が0.2Oe以下であり、残留磁束密度および飽和磁束密
度の総和(ΔB)、すなわち動作磁束密度が27kG以上で
あることを特徴とする。
本発明において直流保磁力は磁心のリセット用巻線数
およびリセット用電源容量を低減させるため、0.2Oe以
下と限定した。好ましくは0.15Oe以下である。特に0.1O
e以下では磁心のリセット電流として、リセット期間中
に流れるコンデンサの充電電流などが利用できるため、
特別なリセット回路が不要となり、さらに好ましい磁心
を得ることができる。
また、ΔBは磁心形状を小型化するために27kG以上と
限定した。好ましくは31kG以上である。特に、大型磁心
において小型化要求が高い場合は33KG以上が好ましい。
ここでΔBは磁心を構成した非晶質合金薄帯のみの値で
ある。
また本発明に係る磁心の製造方法は、CoおよびNiの少
なくとも一方を含むFe基非晶質合金薄帯に対して長手方
向に10Oe以上の磁場を印加した状態で360℃以下の温度
で熱処理を実施し、しかる後に合金薄帯を電気絶縁層と
しての高分子フィルムとともに巻回することを特徴とす
る。
本発明磁心に用いられるFe基非晶質合金として好まし
い組成は下記一般式(1)で表わされる。
(Fe1-xTx100-yXy ……(1)[at%] ここでTはCoおよびNiから選択される少なくとも1種
類の元素であり、XはSi、B、P、CおよびGeから成る
群より選択される少くとも1種類の元素であり、またx,
yはそれぞれ下記(2),(3)式を満たす。
0<x≦0.4 ……(2) 14≦y≦21 ……(3) さらに上記一般式(I)で表わされるFe基非晶質合金
に対して、Ti、Ta、V、Cr、Mn、Cu、Mo、Nb、Wなどの
金属元素が5at%程度まで添加することが可能である。
TはFe基非晶質合金に対して熱処理による誘導磁気異
方性を付与し、直流保磁力(Hc)を低下させ、角形比
(Br/Bs)を高めるために添加される。特にFeとの交換
相互作用が強いCoをTとして使用することが望ましい。
Tはごくの少量の添加によって著しく誘導磁気異方性
を発生させる効果がある。しかしその添加割合xが0.4
を超えると飽和磁束密度(Bs)が低下するため、添加割
合xは(2)式に示すように0.4以下に設定される。特
にTとしてCoが含有される場合においては、添加割合x
は、飽和磁束密度(Bs)が大きくなる0.15以上0.25以下
の範囲に設定することが望ましい。
またXは非晶質相の形成を促進するために添加される
ものであり、特に磁心製造を容易にし、また磁心の熱的
安定性を確保するなどの観点からXとしてはSiとBとを
組み合わせたものが好ましい。Xの添加割合yが14原子
%(at%)未満の場合には非晶質相の形成能が低下す
る。一方、21at%を越えると飽和磁束密度(Bs)が低下
するため、添加割合yは14at%以上21at%以下に設定さ
れるが、さらには14at%以上17at%以下が好ましい。
上記のようなFe基非晶質合金薄帯は、所定組成の合金
に、例えば通常の溶湯急冷法などを適用して容易に製造
することができる。また薄帯の厚みは格別限定されるも
のではないが、例えば5〜40μmであることが好まし
く、さらには12〜26μmが好ましい。
ところで従来、非晶質合金薄帯の磁気特性を向上させ
る熱処理は、通常380℃以上で合金の結晶化温度以下の
温度で実施されていた。この温度条件下においては非晶
質合金薄帯の構造緩和が十分に進行するため、合金薄帯
は熱処理後においても巻回された形状をそのまま保持す
る。ところが、この状態から、さらに電気絶縁層として
のフィルムとともに巻き返す工程に移すと巻き返しによ
って合金薄帯に過大な応力が作用して、磁気特性が低下
してしまう。
しかるに本発明方法においては、360℃以下の低温度
で熱処理を実施しているため、構造緩和の進行が少なく
なり、合金薄帯は熱処理後において、元の形状近くに復
帰しようとする傾向が見られる。従って、この合金薄帯
を次の巻き返し工程に供しても、合金薄帯に応力が作用
することが少なく、必然的に磁気特性の劣化も少なくな
る。特に熱処理温度を330℃以下に設定した場合には、
磁気特性の劣化がより少なくなった。
ところが上記のように低温度、すなわち360℃以下の
温度で熱処理を実施するのみでは原子の拡散が少ないた
め、誘導磁気異方性の発現が小さくなる。
そこで本発明方法においては、異方性を付与する磁性
元素Co、Niを添加すると同時に、熱処理時に合金薄帯の
長手方向に強度に直流磁場または交流磁場を印加してい
る。磁場の強さは、通常10Oe以上に設定するが、より十
分な誘導磁気異方性を付与し、磁化曲線の角形比を高め
るためには30Oe以上が望ましい。かくして、360℃以下
の低温度条件で熱処理を実施した場合においても、角形
比が高く磁気特性が優れた磁心を形成することができ
る。
上記熱処理において、一般には非晶質合金薄帯のみを
巻回した状態で熱処理を施されるが、磁気特性の劣化を
より低減させるためには、この熱処理時の非晶質合金薄
帯のみを巻回した状態においての占積率(全体積に対す
る磁性体の占める体積割合)を制御することが好まし
い。最終の磁心の占積率は、電気絶縁層が巻き込まれて
いるため、熱処理時の非晶質合金薄帯のみを巻回した状
態においての占積率と大きく異なる。このことが原因と
なり、熱処理後の巻回による磁気特性の劣化が生じてい
た。
そこで熱処理をする際に巻回された非晶質合金薄帯の
占積率を、最終の電気絶縁層とともに巻回した際の磁心
の占積率に近付けることが好ましい。具体的には熱処理
時の占積率を最終の磁心の占積率の±20%に設定する。
前記占積率に設定して熱処理を施すことにより、その後
に得られた磁心の磁気特性の劣化はほとんど見られなか
った。ここで、熱処理時の占積率をあまり密に巻き過ぎ
たり、逆にあまり粗に巻き過ぎると、最終の磁心の占積
率との差が大きくなり、磁気特性の劣化を生じるため上
記範囲とした。
次に磁心の電気絶縁層として使用する高分子フィルム
の種類は、特に限定されるものではないが、安価で取扱
性に優れたポリエステルフィルムが好適である。また高
分子フィルムの厚さは磁心の印加電圧の大小によって決
定される設計事項であるが、絶縁性を考慮して通常2〜
50μm程度の範囲に設定されるが、さらには5〜30μm
の範囲が好ましい。
またFe基非晶質合金薄帯と上記高分子フィルムとの組
合せおよび積層数等は、磁心に要求される特性によって
適宜選択することができる。例えば、電気絶縁性が強く
要求される場合は、電気絶縁層を2層以上積層して形成
したり、磁気特性が重要な場合は、磁性薄帯を2層以上
積層して形成することができる。
(実施例) 次に本発明について以下の実施例に基づいて具体的に
説明する。
実施例1〜2および比較例1〜3 実施例1として組成が(Fe0.79Co0.2185Si1B14(at
%)で、幅11mm、厚さ22μmのFe基非晶合金薄帯を単ロ
ール法によって調製した。得られた薄帯を巻回して、占
積率0.67、外径50mm、内径30mm、高さ11mmの巻磁心を形
成した。次に形成した巻磁心の薄帯の長手方向に対して
強度30Oeの直流磁場を印加しながら温度320℃で2時間
熱処理を実施した。さらに、熱処理した薄帯を、厚さ12
μmのポリエステルフィルムと交互に巻回して占積率0.
57の巻磁心を製造した。
また実施例2として組成が(Fe0.99Ni0.0180Si10B
10(at%)で厚さ14μmのFe基非晶質合金薄帯を調製
し、占積率0.5の巻磁心を実施例1と同一条件で熱処理
後、同一寸法で占積率0.51の巻磁心を製造した。
さらに比較例1として組成がFe78Si9B13(at%)で厚
さが18μmの非晶質合金薄帯を調製し、占積率0.62の巻
磁心を実施例1と同一条件で熱処理後に巻回して占積率
0.53の巻磁心を製造した。
また比較例2として、組成がFe78Si9B13(at%)で厚
さが22μmのFe基非晶質合金薄帯を調製し、占積率0.55
で実施例1と同一寸法の巻磁心を形成し、さらに巻磁心
の薄帯の長手方向に対して強度30Oeの直流磁場を、印加
しながら温度390℃で1時間、熱処理を実施した。さら
に熱処理した薄帯を実施例1と同様にポリエステルフィ
ルムと交互に巻回して占積率0.57の巻磁心を製造した。
さらに比較例3として、占積率0.63の巻磁心で実施例
1における直流磁場の強度を2Oeに設定して熱処理を行
ったものを材料にして占積率0.56で実施例1と同一寸法
の巻磁心を製造した。
このようにして製造された実施例1〜2および比較例
1〜3の各巻磁心について、直流磁気記録計を用い、10
Oeの印加磁界のもとに、残留磁束密度(Br)および直流
保磁力(Hc)を測定した。また、飽和磁束密度(Bs)は
VSMを用い、10KOeの印加磁界のもとに測定した。以上の
結果から角形比(Br/Bs)および残留磁束密度(Br)と
飽和磁束密度(Bs)との総和(ΔB)、すなわち動作磁
束密度を算出し、その測定算出結果を下記第1表に示
す。
第1表に示す結果から明らかなように、実施例1〜2
の磁心は、いずれも230℃と低温度で、熱処理して形成
されたにも拘らず、直流保磁力(Hc)が0.2Oe以下であ
り、また動作磁束密度(ΔB)が27kG以上となり、比較
例1〜3と比較して高い角形比を有し、磁気特性が優れ
ている。
一方、Co、Niを含有しない比較例1の磁心や熱処理温
度が過大な比較例2の磁心およびCoを含有するが熱処理
時に印加する磁界強度を過小にした比較例3の磁心はい
ずれも、保磁力(Hc)が大きくなり、また角形比(Br/B
s)、動作磁束密度(ΔB)が低下することがわかる。
実施例3および比較例4 実施例3として実施例1で調製したFe基非晶質合金薄
帯を巻回して形成した占積率0.5〜0.7の複数の磁心につ
いて、薄帯の長手方向に印加する直流磁場の強さ(Ha
を10〜40Oeの範囲で変化させた状態で温度320℃で2時
間熱処理し、熱処理後の薄帯とポリエステルフィルムと
を交互に巻回して実施例1と同一寸法で占積率0.5〜0.6
の巻磁心を製造した。
一方比較例4として直流磁場の強さ(Ha)を10Oe未満
に設定して実施例3と同一寸法の巻磁心を製造した。
そして実施例3および比較例4の巻磁心の角形比(Br
/Bs)および保磁力(Hc)を測定して第1図に示す結果
を得た。
第1図の結果から明らかなように、磁場の強さ(Ha
を10Oe以上にした実施例3の磁心は85〜92%程度の高角
形比(Br/Bs)を有し、保磁力(Hc)も0.2Oe以下とな
る。一方比較例4の磁心は、角形比(Br/Bs)が小さ
く、また保磁力(Hc)が高くなる。
実施例4および比較例5 実施例4として、組成が(Fe0.83Co0.1779Si10.5
10.5(at%)であるFe基非晶質薄帯より成形した占積率
0.5〜0.7の複数の磁心について、薄帯の長手方向に印加
する直流磁場の強さ(Ha)を30Oeに設定した状態で、熱
処理温度(Ta)を290〜360℃までの範囲で変化させて各
2時間ずつ熱処理し、熱処理後の薄帯とポリエステルフ
ィルムとを交互に巻回して占積率0.5〜0.6の実施例1と
同一寸法の巻磁心を製造した。
一方比較例5として、熱処理温度(Ta)を370〜400℃
までの範囲で変化させて実施例4と同様に巻磁心を製造
した。そして実施例4および比較例5の巻磁心の角形比
(Br/Bs)および保磁力(Hc)を測定して第2図に示す
結果を得た。
第2図に示す結果から明らかなように、熱処理温度
(Ta)を360℃以下に設定した実施例4の磁心は、いず
れも角形比(Br/Bs)が大きく、かつ保磁力(Hc)が小
さく、高温度処理した比較例5の磁心と比較して優れた
磁気特性を発揮する。
実施例5〜7 実施例5〜7として組成が(Fe0.79Co0.2185Si1B14
(at%)で、幅50mm、厚さ25μmのFe基非晶質合金薄帯
を単ロール法によって調製した。得られた薄帯を巻回し
て、下記第2表に示す占積率を有し、外径320mm、内径1
60mm、高さ50mmの巻磁心を形成した。次に形成した巻磁
心の薄帯の長手方向に対して強度30Oeの直流磁場を印加
しながら温度320℃で2時間熱処理を実施した。さら
に、熱処理した薄帯を、厚さ6μmのポリエステルフィ
ルムと交互に巻回して第2表に示す占積率を有する巻磁
心を製造した。
このようにして得られた実施例5〜7の各巻磁心につ
いて、直流磁気記録計を用い、10Oeの印加磁界のもと
に、残留磁束密度(Br)および直流保磁力(Hc)を測定
した。また、飽和磁束密度(Bs)はVSMを用い、10kOeの
印加磁界のもとに測定した。以上の結果から角形比(Br
/Bs)および残留磁束密度(Br)と飽和磁束密度(Bs)
との総和(ΔB)、すなわち動作磁束密度を算出し、そ
の測定算出結果を下記第2表に示す。
上記第2表に示す結果から明らかなように、本実施例
5〜7に係る各磁心は、低保磁力かつ高角形比であり動
作磁束密度(ΔB)も高く、優れた磁気特性を有してい
る。
〔発明の効果〕
以上説明した通り本発明に係る磁心およびその製造方
法によれば、従来の磁心と比較して、低保磁力であると
ともに高飽和磁束密度で、かつ高角形比を備え、動作磁
束密度が大きく、磁気特性に優れた磁心を安価に提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は熱処理時に印加する直流磁場の強さ(Ha)を変
えた場合における、各磁心の角形比(Br/Bs)および保
磁力(Hc)の変化を示すグラフ、第2図は熱処理温度
(Ta)を変えた場合における、各磁心の角形比(Br/
Bs)および保磁力(Hc)の変化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日下 隆夫 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内 (56)参考文献 特開 平1−227405(JP,A) 特開 平2−194504(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 1/18,27/25,41/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(Fe1-xTx100-yXy(但し、TはCo
    およびNiから選択される少なくとも1種類の元素であ
    り、XはSi、B、P、CおよびGeから成る群より選択さ
    れる少なくとも1種類の元素であり、またx,yはそれぞ
    れ0<x≦0.4,14≦y≦21を満たす。)で表わされるFe
    基非晶質合金薄帯を電気絶縁層としての高分子フィルム
    とともに巻回して形成され、直流保磁力が0.2Oe以下で
    あり、残留磁束密度および飽和磁束密度の総和が27kG以
    上であることを特徴とする磁心。
  2. 【請求項2】前記一般式で表わされるFe基非晶質合金に
    対して、Ti、Ta、V、Cr、Mn、Cu、Mo、Nb、Wから成る
    群より選択される少なくとも1種の元素を5at%まで添
    加したことを特徴とする請求項1記載の磁心。
  3. 【請求項3】CoおよびNiの少なくとも一方を含むFe基非
    晶質合金薄帯に対して長手方向に100e以上の磁場を印加
    した状態で360℃以下の温度で熱処理を実施し、しかる
    後に合金薄帯を電気絶縁層としての高分子フィルムとと
    もに巻回することを特徴とする磁心の製造方法。
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