JPS6011229B2 - 配電器の取付装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は配電器の取付装置の改良に関するもので、特
に正規の取付位置に配電器を取付けたのちは取付位置の
変更を行えなくする装置に関する。

通常、配電器本体を機関ケースに装着することは配電器
本体のハウジングに設けられた取付プレートを機関ケー
スにボルトを介して固定することにより行われている。

また、配電器本体を機関ケースに装着したのち、正規の
機関点火時期に調整するべくボルトを少し緩めた状態で
、取付プレートに形成された長穴（敗付穴）を介して配
電器本体を機関ケースに対し回動させることが行われて
いる。然るに、上述した正規の点火時期は排気ガス浄化
対策等にマッチングして設定されているにも拘らず自動
車の使用者等がボルトを緩めて機関ケースに対する配電
器本体の取付位置を変更して機関点火時期を異ならせる
恐れがあり、排気ガス浄化対策上重大な問題がある。

そこで、従来ではこの不具合点を解消するものとして実
開昭５３−４７４３２号のものがあるが、このものは、
点火時期調整ボルトの頭部に、該ボルトの頭部を封冠す
るキャップを装着することにより行っているため、キャ
ップと調整ボルトと配電器の取付プレートの係止が充分
でないためキャップが調整ボルトから容易に外れ、キャ
ップによる調整ボルトの調整作業防止効果がなくなると
いう問題点があった。

この発明は上記の問題点を解消するためになされたもの
で、固定用のボルトの頭部若しくは該ボルトに螺合され
るナットの螺進によりボルトと取付プレートの取付孔と
の隙間に押圧装着される金属製の位置決め部材を設け、
この位置決め部材の上記隙間における押圧変形により位
置決め部材がボルトと取付プレートとに互いに係着して
位置決め部材とボルトと取付プレートとを一体に固着す
ることによって、位置決め部材を介してボルトと配電器
の取付プレートを強固に固定することができ、そのため
配電器の取付位置の変更が確実に防止できる配電器の取
付装置を提供するものである。

以下、第１図乃至第５図に示す実施例に基づき詳述する
に、各図に於て、１はアルミダイキヤスト等により成形
されたハウジング２と、このハウジング１に競合固定さ
れるキャップ３を含んで製作された配電器本体、４はこ
の配電器本体１が取付けられる内燃機関の機関ケースで
、取付座４ａと挿入孔４ｂとを有する。

５は機関ケース４の取付座４ａの所定位置に楯設された
固定部であるボルト、２ａはハウジング２の筒部２ｂか
ら径方向に延びて一体的に形成された取付プレートで、
第２図に示す形状をなしその蓬方向端部には円弧状の長
孔２ｃが形成されている。

６は上述したボルト５に挿入される孔６ａが形成された
位置決め部村であるスベーサで、第４図第６図に示す球
形状をなし、変形可能な材料例えばアルミニウム等によ
り加工形成されている。

７はボルト５にワッシャ８を介して螺合される固定部材
であるナットである。

以上の通り構成された実施例に於て、配電器本体１を機
関ケース４に取付けるには、先ず配電器本体１の筒部２
ｂを機関ケース４の挿入孔４ｂに挿入し、このとき取付
孔２ｃをボルト５に欧入して、その取付プレート２ａを
機関ケース４の取付座４ａに当援ごせて保持する。

次いで、球状スベーサ６をその孔６ａを介してボルト５
に挿入し、更にワツシャ８を介してナット７をボルト５
に機〈螺合ざせる。（この状態を第３図に示す）この状
態で、配電器本体１をその筒部２ｂを中心として機関ケ
ース４に対し、回動させて機関点火時期を正規に調整（
設定）する。従って、正規の機関点火時期が得られた機
関ケース４に対する配電器本体１の位置が正規の取付位
置となる。ここで、配電器本体１はその取付プレート２
ａの長孔２ｃを介してボルト５の円周上を回動可能であ
るが球状スベーサ６はボルト５に鉄入したままでボルト
５によって移動は阻止され常に定位層にある。而して、
ナット７をボルト５に対して第３図の矢印方向に綿付け
れば球状スベーサ６はワッシャ８を介してナット７の続
付トルクを受けて矢印方向に押圧され長孔２ｃとボルト
５との間隙Ａ内に変形しながら侵入することになる。こ
の球状スベーサ６の間隙Ａ内への侵入はナット７がワツ
シャ８を介して機関ケース４の取付座４ａに当援するま
で継続される。

その結果、球状スベーサ６が大なる押圧力を受けて間隙
Ａ内に圧入されると球状スべ−サ６と取付プレート２ａ
及びボルト５とは一体的に固着されることになる。（こ
の状態を第１図に示す）特に、球状スベーサ６と取付プ
レート２ａとは同一材料艮０ちアルミニウムであるため
熱（摩擦熱）溶着し、その固着力は極めて大である。上
述した作業は通常自動車の組立ラインで行われるもので
あり、市場に販売されたのち使用者等が機関点火時期を
正規とは異ならせようとナット７を緩めたとしても球状
スべ−サ６は取付プレート２０と一体的な固着関係にあ
り、しかも、球状スべ−サ６がボルト５に確実に固着し
ているため配電器本体１を機関ケース４に対し回動させ
ることは全く不可能となる。

従って、一般市場に於ては機関点火時期の変更が実質的
に不可能となり、正規の機関点火時期が長期間保持でき
、排気ガス対策、燃費向上等に大きく貢献し得るものと
なる。

第６図第７図は第１の他の実施例を示すもので、球状ス
ベーサ６に代り、鋼板により加工形成されたりング状板
ばね９を用い、またナット７もリング状板ばね９が押圧
容易な如くワッシャ８と取付プレート２の長孔２ｃの径
よりは若干小さし、押圧部１０とを一体形成したものを
用いる。

尚、リング状板ばね９の外径は第７図に示す如く長孔２
ｃのよりは大きく形成している。而して、その取付けは
第７図に示す如くリング状板ばね９をその孔９ａを介し
てボルト５に挿入し、ナット７をボルト５に螺合して締
付けることによりリング状板ばね９はナット７の押圧部
１０‘こよって押圧され間隙Ａ内に保持され、リング状
板ばね９の外端は最孔２ｃの内周部に係合し、その内端
はボルト５の外周部に係合することになり（この状態を
第６図に示す。）その結果リング状板ばね９は取付プレ
ート２ａ及びボルト５に一体的に固着され、上述した実
施例と同機の作用効果を呈する。第８図第９図は第２の
他の実施例を示すもので、第９図に示すボルト５に挿入
するめの孔１１ａとばね力を発するためのスリット１１
ｂとを有するロールピン１ １をナット７の縦付力によ
って取付プレート２ａの長孔２ｃに圧入して取付プレー
ト２ａとロールピン１１を一体的に固着するものである
。第１０図は第３の他の実施例を示すもので、取付プレ
ート２ａを固定するものとしてナット７に代り、ボルト
１２を用いたものである。

このためには機関ケース４の取付座４ａに雌ねじ１３を
形成している。これは、上述した各実施例にも適用でき
るものである。尚、上述した各実施例は取付プレート２
ａはハウジング２に一体成形したが、鉄板等により形成
された別部品の取付プレートをハウジング２にねじ等に
よって固定して構成してもよい。

以上の通りこの発明は、ボルトの頭部若しくは該ボルト
に螺合されるナットの螺進によりボルトと取付プレート
の取付孔との隙間に押圧装着される金属製の位置決め部
材を設け、この位置決め部材の上記隙間における押圧変
形により位置決め部材がボルトと取付プレートとに互い
に係着して位置決め部材とボルトと取付プレートとを一
体に固着することにより、位置決め部材を介してボルト
と配電器の取付プレートとを強固に固定することができ
、そのため確実に配電器の取付位置の変更が不可能にで
きる効果があり、常に正規の機関点火時期に保持でき得
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の正面断面図、第２図は取
付プレート２ａの菱部平面図、第３図は取付状態を示す
要部断面図、第４図第５図は球状スベーサ６の断面及び
平面図、第６図は第１の他の実施例を示す要部断面図、
第７図はその取付状態を示す要部断面図、第８図は第２
の他の実施例を示す要部断面図、第９図はリング状板ば
ね１１の斜視図、第１０図は第３の他の実施例を示す要
部断面図である。 図に於て、１は配電器本体、２はハウジング、２ａは取
付プレート、２ｂは筒部、２ｃは長孔、４は機関ケース
、４ａは取付座、４ｂは挿入孔、５，１２はボルト、６
は球状スベーサ、７はナット、８はワツシャ、９はリン
グ状板ばね、１川ま押圧部、１１はロールピン、１３は
雌ねじである。 尚、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。第１
図 第２図 第３図 第４図 第５図 第６図 第７図 第８図 第９図 第１０図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 配電器に設けられ取付孔が形成されてなる取付プレ
   ート、上記取付孔に対応した位置に固定部が設けられ上
   記配電器が取付けられる機関ケース、上記取付孔に隙間
   を介して貫通し上記固定部に螺着されるボルト、及び上
   記ボルトの頭部若しくは該ボルトに螺合されるナツトの
   螺進により上記ボルトと上記取付孔との隙間に押圧装着
   される金属製の位置決め部材を備え、上記位置決め部材
   の上記隙間における押圧変形により上記ボルトと上記取
   付プレートとに互いに係着して上記位置決め部材と上記
   ボルトと上記取付プレートとを一体に固着するようにし
   た配電器の取付装置。