JPS6012211B2 - 成形機におけるガス注入成形方法およびその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、各種成形機におけるガス注入成形方法およ
びその装置に関する。

成形機、ことに合成樹脂射出成形機は、射出成形操作の
際、溶融樹脂がゲートからキヤビティ内に高速注入され
るので、射出時に溶融樹脂内に配合した可塑剤などの添
加剤が気化し、キャビティ内に侵入して一対の金型の間
隙とか突き出しピンとその挿通孔との間隙とかに不必要
に侵入瀞溜するという問題がある。

そして、その滞溜する添加剤は、金型同士の間隙に附着
する場合は格別不都合を生じないが、突き出しピンとそ
の挿通孔との間隙に侵入滞留するときは成形後の型開操
作のの突き出しピンによる成形品の突き出し作用によっ
て成形品の表面に一種の油汚ごれとなって附着し、清拭
除去という面倒な仕上作業を余儀なくされる。このよう
な油汚ごれの清拭除去という後作業は生産性向上を厳し
く要求される現在では能率ダウンという不都合のみなら
ず、人為作業を必要とするため人件費のアップを意味し
、頗る不経済である。

この発明は叙上の点に着目した成されたもので突き出し
ピンとその挿通孔との間に形成される間隙より成形操作
時、高圧ガスをキャビティ内に注入し、成形用熔融樹脂
から発生される添加剤などの気化分が前記間隙内に侵入
して滞溜することを防ぐようにした成形機におけるガス
注入成形方法およびその装置を提供することにある。

以下に、この発明の一実施例を合成樹脂射出成形機につ
いて添付図面と共に説明する。

１は成形機本体ａの固定部材、２はタィバー３に沿って
前後動する可動部材をそれぞれ示し、両部材１，２には
相対向して固定合型４と可動金型５とによって形成され
るキャビティ６が形成される。

７は可動金型５に設けた必要数の突き出しピンで、基板
８にその基端が固定支持されその他端は可動金型５の挿
通孔９内に臨まれて金型５の表面と一致した状態から表
面より前方に突出した状態に至る一連の変化を可動部村
２の前後運動に対応していることができるようになって
いる。

１０は突き出しピン７と挿通孔９との間に形成される微
少な間隙（以下、ピン間隙という。

）で挿通孔９に供給される高圧ガスを金型５からキヤビ
ティ６内に吐出させることができるようになっている。
そして」前記した突き出しピン７は先端部を残こし、そ
の梢々後方に相対向した一対の切欠凹溝１１を穿ち突き
出しピン７が成形品Ａを突き出す状態で挿通孔９との間
で形成されるピン間隙１０を中広く形成してガスの吐出
量を大きくできるように形成すると共に挿通孔９にはそ
の後方に内側に向って凹設した拡関孔部１２を形成する
。

１３は隣合う挿通孔９と連適するマニホールドガス溝、
１４はこの溝１３と蓮適するガス導入溝でいづれも可動
金型５に穿たれている。

１５はこのガス導入溝１４と接続されるガスホースで、
成形機本体ａと一体または別に設けたガスュニットコン
トロール１６より必要なガス圧と供給時期が制御されて
ガスが供給される。

なお、ガスは一般には空気が好ましいが空気以外の不活
性ガスなどの好みの気体を用いることができる。さらに
またこのガスには洗浄効果のある界面活性剤を高圧空気
中に配合して用いることもある。１７は溶融樹脂の射出
ノズル、１８は前記キャビティ６のゲート、１９はこの
ゲート１８と前記射出ノズ小包７との間に形成される溶
融樹脂の流路でランナー部を構成する。

２０はこのランナー部１９に配設した砲弾型の加熱体で
、その先端にはゲート１８を局部的に加熱する間歌加熱
体２１を備えて射出成形の都度、ゲート１８の固化樹脂
を加熱溶融してゲート１８を開くようになっている。

２２は押村、２３は○リングである。

叙上の機成に暴いて、この発明の成形方法を説明する。

まづ、第１図の状態のように可動部村２に固定部材１よ
め磯関した位置にあり、成形機本体ａの型締機構により
可動部材２は前進して固定部材１と当接して第２図の状
態のように固定金型４と可動金型５とにより所望の成形
品Ａを得るたわのキャビティ６が形成される。すなわち
、型続工程に入り、射出成形操作が開始される。

そして、この射出成形操作が開始される直前に、ガスュ
ニットコントロール１６の働きにより高圧ガスがガスホ
ース１５内を通りガス導入溝１４、マニホールドガス溝
１３を経て可動金型５の挿通孔７内に侵入し、この挿通
孔と突き出しピン７との間隙１０を通しキャビティ６内
に吐出させる。したがって、ゲート１８内を通ってキヤ
ビティ６内に注入された溶融樹脂の気化分（以下、樹脂
気化分という。

）は溶融樹脂のキャビティ６内に充満する前にキャビテ
ィ６に拡散し、両金型４，５の間隙およびピン間隙１０
内に侵入しようと働くが、殊にピン間隙１０からは既に
ガスを吐出しているので、ピン間隙１０内への樹脂気化
分は絶対に浸入する不都合はない。したがって、キャビ
ティ６内の樹脂気化分はピン間隙１０以外の一対の金型
４，５の接合間隙内にのみ侵入してキャビティ６内に瀦
溜することがない。

このようにして、キャビティ６内に溶融樹脂が充填され
て射出成形操作が終了すると可動部材２は固定部材１よ
り後方へ移動し「その後方への移動の過程で基板８が通
常油圧シリンダーで作動する押村２２と衝合し、この基
板８の突き出しピン７は挿通孔９内を前方に移動して可
動金型５に附着している成形品Ａを第３図のように突き
出し成形機本体ａの下方に落下させて取り出すことがで
きる。

この突き出しピン７による成形品Ａの突き出し操作に際
しても突き出しピン７のピン間隙１０１こは樹脂気化分
が満溜附着していないので成形品Ａの表面にこの油汚ご
れが全く附着することがない。

以上の実施例は専ら、合成樹脂射出成形機に用いた場合
について記述したが、この成形機以外で分割金型を用い
かつ突き出しピンを備えた成形機についてはすべて適用
できる。

この発明は叙上のようにキャビティ内に吐出される溶融
樹脂の射出操作の際、突き出しピンとその挿通孔との間
隙より高圧ガスを吹き出させて溶融樹脂内の気化分すな
わち添加剤が前記間隙内に侵入する虜れがなく、したが
って、成形品の突き出しピソによる突き出し操作によっ
て成形品の表面に附着することがなく、たえず表面の縞
麓な状態で取り出すことができる。

この発明によれば、従来のようにピン間隙内に溶融樹脂
内の添加剤などの気化分が侵入しないので成形品は突き
出しピンによって油汚ごれが附着せず、したがって、キ
ャビティ内面はたえず美麗を保ち、油汚れによる洗浄作
業のために金型を取外したりして生産を中止しなければ
ならないという不都合を回避して能率的な成形操作を行
うことができる。

また、この発明によれば突き出しピンと挿通孔との間隙
より高圧ガスを吹き出させてキャビティ内に充満する溶
融樹脂内の添加剤などの気化分の侵入を防ぐだけでよい
ので成形方法自体に何等特別な附加技術は必要なく、し
かも構成も既存の挿通孔を利用し、これにガス導孔を接
続してエアコンプレツサのようなガス発生源と連結する
だけで良いので廉価量産性に適する効果を有するもので
、スチロール樹脂のように気化分の発生の顕著な樹脂成
形に好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る成形機におけるガス注入成形装
置の一実施例を示す要部の一部切欠側面図、第２図は同
上の型緒状態の拡大断面図、第３図はさらに同上の型開
状態で成形品突き出し状態を示す拡大断面図である。 ４・・…・固定部材１の固定金型、５・・・・・・可動
部材２の可動金型、７・・・・・・突き出しピン、９・
・・・・・挿通孔、１０……ピン間隙、１３・・…・マ
ニホールドガス溝、１４・…・・ガス導入溝、１６・・
・…ガスュニットコントロール。 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 二以上の金型の型締操作で形成されるキヤビテイ内
   に先端を臨ませた突き出しピンと挿通孔との間に形成さ
   れる微少な間隙よりゲートより溶融樹脂を注入する樹脂
   注入操作の過程で、高圧ガスを吐出させて前記間隙内に
   溶融樹脂内の気化分の侵入を防いで成形型できるように
   した成形機におけるガス注入成形方法。 ２ 二以上の金型のいづれか一つの金型に挿通孔を穿ち
   、この挿通孔と突き出しピンを突出自在に配置し、前記
   挿通孔と接続される高圧ガス源よりの高圧ガスをこの挿
   通孔と突き出しピンとの間に形成される微少な間隙より
   射出成形時にキヤビイテイ内に吐出した溶融樹脂内の気
   化分が前記微少な間隙内に侵入しないようにした成形機
   におけるガス注入成形装置。