JPS5941853Y2 - スライドドアを有する車輌のドアレ−ル構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスライドドアを有するタイプの車輛におけるド
アレール構造の改良に関するものである。

更に詳細には、車輛のルーフ部材等の側部と、これの内
側のルーフレール部材等とをこの間に配したガイド部材
で連結し、ガイド部材にはドアのローラ等を案内するガ
イド溝を設け、車体側面のスライドドア開口部上縁部等
をボックス状断面に形成し、ドアレールをドア開口部を
なす車体の一部で構成し、且つ強度、剛性を充分に保持
せしめる如くしたドアレール構造に関する。

車体の側方に前後方向へ摺動させることによりドアを開
閉する如くした車輛のスライドドアが提供される。

この種スライドドアの構造は、一般には車体側面に開口
部を設け、ドアは閉時には車体側面と同一面に収納し、
開時には側面より一段外側に平行して位置する如くなし
、かかる開閉案内機構は、ドア側に設けたガイドローラ
と開口部周縁上下に設けたガイドレールとで構成してい
る。

以上のスライドドア装置の開閉案内機構の一方をなすガ
イドレールは、従来の車体開口部をなす車体部材とは別
個のレール部材を設け、これを開口部に溶接等して固着
している。

これがため部品点数が多くなること、これの取付作業を
要すること、レール部材のみでドアの開閉時の強度、剛
性をもたせるためにレール部材の断面が複数化したり、
厚肉化したりし、成形が面倒で、重量が多くなる。

そこで実開昭４９−６４９２０号ではルーフ部材とレー
ル部材とを一体化し、上記解決を図っているが、ルーフ
部材とレール部材との結合構造なので強度、剛性が充分
に得られ難い。

本考案者は車輛のスライドドアのレール取付における上
記問題点、これの解決策としての上記の問題点に鑑み、
これを有効に解決すべく本考案をなしたものである。

本考案の目的とする処は、ルーフ部材等と、これの内側
のルーフレール部材等とを繋ぐドア開口部周縁をなす部
材にドアのガイドローラ等を案内するガイド溝を設け、
このガイド溝を有する開口部周縁を上記部材で断面ボッ
クス状とし、ドアレ−ルをドア開口部をなす車体の一部
で構成する如くしたスライドドアを有する車輛のドアレ
ール構造を提供する。

従って本考案の目的とする処は、ドアレールが車体のド
ア開口部をなす部材で形成され、部品節約、ドアレール
取付作業の不要化を図り、組立作業性を向上させ、且つ
軽量化を図ることができるとともに、上記ボックス状断
面部の一部にドアレールを設けるため、開口部の一部を
構成しつつ充分の強度、剛性が得られ、頻繁に開閉され
るこの種ドアの作動不良等を防止し、長期に亘り安定し
たドア開閉動を保障し得る如くしたドアレール構造を提
供する。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従って詳述する
。

第１図は車輛の全体側面図を、第２図は第１図２−２線
断面図を示している。

１は車輛で、これの−側面にはドア開口部２が形成され
、この開口部２はスライドドア３で開閉され、図はドア
３を閉じた状態を示している。

ドア３を格納する開口部２は第２図の如く構成される。

第２図は開口部２の上部構造を示し、４は車体の天井を
構成する鋼板プレス成形品よりなるルーフ部材で、これ
の側部は下方へ垂下され、下端部に外側方に取付フラン
ジ部４ａが一体に突設されている。

ルーフ部材４の車室内側の前後方向にはルーフレール部
材５が配設されている。

このルーフ部材４とルーフレール部材５との間には前後
方向に、且つ水平方向に連結部材６を配設し、連結部材
６の幅方向中央部には突条６ａを垂下突設する。

この部材６の外側部６ｂはルーフ部材４のフランジ部４
ａを溶接で結合するとともに、これの内端部６ｃはルー
フレール部材５の高さ方向中間部に溶接して結合する。

７は補強メンバーで、これは前後方向に設けられて下部
に上記ルーフレール部材５の下端部５ａと接合する部分
７ａと、下に開設した溝型部７ｂを有し、この溝型部７
ｂを連結部材６の突条６ａの車室内側に向く面と溶接接
合する。

かくして第２図に示される如き開口部２の断面構造を得
、開口部２の上縁下面に車体開口部構成メンバーの一部
でガイド溝８が形成されることとなり、これにドア３の
ガイドローラ９が係合する。

以上によりドアレールをなすガイド溝８は車体開口部２
の一部をなし、しかも各部材により開口部周縁はボック
ス状断面をなし、ボックス状断面の一部にレールが形成
されることとなる。

第３図は本考案の第２実施例を示す。

ルーフ部材１４のフランジ部１４ａと、これの内側のル
ーフレール部材１５の下端部１５ａとの間を連結部材１
６の幅方向両端部１６ｂｔ １６ｃで溶接接合するとと
もに、連結部材１６の幅方向中間部に長さ方向（車体の
前後方向）に凹条部１６ａを設け、この部分をガイド溝
１８とする。

一方、ルーフレール１５の中間部とルーフ部材１４、連
結部材１６の各外側接合端１４ａ。

１６ｂ間には補強部材１７を介装したこれの一端部１７
ａを１４ａ、１６ｂと接合一体化し、他端部１７ｂをル
ーフレール１５の中間部に接合一体化する。

そして補強部材１７の中間部には通気孔１７ｃを設ける
。

尚図面中３はドアを、９はガイドローラを示す。

本実施例でも同様に車体開口部をなす部材をボックス状
断面とし、これの一部にガイドレールをなすレール溝１
８を形成し、かくして開口部をなしつつ実用上充分の強
度、剛性を有するガイドレール構造を得ることができる
。

以上で明らかな如く本考案によれば、スライドドア開口
部周縁をボックス状断面とし、これにレールを成す溝を
設けたため、レールを別体で成形したり、これの開口部
への取付作業を必要としない。

従って部品点数の減少、組立作業性の向上、ひいては車
輌の軽量化、コストダウンを図ることができる。

又以上を図りつつレールをなす溝は断面ボックス状部分
に形成されるため、車体の一部を構成しつつ強度、剛性
が充分に得られ、レールの曲がり変形や車体開口部の変
形を防止し、簡易な構造でドア開閉機能を長期に亘り安
定、確実に保障することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は車輛の
側面図、第２図は第１図２−２線拡大断面図、第３図は
変更実施例図である。 尚図面中４，１４は外側構成部材、５，１５は内側部材
、２は開口部、６，７，１６は周縁部材、８．１８はレ
ール溝である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の外側構成部材を成すルーフ部材とこれの内側の室
   内側部材とを開口周縁部材で連結したスライドドア開口
   部上部構造において、上記開口周縁部材を連結部材と補
   強部材とで構成し、該連結部材と補強部材と上記室内側
   部材とでボックス状断面を形成するとともに、該ボック
   ス状断面を成す当該開口周縁部材の外側寄り部で、且つ
   上記ルーフ部材との結合部より内側にスライドドア上面
   へ向けて膨出する突条を一体に形成し、更に該突条と連
   続してその内側寄り部にレール溝を一体に凹設して該レ
   ール溝にスライドドア上面部に備えたローラを係合した
   ことを特徴とするスライドドアを有する車輛のドアレー
   ル構造。