JPS6011948Y2 - 溝掘機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、水田の中干し時間などに田の表面に排水用の
溝を掘るための溝掘機に関するものである。

水稲の刈り取り後、田の表面に溝を掘り、排水を良くし
て表土を乾燥させることにより、地力の増進を計りある
いは稲刈り用コンバインによって刈り投げされた藁の分
解を促すことは一般に良く行なわれ、また特に粒土を要
求する麦や大豆などを作付ける場合には表土に排水溝を
掘ることが必要とされている。

本考案はこのような排水溝を容易に掘ることができる溝
掘機を提供するものである。

次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

１は溝掘機を示すものである。

この溝掘機１は、フレーム２の前端部番こ連結パイプ３
が取付けられ、この連結パイプ３の両側に円孔４を有し
た連結板５が固着されているとともに、フレーム２の中
間−側部に矩形の固定バイブロが固着され、この固定バ
イブロの側部に通孔を穿設してナツト７が固着され、こ
のナツト７に後部にハンドル８を有する固定ねじ９が螺
通され、この固定ねじ９の先端が前記固定バイブロの連
通孔に進退するようになっている。

１１は切り込み装置で、この切り込み装置１１は、弧状
の枠体１２の下端部に支軸１３が横架され、この支軸１
３の両端部に離間して一対の回転刃１４が回転自在に取
付けられ、前記枠体１２の一側上部から後上方に向かっ
て固定杆１５が突設されているとともに、この固定杆１
５の中間部と前記枠体１２の他側上部との間に支杆１６
が固着されている。

前記各回転刃１４は、円盤状の部材に外周から中心部に
向かう略■字状の切割部１７を複数個所設けることによ
り複数の掘削刃１８が放射状に形成され、この複数の掘
削刃１８の先端は回転刃１４の回転によって表土に切り
込むように斜めに形成されている。

前記切り込み装置１１は、固定杆１５を前記固定バイブ
ロの連通孔に下方から挿入し、ハンドル８を回動するこ
とにより上下方向調節可能にフレーム２に取付けられて
いる。

そして、前記フレーム２の後端部に固定アーム２１がフ
レーム２に対して上下方向に向かって略直角に取付けら
れ、この固定アーム２１の下端部両側に一対の回動アー
ム２２の下端部が固定アーム２１を挾むようにかつ回動
自在に軸着され、この一対の回動アーム２２の上端間に
ナツト２３が固着され、このナツト２３に後部にハンド
ル２４を有する角度調節ねじ２５が螺通され、この角度
調節ねじ２５の先端が前記固定アーム２１の後方上部に
当接するようになっている。

そして、前記両側一対の回動アーム２２の前方下端にナ
ツト２６が取着され、このナツト２６にストッパボルト
２７が螺通され、このストッパボルト２７の先端が前記
固定アーム２１の前方下部に対して進出され、前記回動
アーム２２が第１図および第２図において必要以上に時
計方向に回動しないようになっている。

そして、前記一対の回動アーム２２の後部に支持枠２８
が取付けられ、この支持枠２８の後端に多角形たとえば
六角形の連通孔を有した固定パイプ２９が固着され、こ
の固定パイプ２９の後部に通孔を穿設してナツト３０が
固着され、このナツト３０に後部にハンドル３１を有す
る固定ねじ３２が螺通され、この固定ねじ３２の先端が
前記固定パイプ２９の連通孔に進退するようになってい
る。

４１は掘起こし体で、この掘起こし体４１は、前記固定
パイプ２９の連通孔と係合する形状すなわち六角形の固
定杆４２の下端にそり状の安定板４３が固着され、この
安定板４３の下面に長短一対のキール４４．４５が進行
方向に沿って固着されている。

そして、前記安定板４３の前部上面に掘起こし板４６の
前部が固着され、この掘起こし板４６の後部は第４図に
示すように、支杆４７を介して前記固定杆４２に取付け
られ、また、中間部は第２図に示すように、支杆４８に
より前記安定板４３に連結されているとともに前端部か
ら後端部にかけて湾曲して形成されている。

前記掘起こし板４６は第３図に示すように、前記両側の
回転刃１４間の寸法とほぼ同じ幅に形成されるとともに
、第４図に示すように、刃先が斜めに形成され、進行方
向に向かって刃先の右側が前方に位置するようになって
いる。

そして、前記掘起こし板４６の進行方向に向かって右側
から案内板４９が掘起こし板４６の面とほぼ直交する方
向に立設されているとともに、掘起こし板４６の後部背
面に誘導板５０の一端が固着され、この誘導板５０の他
端は掘起こし板４６の左斜め後方に延設されて支杆５１
により前記固定杆４２に連結されている。

そして、この誘導板５０の後端背面から補助誘導板５２
が左斜め後方に向かって延設されている。

また、前記案内板４９の前部背面に翼板５３の一端が固
着され、この翼板５３の他端は案内板４９の右斜め後方
に向かって延設されている。

前記掘起こし板４１は前記固定杆４２の先端を前記固定
パイプ２９の連通孔に下方から挿入し、ハンドル３１を
回動することにより上下方向調節可能に前記支持枠２８
に取付けられている。

なお前記固定杆４２の中間部に把つ手５４が固着されて
いる。

そうして、第１図に示すようにして、溝掘機１の連結板
５を牽引手段としての農業用単軸トラクタ６１の後部に
ボルト・ナツト６２あるいはピン６３により連結し、作
業者が排水溝を掘る中干し時期の水田などにおいてトラ
クタ６１を運転してトラクタ６１を前進させると、先行
する切り込装置１１の各回転刃１４が第１図および第２
図において反時計方向に回転して表土を平行的に切り込
みながら進行し、ついで両側の切り込み間の幅とほぼ同
じ幅の掘起こし板４６が表土をすくい上げて溝を掘る。

そして、すくい上げられた土は案内板４９により進行方
向に向かって左側の上表に移動され、誘導板５０および
補助誘導板５２によりさらに左方に誘導されて溝から離
され、掘られた溝に落ちないようになっている。

このとき、先行する各回転刃１４は、掘削刃１８を有し
ているので、コンバインによって刈り投げされた藁など
の障害物があっても藁の上に乗り上げることなく、各掘
削刃１８が藁などの障害物を前後に分けながら表土に切
り込むとともに、切割部１７により藁などの障害物を後
方に案内して、所定の幅に離間した切り込みを表土に形
成する。

このため後続の掘起こし板４６に加わる土の抵抗を小さ
くすることができるとともに、掘られた溝の溝肩がくず
れることを防止している。

また、掘起こし体４６の刃先が斜めに形成され、この刃
先の方向と土の移動する方向が同一方向なので掘起こし
板４６に加わる土の抵抗を小さくしている。

なお、安定板４３はキール４４，４５により掘起こし体
４１の横振りを防止して直進安定性を増すとともに、ハ
ンドル２４および角度調節ねじ２５により角度を変化し
、進行中であっても溝の深さの調節ができるようになっ
ている。

また、翼板５３は掘起こし板４６および案内板４９から
洩れた土を右方に誘導し、土が溝の中に落ちるのを防止
している。

本考案によれば、先行する両側の回転刃が田の表土に平
行な切り込みを入れ、ついで、掘起こし体が土を掘起こ
すので、溝肩がくずれることがなく良好な排水路を容易
に掘ることができ、また、各回転刃に複数の掘削刃を放
射状に設けたので、藁などの障害物があっても表土に確
実に切り込むことができ、作業性が向上し、溝掘り作業
を容易かつ迅速に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の溝掘機の一実施例を示すもので、第１図は
溝掘機をトラクタに取付けた状態を示す側面図、第２図
は溝掘機の側面図、第３図はその正面図、第４図はその
一部を切り欠いた平面図である。 １・・・・・・溝掘機、１４・・・・・・回転刃、４１
・・・・・・掘起こし体、１８・・・・・・掘削刃、６
１・・・・・・牽引手段としてのトラクタ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラクタなどの牽引手段の後部に装着され土を所定幅で
   掘起こし一側方に導く掘起こし体と、この掘起こし体の
   前方に位置して掘起こし体で掘起こされる幅とほぼ同じ
   幅に離間して回動自在に設けられ上表に切り込みを入れ
   る両側一対の回転刃とを具備腰前記各回転刃は基部から
   放射状に設けられた複数の掘削刃を有したことを特徴と
   する溝掘機。