JPS6011917Y2 - 移動式クレ−ンの安全装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、移動式クレーンの安全装置に関する。

移動式クレーンは第１図に示したように上に旋回自在に
基台２を搭載し、この基台２に基部を枢支したブーム３
の適所と基台２間に起伏シリンダ４を配設しブーム３の
先部からはロープ５を介して吊具６を吊り下げこの吊具
６の昇降制御を油圧モータ７を有するウィンチドラム８
でするようにした移動式クレーンは走行に際しては、例
えば、第１図のように吊具６を車両１の前端に設けた吊
具支持具９に掛けて走行するものであるが、この走行中
に吊具６が吊具支持具９から外れたり、あるいは前後に
揺動したりすれば車両１の運転室１０等を損傷する恐れ
がある。

そこで、吊具６を吊具支持具９にセットするに際しては
、吊具６を吊具支持具９に掛けた後ウィンチドラム８を
ロープ５の巻上げ方向に回転させて吊具６を支持するロ
ープ５を緊張させ、もって吊具６と吊具支持具９の前後
への揺動並びに吊具６が吊具支持具９から外れたりする
のを防止している。

ところが、従来のものにあっては、オペレータがロープ
５の緊張具合を目視確認しながら行うものであったため
に、異常に緊張させて吊具支持具９を破壊したりするこ
とがあった。

本考案は、吊具支持具９を破壊することなくロープ５を
所望量緊張さすことができる新規な移動式クレーンの安
全装置を提供することを目的とする 次に第２図、第３図に示した１実施例に基づいて本考扱
を説明する。

１１は、起伏シリンダ４を伸縮制御するための方向制御
弁であり、１２は、この起伏シリンダ４の伸長動作側圧
油室４′と方向制御弁１１間に設けたカウンタバランス
弁である。

１３は油圧モーターをポンプ１４からの吐出油で回転駆
動して、ウィンチドラム８をロープ５の巻き込み方向に
あるいはロープ５の繰り出し方向に回転させたりするた
めの方向制御弁である。

１５は、吊り荷負荷の作用する油圧モータ側ポート７′
と方向制御弁１３間の油路１６に設けたカウンタバラン
ス弁である。

１７は上記油路１６の油圧力を制御するリリーフ設定可
変型のリリーフ弁である。

このリリーフ弁１７は、パイロット油路１８を介して、
起伏シリンダ４の伸長動作側圧油室４′とカウンタバラ
ンス弁１２間の油路に接続しており、起伏シリンダ４の
発生内圧が、リリーフ弁１７に作用するようにしている
。

そして起伏シリンダ４の発生内圧が高まれば、リリーフ
設定圧もこの内圧に応答して上昇し、内圧が低下すれば
リリーフ設定圧もこの内圧に応答して下降する。

第３図に示したものは、このリリーフ弁１７であり、こ
の図の状態は、ピストン１７′がスプリング１７′に押
圧されて右端に移動した状態、すなわち、起伏シリンダ
４を全縮させた状態（走行姿勢と同じ。

）であるためスプリング１７“に抗してピストン１７′
を右端に移動さすのに必要な内圧がパイロット油路１８
に発生していない状態、したがって、リリーフ圧力が低
圧値の状態を示す。

そして、リリーフ圧力が、この低圧値になっているとき
に、油圧モータ７の出す最高出力は、吊具６を吊具支持
具９に掛けて、ロープ５をウィンチドラム８に巻き込ん
だときに、吊具支持具９を破壊することなく、ロープ５
に所望量の緊張を付与することができる値となっている
。

なお、このようにリリーフ弁１７のリリーフ圧が低圧に
設定されているときにピストン１７′の右端を突出させ
るようにすれば、このものが突出していることを確認す
ることで、オペレータは、油路１６が低圧のリリーフ設
定圧になっていることを知ることができる。

１９は、リリーフ圧力のあらかじめ定められたリリーフ
弁であり、起伏シリンダ４を伸長させてのクレーン作業
の際には、油路１８を介して高圧がリリーフ弁１７のピ
ストン１７′に作用しているものであるために、リリー
フ弁１７のリリーフ圧力よりもこのリリーフ弁１９のリ
リーフ圧力が低くこのものが、回路保護用のリリーフ弁
として機能するものである。

次に作用を説明する。

第１図に示したように、移動式クレーンが走行姿勢にあ
れば、起伏シリンダ４は全線状態にあって、伸長動作側
圧油室７′に連通ずるパイロット油路１８には圧力がた
たず、リリーフ弁１７のリリーフ圧力は低圧値となって
いる。

したがって、吊具６を吊具支持具９に掛けて、方向制御
弁１３を操作して、ウィンチドラム８をロープ５の巻き
込み方向に駆動しても、このときの発生出力は、吊具６
の揺動を防止するのに適しただけの張力をロープ５に付
与するにとどまり、異常な力が吊具支持具９に作用しな
いものであるため、吊具支持具９を破壊することはない
。

また、クレーン作業の際には、起伏シリンダ４を伸長さ
せて、ウィンチドラム８を回転駆動し、荷の吊り上げ吊
り下げを行うものであるが、この際には、起伏シリンダ
４の伸長動作側圧油室４′の発生内圧が高圧となってい
るためリリーフ弁１７のリリーフ設定圧も高圧になって
おり、したがって、従前のものと同様にウィンチドラム
８を回転駆動し荷の上げ下げができるものである。

なおこの際のリリーフ機能はリリーフ弁１９が果たす。

以上を要するに本考案は、基台に基部を枢支したブーム
の適所と基台間に起伏シリンダを配設し、ブームの先端
からはロープを介して吊具を吊り下げこの吊具の昇降制
御を油圧モータを有するウィンチドラムでするようにし
た移動式クレーンにおいて、前記ウィンチドラムのロー
プ巻込み方向への駆動時における油圧モータの圧油側油
路にリリーフ設定圧可変型のリリーフ弁を設けると共に
、このリリーフ弁と前記起伏シリンダの伸長動作側圧油
室間をパイロット油路て連通し、前記リリーフ弁のリリ
ーフ設定圧を前記起伏シリンダの発生内圧の低下ととも
に低下させたので、走行に際して吊具を吊具支持具に掛
ける作業の際とクレーン作業の際には、ウィンチドラム
を駆動する油路のリリーフ設定圧が作業を進めるのにふ
されしい圧力に自動的変わるものであるので、オペレー
タは、吊具の吊具支持具への格納作業を円滑に進めるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は移動式クレーンの走行姿勢の側面図、第２図は
、本考案の一実施例を示す油圧回路図、第３図はＩＪ
ＩＪ−フ設定圧可変型のＩＪ ＩＪ−フ弁の一実施例を
示す。 ２：基台、３：ブーム、４：起伏シリンダ、５：ロープ
、６：吊具、７：油圧モータ、８：ウィンチドラム、１
７：リリーフ設定圧可変型のリリーフ弁、４：伸長動作
側圧油室、１８：パイロット油路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基台に基部を枢支したブームの適所と基台間に起伏シリ
   ンダを配設し、ブームの先端からはロープを介して吊具
   を吊り下げこの吊具を昇降制御を油圧モータを有するウ
   ィンチドラムでするようにした移動式クレーンにおいて
   、前記ウィンチドラムのロープ巻込み方向への駆動時に
   おける油圧モータの圧油側油路にＩＪ ＩＪ−フ設定圧
   可変型のリリーフ弁を設けると共に、このリリーフ弁と
   前記起伏シリンタの伸長動作側圧油室間をパイロット油
   路で連通し、前記リリーフ弁のリリーフ設定圧を前記起
   伏シリンダの発生内圧の低下とともに低下させたことを
   特徴とする移動式クレーンの安全装置。