JPS6012737Y2 - スライドドアの支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のスライドドア、殊に、閉じたときに
はドア側面がボデー側面と同一面となり、開くときには
、ボデー側面より外側へ移動し、更に同側面に沿って移
動するようなスライドドアの支持装置に関する。

この種のスライドドアは、一般に、ドア前端上部および
下部、それに、後端中央部の三点に設けたローラー機構
を、それに対応するボデー側面に沿って設けたガイドレ
ールに係合することにより、ボデー側に支持され、前述
した開閉動作するように構成されている。

本考案は、このようなスライドドアのローラー機構を含
む上記のような各支持装置のうち殊にドア後端中央部の
支持装置の改良に関するものである。

本案が対象とするドア後端中央部の支持装置は、 （１）ドアの垂直荷重、水平荷重をドア中央部の一点で
効果的に支持すること、 （２）ガイドローラがガイドレールを確実にとらえ、正
確に方向付けすること、 （３）構造が簡単で組付けが容易なこと、（４）ガイド
レールを内部に設けるためボデー外板に水平に前後方向
に威した凹部の巾及び深さは、ボデーの外観上、構造上
、できる限り小さいこと などが要求される。

これに対して例えば実公昭５２−５３０７３号公報に示
すように、ドアの垂直荷重を水平軸にまわりに回転する
ローラで、また同水平荷重を垂直軸まわりに回転するロ
ーラで各々支持し、前者のローラを水平支承面に、また
後者のローラを垂直支承面に各々担持させて走らせるも
のがあるが、前記公報に示すものは水平軸まわりに回転
するローラの方向性を確保することを目的としており、
従って水平荷重を支える２箇のローラ６．７を凹部の開
口付近に形成した２つの垂直な且つ並行な支承面１５．
１５に当接して走行させ、これにより垂直荷重を支える
ローラ８を上記凹部の奥の水平な支承面１４上を単に垂
直荷重を支持せしめてその方向を修正しつつ走行させる
ものでぃローラ８を直接ガイドする垂直面は何もなく、
ローラ８はガイドする役目をもたない。

また上記ローラ６．８はともにボデーの凹部の中に設け
られているので凹部の巾及び深さが大きく、外観上、構
造上も好しくない。

また、実開昭５２−８３１２４号公報には口形ガイドレ
ール１１内外に各垂直軸９をもつ摺動ローラ７と垂直軸
１０をもつ案内ローラ８を、垂直ガイド面１１′をはさ
んで設けたものが示されているが、いわゆるガイドロー
ラはあくまで上記摺動ローラ７、案内ローラ８であり、
（荷重）支持ローラ１５は口形ガイドレール１１の上面
にのっていてドア荷重を支持するのみであり、ガイドロ
ーラの役目を担うものでなく、これをガイドする垂直面
も存在しない。

また、西独特許１２１８２９吋明細書にはレール８ａを
レール方向に距離を隔ててはさんだ、水平回転するロー
ラ６．７が示されているが、これもガイドローラであり
、荷重支持ローラは不明である。

また、特公昭５１−３１４１０号公報にはボデー側面に
形威した矩形断面の凹部内の上壁４ａにとりつけた逆り
字形レールの垂直面をガイドローラ９゜１０ではさんだ
ものが示されているが、（荷重支持）ローラ１１は上記
凹部底面４ｂ上をガイドローラ９，１０に誘導されて専
らドア荷重を支持して移動するもので、ガイドローラの
役目を担うものではなく、これをガイドする垂直面も存
在しない。

また、実開昭５２−１４６４２３号公報第３図には、コ
字形ガイドレール７の開口端から上下にのび更に折返し
た突条７ｂ、７ｃに溝１２ａをもつドアを支持する水平
ローラ１２を嵌合して転動するようにしたものが示され
ているが、溝１２ ａをもつローラ１２は平坦な接触を
しないので荷重負担能力が小さく不利であるばかりでな
く、加工が面倒である。

また、上記突条７ｂ、７ｃは垂直ローラ１３と外面で係
合することができず、該ローラ１３はガイドレール７内
上面溝７ｄに嵌合させる必要があり、上記水平ローラと
併せて組付が難しい。

本考案は上記に鑑み、ドアの垂直荷重、水平荷重を中央
部の一点で効果的に支持でき且つ、ガイドローラがガイ
ドレールを正確にとらえ、ドアを正確に方向付けでき構
造簡単で組付容易な、しかもガイドレールを設けるため
にボデーに形成する凹部の巾及び深さをできるだけ小さ
くした、ドア後端部の支持装置を得んとして案出したも
のである。

これを図により説明する。

第１図および第２図において、１は自動車のボデー、２
はその外板（側面）、３は、外板２に形威された凹部で
ある。

凹部３は、この例では、ボデー上下方向のはイ中央部に
水平に形成され、一端は、ドア開口端１０付近で内方ヘ
カーブし、他方は側面２に沿って後方へ伸びている。

４はチャンネル形のガイドレールで、凹部３の軌跡に一
致した形状に成形されており、その開口側がボデーの水
平方向外側に向くように、その背面の取付部４０が、凹
部３の底部３０に沿って取り付けられる。

（取付部４０にはあらかじめボルトが溶接され、底部３
０内側より、ナツトを締めて固定する。

）前記ガイドレール４は断面において、前記取付部４０
のほか、これと一体に連結した下の水平部４１とこれに
向い合った上の水平部４２及び上記水平部４１．４２の
上下の開口側端部を水平部４１．４２と垂直に且つこれ
らが向い合うよう折り曲げて形威した上下の垂直部４３
を有する。

尚、図示の例では前記垂直部４３を更に反対方向に折り
返して垂直ガイド面４４を形威し、外観と強度の向上を
図っているが、この折り返しは必ずしも必要としない。

符号５はドアを示し、６は、ドア５内部に固定されたブ
ラケット、７は、ローラーのサポート、８は、ヒンジピ
ンであって、サポート７は、このヒンジピン８を介して
ブラケット６に回転できるように支持さている。

サポート７には、水平軸７０と該軸の前後方向に各々垂
直軸７１及び７２が設けられ、水平軸７０には荷重支持
ローラ７０ａが、また垂直軸７１及び７２には、ガイド
ローラー７１ａ及び７２ａがそれぞれ支持されている。

荷重支持ローラ７０ａは、ガイドレール４の水平部４１
上を垂直部４３の内側に、沿って転動し、またガイドロ
ーラー７１ａと７２ａは、前記垂直部４３の外側（図で
は垂直ガイド面４４）に沿って転動するようそれぞれ、
ガイドレール４に係合されている。

ローラー７０ａは、水平部４１上でドア５の荷重を支え
、更に、垂直部４３内面により案内し且つ、ボデー外板
２の側方への荷重（抜けようとする力）が支えられこと
により、側方への抜けが防止する。

またローラー７１ａと７２ａは、垂直ガイド面４４で、
外板２の内方へ荷重を支えると共に、ドアのスライド方
向を決めている。

なお、第１図の実線はドアの閉位置、二点鎖線はドアの
一部開位置をそれぞれ示すものである。

以上のように構成された本考案装置において、例えば下
ア５を第１図実線位置から矢印方向（開き方向）に移動
させれば、荷重支持ローラ７０ａはガイドレール４の水
平部４１上を垂直部４３の内面に案内されつつ移動腰同
時にガイドローラ７１ａ、？２ａは垂直ガイド面４４に
接触しながら転動し、これによりドア５を支持しつつガ
イドレール４に沿った円滑な軌跡で移動させることがで
きる。

本考案は上記のように構成されたので次の如き効果を有
する。

（１）荷重支持ローラ７０ａにガイドローラの役割を兼
ねさせたので、ガイドローラ７１ａ、７２ａが小径のも
ので済み、またドア５の進行方向がより正確に確保でき
る。

（２）ガイドレール４内には荷重支持ローラ７０ａ一種
だけであるからレールの断面を最小にすることができ、
構造が簡単となる。

（３） （２）の効果により外板の凹部の巾と深さを
小さくできるので、成形性が向上し、ボデーの外観の体
裁も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示すもので、車両を水平
面で切断して平面的にみた部分図、第２図は、第１図主
要部の断面図である。 符号 １・・・・・・ボデー、２・・・・・・ボデーの
外板、３・・・・・・凹部、４・・・・・・チャンネル
形ガイドレール、４１・・・・・・水平部、４３・・・
・・・垂直部、４４・・・・・・垂直ガイド面、７０ａ
・・・・・・荷重支持ローラー、７１ａ。 ７２ａ・・・・・・ガイドローラー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボデー外板に水平方向に形成された凹部に、コ字形断面
   の上下の開口側端部より互いに相手側に向って形成した
   垂直部よりなるチャンネル形ガイドレールを取付けると
   ともに、ドア側サポートに設けた円柱状の１箇の荷重支
   持ローラを前記ガイドレールの下方水平部上に、前記垂
   直部内側に案内されつつ転動するように係合し、また前
   記サポートに前記荷重支持ローラの前後に位置して設け
   た２箇のがイドローラを前記垂直部外側に係合したこと
   を特徴とするスライドドアの支持装置。