JPS597497Y2 - 自動車用スライドドアの支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はバン型自動車等の側面に設けたスライドドアの支
持装置に関するものである。

一般にバン型自動車等の側面に設けたスライドドアは車
体の外面沿いに移動させて開閉させるものであって、従
来この種のスライドドアの支持装置は扉体側にローラを
設け、車体側にガイドレールを設けてあり、扉体側に幅
方向案内用ローラを２個と垂直荷重受用ローラを１個と
を設けた場合、あるいは幅方向案内用と垂直荷重受用と
を兼用させた溝付ローラを２個設けた場合とがあるが、
幅方向案内用ローラ２個、垂直荷重受用ローラ１個の３
個のローラとしたときはローラ数が多く、構造複雑とな
り、案内側への比較的大なる張出部形或は免れず溝付ロ
ーラ２個としたときはこれら溝付ローラの取付軸を自由
動不能とするため特にガイドレールの湾曲部を通る際に
互いにせり合って扉体を円滑作動し得なかった。

本案は前記のような観点に基き、幅方向案内ローラをｌ
個と上下方向案内と幅方向とを兼用する溝付ローラを１
個とを設け、これら２個のローラを有し、案内側への張
出部を形或させることなく、しかも扉体の円滑作動をな
さしめることができる装置を提供するものであって、車
体の出入口を開閉し、開放定位置を車体外面に平行する
車外位置とした扉体の後縁側上下中間部に支持ブラケッ
トを固設し、この支持ブラケットにヒンジピンで枢支し
たローラ支持金具に水平軸で支持した一個の垂直荷重受
用溝付ローラと垂直軸で支持した幅方向案内用平坦周面
ローラとを設け、車体側面に沿って水平直線状に延びる
直状部と、この直状部に連続し出入口近くで湾曲する湾
曲部とからなるガイドレールを車体側面に固設し、この
ガイドレールの上下対向する案内条部間に前記垂直荷重
受用溝付ローラを嵌装させるとともに前記ガイドレール
の対向する垂直面部間に前記幅方向案内用平坦周面ロー
ラを嵌装させてなる自動車用スライドドアの支持装置で
ある。

本案装置の実施例を図面について説明すると、車体１の
出入口２を開閉し、開放定位置を車体１の外面に平行す
る車外位置とするようにした扉体側においては、扉体３
の後縁側上下中間部に支持ブラケット４を固設し、この
支持ブラケット４の露出端にヒンジピン５によってロー
ラ支持金具６を枢支し、このローラ支持金具６の基部６
ａに固設した水平軸７に支持して一個の垂直荷重受用溝
付ローラ８を設けるとともに先端屈曲部６ｂに固設した
垂直軸９に支持した幅方向案内用平坦周面ローラ１０を
設ける。

また、車体側においては、車体１の側面に横方向に延び
る凹部１１にガイドレール１２を固設してあり、このガ
イドレール１２は第１図示のように、車体１の側面に沿
って水平直線状に延びる直状部１２ ａと、この直状部
１２ Ｈに連続し出入口２近くで平面時に視て車体１側
に湾曲する湾曲部１２ ｂを有し、第２図示のように外
側に上下対向する案内条部１２ Ｃ ，１２ Ｃを曲成
するとともに内側に対時する垂直面部１２ ｄ ，１２
ｄを形或してあり、背面下部に基端を固定した取付ボ
ルト１３を凹部１１の形或面に貫設した挿通孔１４に嵌
挿させ外端にナット１５を螺装してガイドレール１２を
車体１に締結してある。

図中、１６は出入口２に周縁に嵌装したウェザストリッ
プであり、扉体１の前縁側には上下部にそれぞれ固定金
具で支持したローラ（図示しない）を設け、これらロー
ラをそれぞれ出入口２の上下部に設けた溝内に嵌込んで
ある。

本案は前記のように構威するから、扉体３を開閉操作す
ると、垂直荷重受用溝付ローラ８はガイドレール１２の
上下対向する案内条部１２ ｂ ，１２ ｂ間を転動し
、幅方向案内用平坦周面ローラ１０はガイドレール１２
の対峙する垂直面部１２ Ｃ ，１２ Ｃ間を転動し、
第１図に仮想線で示す出入口２閉止位置にあった扉体３
をガイドレール１２に沿って車体１外面に平行する車外
位置、即ち閉放定位置に持来させることができる。

このような扉体３の開閉操作過程において、垂直荷重受
用溝付ローラ８を１個とし、幅方向案内用平坦周面ロー
ラ１０を１個としたから、垂直荷重受用溝付ローラ８が
ガイドレール１２の案内条部１２ Ｃを転動し、ガイド
レール１２の湾曲部１２ ｂにおいて作動するときもロ
ーラ支持金具６、ヒンジピン５を介して方向変換の自由
度を有し、かつ幅方向案内用平坦周面ローラ１０はロー
ラ支持金具６の首振り時におけるモーメントを支えるが
ら、垂直荷重受用溝付ローラ８、幅方向案内用平坦周面
ローラ１０は互いに補合して作動を円滑ならしめる。

本案装置は溝付ローラと平坦周面ローラの２個を用いる
だけであって構造簡単かつ安価であり、室内側への張出
部分はなく、室内を広く使用でき、また溝付ローラのせ
り合いはなく、垂直荷重受用溝付ローラの方向変換は幅
方向案内用平坦周面ローラのモーメント支持と相俟って
極めて円滑であり 特に溝付ローラを一個としてガイド
レールの湾曲部における作動時のすべり、きしみ音を可
及的に小とし、摩耗部分を極力少くシ、開閉操作を軽快
になし得る等幾多の実用的効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の要部平面図、第２図は第１図ＩＩ
一ＩＩ線視断面図である。 １・・・・・・車体、２・・・・・・出入口、３・・・
・・・扉体、４・・・・・・支持ブラケット、５・・・
・・・ヒンジピン、６・・・・・・ローラ支持金具、７
・・・・・・水平軸、８・・・・・・垂直荷重受用溝付
ローラ、９・・・・・・垂直軸、１０・・・・・・幅方
向案内用平坦周面ローラ、１１・・・・・・凹部、１２
・・・・・・ガイドレール、１２ａ・・・・・・直状部
、１２ｂ・・・・・・湾曲部、１２ Ｃ・・・・・・案
内条部、１２ｄ・・・・・・垂直面部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の出入口を開閉し、開放定位置を車体外面に平行す
   る車外位置とした扉体の後縁側上下中間部に支持ブラケ
   ットを固設し、この支持ブラケットにヒンジピンで枢支
   したローラ支持金具に水平軸で支持した一個の垂直荷重
   受用溝付ローラと、垂直軸で支持した幅方向案内用平坦
   周面ローラとを設け、車体側面に沿って水平直状に延び
   る直状部と、この直状部に連続し出入口近くで湾曲する
   湾曲部とからなるガイドレールを車体側面に固設し、こ
   のガイドレールの上下対向する案内条部間に前記垂直荷
   重受用溝付ローラを嵌装させるとともに前記ガイドレー
   ルの対向する垂直面部間に前記幅方向案内用平坦面ロー
   ラを嵌装させてなる自動車用スライドドアの支持装置。